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雪女篇

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 中腰になって、初めて会ったばかりの少女にそう言った。

 これが、灯真とうまの母・知世と雪菜ゆきなの出会いだった————


「本当にお前ら親子は、あやかしに優しすぎる。いつ、悪霊あくりょうになってもおかしくない妖と友達になろうなど、おかしな話だな……」

 灯真の顔を覗き込みながら、体を優しく抱いた。暖かい温もりは、冷たくも少しでも心を和らいであげようと必死になる雪菜。

 彼女ができることはただ、見守ることしかできない。人の怪我けがは妖には治せないのだ。

「馬鹿な子だ。今回はしっかりと主従の関係を結んでもらうぞ、灯真様……」

 耳元でそっとささやくと、雪菜はその場から姿を消した。
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