上 下
103 / 125
雪女篇

101

しおりを挟む
 最後の一口を口の中に入れ、のどを通して胃の中へと流れていく。

 もう一度、手を合わせるといきなり倒れた。

「どうだった? 人の食べ物というのも悪くないでしょ?」

「ああ、だから約束するよ」

 仰向けで覗き込む知世ともよを見た。

「これから先はあんたの契約者となってやるよ。まあ、用心棒ようじんぼうみたいなところだけどな……」

「あら、私はそんな風に恩を返さなくてもいいわよ。だったら、私の友達になってよ。どんな形とあれ、上とか下とか、差別をするのが私は嫌いなの。だから、あなたも私を友人のように接してくれると嬉しいわ」
しおりを挟む

処理中です...