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雪女篇
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『美味そうな餌が二匹もいるなぁ……。ん? これは人間の匂いがする!』
妖の声、どこからか巨大な妖気が流れ込む。
その声の主は一瞬で灯真の背後に回っていた————
灯真は、すぐに後ろを振り返ると、その妖はいきなり両手を伸ばして首を取ろうとしてきた。
「私の獲物に手を出すな! っ……。なっ……」
灯真を庇って、雪菜はその妖に首を握りしめられた。
彼女は宙に浮き、もがきながらも相手の手を退かせようと必死になる。
「雪菜! おい、お前! そいつから手を退け! 雪菜は妖だぞ!」
「人間も妖も俺にとってはどうでもいいんだよ。それに妖力の弱い妖を喰って俺はさらにこの地域の王となるのさ! 貴様もそれなりに能力が高いらしいな」
全身黒の高さ六メートル程の中の上の妖だ。
妖の声、どこからか巨大な妖気が流れ込む。
その声の主は一瞬で灯真の背後に回っていた————
灯真は、すぐに後ろを振り返ると、その妖はいきなり両手を伸ばして首を取ろうとしてきた。
「私の獲物に手を出すな! っ……。なっ……」
灯真を庇って、雪菜はその妖に首を握りしめられた。
彼女は宙に浮き、もがきながらも相手の手を退かせようと必死になる。
「雪菜! おい、お前! そいつから手を退け! 雪菜は妖だぞ!」
「人間も妖も俺にとってはどうでもいいんだよ。それに妖力の弱い妖を喰って俺はさらにこの地域の王となるのさ! 貴様もそれなりに能力が高いらしいな」
全身黒の高さ六メートル程の中の上の妖だ。
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