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雪女篇

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 これはあまりにも自分には扱えるものではないと思ったのだ。

 もう一つの書物は、まだ新しい雰囲気があり、やはりそれも同じ内容が書かれてあったが、字は女性が書いたように思えた。自分よりも前に誰かがこの本を見て書いたのかもしれない。

 だったらなんで、こんな所に隠されていたのだろう。

「ここに記されている術って俺には重たすぎるな……。でも、あの妖怪だけはどうにかしないと……」

 灯真は、悩みに悩んだ。

 この本を所有するか、しないか。自分の命の選択も同じだった。

 すると、蔵の隅から物音が聞こえた。そして、何か言っている。 
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