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雪女篇

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 頭の上に冷たい水で洗い絞って畳んでおいたタオルと載せた。

 露天風呂と外の雪、それにこの太陽が沈む頃の夕日がちょうどいい。

 彼らはこれを楽しみにするためにここに集まっているのだろう。

 しかし、さっきの女の人の声だった。棘の刺さった声だったが、今は危害を加える気が無いらしい。

『貴様、ここで何をしている? 人の子よ。貴様は何をそんなに悲しい顔をしているのだ?』

 さっきの声だ。やはり、誰かがこの近くにいる。

「お前こそ、ここで何をしているんだ? 姿を見せろ! どこにいる!?」

 立ち上がって、その声の主に問いかける。

『なら、私を見つけてみるがいい。いや、貴様はあやかしが視えるのだろ? だったらすぐに分かるはずだ』

「なんで俺が視えると分かるんだ?」

『さっきからあふれ出ているその霊力こそがその正体の証だ』

 笑いをこらえているようなしゃべり方だった。どうやら、灯真の秘密を知っているらしい。 
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