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雪女篇

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 服は脱衣所で脱ぐのをやめ、かごの中にシャンプーと未開封の石鹸を入れ、シャワーの近くにある濡れにくい場所に置くと、服を脱ぎ始めた。

 上から脱ぎ始め、寒さに耐えながら全裸になるのに一、二分かかった。

「寒い、せめて周りをガラス張りの窓でも張ってくれるといいんだけど……。それじゃあ、ただの温泉になるよな……」

 腕を組みながら、タオルを肩に載せて鏡の前にある椅子に腰を掛けると、温度調節を左に回し、一気に五十度まで引き上げた。

 お湯を出そうと、蛇口を捻ると冷水が出てきた。

「わあっ! 冷たい!」

 すぐに蛇口を閉め、タオルで髪の毛を拭く。 
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