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雪女篇
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「へぇ、一応沸かしてあるんだ。ふーん……」
露天風呂を見つめながらブラシを取り出し磨き始める。
小さな妖たちが、お酒を飲みながら先に露天風呂に浸かっていた。
「一番風呂じゃないのか……。ま、別にそれはいいけど……」
灯真は、黙々と石床を洗い、シャワーで汚れを隅の方に流していく。曇った窓ガラスは、一度タオルで拭いてみるが、すぐに曇ってしまい使い物にならない。
露天風呂が外にあるのは冬の風物詩にしてはいいのだが、少しでも離れた場所にいると、マイナス気温の世界にいる。脱衣所から裸になって湯船に浸かるまでの短い距離が地獄になっているのだ。
足元が滑らないことを確認し、周りに熊や猪、鹿がいないかを確認した。だが、普通の人間ならここまでしか確認しない。灯真にはもう一つ確認しなければならない生き物がいる。それが妖だ。今は、害のない弱い妖怪たちがいるのだが、もし、この雪の中に大物が現れたらひとたまりもない。
露天風呂を見つめながらブラシを取り出し磨き始める。
小さな妖たちが、お酒を飲みながら先に露天風呂に浸かっていた。
「一番風呂じゃないのか……。ま、別にそれはいいけど……」
灯真は、黙々と石床を洗い、シャワーで汚れを隅の方に流していく。曇った窓ガラスは、一度タオルで拭いてみるが、すぐに曇ってしまい使い物にならない。
露天風呂が外にあるのは冬の風物詩にしてはいいのだが、少しでも離れた場所にいると、マイナス気温の世界にいる。脱衣所から裸になって湯船に浸かるまでの短い距離が地獄になっているのだ。
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