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雪女篇

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 歯に冷たさが伝わり、全身に広がっていく。

「冷たっ! 雪! これ団子じゃないぞ! 見た目は本物だが、シャーベット状になっているぞ!」

「私のせいにするんですか! 息を吐くとき、間違って冷気出してしまっただけですよ!」

「それがダメだって言っているんだろうが! 大体、一度は自分で味見してみろよ」

「味見はしましたよ! 美味しかったですよ」

「雪の舌じゃ、俺の舌に合うわけがないだろ? 母さんに頼めばおいしいかどうかわかるだろ?」

「そうしてみたんですが、『作った相手に対して込められた料理は食べられないわ。もったいない』と言われました」

「逃げたな……」 
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