14 / 16
第1章 インターハイ予選
009 インターハイ予選Ⅸ
しおりを挟む
紀行の質問に簡単に答えながら、PCのデータに修正を入れて、ENTERキーのボタンを押した。
皆が話している間に和弥は逆転して5—4とし、そして、40—30のマッチポイントになっていた。
トスを上げて、高く上がったボールを高い打点でスイングして、センターにフラットサーブを打った。白石はフォアハンドでボールを捕らえて、リターンする。それをクロス側に返して、白石が右側に移動しようとしているのを見て、和弥がもう一度クロス側に打って、試合を決めた。
「ゲームセット。カウント6—4」
試合が終わる合図が聞こえ、和弥はその場で倒れた。体の負担が限界を通り過ぎ、力が抜けていく。
(やっと終わった……。勝った!勝ったぞ!)
深呼吸をしながら数十秒後にゆっくりと立ち上がると、待っている白石の方へ行き、ネットを挟んで握手を交わした。一日目の日程はここで終わり、主審から記録用紙を預かると自分のテニス道具を直して、それを自分のチームのベンチに置いた後に、ボールと一緒に本部席に歩いて行った。
「13番コート終わりました。桜坂高校の優木が勝ちました」
和弥は記録用紙とボール、それに掲示板に貼ってある対戦カードのマグネットを係員に渡した。本部席には他の一回戦を勝ち抜いた選手がぞろぞろといて、窮屈だった。その後、東郷に試合報告をしに行き、助言や試合の反省などを告げるとチームの観客席に戻った。
今日の全日程が終了し、荷物を持って、近くの宿泊所に移動した。宿泊所は海が目の前で朝日が昇るとき、景色が綺麗な場所である。和弥たちは試合の疲れを温泉で全部流していた。
「でも、団体、個人戦共々、全員の来れてよかったよな」
温泉に浸かりながら、和弥が言った。
「お前はほぼアウトだっただろうが!あんな試合をして、よくもまあ言えたものだな!」
紀行は眼鏡を外しており、視界がぼやけて誰が誰なのかはっきりとしない状態だった。温泉の湯気で周りがほとんど見えない。この隣は女湯であり、女子の声も聞こえてくる。
「ねぇ、この温泉。いい匂いがするわよ。それに効能効果があって、いいらしいわ!」
「理奈の体ってなんでこんなにすべすべなの?」
「先輩の胸。思ったよりも大きいですね‼」
と、壁の向こう側から女子たちの楽しそうで男心を惑わせる誘惑な声がなんともいやらしい。
「なあ、この向こうには花園があるのか?」
「ああ、あの向こうには天国……いや、それ以上のものがあるはずだ!」
皆が話している間に和弥は逆転して5—4とし、そして、40—30のマッチポイントになっていた。
トスを上げて、高く上がったボールを高い打点でスイングして、センターにフラットサーブを打った。白石はフォアハンドでボールを捕らえて、リターンする。それをクロス側に返して、白石が右側に移動しようとしているのを見て、和弥がもう一度クロス側に打って、試合を決めた。
「ゲームセット。カウント6—4」
試合が終わる合図が聞こえ、和弥はその場で倒れた。体の負担が限界を通り過ぎ、力が抜けていく。
(やっと終わった……。勝った!勝ったぞ!)
深呼吸をしながら数十秒後にゆっくりと立ち上がると、待っている白石の方へ行き、ネットを挟んで握手を交わした。一日目の日程はここで終わり、主審から記録用紙を預かると自分のテニス道具を直して、それを自分のチームのベンチに置いた後に、ボールと一緒に本部席に歩いて行った。
「13番コート終わりました。桜坂高校の優木が勝ちました」
和弥は記録用紙とボール、それに掲示板に貼ってある対戦カードのマグネットを係員に渡した。本部席には他の一回戦を勝ち抜いた選手がぞろぞろといて、窮屈だった。その後、東郷に試合報告をしに行き、助言や試合の反省などを告げるとチームの観客席に戻った。
今日の全日程が終了し、荷物を持って、近くの宿泊所に移動した。宿泊所は海が目の前で朝日が昇るとき、景色が綺麗な場所である。和弥たちは試合の疲れを温泉で全部流していた。
「でも、団体、個人戦共々、全員の来れてよかったよな」
温泉に浸かりながら、和弥が言った。
「お前はほぼアウトだっただろうが!あんな試合をして、よくもまあ言えたものだな!」
紀行は眼鏡を外しており、視界がぼやけて誰が誰なのかはっきりとしない状態だった。温泉の湯気で周りがほとんど見えない。この隣は女湯であり、女子の声も聞こえてくる。
「ねぇ、この温泉。いい匂いがするわよ。それに効能効果があって、いいらしいわ!」
「理奈の体ってなんでこんなにすべすべなの?」
「先輩の胸。思ったよりも大きいですね‼」
と、壁の向こう側から女子たちの楽しそうで男心を惑わせる誘惑な声がなんともいやらしい。
「なあ、この向こうには花園があるのか?」
「ああ、あの向こうには天国……いや、それ以上のものがあるはずだ!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ボッチによるクラスの姫討伐作戦
イカタコ
ライト文芸
本田拓人は、転校した学校へ登校した初日に謎のクラスメイト・五十鈴明日香に呼び出される。
「私がクラスの頂点に立つための協力をしてほしい」
明日香が敵視していた豊田姫乃は、クラス内カーストトップの女子で、誰も彼女に逆らうことができない状況となっていた。
転校してきたばかりの拓人にとって、そんな提案を呑めるわけもなく断ろうとするものの、明日香による主人公の知られたくない秘密を暴露すると脅され、仕方なく協力することとなる。
明日香と行動を共にすることになった拓人を見た姫乃は、自分側に取り込もうとするも拓人に断られ、敵視するようになる。
2人の間で板挟みになる拓人は、果たして平穏な学校生活を送ることができるのだろうか?
そして、明日香の目的は遂げられるのだろうか。
ボッチによるクラスの姫討伐作戦が始まる。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる