2 / 7
夏の落語会
寿限無 1
しおりを挟む
出囃子と拍手が鳴り、何文太は高座に上がり拍手が鳴りやんだ頃合いをみて客席に一礼をする
「え~本日は蝉がミンミンと騒がしくしているなかをお越しいただきますありがとうございます、今は夏休みと言うことで、こうして少し高い所から右から左へずらっと見渡しましても、お子さまがちらほらと見受けられます、余程暇なのかそれとも夏休みの宿題のネタ探しなのか、そこのお子さんは夏休みの宿題終わったかい?え?まだ、それは帰ったらやんなきゃいけないね、もうすぐ夏休み終わるからさ、と言ってもまだ半月ほど残ってるけれどね」
マクラを話しながら客席にいる子供に話しかけ夏休みの宿題の進展をきっかけにに興味をもって貰うつもりようだ
「まぁ、かくいう私もね宿題は夏休みの終わる直前までほとんど手を付けなかったんですけどね、そのせいで教師とか親に拳骨を食らった事もあるんですけど、まぁ面倒な事はなかなか手をつけられないってのは人情ですんでね、致し方ないかとおもいますが、名前ってのはそうも行かない」
マクラを終え羽織を脱ぎ、話しに入っていく
「さて、とある長屋に一つの夫婦がおりました、この夫婦、子供がおぎゃあと生まれて七日立つというのに、夫婦が不精なせいかまだまだ名前がつかない」
「『ちょいと、ちょいとあんた、起きとくれよ』」
人を起こす仕草をしながら女房を演ずる
「『んだよ…うるせぇな、』
『なんだよじゃないよ、名前だよ名前』
『名前?おらぁ、熊だよ知ってんだろ』
『あんたの名前じゃないよ、子供の名前だよいつまでも名無しの権部って訳にいかないだろ、もう産まれてから七日も立つんだよ、いい加減決めないと』
『あ~初七日だっけか?』
『縁起の悪いこと言うんじゃないよ、お七夜って言うんだよ』
『急に言われてもねぇ、直ぐには思い付かねぇよ』
『9じゃなくて七日だって言ってんだろ、仕方ないねぇ、裏のご隠居さんの所行っといで』
『なんで隠居の所になんかいかなきゃなんねぇんだよ』
『あのご隠居さん、物知りで有名だろ、だからさちょいと、行っていい案を貰って来なさいな、ただ行って【名前考えて頂戴よ】じゃいけないよ、あの人は自分は生き字引を自称してるからね、適当に煽ててやったら名前の一つや二つ考えてくれるよ、ほら行ってきな』
『わかったよ、行ってくるよ』
ってんで、この熊さん家を出ると、裏隣のご隠居さんの所に行った」
「え~本日は蝉がミンミンと騒がしくしているなかをお越しいただきますありがとうございます、今は夏休みと言うことで、こうして少し高い所から右から左へずらっと見渡しましても、お子さまがちらほらと見受けられます、余程暇なのかそれとも夏休みの宿題のネタ探しなのか、そこのお子さんは夏休みの宿題終わったかい?え?まだ、それは帰ったらやんなきゃいけないね、もうすぐ夏休み終わるからさ、と言ってもまだ半月ほど残ってるけれどね」
マクラを話しながら客席にいる子供に話しかけ夏休みの宿題の進展をきっかけにに興味をもって貰うつもりようだ
「まぁ、かくいう私もね宿題は夏休みの終わる直前までほとんど手を付けなかったんですけどね、そのせいで教師とか親に拳骨を食らった事もあるんですけど、まぁ面倒な事はなかなか手をつけられないってのは人情ですんでね、致し方ないかとおもいますが、名前ってのはそうも行かない」
マクラを終え羽織を脱ぎ、話しに入っていく
「さて、とある長屋に一つの夫婦がおりました、この夫婦、子供がおぎゃあと生まれて七日立つというのに、夫婦が不精なせいかまだまだ名前がつかない」
「『ちょいと、ちょいとあんた、起きとくれよ』」
人を起こす仕草をしながら女房を演ずる
「『んだよ…うるせぇな、』
『なんだよじゃないよ、名前だよ名前』
『名前?おらぁ、熊だよ知ってんだろ』
『あんたの名前じゃないよ、子供の名前だよいつまでも名無しの権部って訳にいかないだろ、もう産まれてから七日も立つんだよ、いい加減決めないと』
『あ~初七日だっけか?』
『縁起の悪いこと言うんじゃないよ、お七夜って言うんだよ』
『急に言われてもねぇ、直ぐには思い付かねぇよ』
『9じゃなくて七日だって言ってんだろ、仕方ないねぇ、裏のご隠居さんの所行っといで』
『なんで隠居の所になんかいかなきゃなんねぇんだよ』
『あのご隠居さん、物知りで有名だろ、だからさちょいと、行っていい案を貰って来なさいな、ただ行って【名前考えて頂戴よ】じゃいけないよ、あの人は自分は生き字引を自称してるからね、適当に煽ててやったら名前の一つや二つ考えてくれるよ、ほら行ってきな』
『わかったよ、行ってくるよ』
ってんで、この熊さん家を出ると、裏隣のご隠居さんの所に行った」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
作ろう! 女の子だけの町 ~未来の技術で少女に生まれ変わり、女の子達と楽園暮らし~
白井よもぎ
キャラ文芸
地元の企業に勤める会社員・安藤優也は、林の中で瀕死の未来人と遭遇した。
その未来人は絶滅の危機に瀕した未来を変える為、タイムマシンで現代にやってきたと言う。
しかし時間跳躍の事故により、彼は瀕死の重傷を負ってしまっていた。
自分の命が助からないと悟った未来人は、その場に居合わせた優也に、使命と未来の技術が全て詰まったロボットを託して息絶える。
奇しくも、人類の未来を委ねられた優也。
だが、優也は少女をこよなく愛する変態だった。
未来の技術を手に入れた優也は、その技術を用いて自らを少女へと生まれ変わらせ、不幸な環境で苦しんでいる少女達を勧誘しながら、女の子だけの楽園を作る。
つくもむすめは公務員-法律違反は見逃して-
halsan
キャラ文芸
超限界集落の村役場に一人務める木野虚(キノコ)玄墨(ゲンボク)は、ある夏の日に、宇宙から飛来した地球外生命体を股間に受けてしまった。
その結果、彼は地球外生命体が惑星を支配するための「胞子力エネルギー」を「三つ目のきんたま」として宿してしまう。
その能力は「無から有」。
最初に付喪としてゲンボクの前に現れたのは、彼愛用の大人のお人形さんから生まれた「アリス」
その後も次々と(主にアリスの)欲望によって、付喪を生み出していくゲンボク。
さあ、爺さん婆さんばかりの限界集落から、ちょっとおかしい日常を発信だ!
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
【未完】妖狐さんは働きたくない!〜アヤカシ書店の怠惰な日常〜
愛早さくら
キャラ文芸
街角にある古びた書店……その奥で。妖狐の陽子は今日も布団に潜り込んでいた。曰く、
「私、元は狐よ?なんで勤労なんかしなきゃいけないの。働きたいやつだけ働けばいいのよ」
と。そんな彼女から布団を引っぺがすのはこの書店のバイト店員……天狗と人のハーフである玄夜だった。
「そんなこと言わずに仕事してください!」
「仕事って何よー」
「――……依頼です」
怠惰な店主のいる古びた書店。
時折ここには相談事が舞い込んでくる。
警察などでは解決できない、少し不可思議な相談事が。
普段は寝てばかりの怠惰な陽子が渋々でも『仕事』をする時。
そこには確かに救われる『何か』があった。
とある街の片隅に住まう、人ならざる者達が人やそれ以外所以の少し不思議を解決したりしなかったりする短編連作。
……になる予定です。
怠惰な妖狐と勤勉な天狗(と人とのハーフ)の騒がしかったりそうじゃなかったりする日常を、よろしれば少しだけ、覗いていってみませんか?
>>すごく中途半端ですけど、ちょっと続きを書くのがしんどくなってきたので2話まででいったん完結にさせて頂きました。未完です。
スラッシュ/キーダー(能力者)田母神京子の選択
栗栖蛍
キャラ文芸
雪の降る大晦日、京子は帰省中の実家で招集命令を受けた。
東京で大きな爆発が起きたという。
一人新幹線に飛び乗った京子はまだ15歳で、キーダーとして最初の仕事になるはずだった──。
事件は解決しないまま5年が過ぎる。
異能力者がはびこる日本と、京子の恋の行く末は──?
エピソード1は、そんな京子の話。
エピソード2と3は高校生の男子が主人公。同じ世界に住む二人のストーリーを経て、エピソード4で再び京子に戻ります。
※タイトル変えてみました。
『スラッシュ/異能力を持って生まれたキーダーが、この日本で生きるということ。』→『スラッシュ/キーダー(能力者)田母神京子の選択』
※カクヨム様・小説家になろう様・ノベリズム様にも同じものをアップしています。ツギクル様にも登録中です。
たくさんの人に読んでいただけたら嬉しいです。
ブクマや評価、感想などよろしくお願いします。
1日おきの更新になりますが、特別編など不定期に差し込む時もあります。
マーちゃんの深憂
釧路太郎
キャラ文芸
生きているもの死んでいるものに関わらず大なり小なり魔力をその身に秘めているものだが、それを上手に活用することが出来るモノは限られている。生まれつきその能力に長けているものは魔法使いとして活躍する場面が多く得られるのだが、普通の人間にはそのような場面に出会うことも出来ないどころか魔法を普通に使う事すら難しいのだ。
生まれ持った才能がなければ魔法を使う事すら出来ず、努力をして魔法を使えるようになるという事に対して何の意味もない行動であった。むしろ、魔法に関する才能がないのにもかかわらず魔法を使うための努力をすることは自分の可能性を極端に狭めて未来を閉ざすことになる場合が非常に多かった。
しかし、魔法を使うことが出来ない普通の人たちにとって文字通り人生を変えることになる世紀の大発明が今から三年前に誕生したのだ。その発明によって魔力を誰でも苦労なく扱えるようになり、三年経った今現在は日本に登録されている魔法使いの数が四千人からほぼすべての国民へと増加したのだった。
日本人の日本人による日本人のための魔法革命によって世界中で猛威を振るっていた魔物たちは駆逐され、長きにわたって人類を苦しめていた問題から一気に解放されたのである。
日本のみならず世界そのものを変えた彼女の発明は多くの者から支持され、その名誉は永遠に語り継がれるであろう。
設定・用語解説は別に用意してあります。
そちらを見ていただくとより本編を楽しめるとは思います。
「マーちゃんの深憂 設定・用語集」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/863298964/650844803
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる