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第一章 はじまり
お祭り 1
しおりを挟む前回の『【アルフレッド視点】邪魔者』のお話が前後の話と合わないので一旦削除して新しい話を追加します。
また、冒頭の『私はイザベル、公爵令嬢です』の話に前世の子供についての表現を追記しています。
内容が変更になってしまい申し訳ありませんが、読者の皆様に喜んでいただけるお話にしたいので、何卒ご理解いただければと思います。どうぞ、よろしくお願い致します(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
* * *
んーー!
今日もマナーレッスンやらお勉強やら、よく頑張ったわ。
そんな事を思いながらぐぐーっと伸びをしながら窓の外を眺めていると、ふといつも花が活けられている花瓶の傍に何かが落ちている事に気が付いた。
あれ? 何だろう。
「お嬢様、如何されましたか?」
「アニー、何か落ちていたみたいなの」
見た感じ、カラフルな組紐のようだけど。
「これは……組紐のようですね」
「やっぱりそうよね」
「ええ。もしかしたらここを清掃したメイドが落としたのかも知れませんね」
うーん名前がないから誰が落としたのか分からないなぁ、と思っていると小さくコンコンッと扉を叩く音が聞こえた。
「あ、はい」
アニーが代わりに扉を開けると、一人のメイドが立っていた。
「申し訳ありません、落し物をしたようで……」
「あ、もしかしてこれかしら?」
「ああ、そうです!」
余程大切なものだったのか、組紐を見たメイドは涙目だ。
「はい、どうぞ」
そのまま返してあげると、メイドは涙目のまま「実は先日のお祭りで恋人に買ってもらった大切な組紐だったのです。拾っていただいて本当にありがとうございます」と事情を説明してくれた。
「まぁ、それは大事な物ね。次回からは落とさないように気をつけてね」
メイドは「はい!」と勢いよく返事をし、深々とお辞儀をしながら部屋から出て言った。
「無事に持ち主が見つかって良かったわ」
「ええ、そうですね」
そういえばさっきのメイドはお祭りに行ったと言っていたわね。
ふーむ、お祭り……かぁ。
そういえば、この前の視察は最後まで出来なかったし、保育園が出来てからまだイベント事をやっていない。
そうだ!
園内でお祭りとかやってみるのはどうかしら? 参加者は園児と保護者のみに限定すればそこまで規模も大きくならないだろうし。
「様……お嬢様?」
「あ、はい!」
「何か考え事ですか」
「ええ。ちょっとしたアイディアが浮かんだの」
「?」
アニーは何の事か分からない様子で首を傾げたが「では、夕食時にまたお声掛けします 」と空気を読んで部屋から出て行った。
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