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第一部 旅立ち篇
六の扉 カーディナル家は死なず
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カーディナル家の屋敷は惨憺たるありさまだった。
門はひしゃげ、庭は掘り返され、柱は折られている。
壁は崩されているし、床は引っぺがされている。天井にさえ穴が空いている。
もはや、家と言うより家の残骸。
そう言った方が近いありさまだった。無傷の部分が大貴族の屋敷らしく贅沢だが下品ではない、上品な優美さを見せているだけに損壊部分のひどさが目に付いた。
空き家を荒らす強盗に襲われた家だってここまでひどいことになりはしない。突如としてやってきた兵隊たちが『隠されている毒物を見つけるため』と称してさんざんに荒らしていった、その結果だった。
初老の執事が兵士たちの前に立ちはだかり『隠している毒物などない』といくら抗議しても兵士たちは気にもとめなかった。その太い腕で執事を押しのけ、ズカズカと屋敷内に入り込み、部屋という部屋を荒らし回り、柱をへし折り、床を引きはがし……乱暴狼藉の限りを尽くしていった。そして、カーディナル家が代々、編纂してきた貴重な資料や、大金をはたいて遠い未開地から運ばせた薬草などをあらかた持ち去った。屋敷内の宝石やら美術品やらも一緒に持ち去ったのは――。
どう考えても任務外の行いだったが。
屋敷の一角には黒く焼け焦げた場所まであった。
兵士たちの一部が帰り際『汚れた毒を浄化する』などと称して火を付けていったのだ。使用人の一団があわてて消し止めたのでボヤですんだが、使用人たちの受けた心理的な衝撃は計り知れないものだった。
初老の執事グルック。
厳格なハウスキーパー、シュレッサ。
大柄なコック、サマンサ。
次期執事と目される若きフットマン、サーブ。
いつも陽気なコーチマンのハザブ。
偏屈だが腕の良いガーデナー、カント。
まだ一二歳になったばかりのボーイの少年、ルークス。
無傷のものはひとりもいない。皆、どこかしら怪我を負っていた。兵士たちの狼藉から主の屋敷を守ろうと立ちはだかり、武器をもった腕で吹き飛ばされたのだ。
サーブにいたっては折れた腕を間に合わせの布で吊っている。まだ若く、体力のあるかの人はとくに執拗に兵士たちに立ち向かい、そのために、ひときわ手ひどく痛めつけられたのだ。
「……カーディナル家もこれで終わりか」
執事のグルックが呟いた。
一〇歳のときに見習いのボーイとして奉公に入り、以来、四代の主に対して忠実に仕えつづけ、執事にまで登りつめた。そのグルックにとってカーディナル家のこんなありさまを見せつけられることは自分の臓物を斬り裂かれるよりも辛いことだった。
その他の使用人たちもグルックの言葉にうなずくかのようにうなだれている。
いつも陽気で、口さえ開けばジョークばかり。グルックやシュレッサからは『カーディナル家の使用人なのだから軽薄な態度を取らないように』と注意されてばかりのコーチマンのハザブでさえ、いつもの陽気さを忘れ去り、疲れはてた表情をしていた。口の端から血が垂れているのは兵士のひとりと殴り合いを演じた際、顔面に拳を食らって口のなかを切ったからだ。
単に兵士に荒らされたという、それだけのことならここまで落ち込むこともなかっただろう。カーディナル家の使用人たちを絶望させたのは、それよりもむしろ町の人々の態度だった。
兵士たちによって屋敷を荒らされ、殴り飛ばされる。
その姿を目撃しても町の人々は怒りの表情ひとつ見せようとはしなかった。それどころか、関わり合いになりたくないとばかりに屋敷の前を足早に通り過ぎ、なかには唾を吐きかけていくものまでいる始末。
人は理不尽を嫌う。
善人が幸福になり、悪人が報いを受ける世界を望む。
善人が不幸になり、悪人がのうのうと生き続ける。
そんな世界は望まない。
ひどいことをした人間はひどい目に遭って欲しい。
そう望む。
その望みの行く就くところ『ひどい目に遭うのは、ひどいことをしてきたからだ』という発想の逆転が起こる。何も悪いことをしていない人間が理不尽なひどい目に遭うことが耐えられないために。
その心理の行き着くところ、町の人々は、
『兵士たちがあそこまでやるなんて、相当に悪いことをしていたにちがいない』
そう信じた。
そう信じることで世の理不尽さから目をそらした。
そして、もちろん、兵士たちはその効果を狙ってカーディナル家を手ひどく痛めつけたのだ。国王アルフレッドの指示によって。
町の人々、これまで親しく交流をもち、薬師として心身を守るなかで感謝し、敬愛してくれた町の人々。その人々でさえいまやカーディナル家が毒物を用いて王家を操った極悪非道の一族だと信じている。
その現実が、忠実な執事をして言わしめたのだ。
『カーディナル家もこれで終わりか』と。
その言葉に言い返すものは誰もいなかった。いないと思われた。だが――。
「何を言ってるんですか!」
甲高い声が響いた。
集中した視線の先にいたのは私服姿のまだ一〇代の少女だった。
制服を着込んでいない使用人。それは、女主人に付き従う侍女の立場にあることを示していた。
侍女メリッサ。
三年前、ラベルナの両親が死亡し、ラベルナが当主の地位を継いだ。その際、大貴族とのつながりを望んだ下級貴族の父の計らいで、ラベルナ付きの侍女として屋敷に仕えることになった。幸い、ラベルナにも気に入られ、以来、女主人の側を離れることなく付き従ってきた。
ラベルナが地下牢に幽閉されたと聞いたときには単身、王宮の飛び込み、
「自分はラベルナさま付きの侍女です! ラベルナさまが地下牢に幽閉されるというならわたしもお供します!」と主張した。
その後、累が及ぶことを怖れた父から家に帰るよう言われたときも、
「わたしはラベルナさまの侍女です!」と、断固として拒否した。
そのメリッサはいま、最愛の伴侶を亡くしたばかりのようにうなだれる他の使用人相手に一喝していた。
「わたしたちがあきらめてどうするんですか⁉ ラベルナさまはいま、王宮の地下牢でただおひとりで戦っていらっしゃるんですよ! ラベルナさまがご不在の間、わたしたちがカーディナル家を守らなければならないんじゃないですか!」
いまこの場にいる使用人のなかでメリッサより年下と言えば、まだ一二歳のボーイのルークスただひとりなのだが、メリッサはそんなことはお構いなしに年長の使用人たちを鼓舞しつづけた。
「何があろうとラベルナさまは必ずお戻りになります! そのとき、お屋敷がこんなありさまだったらどんな顔でお迎えするんですか⁉ それでも、誇り高きカーディナル家の使用人ですか!」
「しかし……」
煮え切らない態度の年長者たちにメリッサは――。
キレた。
頭から湯気を噴き出し、叫んだ。
「もういいです! あなたたちはどこへなりと行ってください! カーディナル家の誇りをもたない人たちになんて用はありません。わたしはひとりでラベルナさまをお迎えします!」
メリッサはそう言うなり、あちこちに散らばる残骸を運びはじめた。
本気でひとりで屋敷の修繕をしようというつもりらしい。
しかし、散らばった残骸はあまりにも多く、どれも人の背丈ほども大きい。何しろ、屈強な兵士たちが力任せに壊していった跡なのだ。大の男でさえ大変なのに一〇代の少女の身には余る仕事だった。案の定、残骸を運ぼうとしてはふらついたり、倒れたり……。
それでも、メリッサは歯を食いしばって片付けをつづけた。
やがて、見ていられなくなったのだろう。フットマンのサーブが片腕を吊ったまま前に進み出た。
「貸せ。主人のためならどんな仕事でもこなすのがフットマンだ」
ボーイのルークスが飛び出した。
「そんな雑用はボーイであるおいらの仕事だ!」
いつも陽気だったコーチマンのハザブがのっそりと身を動かした。
「女子供ばかりに働かせてるわけにはいかんわな」
コックのサマンサが歩み寄った。
「やれやれ。いまどきの若い娘は腰が入ってないねえ。あたしらの若い頃はその程度の荷物、軽々と運んだもんだけどねえ」
ガーデナーのカントがいつもの農業用具を取り出し、荒らされた庭を直しはじめた。
「こんなざまじゃあ、わしの大事な温室も使い物にならなくなっちまうしな」
残るふたり、男性使用人の頂点に立つ執事のグルックと女性使用人を監督する立場にあるハウスキーパーのシュレッサは、若い同僚たちの働きをじっと眺めていた。
「……たしかに、あの娘の言うとおりだな。わしらはあくまでも使用人にすきん。しかし、カーディナル家の一員であることにちがいはない。カーディナル家の誇りは我々ももっている」
「ええ、その通りですわ。ラベルナさまを笑顔でお迎え出来ないようでは使用人の名折れ」
「ふむ。どれ、久し振りに肉体労働に励むとするか」
「ご無理はなさらないでくださいよ。もうお歳なんですからね」
「何を言う。歳はとってもこのグルック、ボーイからの叩きあげ。肉体労働は手慣れたもんじゃ。お前さんこそ大丈夫なのか? 日頃、若いメイドたちに指図するばかりで自分の手を動かすことはないじゃろう」
「何を仰います。全女性使用人の頂点に立つハウスキーパーの実力。見せて差しあげます」
カーディナル家は――。
いまだ死なず。
門はひしゃげ、庭は掘り返され、柱は折られている。
壁は崩されているし、床は引っぺがされている。天井にさえ穴が空いている。
もはや、家と言うより家の残骸。
そう言った方が近いありさまだった。無傷の部分が大貴族の屋敷らしく贅沢だが下品ではない、上品な優美さを見せているだけに損壊部分のひどさが目に付いた。
空き家を荒らす強盗に襲われた家だってここまでひどいことになりはしない。突如としてやってきた兵隊たちが『隠されている毒物を見つけるため』と称してさんざんに荒らしていった、その結果だった。
初老の執事が兵士たちの前に立ちはだかり『隠している毒物などない』といくら抗議しても兵士たちは気にもとめなかった。その太い腕で執事を押しのけ、ズカズカと屋敷内に入り込み、部屋という部屋を荒らし回り、柱をへし折り、床を引きはがし……乱暴狼藉の限りを尽くしていった。そして、カーディナル家が代々、編纂してきた貴重な資料や、大金をはたいて遠い未開地から運ばせた薬草などをあらかた持ち去った。屋敷内の宝石やら美術品やらも一緒に持ち去ったのは――。
どう考えても任務外の行いだったが。
屋敷の一角には黒く焼け焦げた場所まであった。
兵士たちの一部が帰り際『汚れた毒を浄化する』などと称して火を付けていったのだ。使用人の一団があわてて消し止めたのでボヤですんだが、使用人たちの受けた心理的な衝撃は計り知れないものだった。
初老の執事グルック。
厳格なハウスキーパー、シュレッサ。
大柄なコック、サマンサ。
次期執事と目される若きフットマン、サーブ。
いつも陽気なコーチマンのハザブ。
偏屈だが腕の良いガーデナー、カント。
まだ一二歳になったばかりのボーイの少年、ルークス。
無傷のものはひとりもいない。皆、どこかしら怪我を負っていた。兵士たちの狼藉から主の屋敷を守ろうと立ちはだかり、武器をもった腕で吹き飛ばされたのだ。
サーブにいたっては折れた腕を間に合わせの布で吊っている。まだ若く、体力のあるかの人はとくに執拗に兵士たちに立ち向かい、そのために、ひときわ手ひどく痛めつけられたのだ。
「……カーディナル家もこれで終わりか」
執事のグルックが呟いた。
一〇歳のときに見習いのボーイとして奉公に入り、以来、四代の主に対して忠実に仕えつづけ、執事にまで登りつめた。そのグルックにとってカーディナル家のこんなありさまを見せつけられることは自分の臓物を斬り裂かれるよりも辛いことだった。
その他の使用人たちもグルックの言葉にうなずくかのようにうなだれている。
いつも陽気で、口さえ開けばジョークばかり。グルックやシュレッサからは『カーディナル家の使用人なのだから軽薄な態度を取らないように』と注意されてばかりのコーチマンのハザブでさえ、いつもの陽気さを忘れ去り、疲れはてた表情をしていた。口の端から血が垂れているのは兵士のひとりと殴り合いを演じた際、顔面に拳を食らって口のなかを切ったからだ。
単に兵士に荒らされたという、それだけのことならここまで落ち込むこともなかっただろう。カーディナル家の使用人たちを絶望させたのは、それよりもむしろ町の人々の態度だった。
兵士たちによって屋敷を荒らされ、殴り飛ばされる。
その姿を目撃しても町の人々は怒りの表情ひとつ見せようとはしなかった。それどころか、関わり合いになりたくないとばかりに屋敷の前を足早に通り過ぎ、なかには唾を吐きかけていくものまでいる始末。
人は理不尽を嫌う。
善人が幸福になり、悪人が報いを受ける世界を望む。
善人が不幸になり、悪人がのうのうと生き続ける。
そんな世界は望まない。
ひどいことをした人間はひどい目に遭って欲しい。
そう望む。
その望みの行く就くところ『ひどい目に遭うのは、ひどいことをしてきたからだ』という発想の逆転が起こる。何も悪いことをしていない人間が理不尽なひどい目に遭うことが耐えられないために。
その心理の行き着くところ、町の人々は、
『兵士たちがあそこまでやるなんて、相当に悪いことをしていたにちがいない』
そう信じた。
そう信じることで世の理不尽さから目をそらした。
そして、もちろん、兵士たちはその効果を狙ってカーディナル家を手ひどく痛めつけたのだ。国王アルフレッドの指示によって。
町の人々、これまで親しく交流をもち、薬師として心身を守るなかで感謝し、敬愛してくれた町の人々。その人々でさえいまやカーディナル家が毒物を用いて王家を操った極悪非道の一族だと信じている。
その現実が、忠実な執事をして言わしめたのだ。
『カーディナル家もこれで終わりか』と。
その言葉に言い返すものは誰もいなかった。いないと思われた。だが――。
「何を言ってるんですか!」
甲高い声が響いた。
集中した視線の先にいたのは私服姿のまだ一〇代の少女だった。
制服を着込んでいない使用人。それは、女主人に付き従う侍女の立場にあることを示していた。
侍女メリッサ。
三年前、ラベルナの両親が死亡し、ラベルナが当主の地位を継いだ。その際、大貴族とのつながりを望んだ下級貴族の父の計らいで、ラベルナ付きの侍女として屋敷に仕えることになった。幸い、ラベルナにも気に入られ、以来、女主人の側を離れることなく付き従ってきた。
ラベルナが地下牢に幽閉されたと聞いたときには単身、王宮の飛び込み、
「自分はラベルナさま付きの侍女です! ラベルナさまが地下牢に幽閉されるというならわたしもお供します!」と主張した。
その後、累が及ぶことを怖れた父から家に帰るよう言われたときも、
「わたしはラベルナさまの侍女です!」と、断固として拒否した。
そのメリッサはいま、最愛の伴侶を亡くしたばかりのようにうなだれる他の使用人相手に一喝していた。
「わたしたちがあきらめてどうするんですか⁉ ラベルナさまはいま、王宮の地下牢でただおひとりで戦っていらっしゃるんですよ! ラベルナさまがご不在の間、わたしたちがカーディナル家を守らなければならないんじゃないですか!」
いまこの場にいる使用人のなかでメリッサより年下と言えば、まだ一二歳のボーイのルークスただひとりなのだが、メリッサはそんなことはお構いなしに年長の使用人たちを鼓舞しつづけた。
「何があろうとラベルナさまは必ずお戻りになります! そのとき、お屋敷がこんなありさまだったらどんな顔でお迎えするんですか⁉ それでも、誇り高きカーディナル家の使用人ですか!」
「しかし……」
煮え切らない態度の年長者たちにメリッサは――。
キレた。
頭から湯気を噴き出し、叫んだ。
「もういいです! あなたたちはどこへなりと行ってください! カーディナル家の誇りをもたない人たちになんて用はありません。わたしはひとりでラベルナさまをお迎えします!」
メリッサはそう言うなり、あちこちに散らばる残骸を運びはじめた。
本気でひとりで屋敷の修繕をしようというつもりらしい。
しかし、散らばった残骸はあまりにも多く、どれも人の背丈ほども大きい。何しろ、屈強な兵士たちが力任せに壊していった跡なのだ。大の男でさえ大変なのに一〇代の少女の身には余る仕事だった。案の定、残骸を運ぼうとしてはふらついたり、倒れたり……。
それでも、メリッサは歯を食いしばって片付けをつづけた。
やがて、見ていられなくなったのだろう。フットマンのサーブが片腕を吊ったまま前に進み出た。
「貸せ。主人のためならどんな仕事でもこなすのがフットマンだ」
ボーイのルークスが飛び出した。
「そんな雑用はボーイであるおいらの仕事だ!」
いつも陽気だったコーチマンのハザブがのっそりと身を動かした。
「女子供ばかりに働かせてるわけにはいかんわな」
コックのサマンサが歩み寄った。
「やれやれ。いまどきの若い娘は腰が入ってないねえ。あたしらの若い頃はその程度の荷物、軽々と運んだもんだけどねえ」
ガーデナーのカントがいつもの農業用具を取り出し、荒らされた庭を直しはじめた。
「こんなざまじゃあ、わしの大事な温室も使い物にならなくなっちまうしな」
残るふたり、男性使用人の頂点に立つ執事のグルックと女性使用人を監督する立場にあるハウスキーパーのシュレッサは、若い同僚たちの働きをじっと眺めていた。
「……たしかに、あの娘の言うとおりだな。わしらはあくまでも使用人にすきん。しかし、カーディナル家の一員であることにちがいはない。カーディナル家の誇りは我々ももっている」
「ええ、その通りですわ。ラベルナさまを笑顔でお迎え出来ないようでは使用人の名折れ」
「ふむ。どれ、久し振りに肉体労働に励むとするか」
「ご無理はなさらないでくださいよ。もうお歳なんですからね」
「何を言う。歳はとってもこのグルック、ボーイからの叩きあげ。肉体労働は手慣れたもんじゃ。お前さんこそ大丈夫なのか? 日頃、若いメイドたちに指図するばかりで自分の手を動かすことはないじゃろう」
「何を仰います。全女性使用人の頂点に立つハウスキーパーの実力。見せて差しあげます」
カーディナル家は――。
いまだ死なず。
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