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一八章 ありがとう
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「なるほど。よくわかりました。人々に災害に負けない安全な暮らしを提供する。それは、私たちにとっても望むところ。私たちも協力させていただきます」
「本当ですか⁉」
大手機械メーカーのオフィスに希見の喜びいっぱいの声が響いた。浮かぶ笑顔はまさにお日さまのよう。この笑顔を見れば誰であれ『協力して良かった』と思うことだろう。いかにも人の良さそうな相手方の部長は、にこやかな笑みを湛えながら言った。
「もちろんです。ちょうど、急な仕事が入ったのですが手が足りなくて困っていたところなのです。この仕事をあなた方にお任せしたい」
「ありがとうございます!」
希見と育美はそろって頭をさげた。喜びのあまり勢いづきすぎたその動作は、まるでバネ仕掛けの人形のよう。そんなふたりの反応に、相手の部長は微笑ましそうに相好を崩したあと、やや気むずかしげな表情になった。
「ただ、日程的にかなりハードな仕事なのですが……」
「問題ありません」
育美が断言した。
「我が四葉工場の技術であれば充分に可能です」
育美がそう言ったのは決して、仕事をもらうための出任せなどではない。自分と志信、そして、もうひとりの技術の高さに自信があっての答えである。
「それは、頼もしい。では、お願いします」
「はい!」
希見と育美は声をそろえて答えると、改めて頭をさげた。
そんなふたりの様子を、父親ほどの世代の部長は微笑ましそうに眺めている。そのにこやかな笑みの裏に、
「もし、条件を満たせなかったら……わかってるな?」
という、ヤクザめいた脅しがはっきり見える表情であったが。
「やりましたね、育美さん! やっと、仕事がもらえました」
「はい。腐らずに営業をつづけてきた甲斐がありました」
帰りの車のなかでも希見と育美、ふたりの喜びの声はつづいていた。
いったい、何十社目だろう。毎日まいにち営業をつづけて、成果のない日々を重ねて、それでも、ようやく、どうにか、こうにか、仕事をもらえた。しかも、『使い捨ての下請け』としてではなく、こちらの理念に共感し、そうすることで仕事をまわしてもらったのだ。喜びを爆発させるのが当然だった。
希見とふたり、ラブホテルに泊まることになってから一週間。心愛の策略にもめげずに営業をつづけた結果だった――心愛は策略がバレて、さすがに希見にひどく叱られたが、本人はケロッとしたものだった。それでも、二度と車に細工したりしなかったのはさすがに内心では叱られたことが応えていたのかと思ったが、
「同じことをしてもつまらない」
と言う呟きが聞こえたときには本気で背筋が寒くなった。
――だけど!
と、育美は内心で叫んだ。
――そんな苦難を乗り越えてようやく、どうにか、やっと、仕事を手に入れた! これで、第一歩は踏み出せたぞ!
家に帰るとすぐに志信にそのことを伝えた。志信はふたりに劣らず喜びを爆発させた。爆発させすぎて、ついつい家の壁に正拳突きで穴を開けてしまい、多幸にさんざん叱られたほどだった。
「よおし、これでようやく、親父譲りのオレの技術を見せつけてやれるときが来た! 見てろよ。おれが若くて、しかも、女だからって、腕も見ないで契約をぶっちぎった連中。絶対、後悔させてやるからな!」
瓦一〇枚、余裕でぶち抜く拳をグッと握りしめ、そう誓う志信であった。
「だけど……」
と、育美は年長者らしく、厳しい表情でたしなめた。
「喜んでばかりはいられません。条件は相当にハードですよ。期日はすぐだし、生産すべき数も多い。もちろん、だからと言って品質を犠牲にしてはなんにもならない。この日数でこれだけの数を、しかも、充分な品質を維持して作りあげるのは、相当に難易度の高い仕事です。そして、もし、この仕事で失敗すれば信用はなくなり、どこも相手にしてくれなくなる」
条件が厳しい上に絶対に失敗できない仕事。
「相当な覚悟をもって望む必要があります」
「わかってる」
志信はグッと力瘤を作ると言ってのけた。
「体力には自信がある。いざとなったら徹夜を繰り返して間に合わせてやるさ」
「夜も寝ないで、昼寝して?」
そうツッコミを入れたあと、心愛は、
「だいじょうぶ。今回からはわたしも手伝う」
と、親指を立てて見せた。
車に細工した腕を買われて、心愛も仕事を手伝うことになったのだ。その腕の冴えは幼い頃から父親にみっちり仕込まれてきた志信をして、
「お前、天才か⁉」
と、叫ばせるほどのものだった。
実際、その技術は、実年齢の三倍生きていても身につかないのではないかと思わせるほど高度なもので、改めてその腕を見た育美も思わず腕組みして唸ったものである。
「いったい、何者なんだ、心愛ちゃんは」
本当に天才なのか?
と言う疑問に対し、
「チートスキルもちの転生者かも」
とは、末っ子の多幸の意見であった。
「とにかくだ。条件が厳しくて失敗が許されないとなれば、グズグズしてはいられない。いまからすぐにはじめるぞ」
その志信の言葉に――。
「もちろんです」
と、育美は決意を込めてうなずき、心愛は、
「おお~」
と、あまり気合いの感じられない様子で腕を突きあげた。
そうして、三人一丸となっての作業がはじまった。
手入れだけは怠らずにいた作業機械類が久しぶりに仕事のために動き出し、工場内はうるさいほどの音に包まれた。
「焼きが甘い! やり直し!」
「精度が足りない、これもやり直し!」
信用を得るための高品質を求めての育美のダメ出しがつづく。志信も、心愛も、そんなダメ出しの連続にめげることも、腹を立てることもなく、黙々と作業機械を動かし、注文された部品を作っていく。
――ふたりとも、さすがだな。亡き両親の残した工場を守っていきたいって言う心は本物だ。この思いがあれば必ずうまく行く。
育美はふたりの姿を見てそう思った。
そして、その思いを確信にかえるかのように、ふたりの作る部品はどんどん精度を増していった。さすがにもともと確かな技術の持ち主だけあって、いったん必要とされる品質をつかむと、見事にその品質をクリアした部品を作りあげるようになった。
「さすがですね、ふたりとも。この分なら期日通りに納品できます」
「任せろ! 親父ゆずりの腕は伊達じゃない!」
「わたしは最強」
志信が力瘤を作りあげ、心愛が親指を立ててみせる。
その日の作業は深夜までつづいた。さすがに心愛はまだ中学生ということで早めにあがったが、志信と育美のふたりはぶっ続けで作業をつづけた。初日からいきなり徹夜するのかと言うほどの勢いだったが、時計を見た育美が気がついたように言った。
「もう、こんな時間か。初日からいきなり根をつめても仕方ないですね。とりあえずのノルマは達成したし、今日のところはここまでにしましょう」
「……そうだな。初日からいきなり飛ばしすぎて、あとがつづかなくなったら元も子もない」
「そういうことです」
「それじゃ、後片付けはオレがしておくから、お前はもうあがってくれ」
「片付けは、新入りの私の仕事でしょう」
「いいって。オレはその気になれば昼の間、大学で休めるけど、お前は昼間も仕事だろ。早く寝て、明日に備えてくれ」
「そうですか? それじゃ、お願いします」
「おう、任せろ!」
志信はニカッと笑って親指を立てて見せた。
「それと……」
「はい?」
「その……ありがとな。お前が来てくれたおかげで仕事ももらえたし、プロの姿勢も学べた。感謝してる」
「い、いえ……」
いきなり真面目にそう言われて、育美は思わず赤くなった。その反応に志信のほうも照れくさくなったのだろう。男前な美貌を朱に染めてうつむいてしまった。ふたりはしばらくの間、そうして顔を赤く染めたままうつむきあっていた。
「あ、ああ! 早く寝てくれ! 明日も大変なんだからな」
「そ、そうですね。それじゃ、お休みなさい……」
「ああ……」
「本当ですか⁉」
大手機械メーカーのオフィスに希見の喜びいっぱいの声が響いた。浮かぶ笑顔はまさにお日さまのよう。この笑顔を見れば誰であれ『協力して良かった』と思うことだろう。いかにも人の良さそうな相手方の部長は、にこやかな笑みを湛えながら言った。
「もちろんです。ちょうど、急な仕事が入ったのですが手が足りなくて困っていたところなのです。この仕事をあなた方にお任せしたい」
「ありがとうございます!」
希見と育美はそろって頭をさげた。喜びのあまり勢いづきすぎたその動作は、まるでバネ仕掛けの人形のよう。そんなふたりの反応に、相手の部長は微笑ましそうに相好を崩したあと、やや気むずかしげな表情になった。
「ただ、日程的にかなりハードな仕事なのですが……」
「問題ありません」
育美が断言した。
「我が四葉工場の技術であれば充分に可能です」
育美がそう言ったのは決して、仕事をもらうための出任せなどではない。自分と志信、そして、もうひとりの技術の高さに自信があっての答えである。
「それは、頼もしい。では、お願いします」
「はい!」
希見と育美は声をそろえて答えると、改めて頭をさげた。
そんなふたりの様子を、父親ほどの世代の部長は微笑ましそうに眺めている。そのにこやかな笑みの裏に、
「もし、条件を満たせなかったら……わかってるな?」
という、ヤクザめいた脅しがはっきり見える表情であったが。
「やりましたね、育美さん! やっと、仕事がもらえました」
「はい。腐らずに営業をつづけてきた甲斐がありました」
帰りの車のなかでも希見と育美、ふたりの喜びの声はつづいていた。
いったい、何十社目だろう。毎日まいにち営業をつづけて、成果のない日々を重ねて、それでも、ようやく、どうにか、こうにか、仕事をもらえた。しかも、『使い捨ての下請け』としてではなく、こちらの理念に共感し、そうすることで仕事をまわしてもらったのだ。喜びを爆発させるのが当然だった。
希見とふたり、ラブホテルに泊まることになってから一週間。心愛の策略にもめげずに営業をつづけた結果だった――心愛は策略がバレて、さすがに希見にひどく叱られたが、本人はケロッとしたものだった。それでも、二度と車に細工したりしなかったのはさすがに内心では叱られたことが応えていたのかと思ったが、
「同じことをしてもつまらない」
と言う呟きが聞こえたときには本気で背筋が寒くなった。
――だけど!
と、育美は内心で叫んだ。
――そんな苦難を乗り越えてようやく、どうにか、やっと、仕事を手に入れた! これで、第一歩は踏み出せたぞ!
家に帰るとすぐに志信にそのことを伝えた。志信はふたりに劣らず喜びを爆発させた。爆発させすぎて、ついつい家の壁に正拳突きで穴を開けてしまい、多幸にさんざん叱られたほどだった。
「よおし、これでようやく、親父譲りのオレの技術を見せつけてやれるときが来た! 見てろよ。おれが若くて、しかも、女だからって、腕も見ないで契約をぶっちぎった連中。絶対、後悔させてやるからな!」
瓦一〇枚、余裕でぶち抜く拳をグッと握りしめ、そう誓う志信であった。
「だけど……」
と、育美は年長者らしく、厳しい表情でたしなめた。
「喜んでばかりはいられません。条件は相当にハードですよ。期日はすぐだし、生産すべき数も多い。もちろん、だからと言って品質を犠牲にしてはなんにもならない。この日数でこれだけの数を、しかも、充分な品質を維持して作りあげるのは、相当に難易度の高い仕事です。そして、もし、この仕事で失敗すれば信用はなくなり、どこも相手にしてくれなくなる」
条件が厳しい上に絶対に失敗できない仕事。
「相当な覚悟をもって望む必要があります」
「わかってる」
志信はグッと力瘤を作ると言ってのけた。
「体力には自信がある。いざとなったら徹夜を繰り返して間に合わせてやるさ」
「夜も寝ないで、昼寝して?」
そうツッコミを入れたあと、心愛は、
「だいじょうぶ。今回からはわたしも手伝う」
と、親指を立てて見せた。
車に細工した腕を買われて、心愛も仕事を手伝うことになったのだ。その腕の冴えは幼い頃から父親にみっちり仕込まれてきた志信をして、
「お前、天才か⁉」
と、叫ばせるほどのものだった。
実際、その技術は、実年齢の三倍生きていても身につかないのではないかと思わせるほど高度なもので、改めてその腕を見た育美も思わず腕組みして唸ったものである。
「いったい、何者なんだ、心愛ちゃんは」
本当に天才なのか?
と言う疑問に対し、
「チートスキルもちの転生者かも」
とは、末っ子の多幸の意見であった。
「とにかくだ。条件が厳しくて失敗が許されないとなれば、グズグズしてはいられない。いまからすぐにはじめるぞ」
その志信の言葉に――。
「もちろんです」
と、育美は決意を込めてうなずき、心愛は、
「おお~」
と、あまり気合いの感じられない様子で腕を突きあげた。
そうして、三人一丸となっての作業がはじまった。
手入れだけは怠らずにいた作業機械類が久しぶりに仕事のために動き出し、工場内はうるさいほどの音に包まれた。
「焼きが甘い! やり直し!」
「精度が足りない、これもやり直し!」
信用を得るための高品質を求めての育美のダメ出しがつづく。志信も、心愛も、そんなダメ出しの連続にめげることも、腹を立てることもなく、黙々と作業機械を動かし、注文された部品を作っていく。
――ふたりとも、さすがだな。亡き両親の残した工場を守っていきたいって言う心は本物だ。この思いがあれば必ずうまく行く。
育美はふたりの姿を見てそう思った。
そして、その思いを確信にかえるかのように、ふたりの作る部品はどんどん精度を増していった。さすがにもともと確かな技術の持ち主だけあって、いったん必要とされる品質をつかむと、見事にその品質をクリアした部品を作りあげるようになった。
「さすがですね、ふたりとも。この分なら期日通りに納品できます」
「任せろ! 親父ゆずりの腕は伊達じゃない!」
「わたしは最強」
志信が力瘤を作りあげ、心愛が親指を立ててみせる。
その日の作業は深夜までつづいた。さすがに心愛はまだ中学生ということで早めにあがったが、志信と育美のふたりはぶっ続けで作業をつづけた。初日からいきなり徹夜するのかと言うほどの勢いだったが、時計を見た育美が気がついたように言った。
「もう、こんな時間か。初日からいきなり根をつめても仕方ないですね。とりあえずのノルマは達成したし、今日のところはここまでにしましょう」
「……そうだな。初日からいきなり飛ばしすぎて、あとがつづかなくなったら元も子もない」
「そういうことです」
「それじゃ、後片付けはオレがしておくから、お前はもうあがってくれ」
「片付けは、新入りの私の仕事でしょう」
「いいって。オレはその気になれば昼の間、大学で休めるけど、お前は昼間も仕事だろ。早く寝て、明日に備えてくれ」
「そうですか? それじゃ、お願いします」
「おう、任せろ!」
志信はニカッと笑って親指を立てて見せた。
「それと……」
「はい?」
「その……ありがとな。お前が来てくれたおかげで仕事ももらえたし、プロの姿勢も学べた。感謝してる」
「い、いえ……」
いきなり真面目にそう言われて、育美は思わず赤くなった。その反応に志信のほうも照れくさくなったのだろう。男前な美貌を朱に染めてうつむいてしまった。ふたりはしばらくの間、そうして顔を赤く染めたままうつむきあっていた。
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