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第二部 絆ぐ伝説
第一〇話一九章 ブージが来た
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「いよう、邪魔するぜえ。皆の衆」
陽気で朗らか……などとはとうてい言えない、なれなれしさと厚かましさとがタキシードドレスをまとって踊りながら入場してくるような、そんな印象を振りまきながらブージがやって来た。
右手をあげ、へらへらと笑いながら部屋に入ったブージに向かい――。
殺人的な嫌悪の視線が集中した。
トウナ、セアラ、パットの女性陣などは捕まえたネズミを溺死させるときのような目付きでにらみつけたものである。それに対して、ドク・フィドロ、ミッキー、〝ビルダー〟ヒッグス、フーマン、ハーミド、それにタングスたち男性陣は、ネズミを叩きつぶそうとするときのような目付きになっている。
他の面々は別として、タングスはもともとブージの紹介によって自由の国に参加した身。ブージとは公私ともにそれなりの付き合いがある。そのタングスにさえ嫌悪感丸出しの目付きでにらまれてしまうあたりが、ブージの『人に嫌われる才能』というものなのだった。
そんな目付きで一斉ににらまれて、ブージはさすがに怯んだ……ような振りをして見せた。身をすくめ、とまどいと不安の表情を浮かべ、それでも、愛想笑いを欠かすことなく、その一方では防御本能に身を任せて後ずさる。
そんな姿をさらしてもあくまでも『振りをしている』と思われて、本気で怯んでいるとは思ってもらえない。それが、ブージという人間。そのブージは身を守るように腕をあげて顔をかばいつつ、驚いたような声をあげた。
「な、なんだよ、その目は⁉ おれ、なんかしたか⁉」
――厚かましい。
と、トウナはそう一刀両断にする目付きでにらんだ。このときばかりは母親らしい柔らかさやふくよかさは消えてなくなり、かつての野性的で攻撃的な少女だった頃のトウナの姿に戻っている。
いや、母親になっているからこそ、子どもを守らなければならないとの本能からより攻撃的になっているのかも知れない。ブージという人間には相手にそれだけの警戒感を感じさせる『匂い』というものが確かにあるのだった。
「わたしの島を襲ったでしょう」
トウナにキッパリとそう言われて、ブージは顔をしかめて見せた。
「あ、あれは、おれの部下だったやつが勝手にやったことだ! ちゃんと、そいつの首を差し出して詫びを入れただろう」
「島の財産をもっていったし」
「ちゃんと働いて返しただろ! あれが最初の一ヶ月分の給料だって言われて一月の間、実質、タダ働きさせられたんだぞ。あのときの財貨じゃあ、一ヶ月分の給料には全然、足りなかったんだからな」
ブージはそう言ってなんとも情けない、いまにも泣き出しそうな表情になった。自分に支払われる給料をこよなく愛するブージにとって、『タダ働き』ほど悲しい気持ちにさせられることはないのだった。
「わたしを殺そうとしたし」
「あ、あれは……」
トウナの言葉に――。
セアラとパットがギン! と、音を立ててにらみつけた。
そのあまりにキツい目付きにさしものブージも縮みあがった……ような振りをして見せた。どんなに殊勝な姿を見せようと『どうせ振りだけ』と思わせて、本心からだとは決して思ってもらえないのがブージという人間。生まれつき、そう見られる才能に満ちているのである。実際のところはどうであれ。
しかし、振りであろうと、本心であろうと、この場合はにらまれただけですんだのは幸いだった。もし、この場にプリンスがいれば当然、殴られる程度ではすまない。まして、男殺しの〝ブレスト〟・ザイナブがいれば……。
教育上、子どもには絶対に見せることのできない光景が展開されていた。
「ま、まあ、いいじゃねえか。結局、傷ひとつつけなかったんだし、もう過ぎたことなんだからよ。それに、あれがきっかけでロウワンのやつが覚悟を決めて、自由の国の主催にふさわしい人物になったわけだしよ。結果的には万々歳ってことでよ。なっ?」
なっ? なっ? と、ブージはへらへらと愛想笑いを浮かべながら頭に手をやり、ひたすら下手に出る。
ロウワンが不在のいま、ブージに給料を支払ってくれるのはロウワンの名代を務めるトウナである。『給料命!』のブージにとって、自分に給料を支払ってくれる相手の機嫌を損ねることは絶対にできないことなのだった。
実際、ブージは自分に支払われる給料を心の底から愛していた。そして、本人が納得するだけの給料を支払いさえすれば、きわめて有能で誠実な人間でもあった。
自由の国においては実戦部隊からは外されているものの人材の確保、情報の収集、輸送隊の指揮……と、実戦以上に重要と言っていい役割を担っている。どれほど精強な軍であろうと正確な情報抜きに勝利できるものではないし、水も食糧もない……などという状況で戦えるはずがない。
逆に言うと優秀な人材をそろえ、正確な情報を集め、水と食糧、その他の物資の補給を完璧に行えれば勝ったも同然、と言うことになる。戦いの勝敗をわけるものは準備段階からの蓄積であって、戦場での戦いなど勝敗を決める最終段階に過ぎないのだ。
その意味で、ブージは最も重要な役割を任されていると言える。そして、ブージはその任務を滞らせたことは一度もない。自由の国の軍勢が対ローラシア戦において勝利することができたのも、ブージが事前にしっかりと情報を集め、水・食糧その他物資の補給を完璧に行ったからである。
その意味で、実はブージこそが自由の国における最大の功労者であり、もっとも有能な人材だと言うこともできる。
そのことは、この場にいる全員が知っている。
重々、承知している。
だからこそ――。
「よけいに腹が立つ!」
と、思われてしまうのがブージという人間。
自分の嫌いな人間には、人生に失敗して破滅してほしい。
そう思うのが人の性。ところが、ブージは失敗しない。本人が納得する給料さえ支払えば仕事は完璧にやってのける。そのせいで見たいものがみられない。成果をあげているのだから評価をし、支払うものを支払わなくてはならない。そのことが苛々をかきたてるのである。
「だいたいさ」
セアラがため息交じりに言った。その露骨な嫌悪感を浮かべた表情はいつも明るく元気いっぱいなかの人とは思えないようなものだった。
「なにしにきたわけ? ボクは、あんたの顔なんて見たくないんだけど」
「なんで、お前までそんなにおれを嫌うんだよ⁉ おれ、お前になんかしたか⁉」
「存在自体が気に入らない」
キッパリ、ハッキリ、そう言われて、ブージは思いきり顔をしかめた。
「同感です。あなたのような人物は子どもたちの教育上、よくありません。姿を見せないでください」
パットにまで『教育者としてそれはどうなんだ?』ということを言われ、ブージはついに泣きたそうな表情になった。その表情を見てさすがに男性陣は同情したくなった……かというと、そんなことはまったくなくて『その通り』とばかりに何度もうなずいているのだった。
「それで?」
と、トウナがうんざりした様子で言った。
「結局、なんの用なの?」
「おう。それなんだがよ」
トウナに尋ねられ、ブージはたちまち元気一〇〇倍。先ほどまでの情けない泣き顔から一転、パアッと明るい表情になった。欲望にまみれた『悪い意味での』明るい表情ではあったけれど。
トウナが尋ねたのはブージがやって来た理由に興味をもったからではなく、さっさと用件を聞いて追い返してしまおうと思ったからだったが、ブージにとってはそんなことはどうでもいい。欲望に満ちた未来を目指す表情になって、胸をそらしたものである。
このあたりが、ブージがいくら殊勝な姿をさらしても絶対に本気と思ってもらえず『単なる振り』と思われてしまうところなのだが、それもまた、ブージにとってはどうでもいいこと。
「人にはいくら嫌われてもかまわねえ。金にさえ愛されりゃあ」
というのがブージの信条であったから。
そのブージは――金への――愛と希望に満ちた表情で胸をそらし、言ったものである。
「新しく、ある事業をはじめてえ。そのための資金を出してもらいてえのさ」
「ある事業?」
トウナが眉をひそめた。そう聞き返す口調が、いかにもうさん臭いものを相手にしているといった様子。それでも、聞き返しているぶんマシだと言うべきだろう。セアラやパットなど聞く耳をもたないといった表情だったのだから。
しかし、ブージはそんな扱いなどどこ吹く風。堂々と右手を掲げ、指先で天を指し示しながら言ってのけた。
「大陸鉄道網の建設! 大陸中の都市を鉄道でつなげてやろうってえ話さ」
陽気で朗らか……などとはとうてい言えない、なれなれしさと厚かましさとがタキシードドレスをまとって踊りながら入場してくるような、そんな印象を振りまきながらブージがやって来た。
右手をあげ、へらへらと笑いながら部屋に入ったブージに向かい――。
殺人的な嫌悪の視線が集中した。
トウナ、セアラ、パットの女性陣などは捕まえたネズミを溺死させるときのような目付きでにらみつけたものである。それに対して、ドク・フィドロ、ミッキー、〝ビルダー〟ヒッグス、フーマン、ハーミド、それにタングスたち男性陣は、ネズミを叩きつぶそうとするときのような目付きになっている。
他の面々は別として、タングスはもともとブージの紹介によって自由の国に参加した身。ブージとは公私ともにそれなりの付き合いがある。そのタングスにさえ嫌悪感丸出しの目付きでにらまれてしまうあたりが、ブージの『人に嫌われる才能』というものなのだった。
そんな目付きで一斉ににらまれて、ブージはさすがに怯んだ……ような振りをして見せた。身をすくめ、とまどいと不安の表情を浮かべ、それでも、愛想笑いを欠かすことなく、その一方では防御本能に身を任せて後ずさる。
そんな姿をさらしてもあくまでも『振りをしている』と思われて、本気で怯んでいるとは思ってもらえない。それが、ブージという人間。そのブージは身を守るように腕をあげて顔をかばいつつ、驚いたような声をあげた。
「な、なんだよ、その目は⁉ おれ、なんかしたか⁉」
――厚かましい。
と、トウナはそう一刀両断にする目付きでにらんだ。このときばかりは母親らしい柔らかさやふくよかさは消えてなくなり、かつての野性的で攻撃的な少女だった頃のトウナの姿に戻っている。
いや、母親になっているからこそ、子どもを守らなければならないとの本能からより攻撃的になっているのかも知れない。ブージという人間には相手にそれだけの警戒感を感じさせる『匂い』というものが確かにあるのだった。
「わたしの島を襲ったでしょう」
トウナにキッパリとそう言われて、ブージは顔をしかめて見せた。
「あ、あれは、おれの部下だったやつが勝手にやったことだ! ちゃんと、そいつの首を差し出して詫びを入れただろう」
「島の財産をもっていったし」
「ちゃんと働いて返しただろ! あれが最初の一ヶ月分の給料だって言われて一月の間、実質、タダ働きさせられたんだぞ。あのときの財貨じゃあ、一ヶ月分の給料には全然、足りなかったんだからな」
ブージはそう言ってなんとも情けない、いまにも泣き出しそうな表情になった。自分に支払われる給料をこよなく愛するブージにとって、『タダ働き』ほど悲しい気持ちにさせられることはないのだった。
「わたしを殺そうとしたし」
「あ、あれは……」
トウナの言葉に――。
セアラとパットがギン! と、音を立ててにらみつけた。
そのあまりにキツい目付きにさしものブージも縮みあがった……ような振りをして見せた。どんなに殊勝な姿を見せようと『どうせ振りだけ』と思わせて、本心からだとは決して思ってもらえないのがブージという人間。生まれつき、そう見られる才能に満ちているのである。実際のところはどうであれ。
しかし、振りであろうと、本心であろうと、この場合はにらまれただけですんだのは幸いだった。もし、この場にプリンスがいれば当然、殴られる程度ではすまない。まして、男殺しの〝ブレスト〟・ザイナブがいれば……。
教育上、子どもには絶対に見せることのできない光景が展開されていた。
「ま、まあ、いいじゃねえか。結局、傷ひとつつけなかったんだし、もう過ぎたことなんだからよ。それに、あれがきっかけでロウワンのやつが覚悟を決めて、自由の国の主催にふさわしい人物になったわけだしよ。結果的には万々歳ってことでよ。なっ?」
なっ? なっ? と、ブージはへらへらと愛想笑いを浮かべながら頭に手をやり、ひたすら下手に出る。
ロウワンが不在のいま、ブージに給料を支払ってくれるのはロウワンの名代を務めるトウナである。『給料命!』のブージにとって、自分に給料を支払ってくれる相手の機嫌を損ねることは絶対にできないことなのだった。
実際、ブージは自分に支払われる給料を心の底から愛していた。そして、本人が納得するだけの給料を支払いさえすれば、きわめて有能で誠実な人間でもあった。
自由の国においては実戦部隊からは外されているものの人材の確保、情報の収集、輸送隊の指揮……と、実戦以上に重要と言っていい役割を担っている。どれほど精強な軍であろうと正確な情報抜きに勝利できるものではないし、水も食糧もない……などという状況で戦えるはずがない。
逆に言うと優秀な人材をそろえ、正確な情報を集め、水と食糧、その他の物資の補給を完璧に行えれば勝ったも同然、と言うことになる。戦いの勝敗をわけるものは準備段階からの蓄積であって、戦場での戦いなど勝敗を決める最終段階に過ぎないのだ。
その意味で、ブージは最も重要な役割を任されていると言える。そして、ブージはその任務を滞らせたことは一度もない。自由の国の軍勢が対ローラシア戦において勝利することができたのも、ブージが事前にしっかりと情報を集め、水・食糧その他物資の補給を完璧に行ったからである。
その意味で、実はブージこそが自由の国における最大の功労者であり、もっとも有能な人材だと言うこともできる。
そのことは、この場にいる全員が知っている。
重々、承知している。
だからこそ――。
「よけいに腹が立つ!」
と、思われてしまうのがブージという人間。
自分の嫌いな人間には、人生に失敗して破滅してほしい。
そう思うのが人の性。ところが、ブージは失敗しない。本人が納得する給料さえ支払えば仕事は完璧にやってのける。そのせいで見たいものがみられない。成果をあげているのだから評価をし、支払うものを支払わなくてはならない。そのことが苛々をかきたてるのである。
「だいたいさ」
セアラがため息交じりに言った。その露骨な嫌悪感を浮かべた表情はいつも明るく元気いっぱいなかの人とは思えないようなものだった。
「なにしにきたわけ? ボクは、あんたの顔なんて見たくないんだけど」
「なんで、お前までそんなにおれを嫌うんだよ⁉ おれ、お前になんかしたか⁉」
「存在自体が気に入らない」
キッパリ、ハッキリ、そう言われて、ブージは思いきり顔をしかめた。
「同感です。あなたのような人物は子どもたちの教育上、よくありません。姿を見せないでください」
パットにまで『教育者としてそれはどうなんだ?』ということを言われ、ブージはついに泣きたそうな表情になった。その表情を見てさすがに男性陣は同情したくなった……かというと、そんなことはまったくなくて『その通り』とばかりに何度もうなずいているのだった。
「それで?」
と、トウナがうんざりした様子で言った。
「結局、なんの用なの?」
「おう。それなんだがよ」
トウナに尋ねられ、ブージはたちまち元気一〇〇倍。先ほどまでの情けない泣き顔から一転、パアッと明るい表情になった。欲望にまみれた『悪い意味での』明るい表情ではあったけれど。
トウナが尋ねたのはブージがやって来た理由に興味をもったからではなく、さっさと用件を聞いて追い返してしまおうと思ったからだったが、ブージにとってはそんなことはどうでもいい。欲望に満ちた未来を目指す表情になって、胸をそらしたものである。
このあたりが、ブージがいくら殊勝な姿をさらしても絶対に本気と思ってもらえず『単なる振り』と思われてしまうところなのだが、それもまた、ブージにとってはどうでもいいこと。
「人にはいくら嫌われてもかまわねえ。金にさえ愛されりゃあ」
というのがブージの信条であったから。
そのブージは――金への――愛と希望に満ちた表情で胸をそらし、言ったものである。
「新しく、ある事業をはじめてえ。そのための資金を出してもらいてえのさ」
「ある事業?」
トウナが眉をひそめた。そう聞き返す口調が、いかにもうさん臭いものを相手にしているといった様子。それでも、聞き返しているぶんマシだと言うべきだろう。セアラやパットなど聞く耳をもたないといった表情だったのだから。
しかし、ブージはそんな扱いなどどこ吹く風。堂々と右手を掲げ、指先で天を指し示しながら言ってのけた。
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