壊れたオルゴール ~三つの伝説~

藍条森也

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第二部 絆ぐ伝説

第一〇話九章 ビーブ一家旅道中

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 レムリア伯爵領
 大陸の中央部、南の海に飛び出した半島に居を構える『一応』独立国家。
 『一応』というのは、形式的にはあくまでも北の大国、始祖国家パンゲアの一領地だからである。そのために『王』はおらず、名前の通りに伯爵が領主を務めている。しかし、形式はどうあれ、独立を勝ちとった伝説的領主ディミトリ以降、事実上の独立国家として存続してきた。
 世界三大港町のひとつデーヴァヴァルマンをその領地内にもち、世界中の人・金・物が集まる大陸の集積地でもある。また、大陸中央というその立地から大陸の西と東とをつなげる中継地としても活用されており、無数の旅人たちが訪れては去っていく出会いと別れの国でもある。
 そのためにいつ来ても国際色豊かな、それこそ、同じ人間とは思えないぐらい見た目も風習も異なる人々が集まり、賑わっている。
 とくに、三年に一度、開かれる大商会のときの賑わいは格別だ。世界中から目利き自慢の商人たちがやって来てとっておきの品々を披露する。それを目当てにやはり、世界中から好事こうずの金持ちや一山当てようとする商人たちが集まり、息をする間もないぐらい人でごった返すことになる。
 それらに加え、南海に面した立地と高い造船技術とによって海洋貿易が盛んに行われている。海からもたらされる富はまさに膨大なものであり、こと経済力においては形式上の支配者である始祖国家パンゲアをはるかに上回る。
 その豊かさに加えて海に面した南国という条件からか、人々はいたって開放的で享楽きょうらくてき。あくせく額に汗して働くことや、謹厳きんげん実直じっちょくに信仰に生きることよりも、とにかく楽しいことが大好き。
 隙あらば道ばただろうと、建物のなかだろうと、誰かが楽器を取り出して唄いはじめる。そして、ひとりがはじめれば後からあとから人がやって来て唄い、踊り、たちまち祭りの場となってしまう。そんな国。しかし――。
 そんな気風の国でありながらいま、事実上の王宮である伯爵府に勤める人々は困惑の表情を浮かべていた。小間使いの少女から伯爵府を守る衛士たち、高級官僚にいたるまで誰もがとまどいの表情を浮かべ、互いの顔を見合わせている。
 それも無理はない。
 レムリア伯爵領はいま、有史以来はじめての珍客を迎えているのだから。
 それは、サル。
 正真正銘、動物のサル。
 人間のあだ名でもなければ、仮装でもない。本物のサルが伯爵府に客人としてやって来ていた。
 それも、三頭。
 父ザルと母ザル。そして、その息子の三頭。
 仲むつまじい一家族のサルだった。
 そのサルの一家がいま、事実上の王宮である伯爵府において、事実上の国王たる伯爵と面会しているのである。それも、各国の使者を迎えるための正規の貴賓きひんしつで。
 いかに、レムリアが『子どものオモチャ箱をひっくり返したような』と称される奇想天外な国であっても、こんな珍妙な出来事はさすがにはじめてのことだった。
 もちろん、このサルたちはどこぞの商人が献上用にもってきた商品でもなければ、見世物でもない。正真正銘、本物の客である。
 伯爵府の前の公道を、堂々と自分の足で歩いてやって来て門番の前で気取った様子で二本足で立ちあがったかと思うと、驚いたことに一枚の書状を取り出した。
 思わず受けとってしまった門番はその書状といかにも気取った様子のサルとを交互に見比べてとまどった様子でいたが、とにかく、書状を見た。そして、驚きの表情を浮かべた。
 その書状は自由の国リバタリアの特使として伯爵との面会を求めるものだった。そして、そこにはまぎれもなく自由の国リバタリア主催ロウワンのサインが記されていた。
 いくら、相手がサルとはいえ、同盟国たる自由の国リバタリアの主催のサイン入りの書状をもっているとなれば、獣扱いして追い払うわけにはいかない。なにより、事実上の国王たるクナイスル伯爵から前もって言いつけられていた。
 「ロウワンきょうからの書状をもったサルが訪れたなら、最上級の賓客ひんきゃくとして遇してお通しするように」と。
 門番はとまどいはしたがとにかくそう言いつけられていたので、大あわてで書状をもってクナイスル伯爵のもとに報告に行った。
 そして、伯爵府の勤め人全員が驚いたことに、クナイスル伯爵とその妻ソーニャが自らサルの一家を出迎えたのだ。それも、まるで一〇年来の旧友をもてなすかのように満面の笑みをたたえて。
 そして、サルの一家は伯爵夫妻自らの案内によって貴賓きひんしつへと通され、特使として面会している、というわけなのだった。
 事情を知らないものが見れば確かに、珍妙きわまる出来事としてとまどわずにはいられないだろう。
 しかし、そのサルの正体を知るものならば納得するにちがいない。なぜなら、自由の国リバタリアの特使としてやって来たそのサルこそ、自由の国リバタリア第一の戦士にして主催ロウワンのきょうだい分、ビーブだったのだから。
 ビーブとその妻コハ、そして、ふたりの間に生まれた息子であるミッツ。
 そのサルの一家がいま、自由の国リバタリアの特使としてレムリアの伯爵のもとを訪れたのだった。
 「よく来てくださいました、ビーブきょう
 と、レムリアの事実上の国王、いまだ二〇代の若き伯爵クナイスルはにこやかな笑顔で挨拶した。まるで、人間相手であるかのように高級酒を満たしたグラスを前に、身振りを交えながらの挨拶である。
 ――おう、久しぶりだな。クナイスル。よろしくな。
 クナイスルの挨拶を受けて、ビーブは自慢の尻尾を振りまわしながら鷹揚おうように答えた。いや、いっそ『尊大そんだい』と言うべきか。まるで、ビーブの方こそがこの国の国主であって、臣下の挨拶を受けているかのような態度である。
 そんな夫の態度に、さすがにあきれたのだろう。妻のコハが顔をしかめ、夫をたしなめた。
 ――あなた、失礼よ。相手は一国の元首さまなのよ。
 ――おれたちの国の元首じゃないだろ。
 ――だからって……!
 憤然ふんぜんとして夫に言い返そうとするコハを、当のクナイスルその人がとめた。それも、なんともにこやかな笑みを浮かべた。
 「はははっ。いいのですよ、コハどの。ビーブきょうのおっしゃるとおり、我々は主従関係ではありません。対等の仲間なのです。堅苦しい礼儀など無用」
 ――そう言うこと。お前も細かいことは気にするな。
 ビーブはそう言ったものである。もっとも、それだけならともかく、用意された椅子の上にふんぞり返り、葉巻まで吹かしているのはさすがに、ロウワンなどが見れば『失礼だ!』として苦言のひとつも呈しただろうが。
 ともかく、自由の国リバタリアの特使たるビーブ一家とレムリアの伯爵夫妻。双方による会談ははじまった。はじまったのだが――。
 「ビーブきょうは今回は、妻君さいくんとご子息とを連れての新婚旅行だそうですね」
 ――おう。息子もようやく大きくなって連れ歩けるようになったからな。この機会にクベラ山地から大アトラス山嶺さんれいを巡って、世界ってやつを見せてやるつもりだ。
 「それはすばらしい。旅はいいですからね。私たちも結婚したばかりの頃は各地を旅し、見聞を広めたものですよ」
 クナイスルはそう言いながら妻の肩に腕をまわして力強く抱きよせた。ソーニャはソーニャで、そんな夫の仕種に外聞もかまわずに嬉しそうにしている。相変わらずの熱愛振りの夫婦なのだった。
 「あの頃も楽しかったですわね、あなた。覚えておいでですか? サラフディンの港町を訪れたときのことを」
 「もちろん。あのときは大変だったなあ。なにしろ、君がいきなり姿を消すものだから大あわてだったよ。とくに、怪しげな集まりに参加したと聞いてからは気が気でなかったよ」
 「円満な夫婦生活に関するセミナーが開かれていたから、参加しただけだったんですけどね」
 「そうは言われても、こっちはそんなことは知らないし。騙されたんじゃないか、さらわれたんじゃないかって心配だったんだよ」
 「挙げ句の果てに女性だけの集まりと聞いて、女装して乗り込んでくる始末……」
 「いやはや、あのあとは大変だったなあ。でも、事情が知れたときには心底ホッとしたよ。それに……」
 クナイスルは愛する妻の目をジッとのぞき込みながら言った。
 「そんなセミナーに参加するぐらい、ふたりの暮らしを大切に思ってくれていることがわかって、本当に嬉しかった」
 「わたしも、あなたが心配してやって来てくれて嬉しかったですわ」
 ふたりはそう言って見つめあい、辺りかまわず♡を飛ばしまくる。
 人間なら恥も外聞もなしに展開されるのろけ姿にすっかりあてられ、頬を赤くして顔をあおいでいるところだ。しかし、動物であるビーブたちにはそんな感情はない。
 ――おお。妻のことを心配するのは夫として当然だからな。おれも、コハがいなくなったら世界の果てまで探しまわるぜ。
 ――嬉しい、あなた!
 コハがビーブに抱きつき、こちらも伯爵夫妻に負けず劣らず♡を飛ばしまくる。そんな親の姿を見てひとり息子のミッツ、まだ生まれて一年にも満たない子ザルは冷めた目で言った。
 ――父ちゃんも母ちゃんもガキだよなあ。
 と言うわけで、自由の国リバタリアの特使とレムリアの伯爵夫妻という重要人物同士の会談はなんとも和気あいあいとした世間話の雰囲気なのだった。しかし――。
 クナイスルが相手のふいをつくようにして、ビーブに尋ねた。
 「それで、ビーブきょう。本日のご用件はなんなのです?」
 表情はあくまでもにこやか。浮かぶ笑顔は無邪気そのもの。『顔は笑っているが目は笑っていない』とはよくいうが、そんなことはまったくない心からの笑顔……にしか見えない。しかし、その実、油断なく相手の様子を観察している。
 妻のソーニャもまた、女性的な優しい笑みをたたえながら警戒は一切、怠っていない。ゆったりとしたいかにも貴婦人向けのドレスの下にはいくつもの武器が忍ばされ、必要とあらば自ら武器をもって戦う。
 そして、部屋の外には完全武装の衛士の一団。クナイスルが声もなく仕種ひとつ見せただけで部屋に飛び込み、伯爵夫妻を守りながらビーブ一家を取り押さえる。
 自由の国リバタリアとの同盟関係やビーブに対する個人的な信頼や好意。それはそれとして、一国をあずかる国主としての認識は甘いものではなかった。
 ――おう。それなんだか。
 と、ビーブは真顔になって答えた。
 ――レムリアでは、クベラ山地で大がかりな狩りを行っているよな。
 「ええ。クベラ山地の鳥獣は我がレムリアにとって貴重な食糧ですから」
 狩りの獲物として同じ動物からそう言われても、クナイスルは一向に悪びれない。にこやかな笑顔をたたえたまま、堂々と胸を張って答える。
 レムリア伯爵の役割は、レムリアの民衆の生活を守ること。野生の鳥獣の生命を守ることではない。
 クナイスルはそのことを骨の髄までわきまえていた。
 ビーブはつづけた。
 ――その狩りをやめてもらいたい。
 「ほう? それは、なにゆえです?」
 ――パンゲアの現状は知っているよな?
 「ええ。事前に書状で知らせてもらいましたから。亡道もうどうつかさが表れ、全土を支配してしまったとか」
 「恐ろしいことです。我が国にとってもどれほどの脅威となるか」
 ソーニャも言ったが、その表情には不安や恐怖など一片もありはしない。
 あるものはただひとつ、伯爵夫人としてレムリアの民衆を守る。
 その覚悟だけである。
 ――ああ。その通りだ。そのパンゲアはいま、教皇きょうこうアルヴィルダの施した封印によって時が凍りつき、なにも動けなくなっている。しかし、まれに時の溶けた存在がいて、そいつらが外に世界に出てくる危険がある。そして、それは、これから先、時間が立ち、封印の効力が弱まるにつれてどんどん増えてくる。
 ビーブの言葉に――。
 コクリ、と、クナイスルはうなずいた。そこにいたのはもはや愛妻家の気さくな青年などではない。国主として、国民を守るとの覚悟を定めたひとりの王だった。
 「ええ。聞いております。ですからいま、レムリアではパンゲア方面に向けて厳戒態勢をとっております」
 ――それはいい。だがよ。レムリアとパンゲアの間にあるクベラ山地は広大だ。とてもじゃないが、人間の兵士たちでは山地すべてを監視し、表れた亡道もうどう怪物かいぶつを退治してまわるなんてできねえ。そうだろう?
 「たしかに」
 と、クナイスルは素直にうなずいた。ここで見栄を張ったりすることなく、事実を事実として受け入れることのできる度量はまちがいなく、クナイスルの王としての美徳のひとつだった。
 たしかに、軍隊というものはあくまで人間同士の戦いのための存在。人外を相手にするための訓練を受けているわけではない。
 まして、クベラ山地は広大だ。奥深いその山々を駆け抜け、監視し、いつ、どこに表れるかわからない亡道もうどう怪物かいぶつたちを退治してまわる。
 そんなことができるはずはなかった。
 ――だからよ。おれたちはこれからクベラ山地から大アトラス山嶺さんれいを巡って、地元の生き物たちに協力を求めてまわる。自然の野山は野生の生き物の縄張り。人間たちよりずっとうまく見張っていられるからな。
 ――だが、人間たちに食われながらとあっちゃあ、さすがに人間たちと協力しようなんて気にはなれねえだろうからな。そこで、野生の生き物を狩ることをやめてもらいたいのさ。
 「なるほど」
 と、うなずいたのは、ソーニャである。女性的な優しい風貌ふうぼうに理知的な光が輝いた。
 「ビーブきょうのおっしゃることはもっともです。あなた。ことは世界の命運に関わる問題。ここは、ビーブきょうの提案を飲むべきでしょう」
 「たしかに」
 と、クナイスルもうなずいた。
 「クベラ山地の鳥獣は我が民の貴重な食糧。しかし、それは、家畜や家禽の数を増やすことで対処できる。野生の生き物に協力してもらうからには、生き物たちを狩るのはやめるべきだな。しかし……」
 クナイスルはちょっと困ったような表情になって、小首をかしげた。
 「そうすると、山に住む狩人たちは仕事をなくしてしまう。その点をどうするかだが……」
 「それならば、あなた。狩人たちにも野生の生き物たちと共に亡道もうどう怪物かいぶつの監視をしてもらいましょう。そのために報酬を支払い、亡道もうどう怪物かいぶつを仕留めればいくら、とすれば従ってくれるでしょう」
 「うむ、そうだな。それがいい。報酬に関しては国庫の非常金を使えばいい。この戦いに敗れれば世界のすべてが失われるという瀬戸際。金を惜しんでいる場合ではないからな」
 クナイスルはそう言ってから力強くうなずいた。それは、相手に対する返答であると同時に、この戦いに対する自分自身の覚悟を示すための仕種でもあった。
 「わかりました、ビーブきょう。我がレムリアはクベラ山地での狩りを全面的に禁止することをお約束いたします」
 ――おう。ありがとうよ。
 「ただし……」
 と、油断なく付け加えるあたりがクナイスルがレムリアの国主たる所以ゆえんなのだった。
 「山に住む狩人たちは先祖代々、野山の生き物たちを狩ってきたものたちです。簡単にやめることはできないでしょう。まして、亡道もうどうつかさに関する事柄など容易よういには理解できますまい。やめさせようとしてもなかなか徹底できず、つい狩ってしまうこともあるでしょう。しかし、それは決してレムリアの意思ではないことはの山の生き物たちにまちがいなくお伝えください。我がレムリアは野山の生き物たちとの共闘を望んでいる。今後、クベラ山地で生き物の命を奪ったものは責任をもって処罰する。どうか、そのことを信頼し、共に戦っていただきたい、と」
 ――おう、わかった。
 ビーブは鷹揚おうようにうなずいた。
 ――なあに、心配すんな。野生の生き物たちは人間の頭の悪さをよおく知ってるからな。いきなり完璧に……なんていかないことは理解してくれるさ。あんたさえその気になってくれるなら、おれが必ず説得してくる。
 ビーブのその言葉に――。
 レムリア領主クナイスル伯爵は、苦笑と信頼の笑みとを同時に浮かべたのだった。
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