壊れたオルゴール ~三つの伝説~

藍条森也

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第二部 絆ぐ伝説

第五話一五章 自由の国の会議

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 タラの島は自由の国リバタリアの『とりあえず』の本拠地であり、議会場も島のなかにある。
 と言ってももちろん、そんな大層な建物ではない。村の外れにある古い掘っ立て小屋である。『国』を名乗る以上、さすがにいずれは各国の来賓らいひんを招いても恥ずかしくないよう、それなりに風格のある建物を用意する必要があるだろう。しかし、現状では人手も予算もまだまだ足りていない。その上、自由の国リバタリアおもな顔ぶれのなかに体面を気にする性格の持ち主がいないことから、その点はまったく進んでいない。まだまだ当分は、この掘っ立て小屋が議会場として使われることだろう。
 ただふたり、そのことに不満をもっているのが行者ぎょうじゃとブージである。
 このふたりは議会場とは名ばかりの掘っ立て小屋を見るたび、こう言うのだ。
 「なんとも情けないね。仮にも世界に覇を唱えようという国家の議会場がこんな掘っ立て小屋とは。いきではないよ。その気概にふさわしい建物を用意するべきだ」
 「まったくだぜ。ド~ンとバカでっかい建物をぶっ建ててよ。金銀財宝で飾り立てたど派手な豪邸にしなけりゃよ」
 「やれやれ、いきではないね。そんな、これ見よがしな建物、品がなくて恥ずかしいだけだよ。見られたものではないね」
 「なにを抜かす。世間に見せつけてナンボの栄耀えいよう栄華えいがだろうがよ」
 ふたりはいつもこの調子で言いあいが終わらないので放っておいて、他の顔ぶれは小屋に入った。
 ロウワンをはじめ、ビーブ、トウナ、ガレノア、ボウ、メリッサなど自由の国リバタリアの主要な顔ぶれが集まっている。それに、ゴンドワナ議長の名代みょうだいとしてのロスタム。
 行者ぎょうじゃとブージもさんざん言いあって気がすんだのか、やや遅れて入ってきた。プリンスや〝ブレスト〟・ザイナブは現場責任者として、こんなときこそ船団を指揮して警戒に当たらなくてはいけないので、議会には参加していない。
 小屋のなかに置かれた円形の卓。そこに並べられた椅子に座りながら、トウナは少々、居心地悪そうに身じろぎしている。
 実はこの小屋はロウワンがはじめてタラの島にやってきたときにあてがわれた小屋なのだ。そのとき、トウナはロウワンの世話役を命じられた。もし、ロウワンが『世話役』という言葉の裏の意味を知るだけのおとなであったなら、ロウワンに抱かれることになっていた小屋なのである。
 それを思うと、トウナとしてはやはり、バツが悪い。ロウワンの方はいまだに『世話役』という言葉の意味を、文字通りにしか理解出来ないでいるのだが。
 「ロウワンのやつもそろそろいい歳なのに、色事のひとつも知らねえようじゃなあ。色町にでも連れてってやるか」
 と、ガレノアがまるで年長の男友達ででもあるかのように心配をする所以ゆえんであった。
 だが、そっち方面でいくらお子ちゃまのままであろうとも、一国の主権者としてはロウワンはすでに充分な威厳いげんをもっていた。その場に集まっているものは――ビーブをのぞいて――全員がロウワンより年上の人間ばかり。しかも、それぞれにロウワンよりも技量も経験もある人物がそろっている。
 そんな人間たちを前にロウワンはしかし、堂々と落ち着き払った態度で座している。その姿には確かに『少年王』としての風格があった。
 「では、はじめよう」
 その『少年王』の一言で議会ははじまった。
 ロウワンたちが見てきたローラシアでの乱、イスカンダル城塞じょうさいぐんや港町アッバスの惨状、さらに、サラフディンで実際に戦ったパンゲアの〝神兵〟たち。
 それらの情報がガレノアたちに伝えられ、また、ガレノアたちからはローラシアとの海戦における詳細しょうさいな報告がなされた。もっとも、ガレノアの話はその性格そのままに、豪快で血湧き肉躍るものだが大ボラだらけ。『講釈こうしゃく、見てきたような嘘を言い』の典型なので、あまりあてには出来ない。その点はボウがきちんと気を配り、過不足ない情報を与えてくれたので困ることはない。
 「……しかしまあ、パンゲアの怪物どもはとんでもねえやつらだな」
 「まったくだ。剣や銃どころか、炎に巻かれようと、大砲で撃たれようと死なないとはな」
 ガレノアがあきれたように天をあおいで言うと、ボウも重々しくうなずきながら口にした。
 「しかし、そんな怪物どもを相手に、よくぞサラフディンを守り抜けましたな。感服しましたぞ」
 祖父のような外見の相手にそうほめられて、ロウワンは首を横に振った。
 「いや。ビーブや野伏のぶせ、ボーラ傭兵団のおかげだ。おれひとりではどうすることもできなかった」
 その答えに――。
 ボウは満足したようにうなずき、ビーブは誇らしげに椅子の上に立って胸をそらした。
 「それより、みんなこそよくローラシア船団を撃破してくれた。礼を言う。もちろん、あなたたちをはじめ、戦闘に参加した人員全員に恩賞を約束する」
 その言葉に今度は海賊らしい即物的な歓喜の声があがった。もちろん、と言うべきか、真っ先に反応したのはブージである。
 「へっへっ、話せるねえ。そうでなくっちゃ勤労意欲はわかねえってものよ。どうだい? ここはひとつ、給料の方もド~ンとあげるってのは?」
 「給料は日頃の働きに対して支払われるものだ。恩賞とはちがう」
 「……お前、おれにはなんだか冷たかねえか?」
 「日頃の行い」
 ロウワンのみならず、その場にいる全員から口をそろえてそう言われて、さしものブージもへこんだようだった。
 参加者全員に対して多額の恩賞を約束したのは、ロウワンの『人の良さ』というものだが、実際的な理由もある。なにしろ、『襲撃の成果は仲良く分け合う』のが掟の海賊たち。働きに対して、きちんと利益を与えないことにはたちまち反逆されてしまうのだ。
 とは言え、恩賞を与えるからには自由の国リバタリアにそれだけの財源がなければならない。
 その点について答えたのは財政担当のタングスという男だった。武辺ぶへんものばかりで能吏のうりや官僚のいない自由の国リバタリアのために、ブージが得意の人脈を活かして招いた人物である。
 『ブージの紹介』という点でどうしても怪しく見られがちだが、少なくとも見た目はごくごくまっとうな、誠実そうな人物である。身なりはいつも清潔だし、表情も充分に人好きのするもの。しかし、
 「あの愛想のいい顔の裏で、なにか企んでいそう」
 と、そう思われてしまうのが『ブージの紹介』という肩書きにつきまとう宿命なのだった。
 ともあれ、タングスは自由の国リバタリアの財政について説明した。
 「海上の島々における鉱山や農場の開発はまだはじまったばかりです。利益をあげるまでにはいたっておりません。ですが、将来性確かとあって、各国商人からの投資は順調に伸びています。それにともない、輸送や警備に関する利益も増えています。あと一~二年もすれば利益は出始めるでしょう。その頃には自由の国リバタリアでも技師や農民を集め、自前で鉱山や農場の経営が出来るようになるかと思われます」
 「そうか。わかった。ありがとう。さっきも言ったように、ローラシアからは『出国の自由』を取りつけた。これからはローラシアの奴隷階級の人々をどんどん連れてこられる。その人たちの居場所を作るためにも島の開発を進めてくれ」
 「かしこまりました」
 「将来的には、元奴隷階級の人たちが自分で自分の農場や鉱山をもてるようにしたいんだが……」
 「そのためには奴隷、いえ、元奴隷階級の人々に経済や経営に関する教育をほどこす必要がありますな。それは、私の役目ではございません」
 「専用の人材をそろえなければならないか。ブージ」
 ロウワンはねたようにそっぽを向いたままのブージに声をかけた。
 「教育を担当できる人材はそろえられるか?」
 ブージは答えない。そっぽを向いたままだ。どうやら、先ほどのやり取りで完全にヘソを曲げているらしい。
 「給料さげるぞ」
 「出すもんさえ出してくれりゃあ、なんだってそろえてみせるぜ!」
 俄然がぜん、やる気を出してそう叫ぶブージであった。
 「では、出来るだけ早くそろえてくれ。なるべく、質の高い人材をな。それと……」
 ロウワンはいったん、言葉を切った。その若々しい表情がより一層、引き締まった。
 「それと、聞いておきたい。パンゲアとローラシアの間で大きな戦闘があったと聞いた。その後の様子はどうだ?」
 「それがよ。どうにも妙なんだよな」
 「妙?」
 「ああ。アドニス回廊で両軍がぶつかったってのは聞いた。しかしよ。そのあといきなり、パンゲアからの情報がなにも入ってこなくなっちまってよ」
 「入ってこない?」
 「ああ。きれいさっぱり、なにもかもな」
 「どういうことだ? 斥候せっこうの存在がバレたのか?」
 「いや、それがそういうのともちがうんだよな。なんて言うかこう、そう。まるで、パンゲアそのものがすっぽり消えてなくなっちまった。そんな感じなんだ」
 「パンゲアそのものが……」
 ロウワンはハッとした表情になった。『まさか……』という視線を行者ぎょうじゃに向けた。
 行者ぎょうじゃは驚いた声をあげた。
 「ちょ、ちょっとちょっと。なんだい、その目は? 僕はなにも知らないよ」
 「あなたの故郷はくうに呑まれたんだろう? パンゲアでも同じことが起きたんじゃ……」
 「いやいや。確かに、理論的にはありうるけどね。でも、今回はちがうよ。パンゲアほどの大国を呑み込むくうとなれば、それはもう想像を絶する大きさだ。僕の故郷を呑み込んだくうとはわけがちがう。そんなくうが出現していれば、僕が気がつかないはずがない。と言うより、この世界のそのものに巨大な異変が起きているよ。君たちにだってすぐにわかるさ」
 「そうか……」
 と、ロウワンは静かに言った。
 「となると、いよいよなにがあったのかわからないわけだ。ブージ。とにかく、手を尽くしてパンゲアの情報を集めてくれ」
 「おう。出すもんさえ出してくれりゃあ、おれは立派に働いてやるぜ」
 あくまでも、その点にこだわるブージであった。
 ――アホウタは大丈夫かな?
 ロウワンは見た目は幼女、自称は淑女レディの『パンゲア史上最強』の諜報ちょうほういんのことを思い出した。
 ――パンゲアの内情を探ってくれると約束してくれたけど……無事ならいいけど。
 そう依頼したのはロウワンである。自分の依頼のせいで人ひとりが死ぬ……などということになればやはり、寝覚めが悪い。
 しかし、いくら心配したところでいま、この場でロウワンに出来ることはなにもない。小さく首を振って気分をかえると、今度はメリッサに向かって尋ねた。
 「メリッサ師。聞いての通りです。パンゲアには〝神兵〟、ローラシアにもそいつらと戦える化け物兵がいるようです。こいつらを倒せる武器は作れますか?」
 「話を聞く限りでは……」
 と、メリッサは美しい顔に厳しい表情を浮かべて答えた。
 「天命てんめいことわりによって生みだされた存在、おそらくは、生と死の境をなくした怪物でしょうね。生きていないから殺すことも出来ない。殺すためには人ならざる力が必要になる。天命てんめいことわりによってその不死性を破壊する力を武器に付与することは出来るけど……」
 「では、すぐにやってください!」
 椅子から半ば立ちあがるほどに意気込むロウワンに向かって、メリッサは静かに首を振って見せた。
 「落ち着いて。あわてないで。確かに、必要な武器を作ることはできる。でも、とにかく人手が足りないわ。『もうひとつの輝き』の人員なんて一〇人もいないんだもの。もともとの住み処に残っている人員や、各地に散って情報を集めている男たちを呼び寄せるにしても大量生産なんてとても出来ない。現状ではいくらかの剣や槍に必要な能力を付与するのが精一杯よ」
 「剣や槍……。銃弾には付与できないんですか?」
 「銃弾は消耗品よ。一度、使えばそれで終わり。そんな消耗品にいちいち付与してまわるだけの人手はないわ」
 「そうですか」
 と、ロウワンは少しばかり肩を落とした。
 「でも、とにかく、ないよりはマシです。とりあえず、主立おもだったものたちの武器だけでもかまわない。怪物どもを倒せる武器を用意してください」
 「わかったわ」
 「それと……」
 と、ロウワンはつづけた。
 「空を飛ぶ道具や、大陸の端と端で話が出来る方法は開発できますか?」
 「空を飛ぶ方法?」
 「はい。都市としもう社会しゃかいを築くためには空を飛び、大陸の端と端で話が出来る技術が必要です。開発できるものなら開発してください」
 言われて、メリッサは小さくうなずいた。
 「前の住み処から出るときに言ったと思うけど、遠くはなれた場所で会話する方法に関してはずっと研究をつづけてきたわ。空を飛ぶ方法についてもね。理論だけなら一応、出来ている。でも……」
 「でも?」
 「人手が足りないわ。対怪物用の武器を作りながら、そんな技術の開発なんてとても出来ない」
 「そうですか……」
 ロウワンは再び肩を落とした。
 すると、トウナが発言した。
 「それは、あたしが引き受けるわ」
 「君が?」
 ロウワンはちょっと驚いたように目を丸くした。
 「ええ。〝ビルダー〟・ヒッグスが海上鉄道を作るための工房を開くから、そこに人を集めて開発を進めるわ。メリッサ。『もうひとつの輝き』の研究を渡してもらえる?」
 「それは、かまわないけど……」
 と、メリッサ。若干じゃっかん、戸惑っている様子だった。
 「どうやって、そのために必要な人材を集めるの? 普通の技術者では、まず相手にしてくれないわよ」
 「あたしたちはすでにいくつものコーヒーハウスを経営している。そこで、大々的に募集するわ。〝ビルダー〟も昔の仲間に声をかけると言ってくれたしね」
 「そうか」
 と、ロウワンはうなずいた。
 「では、それはトウナに任せる。とにかく、ガレノア、ボウ。一刻も早くサラフディンに援軍を送らなくちゃいけない。出来るだけ早く、そのための編成を進めてくれ。準備ができ次第、出発だ」
 「おう、任せとけ」
 「承知しました」
 ガレノアが胸を張り、ボウがうなずく。
 「メリッサ師。出発までに出来るだけでいい。対怪物用の武器を作っておいてください」
 「ええ。『もうひとつの輝き』の総力をあげて」
 「タングスは言ったとおり、島の開発を進めてくれ。それと、ブージ。とにかく、人と情報を集めてくれ」
 「かしこまりました」
 「おう。出すもんさえ出してくれりゃあ働くぜ、おれさまはよ」
 「それと、ロスタム卿」
 ロウワンはヘイダール議長の名代みょうだいである『砂漠の王子さま』に視線を向けた。
 「ゴンドワナの代表として、なにか意見や要望はありますか?」
 部外者と言うことで発言せず、聞き役に徹していたロスタムは礼儀正しく答えた。
 「いえ、私からなにか言わなくても、充分な取り決めをしてくださっています」
 「そうですか」
 ロウワンはうなずいたが、ブージはなにやら胡散うさんくさいものを見るような目でロスタムを睨みつけている。
 「あとは……」
 ロウワンはやや複雑な視線をトウナに向けた。これからはもう、共に旅することもないだろう相手に。
 「……あとのことは頼む」
 「ええ。頼まれたわ。あなたは安心して前に進んで」
 「よし。それでは、会議は終わりだ。それぞれの役割を果たしてくれ」
 そのロウワンの一言を合図に――。
 議会は終わった。

 ガレノアとボウは議会場という名の掘っ立て小屋を出て港に向かった。並んで歩きながらガレノアが愉快そうに笑った。
 「わっはっはっはっ! しかしまあ、ロウワンのやつがあんないっぱしになるとは思わなかったぜ。おれさまの船に迷い込んできたときは、本当にただの小僧だったのによ」
 「その頃に会えなかったのが残念だ。その頃からの成長ぶりをの当たりに出来たならどれほど楽しかったことか」
 「けっ、なにを年寄り染みたことを……」
 意ってやがる。
 そう笑い飛ばそうとしたガレノアの言葉が途中でとまった。顔をしかめ『イテテ……』と小さく呻いた。
 「どうした?」
 「……ちっ。最近、ひざや腰が痛んでよ。どうにも、厄介だぜ」
 「お前ももう現役という歳ではないと言うことだ。そろそろ、引退も考えることだな」
 「誰が引退なんかするかよ。おれさまは生涯、海賊だぜ。死ぬときは海の上さ。お前だってそう思ったから、一度は引退したってのに海に戻ってきたんだろうが」
 「確かにな。ひとたび引退した身で、再び戻ったからには二度はない。海の上で死ぬつもりだ」
 「ふん。『死ぬ、死ぬ』ってなんとも辛気しんきくせえ話になっちまったな。ここはいっちょう、酒でも飲んでパアッとさ晴らししようぜ」
 ガレノアは言ったが、ボウは謹厳きんげん実直じっちょくな表情そのままに首を横に振った。
 「せっかくだが断る。これから行者ぎょうじゃどのに、お肌のお手入れ方法について学ぶのでな」
 ボウはそう言って、歩き去った。
 ガレノアはその後ろ姿を、残った左目をまん丸にして見送った。
 肩の上で鸚鵡おうむが鳴いた。
 「……歳より老けて見えるの、気にしてたのかよ」
 その直後――。
 なんとも、爽快なガレノアの高笑いが響いたのだった。
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