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ニ一章
何故か、おれの生命が狙われる
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その日からさっそく、鈴沢の指導がはじまった……のだが、
「歩幅が大きい!」
「肩を怒らせない!」
「指先はもっとしとやかに!」
鈴沢の指導ぶりはきびしいというより、粗暴なものにしか思えなかった。
「ああ、もう、そうじゃないったら!」
「何度言ったらわかるのよ、鈍いやつね」
「何度もなんども同じ失敗して。やる気あるの、あんた?」
その暴言の数々におれはさすがに腹を立てた。鈴沢の劇団ではそんな指導が当たり前なのかも知れない。しかし、そこでは指導を受ける側もプロだ。少なくともプロになろうとしている人間だ。おれはちがう。我慢にも限度がある。
「あのな、鈴沢……」
「それが女の子のしゃべり方? 練習がまるで身についてないじゃない」
その言葉におれは噴火寸前になった。年下の女の子相手ということでかろうじて押さえる。
「こっちから頼んでおいてなんだが、おれは一応、年上なんだぞ。少しは口の聞き方というものを……」
おれの良識論に対し、鈴沢は鼻を鳴らしただけだった。
「なに言ってるのよ。あたしは師匠。あんたは弟子。歳の差なんて関係ないでしょ」
たしかに正論ではある。それを言われると何も言えない。しかし、だからと言ってだな……。
「まあまあ、鈴さま。はじめからそうはうまくいかないというものですよ」
「そ、そそそそ、そうだけど……」
金子が鈴沢をなだめに入った。たちまち鈴沢の白い頬が赤く染まる。全身がカチンコチンにこわばり、まさしく人形のようになる。
――こいつ、やっぱり……。
どんな男にでもアタックできるミクロ美少女が、よりによって太めでメガネて汗っかきのオタク男に惚れるとは。鈴沢の趣味の悪さにおれは驚いた。
「ここはひとつ、辛抱強くいくとしましょう。なに。どんなに物覚えの悪いイヌでも愛情を込めて根気よく仕込めばいつかは通じるというもの。そう信じるとしましょう」
「わ、わわわわ、わかった……」
もう少し練習していく、ということでおれと鈴沢だけが残り、陽芽姉ちゃんたちは先に帰した。金子がいなくなったことで鈴沢はようやく緊張から解放されたらしい。胸に手をつき、大きく息をつく。そんな鈴沢におれは言った。
「なあ、鈴沢。お前、金子のこと……」
ギン!
おれの一言にすさまじい殺気を込めた鈴沢の視線が向けられた。その迫力、その威圧感におれは思わず尻餅をついた。
――何でだ⁉ 何で、こんなかわいらしい、お人形みたいな女の子がこんな恐ろしい目をできるんだ⁉
だが、実はそんなことを気にしている場合ではなかったのである。鈴沢の全身がプルプルと震え、腕が伸び、両手で椅子の脚をつかみ、もちあげたのだ。
「お、おい、ちょってまて……」
不吉な予感がおれの全身を貫く。右手を前に差し出し、後ずさりながら立ちあがる。
「そ、その椅子は何のつもりだ? まずは落ち着け、なっ? とにかく、椅子は置いて……」
「なんで……」
椅子を両手でかまえ、うつむき加減の姿勢で鈴沢は口を開いた。
「えっ?」
「なんであんたにそれがわかるのよっ⁉」
「わかるだろ、あれは!」
突然に。
お人形のようなミクロ美少女は椅子を振りまわして襲いかかってきた。
「わあっ!」
おれは悲鳴をあげた。その後をブンッ、ブンッと音を立てて椅子が振りまわされる。
「よけるな、当たれえぇぇぇっ!」
「無茶言うな! 何のつもりだっ⁉」
「知られたからには生かしておけない! この場で殺してやるうぅぅぅっ!」
「何でそうなるんだよ⁉」
顔を真っ赤にして椅子を振りまわすミクロ美少女と必死で逃げるメイド姿の男。はたから見ればさぞ珍妙な光景だったろう。もちろん、おれは必死である。そして多分、鈴沢も。
一〇分ほども生命を懸けた追い駆けっこがつづいただろうか。鈴沢はさすがに疲れたらしい。椅子の脚をもったまま背もたれを床につけ、肩で激しく息をしている。
おれも似たりよったりの様子だ。ビッショリとかいた汗でカツラの毛を顔中に張りつかせ、壁に背をつけて息を切らしている。我ながら珍妙な格好だろうとは思ったけど、そんなことを気にしている余裕はない。
「お、落ち着け、なっ? 鈴沢? 何でおれを殺さなきゃならないんだ? 訳を言ってみろ、訳を」
「うっ……」
おれを見上げた鈴沢の目には大粒の涙がたまっているように見えた。
「どうせ……どうせ、あたしのことバカにしてるんでしょ。趣味悪いとかなんとか……」
……うっ。
それはたしかに思った。
「そんでもって、みんなに話すんでしょ。『鈴さまなんて呼ばれて威張ってるくせに趣味悪いんでやんの』なんて。でもって、学校中の笑いものに……」
やけにリアルな予測に、おれはふと胸をつかれた。ひょっとしてこいつ、中学時代にでもそんな目にあったことがあるのか?
「だから、あんたを殺して口封じするのよおぉぉぉっ!」
「まてぇぇぇいっ!」
振りあげ、振りおろされた椅子の背もたれを両手で受けて、おれは叫んだ。
「まて、鈴沢! それはお前の恥ではない。人の恋路を笑いものにすることこそ恥だ」
「えっ……?」
涙をいっぱいにためた鈴沢の大きな目がパチクリした。
「それに……それに、そうだ。お前は絶対、金子の趣味だ!」
鈴沢はソロソロと椅子をおろした。
「ほ、本当に……?」
そう尋ねる表情が照れくさそうなものにかわっていた。
「まちがいない! 自称『親友』として断言する。お前ほどの萌え系美少女を金子が好きにならないわけがない。第一、おれにメイドさんをさせたのもお前をSEED部に引き込むためだったんだ!」
「そ、そうなの……?」
「そうとも!」
本当かどうかは知らないけど、おれは胸を張って断言した。とにかく必死だったのだ。金子の内心など考えている余裕はない。それにまったくの嘘というわけでもない。フィギュア大好き人間の金子がこんな、等身大ドールみたいな萌え系美少女に心動かさないはずがない。そのことは断言できる。首を賭けてもいい。
「だからだな、鈴沢。堂々と告白すればいいんだ。絶対、うまく行く。おれが保証する。笑うようなやつは無視していればいい。そんなことをするのは自分で自分を『ろくでなし』と言ってるのと同じだ。気にするだけ自分の品位をさげるぞ」
「そ、そうかな……」
「そうとも。絶対、そうだ。だから、堂々とアタックしろ。なっ?」
「でも……いきなり告白なんてできない」
鈴沢は頬を赤くした。やけに気弱そうな声になっていた。ひょっとしてこいつ、恋には臆病なタイプか? それにしても、こんな美少女が金子みたいなパッとしない男に告白する勇気をもてないなんて妙な感じだが。
……いかん。こんなことを考えているのが知られたら、また襲われる。とにかく、何とかしないと。
「そうだ! 調理実習でクッキーとかケーキとか作ること、あるだろ?」
「来週……。クッキー作る」
「よし、それだ。そのクッキーを渡せばいいんだ」
「いきなりそんなことして迷惑がられない? だいじょうぶ?」
「大丈夫! 絶対だ。女子に手作りクッキーをもらって喜ばない男はいない。まして、金子は根っからのイベント好きだ。その手のイベントには目がないやつだ。うまいクッキーを作って、こっそり校舎の裏にでも呼び出して渡せばそれで一発だ。晴れてカップルになれるぞ。保証する」
「でも……クッキーなんて作ったことない」
「おれが教えてやる」
「あんたが?」
「任せろ。これでも料理から菓子まで一通り作れる。なんたってメイドさんだからな」
「ほんとに? 協力してくれるの?」
「ああ、もちろん。お前は演技の師匠だからな。それぐらい、協力するぞ」
とにかく、こいつと金子をまとめてしまわないことにはおれの生命が危ない。こっちも必死である。
鈴沢はしばらく顔をうつむけていた。静かな声がした。
「……そうよね」
「えっ?」
その声におれは恐ろしく不吉な予感がした。
鈴沢は顔をあげた。怒った様子も、半べそ状態になっていた様子も消えて、その顔には満面の笑みが浮いていた。『女王さま』そのままの笑みが。
ひええ。かなり恐い……。
「あんたはあたしの弟子だもんね。それぐらいしても当然よね。とことん協力してもらおうじゃない」
ああ、もう、何とでも思ってくれ。生命を狙わずにいてくれればそれでいい。
「歩幅が大きい!」
「肩を怒らせない!」
「指先はもっとしとやかに!」
鈴沢の指導ぶりはきびしいというより、粗暴なものにしか思えなかった。
「ああ、もう、そうじゃないったら!」
「何度言ったらわかるのよ、鈍いやつね」
「何度もなんども同じ失敗して。やる気あるの、あんた?」
その暴言の数々におれはさすがに腹を立てた。鈴沢の劇団ではそんな指導が当たり前なのかも知れない。しかし、そこでは指導を受ける側もプロだ。少なくともプロになろうとしている人間だ。おれはちがう。我慢にも限度がある。
「あのな、鈴沢……」
「それが女の子のしゃべり方? 練習がまるで身についてないじゃない」
その言葉におれは噴火寸前になった。年下の女の子相手ということでかろうじて押さえる。
「こっちから頼んでおいてなんだが、おれは一応、年上なんだぞ。少しは口の聞き方というものを……」
おれの良識論に対し、鈴沢は鼻を鳴らしただけだった。
「なに言ってるのよ。あたしは師匠。あんたは弟子。歳の差なんて関係ないでしょ」
たしかに正論ではある。それを言われると何も言えない。しかし、だからと言ってだな……。
「まあまあ、鈴さま。はじめからそうはうまくいかないというものですよ」
「そ、そそそそ、そうだけど……」
金子が鈴沢をなだめに入った。たちまち鈴沢の白い頬が赤く染まる。全身がカチンコチンにこわばり、まさしく人形のようになる。
――こいつ、やっぱり……。
どんな男にでもアタックできるミクロ美少女が、よりによって太めでメガネて汗っかきのオタク男に惚れるとは。鈴沢の趣味の悪さにおれは驚いた。
「ここはひとつ、辛抱強くいくとしましょう。なに。どんなに物覚えの悪いイヌでも愛情を込めて根気よく仕込めばいつかは通じるというもの。そう信じるとしましょう」
「わ、わわわわ、わかった……」
もう少し練習していく、ということでおれと鈴沢だけが残り、陽芽姉ちゃんたちは先に帰した。金子がいなくなったことで鈴沢はようやく緊張から解放されたらしい。胸に手をつき、大きく息をつく。そんな鈴沢におれは言った。
「なあ、鈴沢。お前、金子のこと……」
ギン!
おれの一言にすさまじい殺気を込めた鈴沢の視線が向けられた。その迫力、その威圧感におれは思わず尻餅をついた。
――何でだ⁉ 何で、こんなかわいらしい、お人形みたいな女の子がこんな恐ろしい目をできるんだ⁉
だが、実はそんなことを気にしている場合ではなかったのである。鈴沢の全身がプルプルと震え、腕が伸び、両手で椅子の脚をつかみ、もちあげたのだ。
「お、おい、ちょってまて……」
不吉な予感がおれの全身を貫く。右手を前に差し出し、後ずさりながら立ちあがる。
「そ、その椅子は何のつもりだ? まずは落ち着け、なっ? とにかく、椅子は置いて……」
「なんで……」
椅子を両手でかまえ、うつむき加減の姿勢で鈴沢は口を開いた。
「えっ?」
「なんであんたにそれがわかるのよっ⁉」
「わかるだろ、あれは!」
突然に。
お人形のようなミクロ美少女は椅子を振りまわして襲いかかってきた。
「わあっ!」
おれは悲鳴をあげた。その後をブンッ、ブンッと音を立てて椅子が振りまわされる。
「よけるな、当たれえぇぇぇっ!」
「無茶言うな! 何のつもりだっ⁉」
「知られたからには生かしておけない! この場で殺してやるうぅぅぅっ!」
「何でそうなるんだよ⁉」
顔を真っ赤にして椅子を振りまわすミクロ美少女と必死で逃げるメイド姿の男。はたから見ればさぞ珍妙な光景だったろう。もちろん、おれは必死である。そして多分、鈴沢も。
一〇分ほども生命を懸けた追い駆けっこがつづいただろうか。鈴沢はさすがに疲れたらしい。椅子の脚をもったまま背もたれを床につけ、肩で激しく息をしている。
おれも似たりよったりの様子だ。ビッショリとかいた汗でカツラの毛を顔中に張りつかせ、壁に背をつけて息を切らしている。我ながら珍妙な格好だろうとは思ったけど、そんなことを気にしている余裕はない。
「お、落ち着け、なっ? 鈴沢? 何でおれを殺さなきゃならないんだ? 訳を言ってみろ、訳を」
「うっ……」
おれを見上げた鈴沢の目には大粒の涙がたまっているように見えた。
「どうせ……どうせ、あたしのことバカにしてるんでしょ。趣味悪いとかなんとか……」
……うっ。
それはたしかに思った。
「そんでもって、みんなに話すんでしょ。『鈴さまなんて呼ばれて威張ってるくせに趣味悪いんでやんの』なんて。でもって、学校中の笑いものに……」
やけにリアルな予測に、おれはふと胸をつかれた。ひょっとしてこいつ、中学時代にでもそんな目にあったことがあるのか?
「だから、あんたを殺して口封じするのよおぉぉぉっ!」
「まてぇぇぇいっ!」
振りあげ、振りおろされた椅子の背もたれを両手で受けて、おれは叫んだ。
「まて、鈴沢! それはお前の恥ではない。人の恋路を笑いものにすることこそ恥だ」
「えっ……?」
涙をいっぱいにためた鈴沢の大きな目がパチクリした。
「それに……それに、そうだ。お前は絶対、金子の趣味だ!」
鈴沢はソロソロと椅子をおろした。
「ほ、本当に……?」
そう尋ねる表情が照れくさそうなものにかわっていた。
「まちがいない! 自称『親友』として断言する。お前ほどの萌え系美少女を金子が好きにならないわけがない。第一、おれにメイドさんをさせたのもお前をSEED部に引き込むためだったんだ!」
「そ、そうなの……?」
「そうとも!」
本当かどうかは知らないけど、おれは胸を張って断言した。とにかく必死だったのだ。金子の内心など考えている余裕はない。それにまったくの嘘というわけでもない。フィギュア大好き人間の金子がこんな、等身大ドールみたいな萌え系美少女に心動かさないはずがない。そのことは断言できる。首を賭けてもいい。
「だからだな、鈴沢。堂々と告白すればいいんだ。絶対、うまく行く。おれが保証する。笑うようなやつは無視していればいい。そんなことをするのは自分で自分を『ろくでなし』と言ってるのと同じだ。気にするだけ自分の品位をさげるぞ」
「そ、そうかな……」
「そうとも。絶対、そうだ。だから、堂々とアタックしろ。なっ?」
「でも……いきなり告白なんてできない」
鈴沢は頬を赤くした。やけに気弱そうな声になっていた。ひょっとしてこいつ、恋には臆病なタイプか? それにしても、こんな美少女が金子みたいなパッとしない男に告白する勇気をもてないなんて妙な感じだが。
……いかん。こんなことを考えているのが知られたら、また襲われる。とにかく、何とかしないと。
「そうだ! 調理実習でクッキーとかケーキとか作ること、あるだろ?」
「来週……。クッキー作る」
「よし、それだ。そのクッキーを渡せばいいんだ」
「いきなりそんなことして迷惑がられない? だいじょうぶ?」
「大丈夫! 絶対だ。女子に手作りクッキーをもらって喜ばない男はいない。まして、金子は根っからのイベント好きだ。その手のイベントには目がないやつだ。うまいクッキーを作って、こっそり校舎の裏にでも呼び出して渡せばそれで一発だ。晴れてカップルになれるぞ。保証する」
「でも……クッキーなんて作ったことない」
「おれが教えてやる」
「あんたが?」
「任せろ。これでも料理から菓子まで一通り作れる。なんたってメイドさんだからな」
「ほんとに? 協力してくれるの?」
「ああ、もちろん。お前は演技の師匠だからな。それぐらい、協力するぞ」
とにかく、こいつと金子をまとめてしまわないことにはおれの生命が危ない。こっちも必死である。
鈴沢はしばらく顔をうつむけていた。静かな声がした。
「……そうよね」
「えっ?」
その声におれは恐ろしく不吉な予感がした。
鈴沢は顔をあげた。怒った様子も、半べそ状態になっていた様子も消えて、その顔には満面の笑みが浮いていた。『女王さま』そのままの笑みが。
ひええ。かなり恐い……。
「あんたはあたしの弟子だもんね。それぐらいしても当然よね。とことん協力してもらおうじゃない」
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