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一五章
まさか、このおれがモデル級美少女となんて……
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翌日、学校でさっそく、その感動を雪森に伝えた。おれのテンションの高さに雪森のほうが驚いたようだった。
それ以来、あれこれと本を借りるようになった。自然、雪森との会話は『文学』に関するものになっていった。
「一八~一九世紀ごろの作品って全体に品があるわよね。登場人物もみんな高潔だし」
「けど、あんな立派な人間、いないよなあ」
「身のまわりにいくらでもいるような人種とフィクションの世界でまで付き合いたくないわ。それを読んで『自分もこうなろう』って思う人だっているはずだし。大体……」
いつもクールで口数も少ない雪森だけど、こと文学に関することだとよくしゃべる。いままでこんなことを話し合える相手もいなかったのだろう。雪森の趣味はいまどきの高校生にはちょっと重い。
軽く話をしてから雪森は教室を出ていった。さて、おれもサッカー部の練習だ。教室を出ようとした、その瞬間、
「藤岡あ~!」
「わあっ!」
金子雄二が突然、おれの後ろから羽交い締めにしてきた。金子の突き出た腹がおれの腰を突きあげて、おれの体は『く』の字に曲がった。
「な、なんだ、なんだ、金子⁉ いきなり何をする⁉」
「黙れえ~、この裏切りものめえっ」
「何だ、それは!」
「とぼけるなあっ! 親友のおれさまに内緒で彼女など作りおってえぇ~。しかも、校内ナンバー1美少女とは! これが裏切りでなくて何だと言うのだあぁ~⁉」
金子の全身から怨念が吹き出し、その体を一〇〇倍にもしたように見えた。その鬼気迫る姿におれは本気でビビった。
「そ、そんなんじゃないって。ただの部活仲間だ、ただの」
「部活仲間だと? ほほ~う? 『ただの』部活仲間ねえぇ~」
金子はギラリと光るメガネに指をかけ、顔中を暗く染めておれをにらみつけた。……本気で不気味だぞ、金子。
「きさまは『ただの』部活仲間と趣味の話をしたりするのかあぁ~⁉」
金子が指を突きつけながら叫ぶ。その声が雷光となっておれの体を打ち抜いた。
「そ、それは……」
「『それは……』ではな~い! この裏切り者、このモテ男め! しかも、三年ナンバー1美少女の森崎陽芽お姉さまとまで仲良くしおって! 人気のない、古ぼけた校舎の片隅で美少女ふたりに囲まれていったい、何をしておるのだ、このハレンチ少年め。許せん、絶対許せん! きまさのような裏切り者はいますぐ地獄に落ちろぉ~!」
金子はほとんど泣きじゃくるようにしておれの首根っ子をつかみ、ガクガクゆさぶる。
いかん、このままでは殺される。力ずくで金子の腕を振り払った。
「いい加減にしろ、この萌えマニア。みんな、そんなんじゃねえっての」
金子の腹を蹴り飛ばし、教室を出ようとする。そのおれに倉木が不満そうに声をかけてきた。
「でも~、藤岡くん~。よくないと思う~。白雪鬼姫なんて呼ばれているヤンキーと仲良くするなんてえ~」
その言葉におれは反射的に倉木をにらみつけていた。とたんに倉木のかわいい顔に怯えが走る。『守ってあげたいキャラ』で知られる倉木だ。こんなふうに男ににらまれたことなんてないのだろう。女の子を怯えさせる結果になったのは不本意だけど、倉木の言葉は聞き流すわけにはいかないものだった。おれは目つきに劣らず棘のある声で言った。
「雪森はそんなやつじゃない。『白雪鬼姫』なんて、二度と言わないでくれ」
本気でビビり、震えている倉木をあとに、おれは教室を出ていった。河野や古橋がヒソヒソ囁く声が聞こえた。
「なに、あの態度? 感じ悪っ~」
「調子に乗ってない? サッカー部で少しばかり人気があるからってさ」
「そうよねえ。麻由、かわいそう」
そんな声が聞こえたけど、おれはすべて無視した。雪森を悪く言われておれは本当に頭にきていたのだ。
――本人と話をしたこともないくせに、噂だけで悪く言いやがって。
そう思うと自分でも驚くぐらい腹が立った。
……いや、それはまあ、おれだって前は同じように偏見をもっていたわけだけど。
「……そうだよな。雪森っていつもそう見られてるんだよな」
おかげで友だちもなく、いつもひとりぼっち……。
「よし、決めたぞ」
おれは拳を握りしめ、小さく叫んだ。
その日からおれはどんどん雪森と関わるようにした。教室でも、部室でも、その他でも、とにかく話しかけた。本を借りたり、勉強を見てもらったりもした。
もしかしたら雪森にとっては迷惑だったかも知れない。だけど、雪森ならそれならそうとはっきり口にするだろう。加藤の告白を『迷惑』の一言で粉砕したように。それをしないということは、少なくとも迷惑には感じていないということだ。身勝手かも知れないけど、おれはそう解釈した。そして、かまわず雪森に近づいた。
「なあ、雪森」
ある日、おれは教室で帰り支度をしている雪森に声をかけた。
「なに?」
と、雪森はいつもながらのクールな視線で問い返してくる。おれは映画のチケットを二枚、手にもちながら言った。
「映画のチケットが手に入ってさ。一緒に行かないか?」
ザワッ、と、教室内が一斉にざわめく。
「映画?」
「い、いやほら、勉強だって見てもらってるしさ。そのお礼ってことで……」
「いいの? わたしと関わるようになってから、みんなに無視されてない?」
その言葉におれは振り向いた。こちらを見て何やらヒソヒソ話しをしていた連中があわてて向こうを向く。
たしかに、ここ最近、おれはクラスメートからは避けられていた。とくに女子に。この間、倉木に刺のある言い方をしたのが反感を買ったらしい。とくに倉木と仲のいい河野や古橋などはあからさまにおれを無視していた。
その三人が一固まりになってコソコソした様子でこちらの様子をうかがっている。おれはフンッ、とばかりに胸をそらした。雪森に向き直った。
「いいさ、そんなこと。他人のことを気にするなんて雪森らしくないぞ」
「わたしは気にしてないけど……」
おれのことを気にしてくれたわけだ。やっぱり、雪森はやさしい。こんな女の子が『白雪鬼姫』なんて呼ばれて偏見をもたれているなんて許せない。
「ならいいじゃないか。なっ? 一緒に行こう」
「……ええ」
やった!
おれは小躍りしたいぐらいの気分だった。
その日はまさに『青春真っ只中』と化した。近くの公園を散歩し、喫茶店でお茶を飲み、映画を観てからファミリーレストランで食事……と、黄金のワンパターンを満喫した。
くぅっ~、これだよ、これ。これぞ青春。これこそ若竹に入ったときに期待した展開。しかも、相手はモデル級美少女。こんなことを味わえる日がくるなんて……SEED部に入ってよかったあっ!
陽芽姉ちゃんが聞いたら『はっはっはっ』と高笑いし、『それ見たことか。この姉に感謝するのだぞ』と言うにちがいないことをおれは思った。しかし、まったくその通りだ。陽芽姉ちゃんには感謝しなくては。
――今度、とびっきりのご馳走でも作ってやろう。
おれはごくごく素直にそう思った。
雪森をアパートまで送っていった。
「送ってくれてありがとう。それじゃ」
「ああ。今日はありがとう。とても楽しかった。ワンパターンすぎて退屈だったかも知れないけど」
「わたしははじめてだもの。楽しかったわ。ありがとう」
「はじめて? いままでデートしたことないのか?」
「ええ。おかしい?」
キョトン、とした表情で雪森は問い返す。
「いや、そんなことないよ」
おれはあわてて言った。
とんだ失言だ。友だちさえいたことがないのに、デートなんてしたことがあるわけないじゃないか。承知しているはずだったのに、やはりまだ、この美貌にだまされていたらしい。
『こんな美人なら男と付き合ったことぐらい何度もあるだろう』
ついそんなふうに思い込んでしまう。だけど、雪森はちがう。デートどころか友だちと一緒に過ごす楽しささえ知らないのだ。
「あ、あのさ、雪森……」
「なに?」
「また……誘っていいかな?」
雪森は一瞬、押し黙った。それから顔をそらした。小さな声で言った。
「……ええ」と。
照れてる。
雪森が照れている。
こんなモデル級美少女がおれに誘われて照れているのだ!
「……それじゃこれで」
雪森は小さくそう言うと視線をそらしたまま部屋に駆け戻って行った。
おれはしばらく、雪森の部屋のドアを見上げていた。それから、
「いやっほー」
と、叫びながら帰途についたのだった。
それ以来、あれこれと本を借りるようになった。自然、雪森との会話は『文学』に関するものになっていった。
「一八~一九世紀ごろの作品って全体に品があるわよね。登場人物もみんな高潔だし」
「けど、あんな立派な人間、いないよなあ」
「身のまわりにいくらでもいるような人種とフィクションの世界でまで付き合いたくないわ。それを読んで『自分もこうなろう』って思う人だっているはずだし。大体……」
いつもクールで口数も少ない雪森だけど、こと文学に関することだとよくしゃべる。いままでこんなことを話し合える相手もいなかったのだろう。雪森の趣味はいまどきの高校生にはちょっと重い。
軽く話をしてから雪森は教室を出ていった。さて、おれもサッカー部の練習だ。教室を出ようとした、その瞬間、
「藤岡あ~!」
「わあっ!」
金子雄二が突然、おれの後ろから羽交い締めにしてきた。金子の突き出た腹がおれの腰を突きあげて、おれの体は『く』の字に曲がった。
「な、なんだ、なんだ、金子⁉ いきなり何をする⁉」
「黙れえ~、この裏切りものめえっ」
「何だ、それは!」
「とぼけるなあっ! 親友のおれさまに内緒で彼女など作りおってえぇ~。しかも、校内ナンバー1美少女とは! これが裏切りでなくて何だと言うのだあぁ~⁉」
金子の全身から怨念が吹き出し、その体を一〇〇倍にもしたように見えた。その鬼気迫る姿におれは本気でビビった。
「そ、そんなんじゃないって。ただの部活仲間だ、ただの」
「部活仲間だと? ほほ~う? 『ただの』部活仲間ねえぇ~」
金子はギラリと光るメガネに指をかけ、顔中を暗く染めておれをにらみつけた。……本気で不気味だぞ、金子。
「きさまは『ただの』部活仲間と趣味の話をしたりするのかあぁ~⁉」
金子が指を突きつけながら叫ぶ。その声が雷光となっておれの体を打ち抜いた。
「そ、それは……」
「『それは……』ではな~い! この裏切り者、このモテ男め! しかも、三年ナンバー1美少女の森崎陽芽お姉さまとまで仲良くしおって! 人気のない、古ぼけた校舎の片隅で美少女ふたりに囲まれていったい、何をしておるのだ、このハレンチ少年め。許せん、絶対許せん! きまさのような裏切り者はいますぐ地獄に落ちろぉ~!」
金子はほとんど泣きじゃくるようにしておれの首根っ子をつかみ、ガクガクゆさぶる。
いかん、このままでは殺される。力ずくで金子の腕を振り払った。
「いい加減にしろ、この萌えマニア。みんな、そんなんじゃねえっての」
金子の腹を蹴り飛ばし、教室を出ようとする。そのおれに倉木が不満そうに声をかけてきた。
「でも~、藤岡くん~。よくないと思う~。白雪鬼姫なんて呼ばれているヤンキーと仲良くするなんてえ~」
その言葉におれは反射的に倉木をにらみつけていた。とたんに倉木のかわいい顔に怯えが走る。『守ってあげたいキャラ』で知られる倉木だ。こんなふうに男ににらまれたことなんてないのだろう。女の子を怯えさせる結果になったのは不本意だけど、倉木の言葉は聞き流すわけにはいかないものだった。おれは目つきに劣らず棘のある声で言った。
「雪森はそんなやつじゃない。『白雪鬼姫』なんて、二度と言わないでくれ」
本気でビビり、震えている倉木をあとに、おれは教室を出ていった。河野や古橋がヒソヒソ囁く声が聞こえた。
「なに、あの態度? 感じ悪っ~」
「調子に乗ってない? サッカー部で少しばかり人気があるからってさ」
「そうよねえ。麻由、かわいそう」
そんな声が聞こえたけど、おれはすべて無視した。雪森を悪く言われておれは本当に頭にきていたのだ。
――本人と話をしたこともないくせに、噂だけで悪く言いやがって。
そう思うと自分でも驚くぐらい腹が立った。
……いや、それはまあ、おれだって前は同じように偏見をもっていたわけだけど。
「……そうだよな。雪森っていつもそう見られてるんだよな」
おかげで友だちもなく、いつもひとりぼっち……。
「よし、決めたぞ」
おれは拳を握りしめ、小さく叫んだ。
その日からおれはどんどん雪森と関わるようにした。教室でも、部室でも、その他でも、とにかく話しかけた。本を借りたり、勉強を見てもらったりもした。
もしかしたら雪森にとっては迷惑だったかも知れない。だけど、雪森ならそれならそうとはっきり口にするだろう。加藤の告白を『迷惑』の一言で粉砕したように。それをしないということは、少なくとも迷惑には感じていないということだ。身勝手かも知れないけど、おれはそう解釈した。そして、かまわず雪森に近づいた。
「なあ、雪森」
ある日、おれは教室で帰り支度をしている雪森に声をかけた。
「なに?」
と、雪森はいつもながらのクールな視線で問い返してくる。おれは映画のチケットを二枚、手にもちながら言った。
「映画のチケットが手に入ってさ。一緒に行かないか?」
ザワッ、と、教室内が一斉にざわめく。
「映画?」
「い、いやほら、勉強だって見てもらってるしさ。そのお礼ってことで……」
「いいの? わたしと関わるようになってから、みんなに無視されてない?」
その言葉におれは振り向いた。こちらを見て何やらヒソヒソ話しをしていた連中があわてて向こうを向く。
たしかに、ここ最近、おれはクラスメートからは避けられていた。とくに女子に。この間、倉木に刺のある言い方をしたのが反感を買ったらしい。とくに倉木と仲のいい河野や古橋などはあからさまにおれを無視していた。
その三人が一固まりになってコソコソした様子でこちらの様子をうかがっている。おれはフンッ、とばかりに胸をそらした。雪森に向き直った。
「いいさ、そんなこと。他人のことを気にするなんて雪森らしくないぞ」
「わたしは気にしてないけど……」
おれのことを気にしてくれたわけだ。やっぱり、雪森はやさしい。こんな女の子が『白雪鬼姫』なんて呼ばれて偏見をもたれているなんて許せない。
「ならいいじゃないか。なっ? 一緒に行こう」
「……ええ」
やった!
おれは小躍りしたいぐらいの気分だった。
その日はまさに『青春真っ只中』と化した。近くの公園を散歩し、喫茶店でお茶を飲み、映画を観てからファミリーレストランで食事……と、黄金のワンパターンを満喫した。
くぅっ~、これだよ、これ。これぞ青春。これこそ若竹に入ったときに期待した展開。しかも、相手はモデル級美少女。こんなことを味わえる日がくるなんて……SEED部に入ってよかったあっ!
陽芽姉ちゃんが聞いたら『はっはっはっ』と高笑いし、『それ見たことか。この姉に感謝するのだぞ』と言うにちがいないことをおれは思った。しかし、まったくその通りだ。陽芽姉ちゃんには感謝しなくては。
――今度、とびっきりのご馳走でも作ってやろう。
おれはごくごく素直にそう思った。
雪森をアパートまで送っていった。
「送ってくれてありがとう。それじゃ」
「ああ。今日はありがとう。とても楽しかった。ワンパターンすぎて退屈だったかも知れないけど」
「わたしははじめてだもの。楽しかったわ。ありがとう」
「はじめて? いままでデートしたことないのか?」
「ええ。おかしい?」
キョトン、とした表情で雪森は問い返す。
「いや、そんなことないよ」
おれはあわてて言った。
とんだ失言だ。友だちさえいたことがないのに、デートなんてしたことがあるわけないじゃないか。承知しているはずだったのに、やはりまだ、この美貌にだまされていたらしい。
『こんな美人なら男と付き合ったことぐらい何度もあるだろう』
ついそんなふうに思い込んでしまう。だけど、雪森はちがう。デートどころか友だちと一緒に過ごす楽しささえ知らないのだ。
「あ、あのさ、雪森……」
「なに?」
「また……誘っていいかな?」
雪森は一瞬、押し黙った。それから顔をそらした。小さな声で言った。
「……ええ」と。
照れてる。
雪森が照れている。
こんなモデル級美少女がおれに誘われて照れているのだ!
「……それじゃこれで」
雪森は小さくそう言うと視線をそらしたまま部屋に駆け戻って行った。
おれはしばらく、雪森の部屋のドアを見上げていた。それから、
「いやっほー」
と、叫びながら帰途についたのだった。
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