世にも平和な物語

越知 学

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私のボールは的外れ

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私の投げるボールはいつも的外れで、そのうち拾ってくれないようになって、呼び掛けてこないようになって、投げようとさえしてくれないようになる。
でも挫けそうな私のボールを彼は当たり前のように受け取ってくれた。
褒めてくれた。
それは私が初めてボールを交わすことのできた瞬間だった。
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