Cat☆Girls 《猫娘たち》 ー 月光のシュバリエル ー

第８章 マリアとアカネ

その15 海の底で光る星

　独占スクープ「痴者の花嫁 その３」―容疑者Ｍの正体―

　Ｙ氏宅に侵入して射殺された男は民間軍会社Ｐ　Ｍ　Ｃが現地で採用した契約社員コントラクターだった。雇用期間は一年でわずか一度の派遣で解雇されている。内情を知る人物によれば勤務中に重大な服務規程違反があったという。

　男の派遣先の内戦国では政府による民間人への残虐行為が問題となる一方、反政府勢力の側も拉致らちした子どもを兵士や性奴隷にするなど非人道的な行為が報告されている。男は政府軍が占領した町でスパイ容疑で捕まった現地の少女に対する拷問と殺害に関わったとされている。

　戦場から帰還した男が始めたのは暗黒放送局ダークチャンネルを経由した動画配信である。内容は小児性愛者ペドフィル向けの児童ポルノだ。

「最近の児童ポルノは全身整形をした女優や画像合成技術Ｉ　Ｃ　Ｔを使った偽物フェイクが増えました。表の制作会社が名前を伏せて暗黒放送局ダークチャンネルに作品を流しているんです。合法なものを違法に見せかけて高値で売りつける訳ですから詐欺には違いありませんが、闇市ダークプラットホームの取引だし商品の性質からしても公にはできません。すべてが自己責任だまされぞんの世界です」

　自身も過去に疑似児童ポルノの制作に関わった人物が語る。

「偽物フェイク自体もレベルが高くなって一般の利用者ユーザーにはどれが本物ガチでどれが偽物フェイクなのか見分けがつかなくなっています。そもそも子どもという物理的実体フィジカルエンティティを映像にした瞬間に彼らは仮想世界ヴァーチャルワールドの生き物クリーチャーになるんです。結局、現実味リアリティのあるものが本物リアルなんですよ」

　男は業界でＭという名前で知られていた。

「Ｍは底物といわれる秘匿性の高い深海局ディープチャンネル専門の配信者ストリーマーです。作品はすべて本物ガチでしょう。出演している子どもは本当に強姦レイプされています。でも、路上生活ホームレスの子どもだから訴えないし、実際の年齢もわからない。電脳警察サイバーポリスもマークしていたはずですが立件は難しかったようです」

「Ｍが使っているのは左目に仕込んだ軍用の多重記録装置マルチレコーダーです。本来は軍務を離れるときに摘出して返却するものですが整備兵に賄賂わいろでも渡して持ち出したんでしょう。五感からの入力情報をほとんど加工していないので素材だけが勝負の作品です」

　本誌はＭが配信していた小児性愛者ペドフィル向けの三次元動画３Dムービーを疑似体験させてもらった。低侵襲性ミニマルインベージョンのＶＲ装置ギアを装着すると真っ暗な世界にＭの文字が浮かび上がる。

　同期シンクロが済み視界が定まるとＭわたしは薄暗い部屋で少女を床に押し倒している。怯えた顔を眺めながら両手を首に回して左右の頸動脈を親指で圧迫する。数秒で瞳孔が開き体がグニャリとして動かなくなる。

　擦り切れたズボンを手早く脱がせて汚れた下着をむしり取る。チャックを開けて真っ黒なペニスを掴みだし乾いたままの狭い穴に押し込んでゆく。亀頭で奥を突き上げると唇が歪ゆがんでウッと声が漏れる。

　目を開けた少女はうろたえた表情で頭を持ち上げる。根元まで沈んだペニスを見ると諦めたように目を閉じる。目蓋まぶたの端から涙が滲んで煤すすけた頬を流れ落ちる。

　Ｍわたしは腰を動かしながらシャツを捲めくってわずかに膨らんだ乳房を揉みしだく。少女は苦し気に呻うめきながら頭かぶりを振って顔を背そむける。荒れ果てた廃屋はいおくの床で蒼ざめた裸体はだかが揺れている。

「この後は自分がイクまで体位も変えずに延々とヤルだけです。地味な作品ですがコアなファンがいるんですよ。加虐的サディスティックな小児性愛者ペドフィルはヤラれている子どもの微妙な表情や反応を楽しむんです…痛いのを我慢して歯を食いしばったり、すっかり諦めて虚ろな顔になったり…この子もずっと堪こらえていますが最後はキモチ良くなって一度だけ小さな声を出してイクんです。愛好家マニアにはそれがたまらない…人気のある子どもは何度もヤラれているうちに成長して反応も変わってきます…さて、これには続編があるんです」

　視界が暗転するとＭわたしは河原の夏草の中に立っている。廃屋はいおくで犯した少女がペニスを口で扱しごきながら泣きそうな顔で見上げている。ゾクゾクする快感が背骨を駆け上がり亀頭がパンとはち切れる。

　少女はウッとえずいて頬を膨らませる。ペニスを引き抜くと指先で顎を挟んで上をむかせ喉に溜まった精子を一気に飲みこませる。少女は激しく咳き込んで両目にウルウルと涙を浮かべる。

　Ｍわたしはポケットからクシャクシャになった札さつを取りだして犬にお手を仕込むように眼の前に差し出す。少女はＭわたしと札さつを見くらべるとうつむいて金を受け取る。

　肩を落とした少女が涙を拭いながら河原を去ってゆく。

　夏草の陰で息を殺していると別の少女がやってくる。数歩のところで立ち止まり誰かを探すようにあたりを見まわす。無防備な背中に忍び寄りショートパンツの縁へりに指をかけ茂みにグイと引きずり込む。

　地面から身を起こした少女が大声で叫びだす。馬乗りになって左手で口を押えると親指の付け根にガブリと噛みつく。痛みをこらえながら右手を尻にまわし下着の隙間から滑り込ませた中指を肛門に突き立てる。

　少女が驚いてパックリと口を開ける。指を押しこんでグリグリと穴を抉こじるとアガッガッと不規則な悲鳴を上げる。自由になった左手で頬を張るうちに叫び声が小さくなりやがて静かになる。

　虚ろな顔を見下ろしながら人差し指の臭いを嗅ぎ口に含んでクチュクチュと味わう。力の抜けた下半身からショートパンツを脱がせて下着を引きずり下ろす。穴の空いたスニーカーをむしり取り足首を持ち上げてピタリと閉じた割れ目をピチャピチャと舐める。

　日暮れの風が吹き始めて流れる雲が真っ赤に染まる。

「おじさん…これから、挿いれるんでしょう？」

　Ｍわたしが顔をあげると大きな目がジッと見つめている。少女の綺麗な顔立ちにはどこか見覚えがある。

「あたし、まだ小さいから挿はいらないよ」

　幼さの残る澄んだ声と裏腹の大人びた表情には男心をくすぐる甘えと媚こびがある。

「わかりませんか？ ほら、例の少女ですよ」

　Ｙ氏殺害の現場から失踪した少女とＭの接点が見つかった。