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第4章 いよいよ反撃の時

20、味見

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 親子が楽しく会話している間に、太い竿の部分がすべて埋まった。

「ああ、入りましたね。売り専ボーイぐらい余裕じゃないですか、森野さん」

(うりせん、て何だ。くそ、デカイ。ああっ、前立腺に当たってる)

 アナルいっぱいに入ったちんこの質量が半端ない。こんな凶暴なモノでガツガツと突かれたらイキ狂うのではないだろうか。そう思うと、またしてもユキオのちんこが熱くなり、我慢汁がとぷとぷとぷとぷっ、と溢れ出た。自分が興奮していることがバレバレで恥ずかしいが、止まらない。
 それをユキノブが妖艶な目つきで眺めている。

「森野さん、先ほど私、動画を削除したと言いましたが、その際、別の動画も拝見させてもらったんですよ」
「え、別の動画……?」
「ええ。編集する前の、元の動画ですね」
「!」

 まさか薬物で昏睡させられるとは思っていなかったから、そこまで考えが回っていなかった。オリジナルのマイクロSDカードは引き出しの中だが、パソコンには元の動画データが残っていたのだろう。

「その動画は私のパソコンに移動させてもらいましたよ。あなたが息子と笑って会話して、あげくには『ユキオ、壊して』とねだっているところがちゃんと削除されずに残っている動画をね」
「う、クソ……!」

 思わず悔しい声が漏れる。そういえば、リビングで眠ってからどのくらい時間が過ぎたのだろう。ユキノブが見たのは動画だけなのか。
 トシオは室内をぐるりと見回して時計を探した。だが、壁にも机の上にも見当たらない。

「僕が寝てから、どのくらい経った?」

 ユキオが腕時計を見る。

「今ねー、昼の三時。おやつの時間だよ」

 トシオの体からふっと力が抜けた。

(じゃあ、すべて見られたな。復讐計画書とか……買い物履歴も見られたに違いない。小型カメラとか、マイクロSDカード何枚買ったとか…………あ、亀頭バイブとエネマグラ買ったのも見られた)

 知られたのなら、嘘をついてもバカらしいだけだ。
 それが伝わったのか、ユキノブが優しく声をかけてきた。

「森野さん、あれこれ計画を立てたようですが、レイプされたのに、その時の動画が存在するなんて都合がよすぎませんか? それって事前にホテルの部屋にカメラを仕掛けておかないと不可能ですよね。ユキオがそんなことをするはずがないし、なら、部屋にカメラを仕掛けたのは森野さん、あなたということになりますよね?」
「…………」

 初歩的なミスを犯していたことに気付いたトシオは黙って視線を伏せた。

(金を手に入れることばっかり考えてた。クソ、僕のバカ。うわああああ! 恥ずかしい! だけど、僕の頭が働かなかったのは寝不足のせいだ! 寝不足なのはお前の息子のせいだ! よって僕は悪くない! なのに、なんでこうなってるんだよ!)

「あなたがユキオをホテルに誘ったんですよね?」

 トシオはギリ、と歯噛みしてユキノブを睨んだ。

「……確かに、ホテルでの動画は、僕から誘った、合意の上での行為だ。けど、それは、キャンプ場でレイプされた腹いせだ。ユキオとアキラのクソな行為をネットにさらして復讐したかったから誘ったんだ」
「なるほど」
「それより、異常だぞ、お前ら親子。こんなことして」

 すると、ユキオが何でもなさげに笑った。

「俺たちさ、何でも話し合う家族なんだ。ま、トシオのことはさすがにお母さんと弟妹には内緒だけど」

 そう言って息子と父親は仲良さそうに微笑み合う。

「だから異常じゃないよ。それでさ、あの日さ、トシオが必死で隠しカメラ奪って逃げたの見てから何となく予想はついてたからさ、お父さんと家族会議したんだよね。で、こうなったわけ」
「いや、意味が分からない!」

 全身で叫んだため、腹部でユキノブのちんこを圧迫してしまい、トシオの腰がビクン、と揺れた。

「あっ、あ……」

 前立腺からビリッとした快感が伝わり、内部がビクン、ビクン、とうねる。

「ふふっ、どうしたんです? そんなに締め付けて。欲しいんですか?」
「ち、違う。動くな。あっ、ああっ」

 ユキノブがぶっといちんこをゆっくりと引き抜き、再びゆっくりと押し込んだ。そのどちらの動きでも前立腺がゴリゴリと刺激され、快感が下腹部から足の先まで伝わった。

(ヤバい、気持ちいい……あ、あ、出る)

「やめ、やめろ……ん、あ……あ……」

 両手をグーパーして耐えても気持ちよすぎて結局は達してしまい、精液がびゅるびゅるっ、と飛び出した。

「う、あっ」
「ふふっ、トコロテンしてしまいましたね」

 ほんの一分足らずでイかせられたことが悔しくて、トシオは熱い息を吐きながら顔をそむけた。

(どうする。もう、これは逃げられない……味見、て言ってたな。は? 味見? 何なんだよ、この親子。全然反省してない。どうする。どうする)

「ユキオ、森野さんの足、外してあげて」
「うん。でも、トシオは俺のだからね」
「分かってるよ。取ったりしないから」

 ユキオが両足首の拘束を外すと、ユキノブがすぐにガッチリとトシオの両脚を抱え込み、のしかかってきた。顔が近づき、着物に焚き付けられたほのかな甘い香りがトシオの鼻腔をくすぐる。

 先ほどは難しかった体勢だが、尻が少し浮くこの体勢になると、性交はスムーズになる。この格好で今から尻を犯されるのだ。こんなぶっといので犯されたらどうなるのか。全身からブワッと焦りの汗が湧き出る。

「ま、待って」
「じゃあ、慰謝料うんぬんは無しにして、味見だけさせてください、森野さん」
「だから味見って何だよ。う、あっ……!」

 ユキノブがぶっといちんこをゆっくりと抜き挿ししはじめた。

「私のは大きいから、きついでしょう? もっと脚を広げて」
「あっ、ああっ、ああっ、あっ」

 ゴリゴリと前立腺を擦られたトシオはあうあうと口を動かした。気持ちよすぎて尻の筋肉がきゅっと締まり、小刻みに震える。今にもイきそうだ。

「ふふっ、いい締め付けですよ。ああ、子鹿のようにぷるぷる震えて、いいですね。森野さんの好きな場所はここかな?」

 ユキノブはねっとりと腰を揺らした後、ぐぐうと奥まで押し込み、再びねっとりと腰を揺らした。トシオの腰がビクン、ビクン、と揺れる。

「ひっ、あっ……んっ、ちが、そこ、だめ、あ、ああ」
「違う? じゃあ、ここかな?」
「ひっ、ちが、そうじゃなくて、あっあっ」
「ここも違う? じゃあ、ここかな?」
「あっう、だめっ……」

(なんで、こんなことになってるんだ。僕は、慰謝料を取りに来たのに。ユキオの頭をグリグリ踏みつける予定が、なんで、僕が、グリグリされてるんだよっ)

「う、あ……だめ、やめ、ろっ、あっあ、もう、だめ、あ、ああ……っ!」

 尻の筋肉がグッと硬直してぷるぷる震え、また精液がびゅるびゅるっ、と飛び出した。トシオは熱い息を漏らし、唇を濡らすよだれを舐め、目を閉じた。

(はあ……気持ちいい。だめだ、これ……もっと、してほしい……)

 息子が息子なのでユキノブもガツガツと激しく犯してくるのかと思いきや、ユキノブは息子とは違い、ねっとりとトシオの穴と、その内部を楽しんだ。
 トシオは心のどこかで期待が外れてガッカリしている自分に気付き、頭を横に振って追い出した。

(違う違う。気持ちいいのは好きだけど犯されたいわけじゃない……でも、アダルトグッズじゃ、こんな気持ちいいのは……いや……でも……)

 逡巡するその間もユキオが乳首をいじるので、上半身でも快楽を感じてしまい、ビクン、ビクン、と胸が弾んだ。

「ユキオ、乳首、やめろ……うっあ、ちんこ、だめっ、そんな、奥」
「気持ちよさそうですね、森野さん」
「くっ、誰が……ああっ、う、そこだめっ、あっああっ……!」

 ねっとりした抜き挿しが繰り返され、快楽に悶えている間にトシオは何度もびゅるびゅると射精した。
 やがて何も出なくなると、ユキノブがそっと凶暴なモノを引き抜いて離れていった。どうやら味見の時間は終わったようだ。

「うん、ユキオの言ってた通り感度がいいね。ずっと抱いていたいくらいだ」
「でしょ? でも、俺のだからね。じゃ、次、俺だからどいて」

(こいつら、人の体を物みたいに……俺のものとか言いながら親子で共有するとか、常識がズレてる)

 ハアハアと息も荒いトシオの上で父親と息子が位置を交替する。
 ユキオが下半身の服を脱いでいくと、父親に負けず劣らず立派なモノが現れた。
 トシオの喉がゴクリと上下する。

「トシオ」

 ユキオが嬉しそうな顔で近づき、トシオの両脚を抱え、その中心のまだ閉じきらないぽっかりと開いた赤い穴に凶悪なものを挿入した。

「ふふっ、簡単に入る。お父さんの、ほんとデカすぎ」

 ずぶずぶと奥まで入ってくると、さっきまで擦られていた場所がすぐに反応してトシオの下半身がビクン、と大きく揺れた。

「あっふ、待て、ユキオ、そんな、いきなり、ああっあっあっ」
「ふふっ、トシオかわいい。まだ入れただけだよ。じゃ、行くよ」

 ユキオが腰をスイングさせてトシオの尻を打った。ユキノブとは違い、勢いがあり、ぱんっ、ぱんっ、と肉のぶつかる音がする。

「ああっ、あっ、う、待って、強い……!」

 どんどん勢いが増し、その勢いのままユキオのちんこがヒューストン弁を通過した。引き返すカリ首が引っかかり、トシオの腹の中でぐぽん、と腸が跳ねる。
 トシオは「ひっ」と高い声を発して全身でぶるぶるっ、と震えた。快楽が駆け巡る肉体に、ユキオが楽しそうに連続で太い杭を打ち込む。前立腺が何度もゴリゴリと擦られて下半身の震えが止まらない。視界に小さな火花が散る。
 トシオは強い快楽の中で溺れそうになった。

「んおっ、おっ、だめっ、ユキオ!」
「あははははっ、やだー。俺、ドSだから『だめ』は『もっとして』に聞こえるんだよね」
「な、なに言って、おっ、おっ、深いっ、入れすぎっ!」

 ふと、視界の端に、椅子に腰かけたユキノブが優雅に脚を組み、こちらを見ながらノートに何かを書き留めている姿が映った。

(何、してるんだ……?)

「ふむふむ。『おっ、おっ』は、たまにウェブ小説で見かけるな。使ってみるかな」

 そんなことを呟きながらボールペンを走らせている。

(こいつ、翻訳の仕事に僕の声を使うつもりか?)

 イラッとしたのも一瞬だけで、そんな感情もすぐに強い快楽に流されて消え去っていく。ユキオの攻めが激しくなり、若く乱暴な腰つきがトシオを追い込んでいく。

「んはっ、ユキオっ、だめっ、ユキオっ、おっ、おっ、来る! 来る! イク! おっ、く、だめっ、ああっ、あっああー……!」

 快楽のあまり下半身がビクビクと激しく痙攣し、視界が白く霞んでいき、意識が遠ざかっていく。

(ああ、だめだ、これ、気持ちよすぎ。病みつきになる……)






「ん、トシオ、鍵返す。動画のコピーこれだろ? 引き出しに入ってたマイクロSDカード」

 誰かの声がして、ポトン、とベッドの上に小さな物が落下した。
 トシオが目を開けると、さっき出ていったアキラがベッドのそばに立っていた。手に持つ何かを見せているようだ。

(どのくらい寝てたんだ、僕は…………鍵……? そうか、こいつ、マイクロSDカードを盗みに行ってたのか。勝手に、僕んちの鍵を……マイクロSDカード……でも、もう、そんなの、意味がない)

 まだ裸体が汗ばんだままだった。その胸をアキラがツツー、と人差し指でなぞり、小さな尖りをくるくるとなぞる。

「乳首、真っ赤じゃん。開発されちゃったの?」

 ツン、と乳首をつつく。

「あっ……やめろ……」

 胸がふるるっ、と震え、トシオの口からか弱い声が漏れる。
 あれから、ユキオに激しく犯された後、ユキノブが再び「味見」と言ってベッドに上がってきてぶっといちんこをねじ込んできた。ユキオも笑いながら乳首をいじめてきた。
 身動きの取れないトシオは何もできず、三人に好きなだけ肉体を弄ばれ、前後不覚になるほど快楽の荒海に溺れた。
 乳首は今はジンジンと熱を持って疼き、尻と太腿はずっと痙攣し続けている。

(尻穴……元に戻るかな)

 結局、その後は彼ら三人と話し合う気力も体力もなく、返してもらったノートパソコンをミニスーツケースにしまうと、ユキノブが呼んだタクシーに乗って帰宅した。




 トシオは小さな汚れた玄関にミニスーツケースを置くと、よろよろと歩いてベッドに倒れ込んだ。肉体的な疲労だけではなく精神的な疲労もあり、へとへとになっていた。

「ああああー……」

 情けない声を漏らして沈黙する。
 慰謝料をふんだくれなかった。レイプ動画はトシオの自作自演だということもバレているし、しかも、その証拠が相手のパソコン内にある。父親はキチガイで、味見だとか言ってレイプしてきた。

(僕の500万円が、パアだ……これからも毎日毎日働き続けて、歳取って……)

「うううう、僕の500万円、あとちょっとだったのにぃー」

 両の拳でボカボカとベッドを殴り、再び沈黙した。
 もう夕方だ。貴重な日曜日を無駄にしてしまった。

(会社、行きたくない。つまらない仕事したくない……キャンプ場に行きたい…………いいな。僕もあんな金持ちの家に、生まれたかったな)

 暗くうつろな眼差しで寂しい少年時代を思い起こし、ぼんやりと過去に想いを馳せた後、ひっそりと目を閉じた。
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