視界を埋めるのは貴方だけ

奏 -sou-

文字の大きさ
上 下
13 / 15

これが運命なのでしょうか、、

しおりを挟む

「..それは私だよね?」

「何を言っているの?」

 「あの男、名をなんていたかな?私のジェシカに気安くベタベタと触れて、確か父の会社の傘の一つだった所の息子だったかなぁー」

「なにが、言いたいの?」

体を押して、バッと顔を上げてルイスを見る

「どうしたんだい?ムキになったような表情をして」

目が笑ってない、少し怒りを感じる
その目に身震いを起こす

「彼に手を出さないで」

「..どうして?君が恋愛をしたいのが私だというのなら何もする必要なんてない、あの男に対して気にも留めるような話ではないんじゃないのかい?」

ルイスの言い方は遠回しに彼だと言えば権力を使うこともできると脅してきているようにしか感じない。

なんて卑怯なのよ。

「えぇ、彼と恋愛をしたいなど思っていないわ」

「私とだよね、ジェシカ」
「..えぇ」

「ふふ、君は賢い子だ。愛しているよ」

鋭い視線が急にふわっと優しい笑みに変わり、ポンポンと頭を撫でて褒めてくる

「あぁ そうだ、恋愛をして結婚という流れにポイントを置いている君の気持ちに寄り添いたかったんだけど、 いろいろ周りの状況が変わってね、ちゃんとしたプロポーズもなく勝手に結婚してしまったことに関しては申し訳なく思ってる」

その言葉に、目を見開いて彼の目を覗き込む。

 「その様子だと両親から何も聞いていないのかもしれないけど、今回父の子会社を少しずつ私に任せてもらえることになってね。この機会にお義父さんからもファントム社の社長の座を受け持つ話も出ているんだ。」

「ど、ういう..」

「あぁ、経済面がどうのこうのではなくお義父さんの体調の問題で会社の合併もしくは会長席に座ってもらって「父の体どこかおかしいんですか!!」」

何も知らなかった、そんな話一切母もしてこなかったし薬を飲んでるそぶりすらなかった

「ジェシカ落ち着いて、大丈夫だから。お義父さんもいい歳になったてことだよ。もちろん私の父も結構な歳だから会社も息子も心配なんだと言っていたし、何より孫の顔が早く見たいって急かしてくるんだ、ふふふ、楽しみだね。」

あっためるよな手つきでお腹に触れてこられて、ぞっとする。

「私何も知らない、、」
「お義父さんは娘に心配をかけたくないと黙っていたみたいだよ」

あの日にしかっかり向き合って断ったはずなのに

「両家のこともあるし、何より昨日みたいなジェシカに目障りな虫に引っ付かれることが増えるのは許せないし、形から先になってしまったのはムードもへったくれも無くて本当に申し訳ないけれど、これから私たちの家で愛を育んでいこう。」

まるで否定をしたあの時間が何も無かったかのように

「私も忙しくなって、なかなか一緒の時間を過ごすことができないこともあるけどちゃんと夜は帰ってくるし、できるだけご飯を一緒に食べよう。休みの日や余裕ができた時間にショッピングや映画館とかジェシカが行きたい場所に一緒に手を繋いでデートをしたりしたいな」

この知らない家で、
楽しそうにこれからを話す

顔を知っている程度の彼

「記念日は大切にしたいから、毎月祝おう。それと、学校は卒業したいかい?」
「え?えぇ..」

「共学なら今すぐにでも辞めさせる所だけど、女子大でよかったね。
ただ、私は恥ずかしいことに嫉妬深くてね、たとえジェシカが私だけしか眼中にないと分かっても私のいないところで男と話をして欲しくはないんだ。
…何をしてしまうかわからない、だから今やってるボランティアを降りてくれるよね?
ボランティアは本当に素敵なことだし、ジェシカのこと尊敬をし、もっと愛しくなったけどそんな君の魅力を他の男に見せたくないんだ。
あぁ、ジェシカ愛しくてたまらない」

勝手に話が進んで、勝手に周りが動いて

「明日、いや今日かな。結婚式あげるから正式に言葉を交わしたらジェシカと結ばれることができるんだね、ふふ、いや書類は出しているから結ばれてもいいけどやっぱりせっかく結婚式あげるからそのあとの方がロマンティックだよね」

「な、に、言ってるの?」

「うん?早く左手に私がジェシカを思いながら選んだ正式な結婚指輪をはめて初夜を迎えれるまであと数時間かと思うと、幸せでたまらないよ。
あぁ、もちろん今はめてる指輪も仮といえどちゃんとお揃いで選んだよ」

ルイスが自分の薬指を見せてくる。

助けを求めれる人なんて誰もいない、
そう誰もいないのね

あぁ、もう無理


「ジェシカ、あぁ、綺麗な涙を溢して..嬉しいんだね。」


感動しているところ悪いけど
勘違いも甚だしいわ


もう我慢できないと

私のぼやけた視界を埋めるのは




END
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

【完結】結婚初夜。離縁されたらおしまいなのに、夫が来る前に寝落ちしてしまいました

Kei.S
恋愛
結婚で王宮から逃げ出すことに成功した第五王女のシーラ。もし離縁されたら腹違いのお姉様たちに虐げられる生活に逆戻り……な状況で、夫が来る前にうっかり寝落ちしてしまった結婚初夜のお話

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...