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誰か彼の頭のネジを探してください
しおりを挟む「ビスト「ルイス」」
「ビ「ルイス」」
「..ルイスさん」
しぶしぶ、名を呼べば気に入らないようで
「ルイスと呼んで、ジェシカ」
目が怖い、おとなしく従うことにした。
「ルイス教えて欲しいんですが聞いてもいいですか?」
本当は一目散にこの男の腕から抜け出して両親の元に帰りたい、助けて!と泣き叫びたい
でも、パニックを起こしたところできっとこの男から逃れれない気がする。
それなら状況を掴んでから考えないと、落ち着け、落ち着くのよ。
「ジェシカ、夫婦だと言っただろ。敬語はなしだよ」
めっと叱るように言われて、夫婦になった覚えはない。と言いたい気持ちを抑えて
「わかったわ。ルイス..これでいい?」
「あぁ、可愛い私のジェシカ、質問があるなら言ってごらん?」
さっきと違って、上機嫌のようなにっこり笑顔で見てくる。
「ルイス、今日は何年の何月何日なの?」
大幅に日がずれていたり当日であれば悪夢で決定よ
「1983年11月19日だよ」
合っているわ
「そうしたら、此処は何処?」
「此処は私たちの家だよ」
「私、自分の部屋で寝ていたと思うのだけど..」
「ジェシカのご両親に協力をしてもらってね、寝ている君をお姫様抱っこして私たちの家に連れて 返ってきたんだ」
『どう言うこと?お母さんと父が協力したって..』
なぜか裏切られた気持ちになり絶望で言葉を失い、両親だけは味方だと思っていたのに味方がいなくなったように感じ思わず、下を向く。
「ジェシカ、泣かないで」
大きな雫がポロポロと頬を伝い落ちる。
気づけば意図せず涙が出ていた私の頬に涙を吸い取るかのように唇をあてがいチュッチュッと音を立てながら彼なりに慰めているようだ。
「私のジェシカ、これからはずっと一緒にいられる。誰も私たちを邪魔する者はいないんだ、あぁ…やっと、やっとだ」
やっと手に入ったと消え入るような声で私の耳元で囁き、苦しくない程度に抱きしめる腕に力を入れるルイスが震えているように感じて
「ルイス?」
抱きしめてくる腕を触りながら問えば
「私がこの前、運命を感じないかという話をしましたよね」
「..えぇ」
「ジェシカは、感じないと言ったけれどきっと忘れているだけでしょう」
何を根拠にそんなことをこの男はいうのかしら
「私たちが初めて出会ったあの日、私は当時10歳でジェシカは7歳でしたね。ファントムさん、いえ、お義父さんの後ろで小さな手であの大きなスーツの袖をぎゅっと握りしめて何かに怯えるように付いて回っていたの後ろ姿を見て、はじめは少し目の端に入り気になっていただけでしたが、 私と挨拶をするときにまじまじとジェシカと向き合うことになりその何の汚れもない瞳と交わった」
クイっと顎を持って顔をあげさせられる。
「今も何の変わりもない、あの頃のまま純粋で汚れを知らない瞳」
うっとりとした表情でまぶたの上にキスを落とされる
「ルイス、やめて・・・」
「どうして? あの日天使が舞い降りたと言っても過言ではないほどに君のその蒼く澄んだ瞳と風貌に惹かれてろくに呼吸もできず、いつもは完璧にできていた挨拶もうまくできなくて紳士としての対応もろくにできず幻滅させてしまったからそれなりの挨拶で態度を示してくれたのでしょう?」
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