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初めての恋かもしれない
しおりを挟むあの日ー、
達成感よりはルイスさんの寂しそうな表情が頭から離れず、もぬけの殻のような気持ちで気がつけば帰宅していた。
家に帰ってからどうしても今回のお見合いに関してビストンさんの家柄について調べたけど、株が暴落しているどころか急上昇しているし、成長を続けている会社であることや提供結ぶなど含んだ大きな達成リストも毎月2件以上はあり小さな達成など数えきれない功績だ。
危機に追いやられている
情報など風の噂にすら無い
と言うことは、
『もしかして私の家が危ないのかしら?』
ファントム家で株や会社に対する評価など風の噂を含めて確認をするが問題がなさそうだ。
でも、何か無いとは言い切れないわよね。
本当に危ういのなら、私を否定せずにいてくれた父の役に立ってもいいと思ってる。
ただ正確な情報が欲しくて、真夜中こっそり父の書斎に足を踏み入れ会社の情報を盗み見る。
本当はこんなことせずに
父にちゃんと聞けばいいってわかってる。
でも、きっと教えてくれない
誤魔化されるんだわ。
そう思って可能な限り調べるが欲しい情報は何一つなく、 あったのは誰が住むのか分からないけど家の間取りが記載されている紙とそれに関する契約書
これ以上長いは必要と書斎を静かに出て部屋に戻る。
家のこともきっと安心しても
大丈夫なのだと思い、ほっとひと息。
お見合いをしたあの日から気がつけば数ヶ月が経ち
学校行事の一環で外に出た際、近くの同い年の男性たちと行事を通して交流する機会が訪れた。
同い年の男性と交流することなんて初めてに等しくて初めはうまく話せなかったけどチームになった彼が私に合わせてくれて、沈黙も気まずくなく不意に触れた手にドキッとしたり
ルイスさんの時はトキメキを越した感情で酔いそうになったけれど、彼とは程よいトキメキがあり
『もっと知りたい』と感じて『この時間が終わらなきゃいいのに。』とまで欲が出てしまうほどだった。
『もしかして、これが一目惚れと言うやつなのかしら?』
自分の胸に手をあてがい深呼吸をして他の男性を見てから彼をもう一度見れば
どっくん、どっくん
鼓動が慌ただしいような、ポカポカしたように頰がリンゴのように染まる。
「ファントムさん、頰が赤いけど熱があるんじゃ無いのかい?」
「・・・」
心配そうな瞳と彼の掌がおでこにあてがわれ、目の前いっぱいに彼になり
『不意打ちはやめてー』
何も言えずに、そわそわしながら言葉を探す
「..だい、大丈夫。」
「熱はなさそうだけど、風邪のひき始めかもしれないからこのあと体調優れなかったら無理せずに言ってね」
「..うん。」
あと何度あるか分からない行事だけど、なるべく彼との接点を作りたい。
『これから、意識してもらうように頑張んなきゃ』
心がポカポカしていたはずなのに急に身震いを起こして、どこからとなく鋭い視線を感じた気がして辺りを見渡す。
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