騎士とお嬢様。

最終章

12

「サフィ、すまなかった。何度となくお前を貪り尽くしたい程に求めていた気持ちを他の女を抱いたところで紛らわせれるはずも無かったが、自制心が効かなくなる前にどうにかしようとした事でサフィを傷つけてしまっていたとは悪かった。」

ちょっと待って頂戴。なんて言ったの？とても恐ろしい言葉が聞こえたのだけど…

「あの当時から俺の気持ちを伝えて全てをサフィに捧げていれば…」

「ユーグス陛下の気持ちは伝わりましたわ。そうだわ！これからも私とは清く美しい関係でいましょ…そんな顔をしないでよ。」

「そんな顔をさせているのはお前だ」

ユーグス陛下と一夜をした彼女達は本当の一夜だけということが多く、ユーグス陛下が私を可愛がるから嫉妬も逆恨みも何なら取り入ろうとしてきた時に自慢をする彼女達から聞いた、性についての話をこのタイミングでふっと思い出す。

絶倫で乱暴だとか、泣いても喚いても止めてくれないらしいしなんならアブノーマルな事までさせられるそう、またそれが飢えた野獣の様で彼女達の心を沸き立たせてもえるらしい。

いえ本当に、なにがいいのか私にはわからないわ。
そもそも経験なんて無いから妄想になってしまうけれど交わりは愛のあるソフトな交わりでいいの。
そんな野獣みたいな男なんて恐ろしくてお断りよ、痛いのなんて絶対に嫌だしね。

「サフィ…何を考えている？」

眉間に軽くシワを寄せて此方を見つめるユーグス陛下に『しまったわ』と、問い詰めてきそうな雰囲気に項垂れる気持ちになる。

「…あの当時の貴方の彼女達から聞かされた自慢話を思い出しただけよ。」
「…何の話だ？」
「ユーグス陛下にどれ程愛されていたか。を競うような話しね」
「…何を言う俺はサフィ以外愛してなどいない。バカバカしいことをサフィに言っていたのか…消しておけば良かった」

私の髪を梳くように撫でながら言う言葉かしら？

「ユーグス陛下過ぎたことよ。」
「サフィは本当に天使の様だな。…女どもの事を過ぎたことと言うなら、俺の過ちもやり直すチャンスをくれ。」
「それとこれと「やはり、探し出して消すし…「結構ですわ！」」

もう少し命を大事にして欲しい

ユーグス陛下は冗談を言う時、それが生命にかかる時分かりずらいから本当に困る

「サフィ、チャンスをくれるのか？」
「えぇ、…致し方ありませんわ。」
「あぁ、ありがとう。」

抱き寄せられて額にキスを落として抱きしめてくる。

「ユーグス陛下、私はもう眠りにつきたいですわ」

明日は来て欲しくはないけれど、今日はもう目を閉じてしまいたくて抱きしめられたまま目をつむる。

「サフィ、我が愛しの姫…おやすみ」

体を少し離したかと思えば、私の閉じた両瞼の上にキスを落として息がしやすいように体勢を変えてくれた。


夢に入る前に思い返すは、

どうしても信じ難いのはサランのこと。
彼女が死んだのは本当なのかしら？

エドウィー王子の真相も知りたいわ。
本当にひと時の夢物語だったのか…
直接聞けたのなら、、

家族はどうしているのかしら？
私の育ったあの城はどうなっているのかしら、

あぁ、みんなに会いたいわ。

流したくとも流せない涙を堪えながら
必ず此処から逃げてみせると心に誓う。

騎士をユーグス陛下を、愛せたなら
こんな思いをせずに済んだのかしら。

これは全て悪夢で
本当はエドウィー王子の処に行く
前日だったりして欲しい。

いつの間にか意識は眠の中へ沈んでいっていた。