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第三章
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「そろそろサファリーアさんを離してはいただけませんか」
先程までと空気が違い丁寧な言葉ではあるが冷たさを帯びている声が騎士の背後から聞こえる
「エドウィー王子、」
騎士の顔を見ながら名を呼ぶ。
騎士にこれ以上エドウィー王子に対して問題を起こして欲しくなくて騎士の背中を優しく撫でて自分からぎゅっと抱きついたあと、腰にまわった手をゆっくり解かせて私の行動を黙って観察してる騎士からエドウィー王子の方へと向かう。
「さぁ、サファリーアさん此方へ」
エドウィー王子が片手を差し出したのをみて、その上に軽く手をのせる。
「…サフィ」
「騎士まだエドウィー王子と庭を巡り終わってないの。悪いけど出入口のベンチで待っててもらえないかしら?」
疑問形の口調とは裏腹に騎士の瞳をしっかりと捉え、否定権など無いと言わんばかりに目で訴える。
「…すぐ戻ってこい」
「わかったわ。」
何か言いたげな雰囲気を放ちながらも、了承した言葉を残して庭園の出入口へと足を向ける騎士
「エドウィー王子、毎度の事ながら騎士が御迷惑をお掛け致し本当に申し訳ございません。」
「サファリーアさんが、謝ることはないですよ。ふふ、彼は自分の立場が分かっていないだけ、これから嫌でも分かることが起きますよ。気にしないで下さい。」
エドウィー王子も騎士に負けないドス黒い似たオーラを放ってる気がする…だけよね?
「さぁ、サファリーアさん気持ちを切替えて、残りの道も案内していただけますか?」
「ええ、勿論ですわ!」
エドウィー王子の手のひらに乗せた手をそのまま下におろす流れで自然に指と指を絡めた繋ぎ方をすることになり、『こ、これって世にいう恋人繋ぎなんじゃっ!』と心臓の鼓動が少し早くなったのは言うまでもない。
「サファリーアさん、頬がまるで真っ赤な薔薇のように赤くなってますよ?…可愛らしい方だ。」
自然と頬が赤く色づいていたのを指摘されて、取り繕う暇もなく恥ずかしさに下を向いてしまう。
「さぁ、その可愛らしいお顔を上げて僕を見てください。」
横から顔を覗くように、腰を少し屈めて見てくるエドウィー王子の笑顔が眩しすぎて直視できず
「エドウィー王子、あぁのっ、可愛らしいと言い過ぎです!」
声が裏返る上にどもってしまい、恥ずかしさ倍増していても経ってもいれず、小走りになるが直ぐに後ろに身体がぐらついて驚きに手を見れば『しまった!エドウィー王子と手を繋いだままだった!!』と手を繋いでたことすら忘れる自分にため息が出る。
「ごめんなさい、手を繋いだままなの忘れていて引っ張ってしまいましたわ。」
「ふふ、大丈夫ですよ。可愛らしいというのは真実ですから。…あぁ、本当に早く我が国へ連れて帰りたい。」
なんて甘い、甘いのかしら!
ここまで真剣に口説かれたことなんて生まれて初めてといえる扱いに免疫が出来ておらず、平然とお礼を言うべきなのでしょうけど今の私には無理難題だわ!とドキドキが止まらず落ち着けと自分に言い聞かせる。
先程までと空気が違い丁寧な言葉ではあるが冷たさを帯びている声が騎士の背後から聞こえる
「エドウィー王子、」
騎士の顔を見ながら名を呼ぶ。
騎士にこれ以上エドウィー王子に対して問題を起こして欲しくなくて騎士の背中を優しく撫でて自分からぎゅっと抱きついたあと、腰にまわった手をゆっくり解かせて私の行動を黙って観察してる騎士からエドウィー王子の方へと向かう。
「さぁ、サファリーアさん此方へ」
エドウィー王子が片手を差し出したのをみて、その上に軽く手をのせる。
「…サフィ」
「騎士まだエドウィー王子と庭を巡り終わってないの。悪いけど出入口のベンチで待っててもらえないかしら?」
疑問形の口調とは裏腹に騎士の瞳をしっかりと捉え、否定権など無いと言わんばかりに目で訴える。
「…すぐ戻ってこい」
「わかったわ。」
何か言いたげな雰囲気を放ちながらも、了承した言葉を残して庭園の出入口へと足を向ける騎士
「エドウィー王子、毎度の事ながら騎士が御迷惑をお掛け致し本当に申し訳ございません。」
「サファリーアさんが、謝ることはないですよ。ふふ、彼は自分の立場が分かっていないだけ、これから嫌でも分かることが起きますよ。気にしないで下さい。」
エドウィー王子も騎士に負けないドス黒い似たオーラを放ってる気がする…だけよね?
「さぁ、サファリーアさん気持ちを切替えて、残りの道も案内していただけますか?」
「ええ、勿論ですわ!」
エドウィー王子の手のひらに乗せた手をそのまま下におろす流れで自然に指と指を絡めた繋ぎ方をすることになり、『こ、これって世にいう恋人繋ぎなんじゃっ!』と心臓の鼓動が少し早くなったのは言うまでもない。
「サファリーアさん、頬がまるで真っ赤な薔薇のように赤くなってますよ?…可愛らしい方だ。」
自然と頬が赤く色づいていたのを指摘されて、取り繕う暇もなく恥ずかしさに下を向いてしまう。
「さぁ、その可愛らしいお顔を上げて僕を見てください。」
横から顔を覗くように、腰を少し屈めて見てくるエドウィー王子の笑顔が眩しすぎて直視できず
「エドウィー王子、あぁのっ、可愛らしいと言い過ぎです!」
声が裏返る上にどもってしまい、恥ずかしさ倍増していても経ってもいれず、小走りになるが直ぐに後ろに身体がぐらついて驚きに手を見れば『しまった!エドウィー王子と手を繋いだままだった!!』と手を繋いでたことすら忘れる自分にため息が出る。
「ごめんなさい、手を繋いだままなの忘れていて引っ張ってしまいましたわ。」
「ふふ、大丈夫ですよ。可愛らしいというのは真実ですから。…あぁ、本当に早く我が国へ連れて帰りたい。」
なんて甘い、甘いのかしら!
ここまで真剣に口説かれたことなんて生まれて初めてといえる扱いに免疫が出来ておらず、平然とお礼を言うべきなのでしょうけど今の私には無理難題だわ!とドキドキが止まらず落ち着けと自分に言い聞かせる。
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