25 / 58
第三章
03
しおりを挟む
「ちょ、騎士!」
私をベッドの端に降ろして、手に持っていたドレスをするりと奪われる。
「着にくそうなドレスだな手伝おう」
「騎士、まだお願いしていないわ。」
「さっさと着替えて朝食に行こう。」
私の否定的な言葉など右から左で聞いてくれない。
「ちょっと、嫌よ!騎士!」
「あの男がいるからか?」
悲しそうな、怒りを含む目を向けられて
また同じ言葉を繰り返される。
『もし見つかれば騎士の立ち位置が危うくなるし、昨日の無礼といいエドウィー王子の一言で処刑されるようなことに発展する可能性が無いとは言いきれない。だからこそ、貴方を守りたいからこそなのにどうして分かってくれないの?』そんな悲しみに目が潤む。
「そうよ」
「あいつがいなくなれば済むのか。」
『彼は何を言ってるのかしら?』
「エドウィー王子がいなくなればサファリーアは俺と結婚できるということだな。」
エドウィー王子がいようがいまいが、私は貴方と結婚する気は無いのに、旅から帰ってきてからどうしてしまったのかしら。
「騎士、どうしたの?」
「何がだ」
「貴方は貴方の道を進んでいいのよ」
「あぁ、進んでいる」
「なら、私は私の道を進むわ」
「何を言ってる?サフィ、お前の道も俺の道も一緒だ。」
私が述べてる言葉が理解できないと言うニュアンスで共に進む道が一緒だと言われる。
騎士が考えてることと私が思ってる未来にズレが生じてるようにしか思えなくて、誰の邪魔もないこの空間で何を考えているのか聞くには絶好のチャンスだと思い、今までお互いのことを話し合うことなんてなかったけど、このチャンス逃したらいけないと1度深呼吸をして聞きたいことを頭の中で整理する。
「サフィ、どうした?」
「大丈夫よ。それより騎士、頭の中を整理したいの…その為に今から1つ1つ聞くから答えて頂戴」
その言葉を聞いて反対に向いていた椅子をベッド側に向かせて、私と向き合って座る騎士
「まず、騎士にとって私は妹?」
「いや違う」
「それじゃあ、どう見てるの?」
「一人の女性として見ている」
いつから一人の女性として、見てくれていたのか気になるところだけれど、肝心なのは
「そう、私に対して恋愛感情はないのよね?」
「恋愛感情?」
「好きという感情よ。」
「好きという言葉じゃ収まらない。」
『それは、どういうことなのかしら?』訳がわからず、眉間にシワが少しずつ寄ってきている。
「じゃあ、なんて表現するの?」
「愛してる」
「…身内に対する愛してる?」
「いいや、違う。」
私に着せようとしていたドレスを私が座ってる横に置き、両手で私の両手を包み込むように触れる
「一人の女性として愛している。サフィ結婚しよう。」
澄んだ青色瞳がブレることなく見つめてくる。
冗談で言ってる訳じゃないのは雰囲気からも見て取れる。
私をベッドの端に降ろして、手に持っていたドレスをするりと奪われる。
「着にくそうなドレスだな手伝おう」
「騎士、まだお願いしていないわ。」
「さっさと着替えて朝食に行こう。」
私の否定的な言葉など右から左で聞いてくれない。
「ちょっと、嫌よ!騎士!」
「あの男がいるからか?」
悲しそうな、怒りを含む目を向けられて
また同じ言葉を繰り返される。
『もし見つかれば騎士の立ち位置が危うくなるし、昨日の無礼といいエドウィー王子の一言で処刑されるようなことに発展する可能性が無いとは言いきれない。だからこそ、貴方を守りたいからこそなのにどうして分かってくれないの?』そんな悲しみに目が潤む。
「そうよ」
「あいつがいなくなれば済むのか。」
『彼は何を言ってるのかしら?』
「エドウィー王子がいなくなればサファリーアは俺と結婚できるということだな。」
エドウィー王子がいようがいまいが、私は貴方と結婚する気は無いのに、旅から帰ってきてからどうしてしまったのかしら。
「騎士、どうしたの?」
「何がだ」
「貴方は貴方の道を進んでいいのよ」
「あぁ、進んでいる」
「なら、私は私の道を進むわ」
「何を言ってる?サフィ、お前の道も俺の道も一緒だ。」
私が述べてる言葉が理解できないと言うニュアンスで共に進む道が一緒だと言われる。
騎士が考えてることと私が思ってる未来にズレが生じてるようにしか思えなくて、誰の邪魔もないこの空間で何を考えているのか聞くには絶好のチャンスだと思い、今までお互いのことを話し合うことなんてなかったけど、このチャンス逃したらいけないと1度深呼吸をして聞きたいことを頭の中で整理する。
「サフィ、どうした?」
「大丈夫よ。それより騎士、頭の中を整理したいの…その為に今から1つ1つ聞くから答えて頂戴」
その言葉を聞いて反対に向いていた椅子をベッド側に向かせて、私と向き合って座る騎士
「まず、騎士にとって私は妹?」
「いや違う」
「それじゃあ、どう見てるの?」
「一人の女性として見ている」
いつから一人の女性として、見てくれていたのか気になるところだけれど、肝心なのは
「そう、私に対して恋愛感情はないのよね?」
「恋愛感情?」
「好きという感情よ。」
「好きという言葉じゃ収まらない。」
『それは、どういうことなのかしら?』訳がわからず、眉間にシワが少しずつ寄ってきている。
「じゃあ、なんて表現するの?」
「愛してる」
「…身内に対する愛してる?」
「いいや、違う。」
私に着せようとしていたドレスを私が座ってる横に置き、両手で私の両手を包み込むように触れる
「一人の女性として愛している。サフィ結婚しよう。」
澄んだ青色瞳がブレることなく見つめてくる。
冗談で言ってる訳じゃないのは雰囲気からも見て取れる。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説

ヤンデレお兄様から、逃げられません!
夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。
エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。
それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?
ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。



夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる