座頭の石《ざとうのいし》

盲目の男、石(いし)は、弦(つる)という女性と二人で旅を続けている。

旅の途中で、由(よし)と妙(たえ)の親子と知り合った二人は、山間の小さな宿場町に腰を下ろすことにした。

町の名は子毛(こげ)。その町には一人の八九三(やくざ)が居る。

多の屋助五郎(タノヤスケゴロウ)表向き商人を装うこの男に目を付けられた石。

その折、町は幕府から委託された大事業の河川工事の真っ只中。
棟梁を務める定吉(さだよし)は、由に執着する助五郎と対立を深めていく。

町に不満が高まる中、代官の跡取り問題が引き金となり助五郎は暴走する。
それは、定吉や由の親子そして弦がいる集落を破壊するということだった。

石は弦と由親子を、そして町で出会った人々をため助五郎一家に、たった一人で立ち向かうことになる。
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