15 / 20
夢見鳥(ゆめみどり)
雪解雫(ゆきげしずく)(2)
しおりを挟む
前回の夢の出来事を思い出す。
ここ一週間、繰り返し考えていたから、細部まではっきりしている。
「覚えてるよ。初めて会った時、目が合ってすぐに剣を納めてくれた」
少年の頭を下げさせたまま会話をしたことは、一生の汚点だ。
「船が突っ込んできた時、倒れないように支えてくれた」
あの驚異的なバランス感覚をどうやって身につけたのか、見当もつかない。
「略奪者たちをわざと挑発して、注意を引いてくれた」
礼儀正しさのかけらもない毒舌で、女性をやり込めているように見えた。当時は驚く余裕もなかったが、思い返すとすごい変貌ぶりだ。
「私を貶める言葉に、一度だって賛同しなかった」
殴られても蹴られても、嗤って全部はねのけた。
「暴行されそうになった時、助けてくれた」
それを成したのは少年による暴力だ。少年が、眼帯の男の首に牙を、女性の腹に短剣を刺したから、危機を免れた。感謝以外に何ができる。
「私を傷つけるはずだった剣から、身を呈してかばってくれた」
あの赤を忘れることはないだろう。
「ずっとずっと、あなたが私を大切に思ってくれたから」
献身の根源は、その気持ちだ。それこそが、最も尊いものだ。
少年としっかり目を合わせて、告げる。
「もう証明は終わってるでしょう?」
「あ、……」
「あなたの真心は、あなた自身が一番よくわかってるはず。……いますぐじゃなくていいから、自分を褒めてあげてね」
「……っ」
少年は、涙をこぼした。うろたえながら、てのひらで頬を拭っているが、追いついていない。堰き止めようとしてか、目をきつく閉じるも叶わず、次から次に流れ落ちる。窓ガラスを伝う雨だれを連想させた。
「お、お見苦しい、ところを、申し訳……」
「大丈夫。大丈夫だよ」
少年はうめき、両腕で目元を覆う。痩せっぽちの体を震わせて、砂の上に泣き伏した。できるだけ声を殺そうとしていた。
──どうして我慢するの。ふだん、あんまり泣かない子なのかな。
性格や環境に起因するのか。思春期だからか、人前だからか。見当もつかない。ただ、少しでもデトックスできることを願う。
少年が悪いことをしたとは一切思っていない。だが、自責の念に駆られている相手に、「あなたは悪くない」と言って、果たして効果はあるのか。「自分が悪い」に対する「あなたは悪くない」は、要するに否定しているということだ。その否定によって心が軽くなる人もいるだろうが、少年に対して言うのはためらわれた。
何をどう思うかは、好きにしたらいい。間違ったと思いたいなら思えばいいし、思いたくなくても思ってしまうのは仕方がないことだ。
だから、自責の念の是非は問わず、手放したっていいとだけ伝えたつもりだ。
──だいたい、私が何もできなかったから、この子が泥をかぶったのに。
棚に上げていることは自覚している。
真実、神であるなら──子供に武器を握らせることも、身を盾にさせることもなかった。
略奪者に抵抗できず、やりたい放題に嬲られるほど弱かった。
罪深いのは、少年ではない。
──でも、この子に謝るのは、違う気がする。
取り寄せの力は、振り下ろされる剣の前では役に立たない。あの状況を自力でどうにかできない以上、謝罪は無意味だ。
太陽を背にして、少年が泣いている。震える背中をさすってあげたいが、正しい対応の仕方だろうか。子供と関わる機会が一年に数回程度──親友の親戚に、ハンドメイドの服やあみぐるみをプレゼントする時くらい──であるため、こういう時にどう接するべきか、まったくわからない。
さんざん悩んで、少年の真横に座り直し、その背中におっかなびっくり触れた。恋人がしてくれたように優しく撫でたかったが、服が濡れているせいで摩擦係数が大きく、てのひらを滑らせることが難しい。
やむをえず、とんとんと、背中を軽く叩く。すると、少年が大声を上げて泣き出した。
安心した。泣くなら、思いっきり泣いてほしい。そのほうが、すっきりするはずだ。
──それにしても、いつタオルを出したらいいかな。
タイミングを誤ると、少年が不審がって涙が引っ込むかもしれない。少年の体が冷え続けているのは悩みどころだが、いまは気が済むまで泣かせてあげたかった。
安心させるようにゆっくりと、一定のリズムで背中を叩く。
ハンカチならいけるのでは、と思いつき、空いているほうの手の中に出ないか試してみる。生成りのリネンのハンカチが、どこからともなく現れた。物が触れる時に鳥肌が立つのは、慣れるしかない。
だんだんと泣き声が静かになっていき、鼻をすする音が聞こえてきた。
少年が顔を上げた。そろそろ泣きやむかと思い、ハンカチを手渡そうとしたが、少年は首を横に振って拒んだ。不審がっている様子ではない。畏れ多い、汚せない、そのあたりか。
泣き顔をまじまじと見つめないように気をつけながら、頬に残る涙の跡をハンカチで拭く。
「あっ……」
「遠慮しないで、使って。ね?」
「……はい。ありがとう、ございます」
少年は新しい涙をこぼしながら、おずおずとハンカチを持ち、ためらいがちに頬を押さえる。
その姿から視線を外し、振り返って海を見た。
波は穏やかで、陽の光を受けてきらきら輝いている。海も空も青く澄み切って、いい天気だ。ここにカメラがないのが悔やまれる。撮っておきたい景色だった。
波打ち際をぼんやり眺めたあと、ほったらかしにしたものを片づけるために立ち上がる。また、それらを入れるためのかばんを取り寄せすると、小さめのかごバッグが現れた。
布、かごバッグ行き。
薬瓶、同じく。
水筒、入らない。表面についた砂を払い、ホルダーの紐を肩にかける。けっこう重い。中身はたくさん残っているようだ。
少年が落ち着いた頃合いを見計らい、今度は少年の真向かいに座った。
「喉が渇いてると思うから、お水飲んどこう」
水筒を両手で上げ下げし、水分補給を促す。再び、遠慮され強く勧めてのやりとりをして、水筒を手渡した。
少年が水筒に口をつけた。喉の渇きを自覚したのか、たちまち夢中になってがぶ飲みしだした。
──脱水症にはならなそう? 休んでほしいけど、さすがにベッドは無理だよね……。タオルと着替えは、なるべく早く用意しないと。トップスはプルオーバーがいいかな。それからパンツ、下着じゃなくてボトムスのほうの……いや、下着も必要だよ。セクハラじゃないよね? だって絶対、下着までびしょびしょだよ。その上からボトムス穿かせるの? それとも、下着なしで? どっちもだめでしょ。あれ、そもそも、よその子に服をあげるのってまずい? どうしよう……状況が状況だから、セーフのはず……。
こちらが考え事をしているうちに、少年は人心地がついたようだ。目が合うと、恭しく水筒を差し出してきた。
「もういいの?」
「十分でございます。厚くお礼申し上げます」
淀みない敬語だった。調子が戻ってきたらしい。その返事に頷き、水筒を受け取った。
いよいよだ。緊張してきた。
「あの……あなたに聞きたいことがあって……」
「はい、女神様。なんなりとお答えいたします」
充血した目を見て、よし、と気合を入れる。
「私は紫苑。遠野紫苑といいます。あなたの名前を教えてください」
ここ一週間、繰り返し考えていたから、細部まではっきりしている。
「覚えてるよ。初めて会った時、目が合ってすぐに剣を納めてくれた」
少年の頭を下げさせたまま会話をしたことは、一生の汚点だ。
「船が突っ込んできた時、倒れないように支えてくれた」
あの驚異的なバランス感覚をどうやって身につけたのか、見当もつかない。
「略奪者たちをわざと挑発して、注意を引いてくれた」
礼儀正しさのかけらもない毒舌で、女性をやり込めているように見えた。当時は驚く余裕もなかったが、思い返すとすごい変貌ぶりだ。
「私を貶める言葉に、一度だって賛同しなかった」
殴られても蹴られても、嗤って全部はねのけた。
「暴行されそうになった時、助けてくれた」
それを成したのは少年による暴力だ。少年が、眼帯の男の首に牙を、女性の腹に短剣を刺したから、危機を免れた。感謝以外に何ができる。
「私を傷つけるはずだった剣から、身を呈してかばってくれた」
あの赤を忘れることはないだろう。
「ずっとずっと、あなたが私を大切に思ってくれたから」
献身の根源は、その気持ちだ。それこそが、最も尊いものだ。
少年としっかり目を合わせて、告げる。
「もう証明は終わってるでしょう?」
「あ、……」
「あなたの真心は、あなた自身が一番よくわかってるはず。……いますぐじゃなくていいから、自分を褒めてあげてね」
「……っ」
少年は、涙をこぼした。うろたえながら、てのひらで頬を拭っているが、追いついていない。堰き止めようとしてか、目をきつく閉じるも叶わず、次から次に流れ落ちる。窓ガラスを伝う雨だれを連想させた。
「お、お見苦しい、ところを、申し訳……」
「大丈夫。大丈夫だよ」
少年はうめき、両腕で目元を覆う。痩せっぽちの体を震わせて、砂の上に泣き伏した。できるだけ声を殺そうとしていた。
──どうして我慢するの。ふだん、あんまり泣かない子なのかな。
性格や環境に起因するのか。思春期だからか、人前だからか。見当もつかない。ただ、少しでもデトックスできることを願う。
少年が悪いことをしたとは一切思っていない。だが、自責の念に駆られている相手に、「あなたは悪くない」と言って、果たして効果はあるのか。「自分が悪い」に対する「あなたは悪くない」は、要するに否定しているということだ。その否定によって心が軽くなる人もいるだろうが、少年に対して言うのはためらわれた。
何をどう思うかは、好きにしたらいい。間違ったと思いたいなら思えばいいし、思いたくなくても思ってしまうのは仕方がないことだ。
だから、自責の念の是非は問わず、手放したっていいとだけ伝えたつもりだ。
──だいたい、私が何もできなかったから、この子が泥をかぶったのに。
棚に上げていることは自覚している。
真実、神であるなら──子供に武器を握らせることも、身を盾にさせることもなかった。
略奪者に抵抗できず、やりたい放題に嬲られるほど弱かった。
罪深いのは、少年ではない。
──でも、この子に謝るのは、違う気がする。
取り寄せの力は、振り下ろされる剣の前では役に立たない。あの状況を自力でどうにかできない以上、謝罪は無意味だ。
太陽を背にして、少年が泣いている。震える背中をさすってあげたいが、正しい対応の仕方だろうか。子供と関わる機会が一年に数回程度──親友の親戚に、ハンドメイドの服やあみぐるみをプレゼントする時くらい──であるため、こういう時にどう接するべきか、まったくわからない。
さんざん悩んで、少年の真横に座り直し、その背中におっかなびっくり触れた。恋人がしてくれたように優しく撫でたかったが、服が濡れているせいで摩擦係数が大きく、てのひらを滑らせることが難しい。
やむをえず、とんとんと、背中を軽く叩く。すると、少年が大声を上げて泣き出した。
安心した。泣くなら、思いっきり泣いてほしい。そのほうが、すっきりするはずだ。
──それにしても、いつタオルを出したらいいかな。
タイミングを誤ると、少年が不審がって涙が引っ込むかもしれない。少年の体が冷え続けているのは悩みどころだが、いまは気が済むまで泣かせてあげたかった。
安心させるようにゆっくりと、一定のリズムで背中を叩く。
ハンカチならいけるのでは、と思いつき、空いているほうの手の中に出ないか試してみる。生成りのリネンのハンカチが、どこからともなく現れた。物が触れる時に鳥肌が立つのは、慣れるしかない。
だんだんと泣き声が静かになっていき、鼻をすする音が聞こえてきた。
少年が顔を上げた。そろそろ泣きやむかと思い、ハンカチを手渡そうとしたが、少年は首を横に振って拒んだ。不審がっている様子ではない。畏れ多い、汚せない、そのあたりか。
泣き顔をまじまじと見つめないように気をつけながら、頬に残る涙の跡をハンカチで拭く。
「あっ……」
「遠慮しないで、使って。ね?」
「……はい。ありがとう、ございます」
少年は新しい涙をこぼしながら、おずおずとハンカチを持ち、ためらいがちに頬を押さえる。
その姿から視線を外し、振り返って海を見た。
波は穏やかで、陽の光を受けてきらきら輝いている。海も空も青く澄み切って、いい天気だ。ここにカメラがないのが悔やまれる。撮っておきたい景色だった。
波打ち際をぼんやり眺めたあと、ほったらかしにしたものを片づけるために立ち上がる。また、それらを入れるためのかばんを取り寄せすると、小さめのかごバッグが現れた。
布、かごバッグ行き。
薬瓶、同じく。
水筒、入らない。表面についた砂を払い、ホルダーの紐を肩にかける。けっこう重い。中身はたくさん残っているようだ。
少年が落ち着いた頃合いを見計らい、今度は少年の真向かいに座った。
「喉が渇いてると思うから、お水飲んどこう」
水筒を両手で上げ下げし、水分補給を促す。再び、遠慮され強く勧めてのやりとりをして、水筒を手渡した。
少年が水筒に口をつけた。喉の渇きを自覚したのか、たちまち夢中になってがぶ飲みしだした。
──脱水症にはならなそう? 休んでほしいけど、さすがにベッドは無理だよね……。タオルと着替えは、なるべく早く用意しないと。トップスはプルオーバーがいいかな。それからパンツ、下着じゃなくてボトムスのほうの……いや、下着も必要だよ。セクハラじゃないよね? だって絶対、下着までびしょびしょだよ。その上からボトムス穿かせるの? それとも、下着なしで? どっちもだめでしょ。あれ、そもそも、よその子に服をあげるのってまずい? どうしよう……状況が状況だから、セーフのはず……。
こちらが考え事をしているうちに、少年は人心地がついたようだ。目が合うと、恭しく水筒を差し出してきた。
「もういいの?」
「十分でございます。厚くお礼申し上げます」
淀みない敬語だった。調子が戻ってきたらしい。その返事に頷き、水筒を受け取った。
いよいよだ。緊張してきた。
「あの……あなたに聞きたいことがあって……」
「はい、女神様。なんなりとお答えいたします」
充血した目を見て、よし、と気合を入れる。
「私は紫苑。遠野紫苑といいます。あなたの名前を教えてください」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる