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第140話 神精霊使いVS召喚士
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(ん?!・・精霊・・達?!ま、まさかあいつは精霊使いか!)
サリアの周りに光の粒が舞い降りると強大な魔力を纏った最上級精霊達がサリアの前に降り立った。
「ジンよ!我が主を侮辱した上に牙を剥いた愚か者は彼奴か?!」
「許せないわね・・例え子供だろうが万死に値するわ・・・」
「あぁ・・同感だ。しかし殺すのは無しだ。だが・・死んだ方がマシだと思わせるのは有りだ。・・・ところでエントはどうした?」
「ふむ。少々問題が起こってな・・詳しい事は後で話す。」
「そうか・・それならさっさと片付けるぞ!」
最上級精霊のベヒーモス、クラーケン、ジンがナルミを睨み付ける。
「な、な、なな・・・う、嘘だ・・さ、三体同時召喚?!そ、それも・・・な、なんだその凄まじく強力な精霊は・・・ず、ずるいぞ!!そんなのずるいぞぉぉぉぉ!!」
ナルミは嫉妬と悔しさで地団駄を踏み身構える。
(くそっ!・・・なんでこんな奴がいるんだ!僕は神に選ばれたんだぞ!この世界で最強じゃないのか?!・・・くっ!もう魔力も半分以下だ・・・気は進まないけど・・・やるしかない・・・くそっ!!)
「はぁ・・本当に子供ね。自分の都合の悪い事は全てずるい?自分のしている事は人として最低最悪の事なのにね・・・もう救いようがないわね。みんな!死なない程度にお仕置きよ!!」
「「「はい。お任せを!!」」」
サリアの号令に頷き最上級精霊達がその場から消えた・・・しかし迫り来る魔力と殺気に全身に寒気を感じる!!
「き、消え・・・?!や、やばいっ!!フェニックス!!僕を守れぇぇぇ!!!」
ナルミの叫びに幻獣フェニックスがナルミを巨大な炎の翼で繭のように包み込んだ。しかし最上級精霊達はお構い無しに魔力弾を撃ち込む!
「ふん!ロックバレット!」
「馬鹿ね!アクアバレット!」
「臆病者の悪手だな!エアバレット!」
地属性、水属性、風属性の強力な弾丸の群れが炎の繭に向けて放たれその中へ消えていった・・・
ふう・・これで暫く安全だ。でも・・このままじゃ・・・んっ?!
「ごふっ・・・なっ?!がふっ!ごふっ!ぐぶっ!あぐっ!あががががががががががががぁぁぁぁぁ!!!」
安心したナルミだったが巨大な炎の繭の中で突然右胸の辺りに激痛が走った。足の力が抜けて崩れ落ちようとするが雨霰と襲い掛かる魔弾に倒れる事も許されずに魔弾に身体を撃ち抜かれながら立ったまま小刻みに揺れていた・・・
「だだだだ・・・ずずずず・・げげげげ・・・でででででぇぇぇぇ・・・・」
最上級精霊達の魔法はサリアの神力により強化されていた。ただの魔力とは違い神力による攻撃は幻獣であろうと防ぐ事は出来なかった。ナルミはフェニックスの防御を貫いて来た魔弾を諸に喰らうことになったのだった。
しかしナルミの身体は魔弾に撃ち抜かれ抉られてもフェニックスの癒しの炎で一瞬で治癒されてしまう。倒れる事も死ぬ事も出来ずに永遠とも思える激痛の嵐に晒されていた。
な、なんで・・・なんで・・フェニックスの防御を・・・こ、こんな簡単に・・・お、おかしいだろう!!こ、この僕が・・・この世界で・・最強なんだ・・・僕は・・神に選ばれたんだ・・・ぼ、僕が・・僕が・・僕が・・最強・・・
「ざぁいぎょうなんぶべばぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ナルミが感情のままに叫ぶと魔弾を受けながらも幻獣フェニックスの身体がナルミの身体に吸い込まれて行く。
そしてナルミの身体から炎が立ち昇り成長したかのように赤黒い逞しい身体に変貌すると最上級精霊達の魔弾がナルミの身体をすり抜けて行った。
「むっ!あれは・・・まさか?!」
「えぇ・・早まった事を・・・」
「あのままでは彼奴は死ぬぞ・・」
ベヒモス達の攻撃の手が止まる・・・
「ぐっ・・・がふっ・・早く・・決めないと・・・くっ・・・せ、制御が・・」
「あ、あれは何?どうなったの?!」
サリアはどう見ても異常な光景に息を飲む。巨大な幻獣フェニックスが1人の子供の中に取り込まれたのだ。見れば段々と膨れ上がる身体にナルミ自身も膝を付き苦しんでいた。
「主様!!下がってください!あれは召喚士のスキル〈幻獣融合〉!!しかし幻獣フェニックスと融合するには彼奴では力不足なのです!このままでは幻獣フェニックスの暴走が始まります!!」
「愚かな・・・自分の力量を知りながら感情に流されるとは・・・愚の骨頂ですね・・」
「ふん!ならばする事は1つだ!暴走前に止めるだけだ!!主様!!全力を出す許可を願います!!」
ジンの言葉にベヒモスとクラーケンもサリアに注目し許可を待つ。
サリアはチラリとアンリルを見ると相変わらずワインを傾けて寛いでいた。まるで、この程度の事で私が出るまでも無いと言わんばかりであった・・・サリアも大見得を切った手前少し意地になっていた。
相手は幻獣フェニックス・・・未知数の力が暴走したらどうなるか分からないわ・・・ここは中途半端じゃ駄目ね・・・
サリアは2つ目の指輪を外して最上級精霊達に頷く。
「皆んな!力を貸して!全力であれを止めて!私の全てを使っていいわ!!貴方達は私の大切な仲間よ!頼りにしてるわ!!」
最上級精霊達が雷に打たれたように主であるサリアに振り向く!!
「ふふふ・・・主様の懇願・・・」
「ふふふ・・・主様に頼りに・・・」
「ふふふ・・・主様の大切な・・仲間・・」
サリアの言葉に最上級精霊達に湧き上がる魔力と歓喜が押し寄せ全身が打ち震える。
「感激至極でございます!!このベヒモス!必ずや主様のお役に立ちましょうぞ!!」
「至福の極みでございます!!こんな機会を頂き喜びに打ち震えております!!」
「あぁ・・・この湧き上がる歓喜をどう表現したら良いか分かりません・・・とにかく彼奴を全力で止めて見せましょう!!!」
ずおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
サリアの神力を受け3人の最上級精霊達の魔力が柱のように空を突き抜ける!そして辛うじて意識を繋ぎ止め苦しみながら膨張を続けるナルミを見据えながらも口元を緩めるのであった。
「あらま・・・大事になってるわね・・まあ、お手並み拝見と行きますか・・・」
アンリルは高級生ハムを口に放り込みワインを傾けるのであった。
サリアの周りに光の粒が舞い降りると強大な魔力を纏った最上級精霊達がサリアの前に降り立った。
「ジンよ!我が主を侮辱した上に牙を剥いた愚か者は彼奴か?!」
「許せないわね・・例え子供だろうが万死に値するわ・・・」
「あぁ・・同感だ。しかし殺すのは無しだ。だが・・死んだ方がマシだと思わせるのは有りだ。・・・ところでエントはどうした?」
「ふむ。少々問題が起こってな・・詳しい事は後で話す。」
「そうか・・それならさっさと片付けるぞ!」
最上級精霊のベヒーモス、クラーケン、ジンがナルミを睨み付ける。
「な、な、なな・・・う、嘘だ・・さ、三体同時召喚?!そ、それも・・・な、なんだその凄まじく強力な精霊は・・・ず、ずるいぞ!!そんなのずるいぞぉぉぉぉ!!」
ナルミは嫉妬と悔しさで地団駄を踏み身構える。
(くそっ!・・・なんでこんな奴がいるんだ!僕は神に選ばれたんだぞ!この世界で最強じゃないのか?!・・・くっ!もう魔力も半分以下だ・・・気は進まないけど・・・やるしかない・・・くそっ!!)
「はぁ・・本当に子供ね。自分の都合の悪い事は全てずるい?自分のしている事は人として最低最悪の事なのにね・・・もう救いようがないわね。みんな!死なない程度にお仕置きよ!!」
「「「はい。お任せを!!」」」
サリアの号令に頷き最上級精霊達がその場から消えた・・・しかし迫り来る魔力と殺気に全身に寒気を感じる!!
「き、消え・・・?!や、やばいっ!!フェニックス!!僕を守れぇぇぇ!!!」
ナルミの叫びに幻獣フェニックスがナルミを巨大な炎の翼で繭のように包み込んだ。しかし最上級精霊達はお構い無しに魔力弾を撃ち込む!
「ふん!ロックバレット!」
「馬鹿ね!アクアバレット!」
「臆病者の悪手だな!エアバレット!」
地属性、水属性、風属性の強力な弾丸の群れが炎の繭に向けて放たれその中へ消えていった・・・
ふう・・これで暫く安全だ。でも・・このままじゃ・・・んっ?!
「ごふっ・・・なっ?!がふっ!ごふっ!ぐぶっ!あぐっ!あががががががががががががぁぁぁぁぁ!!!」
安心したナルミだったが巨大な炎の繭の中で突然右胸の辺りに激痛が走った。足の力が抜けて崩れ落ちようとするが雨霰と襲い掛かる魔弾に倒れる事も許されずに魔弾に身体を撃ち抜かれながら立ったまま小刻みに揺れていた・・・
「だだだだ・・・ずずずず・・げげげげ・・・でででででぇぇぇぇ・・・・」
最上級精霊達の魔法はサリアの神力により強化されていた。ただの魔力とは違い神力による攻撃は幻獣であろうと防ぐ事は出来なかった。ナルミはフェニックスの防御を貫いて来た魔弾を諸に喰らうことになったのだった。
しかしナルミの身体は魔弾に撃ち抜かれ抉られてもフェニックスの癒しの炎で一瞬で治癒されてしまう。倒れる事も死ぬ事も出来ずに永遠とも思える激痛の嵐に晒されていた。
な、なんで・・・なんで・・フェニックスの防御を・・・こ、こんな簡単に・・・お、おかしいだろう!!こ、この僕が・・・この世界で・・最強なんだ・・・僕は・・神に選ばれたんだ・・・ぼ、僕が・・僕が・・僕が・・最強・・・
「ざぁいぎょうなんぶべばぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ナルミが感情のままに叫ぶと魔弾を受けながらも幻獣フェニックスの身体がナルミの身体に吸い込まれて行く。
そしてナルミの身体から炎が立ち昇り成長したかのように赤黒い逞しい身体に変貌すると最上級精霊達の魔弾がナルミの身体をすり抜けて行った。
「むっ!あれは・・・まさか?!」
「えぇ・・早まった事を・・・」
「あのままでは彼奴は死ぬぞ・・」
ベヒモス達の攻撃の手が止まる・・・
「ぐっ・・・がふっ・・早く・・決めないと・・・くっ・・・せ、制御が・・」
「あ、あれは何?どうなったの?!」
サリアはどう見ても異常な光景に息を飲む。巨大な幻獣フェニックスが1人の子供の中に取り込まれたのだ。見れば段々と膨れ上がる身体にナルミ自身も膝を付き苦しんでいた。
「主様!!下がってください!あれは召喚士のスキル〈幻獣融合〉!!しかし幻獣フェニックスと融合するには彼奴では力不足なのです!このままでは幻獣フェニックスの暴走が始まります!!」
「愚かな・・・自分の力量を知りながら感情に流されるとは・・・愚の骨頂ですね・・」
「ふん!ならばする事は1つだ!暴走前に止めるだけだ!!主様!!全力を出す許可を願います!!」
ジンの言葉にベヒモスとクラーケンもサリアに注目し許可を待つ。
サリアはチラリとアンリルを見ると相変わらずワインを傾けて寛いでいた。まるで、この程度の事で私が出るまでも無いと言わんばかりであった・・・サリアも大見得を切った手前少し意地になっていた。
相手は幻獣フェニックス・・・未知数の力が暴走したらどうなるか分からないわ・・・ここは中途半端じゃ駄目ね・・・
サリアは2つ目の指輪を外して最上級精霊達に頷く。
「皆んな!力を貸して!全力であれを止めて!私の全てを使っていいわ!!貴方達は私の大切な仲間よ!頼りにしてるわ!!」
最上級精霊達が雷に打たれたように主であるサリアに振り向く!!
「ふふふ・・・主様の懇願・・・」
「ふふふ・・・主様に頼りに・・・」
「ふふふ・・・主様の大切な・・仲間・・」
サリアの言葉に最上級精霊達に湧き上がる魔力と歓喜が押し寄せ全身が打ち震える。
「感激至極でございます!!このベヒモス!必ずや主様のお役に立ちましょうぞ!!」
「至福の極みでございます!!こんな機会を頂き喜びに打ち震えております!!」
「あぁ・・・この湧き上がる歓喜をどう表現したら良いか分かりません・・・とにかく彼奴を全力で止めて見せましょう!!!」
ずおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
サリアの神力を受け3人の最上級精霊達の魔力が柱のように空を突き抜ける!そして辛うじて意識を繋ぎ止め苦しみながら膨張を続けるナルミを見据えながらも口元を緩めるのであった。
「あらま・・・大事になってるわね・・まあ、お手並み拝見と行きますか・・・」
アンリルは高級生ハムを口に放り込みワインを傾けるのであった。
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