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第115話 スタンピード 序章
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(・・ルビラス・・・聞こえるか?)
(ん・・?だ、誰だ俺を気安く呼ぶ奴は?!)
(俺は暗黒神ドルゲル!!聞こえたら返事しろ!!)
(何?!暗黒神ドルゲル?!ふん・・・俺の後釜か・・・何の用だ?)
(やっと聞こえたか!それにしても本当に人間界に転生するとはな!)
(ふん!!煩い!!何だ?!俺を笑い来たのか?!)
(ルビラスよ。そんなに邪険にするな。俺はお前に手を貸してやろうと言ってるんだ。お前の転生記念にこれをやろう。)
ドルゲルは大人の掌ほどの毒々しい真っ赤な宝玉を差し出した。するとルビラスは見覚えのあるそれに目を見開いた。
(そ、それは!〈封印の宝玉〉か!そ、それも炎獄級か!!)
(そうだ!流石に煉獄級は持ち出せなかったからな。だがな・・分かっていると思うが今のお前では使いこなす事は出来んぞ!落としでもして割ったら大変な事になるからな!ふ
お前もあと三年経てば神界での力が身体に馴染んで力が解放される。それまで大切に保管しておけ!)
(あぁ!分かってる!・・暗黒神ドルゲル!!有り難く貰っておくぞ!また何かと手を貸してくれ!!)
(あぁ・・いいだろう。また会おう。)
そう言って暗黒神ドルゲルは闇の中に消えて行くのだった。
(ふう・・・こ、これは我が加護を持つ者への神託だからな・・・も、文句は言わんだろうな・・・)
少し不安になり辺りを見渡す暗黒神ドルゲルであった・・・
メイドがカーテンを一気に開けると元気な朝日がルビラスの瞼を擽る。
「おはよう御座いますゼルビス様。」
メイドが微笑みながら軽く頭を下げる。
(んんっーー!!ふう・・夢か・・・はぁ・・まあいいか・・・)
ゼルビスが何気なくベッドから抜け出そうとすると何か固い物が腕に当たりベッドから転がり落ちた。
「ビキッ!!」
「んっ?何だ・・?」
ゼルビスが音がした所に目をやると無数のヒビが入った赤黒く光る玉が目に映った・・。咄嗟にゼルビスは、非常にまずい事をしたと思うのだが何がまずいのかが思い出せずに必死に記憶を辿った。
(ま、待て・・・落ち着け俺!アレは見た事がある・・ま、まさかな・・だが・・だとすれば何故ここに?・・・あっ!・・暗黒神ドルゲル・・・ふ、封印の宝玉・・・ま、まさか・・・あれは夢じゃない!!・・神託か?!)
ぴきっ・・・ぱきっ・・・
ゼルビスが固まっている間にも宝玉には徐々にヒビが増えていく・・・そしてゼルビスはやっと事の重大さに辿り着いた!
「どうわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!まずい!
まずい!!ここで割れるのはまずい!!」
ゼルビスが激しく宝玉の周りをうろうろしながら頭を抱えていた。すると様子を見ていたメイドが首を傾げて近寄って来た。
「あの・・ゼルビス様。どうされたのですか?その玉がどうかしたのですか?」
ゼルビスはメイドから声を掛けられ”はっ!”と思い付き目の前のメイドに詰め寄った。
「おい!!お前!サキュバスなら空を飛べるよな?!」
「は、はい。もちろんでございます。」
「よ、よし!!じゃあ宝玉をなるべく遠くへ捨ててこい!!
いいか?!途中で割るなよ!?いいな?ゆっくり、慌てず、、、全速力で捨ててこい!!行けぇぇぇぇ!!!」
「えぇ?!あ、は、はい!かしこまりました・・・」
メイドは訳がわからないままそっと宝玉を両手で包み込むと翼を広げて窓から飛び出すのだった・・
(あの馬鹿!!!!どれだけ間抜けなんだぁぁぁ?!炎獄級だぞ?!制御の出来ない炎獄級の魔獣がこの世界に解き放たれたら・・人間はともかく魔族も全滅だぞ・・・)
びききっ!!
「あ、あら!もう限界ね・・・なんだか嫌な魔力が溢れてきたわ・・じゃあこの辺りで捨てちゃいましょう・・・えい!!」
メイドは東の大陸の端にある森へと〈封印の宝玉〉を投げ捨てたのだった。
〈封印の宝玉〉は欠片をばら撒きながら森へと消えて行った。そして数秒後、森を飲み込む程の赤黒い魔法陣が描かれこの世のものとは思えぬ程の呻き声と唸り声が森に響き渡るのであった・・・
今ここに極東の街ウィランダから魔法国家セルフィア王国に向かうべく乗り合い馬車を追いかける青年がいた。
「ちょ、ちょっと待ってぇぇ!!」
ログは全力で走り辛うじて伸ばした手が馬車に届いて飛び乗った。
「よっとぉぉ!!間に合ったぁ!!!」
(ふう・・・『新・闇と光の物語』が面白くて遅くまで起きてたのがいけなかったな・・・)
馬車に乗り込むと女の子4人とベテラン4人の2組の冒険者パーティーが乗っていた。
「おう!若いの!ギリギリだったなぁ!!!あーっはっはっはっ!!!」
中年のベテラン冒険者であろう男がログを見て笑い飛ばした。それに釣られて他の冒険者達も口元を緩めて笑っていた。
「は、はは・・・どうも・・・」
ログは頭を掻きながら照れ笑いをするとベテラン冒険者が話しかけてきた。
「俺はゴルドだ!兄ちゃんここらでは見ない顔だが何処から来たんだ?」
「あぁ・・ぼ、僕はログと言います。南のアリナル王国領内のイサナル村から来ました。」
「おう!!また遠くから来たんだな!!まあ、若い時には経験を積まないとな!良い事だ!あっはっはっは!!!」
「えぇ・・そ、そうですね・・」
なんか豪快な人だな・・・でも道中気まずい雰囲気にならないで済みそうだ。
ログは肩の力を抜き腰を下ろして冒険者達と談笑しながら馬車に揺られていた。
すると一瞬馬車の中が暗くなり馬車の上空を何が通り過ぎたようだった。
んっ?何・・・?
ログが異変に気付いた時にはゴルド達が険しい顔で立ち上がり馬車の後部から空を見上げていた。
「おいおい・・あれは・・ワイバーンだ・・・ば、馬車を止めろ!!狙われるぞ!!」
「くっ!!」
ガガガッ!!!
ゴルドの焦った声を聞いて操馬者は手綱を引き急いで馬車を止めた。
4人の冒険者の女の子達は身体を揺らしながら目を丸くして小声になる。
「ね、ねぇ・・今、ワイバーンって聞こえたけど・・」
「わ、私もそう聞こえたわ・・・何でこんな所に・・・」
「む、無理よ・・無理・・」
「うぅ・・・お家に帰りたい・・」
ゴルド達はワイバーンが飛び交う空を見上げて唖然としていた。
「な、何よ・・この数は・・・100匹は居るわよ・・」
「こ、こんな数のワイバーンなんて・・初めて見るわよ・・」
「だけどこのまま北上すればセルフィア王国だ。セルフィア王国の魔法結界と魔法技術が有れば何とかなるんじゃないか?」
「おう!そうだな!セルフィア王国ならレベルの高い魔法使いが掃いて捨てるほど居るからな!」
しかし希望が見えたとゴルド達が肩の力を抜たその時!ログが希望を打ち砕くように声を上げた。
「いえ!!ゴルドさん!ワイバーンだけじゃないです!!」
「な、何?!」
ゴルドを始め冒険者全員がログに弾けるように振り向くと、ログは〈索敵〉をしながら肩を震わせていた。
「ス、スタンピードです・・南から魔物の大群が迫って来てます・・・それも・・並の強さじゃない・・それに・・桁違いの魔物が一体・・・こ、これは・・やばいですよ・・・」
冒険者達はログの言葉に呆然として顔を見合わせると、ゴルドがログに歩み寄る。
「た、確かなのか?!」
「はい。僕は〈索敵〉が使えます!間違いない・・・このままだとウィランダの街が危ないです!!早く戻らないと!!」
ゴルドはログの言葉に躊躇した。自分はスタンピードの経験はあったがその時は規模は小さく事前に分かってたので準備も出来た。だが今回は規模が違う。人間が立ち向かえる規模ではないと咄嗟に頭をよぎった。
「・・・だが俺達が戻ったとして何が出来るんだ・・・?死に行くようなもんだろ?」
ゴルドの心の声がつい漏れてしまった。すると仲間の女性がゴルドに詰め寄った。
「何言ってるの!!あんたは独り者だから良いけど、街には私の家族が居るの!!見殺しなんて出来る訳ないわ!!」
「私もよ!!妹を助けないと!!早く戻りましう!!」
「ゴルド・・俺も独り身だが・・戻るぜ。考えてもみろ!滅多にお目にかかれないスタンピードだぜ?!いい経験になるだろう?」
仲間の男が女性陣に詰め寄られて何も言えないゴルドに戯けた笑いを見せた。
すると馬車の片隅で固まっていた新米冒険者達も頷き合って立ち上がった。
「わ、私達も・・戻ります!!・・私達も街に残して来た家族がいるんです。」
ログは成り行きを黙って見ていたが女の子達が立ち上がるのを見てチラリと視線をゴルドに向けるとゴルドと目が合った。するとゴルドは照れ隠しか頭を激しく掻きながら声を上げた。
「・・・あーーー!!!!分かったよ!!行ってやる!!やってやるよ!!その代わり自分の身は自分で守れよ!!!
ちっ!!そうと決まったら行くぞ!地獄の一丁目に出発だぁぁぁ!!!」
そして馬車は覚悟を決めた2組の冒険者とログを乗せてウィランダの街へ急ぐのであった。
(ん・・?だ、誰だ俺を気安く呼ぶ奴は?!)
(俺は暗黒神ドルゲル!!聞こえたら返事しろ!!)
(何?!暗黒神ドルゲル?!ふん・・・俺の後釜か・・・何の用だ?)
(やっと聞こえたか!それにしても本当に人間界に転生するとはな!)
(ふん!!煩い!!何だ?!俺を笑い来たのか?!)
(ルビラスよ。そんなに邪険にするな。俺はお前に手を貸してやろうと言ってるんだ。お前の転生記念にこれをやろう。)
ドルゲルは大人の掌ほどの毒々しい真っ赤な宝玉を差し出した。するとルビラスは見覚えのあるそれに目を見開いた。
(そ、それは!〈封印の宝玉〉か!そ、それも炎獄級か!!)
(そうだ!流石に煉獄級は持ち出せなかったからな。だがな・・分かっていると思うが今のお前では使いこなす事は出来んぞ!落としでもして割ったら大変な事になるからな!ふ
お前もあと三年経てば神界での力が身体に馴染んで力が解放される。それまで大切に保管しておけ!)
(あぁ!分かってる!・・暗黒神ドルゲル!!有り難く貰っておくぞ!また何かと手を貸してくれ!!)
(あぁ・・いいだろう。また会おう。)
そう言って暗黒神ドルゲルは闇の中に消えて行くのだった。
(ふう・・・こ、これは我が加護を持つ者への神託だからな・・・も、文句は言わんだろうな・・・)
少し不安になり辺りを見渡す暗黒神ドルゲルであった・・・
メイドがカーテンを一気に開けると元気な朝日がルビラスの瞼を擽る。
「おはよう御座いますゼルビス様。」
メイドが微笑みながら軽く頭を下げる。
(んんっーー!!ふう・・夢か・・・はぁ・・まあいいか・・・)
ゼルビスが何気なくベッドから抜け出そうとすると何か固い物が腕に当たりベッドから転がり落ちた。
「ビキッ!!」
「んっ?何だ・・?」
ゼルビスが音がした所に目をやると無数のヒビが入った赤黒く光る玉が目に映った・・。咄嗟にゼルビスは、非常にまずい事をしたと思うのだが何がまずいのかが思い出せずに必死に記憶を辿った。
(ま、待て・・・落ち着け俺!アレは見た事がある・・ま、まさかな・・だが・・だとすれば何故ここに?・・・あっ!・・暗黒神ドルゲル・・・ふ、封印の宝玉・・・ま、まさか・・・あれは夢じゃない!!・・神託か?!)
ぴきっ・・・ぱきっ・・・
ゼルビスが固まっている間にも宝玉には徐々にヒビが増えていく・・・そしてゼルビスはやっと事の重大さに辿り着いた!
「どうわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!まずい!
まずい!!ここで割れるのはまずい!!」
ゼルビスが激しく宝玉の周りをうろうろしながら頭を抱えていた。すると様子を見ていたメイドが首を傾げて近寄って来た。
「あの・・ゼルビス様。どうされたのですか?その玉がどうかしたのですか?」
ゼルビスはメイドから声を掛けられ”はっ!”と思い付き目の前のメイドに詰め寄った。
「おい!!お前!サキュバスなら空を飛べるよな?!」
「は、はい。もちろんでございます。」
「よ、よし!!じゃあ宝玉をなるべく遠くへ捨ててこい!!
いいか?!途中で割るなよ!?いいな?ゆっくり、慌てず、、、全速力で捨ててこい!!行けぇぇぇぇ!!!」
「えぇ?!あ、は、はい!かしこまりました・・・」
メイドは訳がわからないままそっと宝玉を両手で包み込むと翼を広げて窓から飛び出すのだった・・
(あの馬鹿!!!!どれだけ間抜けなんだぁぁぁ?!炎獄級だぞ?!制御の出来ない炎獄級の魔獣がこの世界に解き放たれたら・・人間はともかく魔族も全滅だぞ・・・)
びききっ!!
「あ、あら!もう限界ね・・・なんだか嫌な魔力が溢れてきたわ・・じゃあこの辺りで捨てちゃいましょう・・・えい!!」
メイドは東の大陸の端にある森へと〈封印の宝玉〉を投げ捨てたのだった。
〈封印の宝玉〉は欠片をばら撒きながら森へと消えて行った。そして数秒後、森を飲み込む程の赤黒い魔法陣が描かれこの世のものとは思えぬ程の呻き声と唸り声が森に響き渡るのであった・・・
今ここに極東の街ウィランダから魔法国家セルフィア王国に向かうべく乗り合い馬車を追いかける青年がいた。
「ちょ、ちょっと待ってぇぇ!!」
ログは全力で走り辛うじて伸ばした手が馬車に届いて飛び乗った。
「よっとぉぉ!!間に合ったぁ!!!」
(ふう・・・『新・闇と光の物語』が面白くて遅くまで起きてたのがいけなかったな・・・)
馬車に乗り込むと女の子4人とベテラン4人の2組の冒険者パーティーが乗っていた。
「おう!若いの!ギリギリだったなぁ!!!あーっはっはっはっ!!!」
中年のベテラン冒険者であろう男がログを見て笑い飛ばした。それに釣られて他の冒険者達も口元を緩めて笑っていた。
「は、はは・・・どうも・・・」
ログは頭を掻きながら照れ笑いをするとベテラン冒険者が話しかけてきた。
「俺はゴルドだ!兄ちゃんここらでは見ない顔だが何処から来たんだ?」
「あぁ・・ぼ、僕はログと言います。南のアリナル王国領内のイサナル村から来ました。」
「おう!!また遠くから来たんだな!!まあ、若い時には経験を積まないとな!良い事だ!あっはっはっは!!!」
「えぇ・・そ、そうですね・・」
なんか豪快な人だな・・・でも道中気まずい雰囲気にならないで済みそうだ。
ログは肩の力を抜き腰を下ろして冒険者達と談笑しながら馬車に揺られていた。
すると一瞬馬車の中が暗くなり馬車の上空を何が通り過ぎたようだった。
んっ?何・・・?
ログが異変に気付いた時にはゴルド達が険しい顔で立ち上がり馬車の後部から空を見上げていた。
「おいおい・・あれは・・ワイバーンだ・・・ば、馬車を止めろ!!狙われるぞ!!」
「くっ!!」
ガガガッ!!!
ゴルドの焦った声を聞いて操馬者は手綱を引き急いで馬車を止めた。
4人の冒険者の女の子達は身体を揺らしながら目を丸くして小声になる。
「ね、ねぇ・・今、ワイバーンって聞こえたけど・・」
「わ、私もそう聞こえたわ・・・何でこんな所に・・・」
「む、無理よ・・無理・・」
「うぅ・・・お家に帰りたい・・」
ゴルド達はワイバーンが飛び交う空を見上げて唖然としていた。
「な、何よ・・この数は・・・100匹は居るわよ・・」
「こ、こんな数のワイバーンなんて・・初めて見るわよ・・」
「だけどこのまま北上すればセルフィア王国だ。セルフィア王国の魔法結界と魔法技術が有れば何とかなるんじゃないか?」
「おう!そうだな!セルフィア王国ならレベルの高い魔法使いが掃いて捨てるほど居るからな!」
しかし希望が見えたとゴルド達が肩の力を抜たその時!ログが希望を打ち砕くように声を上げた。
「いえ!!ゴルドさん!ワイバーンだけじゃないです!!」
「な、何?!」
ゴルドを始め冒険者全員がログに弾けるように振り向くと、ログは〈索敵〉をしながら肩を震わせていた。
「ス、スタンピードです・・南から魔物の大群が迫って来てます・・・それも・・並の強さじゃない・・それに・・桁違いの魔物が一体・・・こ、これは・・やばいですよ・・・」
冒険者達はログの言葉に呆然として顔を見合わせると、ゴルドがログに歩み寄る。
「た、確かなのか?!」
「はい。僕は〈索敵〉が使えます!間違いない・・・このままだとウィランダの街が危ないです!!早く戻らないと!!」
ゴルドはログの言葉に躊躇した。自分はスタンピードの経験はあったがその時は規模は小さく事前に分かってたので準備も出来た。だが今回は規模が違う。人間が立ち向かえる規模ではないと咄嗟に頭をよぎった。
「・・・だが俺達が戻ったとして何が出来るんだ・・・?死に行くようなもんだろ?」
ゴルドの心の声がつい漏れてしまった。すると仲間の女性がゴルドに詰め寄った。
「何言ってるの!!あんたは独り者だから良いけど、街には私の家族が居るの!!見殺しなんて出来る訳ないわ!!」
「私もよ!!妹を助けないと!!早く戻りましう!!」
「ゴルド・・俺も独り身だが・・戻るぜ。考えてもみろ!滅多にお目にかかれないスタンピードだぜ?!いい経験になるだろう?」
仲間の男が女性陣に詰め寄られて何も言えないゴルドに戯けた笑いを見せた。
すると馬車の片隅で固まっていた新米冒険者達も頷き合って立ち上がった。
「わ、私達も・・戻ります!!・・私達も街に残して来た家族がいるんです。」
ログは成り行きを黙って見ていたが女の子達が立ち上がるのを見てチラリと視線をゴルドに向けるとゴルドと目が合った。するとゴルドは照れ隠しか頭を激しく掻きながら声を上げた。
「・・・あーーー!!!!分かったよ!!行ってやる!!やってやるよ!!その代わり自分の身は自分で守れよ!!!
ちっ!!そうと決まったら行くぞ!地獄の一丁目に出発だぁぁぁ!!!」
そして馬車は覚悟を決めた2組の冒険者とログを乗せてウィランダの街へ急ぐのであった。
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