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第69話 臆病な王様
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ミハエルは肥大化した魔核を空に向ける!
「よっ!!発射!!」
ずぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
放たれた極太の赤い螺旋の渦は雲を消し飛ばし空に一本の赤い筋を描いて遥か彼方まで突き抜けて行った・・・
「本当に危ない事するね・・こんな街の中心部で・・・まさに無理無茶無策だね・・・」
幸い野次馬は規制されてて騒ぎにはならなくて良かったけどね・・・
放たれた魔導砲の威力を感じながら足元に倒れている〈八星魔導士〉を見下ろした。
サリアは〈魔導砲〉の軌跡を見上げて感心する。
「うわー!完全に制御出来てましたね・・・凄いです!!・・所でアンリルさん。光と闇の申し子って・・まさか・・〈闇と光の物語〉の事ですか?」
「ん?そうよ!ミハエル君はメイシスとイルバスの子孫なのよ。
後でステータスを見せてもらえばいいわ・・・凄いわよ・・・」
アンリルがニンマリ笑うとサリアは目をパチクリさせる!
「えぇぇぇーーー!!・・と言うことは・・・光と闇の加護を?!み、見たいですぅぅ!!・・・だからステータスを擬装しているのね・・・」
「おーい!!早く行こうよー!!」
アンリルとサリアが声に反応して見ると、ミハエルが王宮の門の前で大きく手を振っていた。
「ほ、報告します!!!」
偵察隊の男が飛び込んで来る!!
「どうした?!何があった?!」
セルフィア王は嫌な予感がよぎる・・・
「は、はい・・・アンリル親子を捕らえる為に配置した兵士200名・・〈八星魔導士〉が・・・と、突破されました・・・」
セルフィア王は悪い予感が当たり呆然として玉座の背もたれに身をゆだねる・・・
な、何と・・・〈八星魔導士〉でさえも奴等を止められないのか・・・
「それで・・〈八星魔導士〉は無事なのか?」
「はっ!皆、魔力切れで気を失っているだけでございます!命に別状はありません!・・・ただ・・・」
男は言いづらそうに口籠る・・
「なんだ?!どうした?!早く言え!!」
「は、はい。・・・サ、サリア殿が・・奴等に寝返りました・・・」
「な、何だと?!・・あの小娘・・・許さぬぞ!すぐにサリアを捕らえてここへ連れて来い!!今すぐだ!!」
セルフィア王は目を見開き勢いよく立ち上がる!!
すると男は恐る恐る報告を続ける・・
「あ、あの・・・そ、その・・・アンリル親子とサリア殿は・・・すでに王宮内に入りここへ向かっております・・・」
立ち上がったセルフィア王は思い出したかのようにそのまま動きを止める。
そ、そうだ・・わしに敵意を持った奴等がここへ来る・・・我が国の宮廷魔導士でも歯が立たない奴等が・・・まずいぞ・・・どうする・・・
セルフィア王が頭を抱えていると突然謁見の間の両開きの扉が勢いよく左右に吹き飛ぶ!
どばーん!!がっしゃぁぁぁぁぁん!!!
「うおっ!!!!!!な、何事だ?!・・・ゴホッ!ゴホッ!!」
セルフィア王の両肩が外れんばかりに跳ね上がり息が詰まる!!
「お邪魔しまーす!!」
するとまるで友達の家に遊びに来たようにアンリル達が謁見の間に入って来た。
アンリルは軽く扉を開けたつもりだったがステータスが上がった事で加減が出来なかったのだった。
しかしセルフィア王の恐怖心を煽るには充分な効果があった。
「あっ・・・まっいっか!!直しといて!」
アンリルは部屋の両脇に並ぶ鎧に身を包んだ騎士達に軽く手を上げてズカズカと赤い絨毯をセルフィア王に向かって進んで行く。ミハエルとサリアはその後をついて行くのだった。
ズカズカと向かってくるアンリル達にセルフィア王は怒りを忘れて畏怖し焦っていた・・・
ど、どうする・・・か、完全に怒っているぞ・・・それに・・な、何だ・・・こ、この馬鹿げた魔力は・・・まずい!まずい!まずいぞ!!
セルフィア王は膝が笑い出し背中に冷たいものが流れる。そして立っていられずに玉座に座り込んだ・・・
・・・どすっ・・・
アンリルが赤い絨毯の切れ目で立ち止まるとミハエル達も横に並びセルフィア王を見据えた。
セルフィア王は身体の震えを止めようと背もたれにに身体を押し付けて力を入れていた。
ど、どうするつもりだ・・・何をするつもりだ・・・
セルフィア王は生唾を飲む・・・
そしてアンリルはわざとらしく突然動き出して跪く!
ばっ!!
「はうっ!!!」
セルフィア王は突然動き出したアンリルに驚き・・・軽く下着を濡らす・・
それに続いてミハエル達も跪くのであった。
アンリルは魔力を軽く滲ませて口を開く。
「セルフィア王様。お呼びにより参上致しました。」
くっ・・ぬけぬけと・・・こ、この雰囲気・・・何とかせねば・・・仕方あるまい・・
セルフィア王が文官達に目で合図を送ると
文官達は軽く頷いて部屋の四隅で水晶玉のような物を取り出した。
この時ミハエルは文官達が部屋の四隅にいるのが不思議だったので水晶玉を鑑定してみた。
ふふっ・・この部屋は・・なるほどね・・・だから騎士が並んでいるんだね・・・どこまで臆病な王様なんだろう・・・少しいじめてみようかな・・・
ミハエルは意地悪くニヤリと笑うのであった・・・
「よっ!!発射!!」
ずぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
放たれた極太の赤い螺旋の渦は雲を消し飛ばし空に一本の赤い筋を描いて遥か彼方まで突き抜けて行った・・・
「本当に危ない事するね・・こんな街の中心部で・・・まさに無理無茶無策だね・・・」
幸い野次馬は規制されてて騒ぎにはならなくて良かったけどね・・・
放たれた魔導砲の威力を感じながら足元に倒れている〈八星魔導士〉を見下ろした。
サリアは〈魔導砲〉の軌跡を見上げて感心する。
「うわー!完全に制御出来てましたね・・・凄いです!!・・所でアンリルさん。光と闇の申し子って・・まさか・・〈闇と光の物語〉の事ですか?」
「ん?そうよ!ミハエル君はメイシスとイルバスの子孫なのよ。
後でステータスを見せてもらえばいいわ・・・凄いわよ・・・」
アンリルがニンマリ笑うとサリアは目をパチクリさせる!
「えぇぇぇーーー!!・・と言うことは・・・光と闇の加護を?!み、見たいですぅぅ!!・・・だからステータスを擬装しているのね・・・」
「おーい!!早く行こうよー!!」
アンリルとサリアが声に反応して見ると、ミハエルが王宮の門の前で大きく手を振っていた。
「ほ、報告します!!!」
偵察隊の男が飛び込んで来る!!
「どうした?!何があった?!」
セルフィア王は嫌な予感がよぎる・・・
「は、はい・・・アンリル親子を捕らえる為に配置した兵士200名・・〈八星魔導士〉が・・・と、突破されました・・・」
セルフィア王は悪い予感が当たり呆然として玉座の背もたれに身をゆだねる・・・
な、何と・・・〈八星魔導士〉でさえも奴等を止められないのか・・・
「それで・・〈八星魔導士〉は無事なのか?」
「はっ!皆、魔力切れで気を失っているだけでございます!命に別状はありません!・・・ただ・・・」
男は言いづらそうに口籠る・・
「なんだ?!どうした?!早く言え!!」
「は、はい。・・・サ、サリア殿が・・奴等に寝返りました・・・」
「な、何だと?!・・あの小娘・・・許さぬぞ!すぐにサリアを捕らえてここへ連れて来い!!今すぐだ!!」
セルフィア王は目を見開き勢いよく立ち上がる!!
すると男は恐る恐る報告を続ける・・
「あ、あの・・・そ、その・・・アンリル親子とサリア殿は・・・すでに王宮内に入りここへ向かっております・・・」
立ち上がったセルフィア王は思い出したかのようにそのまま動きを止める。
そ、そうだ・・わしに敵意を持った奴等がここへ来る・・・我が国の宮廷魔導士でも歯が立たない奴等が・・・まずいぞ・・・どうする・・・
セルフィア王が頭を抱えていると突然謁見の間の両開きの扉が勢いよく左右に吹き飛ぶ!
どばーん!!がっしゃぁぁぁぁぁん!!!
「うおっ!!!!!!な、何事だ?!・・・ゴホッ!ゴホッ!!」
セルフィア王の両肩が外れんばかりに跳ね上がり息が詰まる!!
「お邪魔しまーす!!」
するとまるで友達の家に遊びに来たようにアンリル達が謁見の間に入って来た。
アンリルは軽く扉を開けたつもりだったがステータスが上がった事で加減が出来なかったのだった。
しかしセルフィア王の恐怖心を煽るには充分な効果があった。
「あっ・・・まっいっか!!直しといて!」
アンリルは部屋の両脇に並ぶ鎧に身を包んだ騎士達に軽く手を上げてズカズカと赤い絨毯をセルフィア王に向かって進んで行く。ミハエルとサリアはその後をついて行くのだった。
ズカズカと向かってくるアンリル達にセルフィア王は怒りを忘れて畏怖し焦っていた・・・
ど、どうする・・・か、完全に怒っているぞ・・・それに・・な、何だ・・・こ、この馬鹿げた魔力は・・・まずい!まずい!まずいぞ!!
セルフィア王は膝が笑い出し背中に冷たいものが流れる。そして立っていられずに玉座に座り込んだ・・・
・・・どすっ・・・
アンリルが赤い絨毯の切れ目で立ち止まるとミハエル達も横に並びセルフィア王を見据えた。
セルフィア王は身体の震えを止めようと背もたれにに身体を押し付けて力を入れていた。
ど、どうするつもりだ・・・何をするつもりだ・・・
セルフィア王は生唾を飲む・・・
そしてアンリルはわざとらしく突然動き出して跪く!
ばっ!!
「はうっ!!!」
セルフィア王は突然動き出したアンリルに驚き・・・軽く下着を濡らす・・
それに続いてミハエル達も跪くのであった。
アンリルは魔力を軽く滲ませて口を開く。
「セルフィア王様。お呼びにより参上致しました。」
くっ・・ぬけぬけと・・・こ、この雰囲気・・・何とかせねば・・・仕方あるまい・・
セルフィア王が文官達に目で合図を送ると
文官達は軽く頷いて部屋の四隅で水晶玉のような物を取り出した。
この時ミハエルは文官達が部屋の四隅にいるのが不思議だったので水晶玉を鑑定してみた。
ふふっ・・この部屋は・・なるほどね・・・だから騎士が並んでいるんだね・・・どこまで臆病な王様なんだろう・・・少しいじめてみようかな・・・
ミハエルは意地悪くニヤリと笑うのであった・・・
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