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第56話 全魔法使用
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サリエル校長はひとしきり指輪を眺めると思いついたようにミハエルの前にちょこんと正座してミハエルを上目遣いで見る。
「ミハエルくん・・・私も〈古代魔法〉・・使いたいなぁ・・・」
あー・・・そうきたかぁ・・でもこればっかりはどうしようもないんだよね・・方法が無いわけじゃ無いんだけど・・・危険だ。
「あの・・校長先生・・それは・・出来ないんです。
校長先生はステータスは大丈夫なんですけど無理なんです。
アンリルさんは〈賢者〉の称号で魔法の知識を深める事によってあらゆる魔法を使えるんです。だから諦めずに〈古代魔法〉を追い続けたアンリルさんだから使えるようになったんです。
遥か昔に編み出された〈古代魔法〉は使い手を選ぶんです。」
この時アンリル自身も〈賢者〉の特性を初めて知った。
えっ・・〈賢者〉って・・そうだったんだ・
・自分でも知らなかった・・確かに〈古代魔法〉は過去何人も使えずに諦めていたと文献にも書かれていたわ・・・だけどミハエル君は〈賢者〉の特性をどうやって知ったの・・・?
サリエル校長は少し笑顔が曇ったがにっこり笑う。
「そ、そうなの・・・残念・・・でもありがとう!ミハエル君!!大事にするわ!」
再びミハエルはサリエル校長の胸に収まるのだった。
三日後・・・
セルフィア王国へ出発するべくミハエルは馬車に乗り込んだ。
「アンリルさん!行くよー!!」
「ちょっと待ってー!!」
用意に手間取り出遅れたアンリルが屋敷の扉を勢いよく開けて駆け足で馬車に飛び乗る。
「セイルさん!行ってきます!!」
「ミハエル様!!気を付けて!!!」
ミハエルとアンリルはセルフィア王国へと出発するのだった。
「おい。手筈はいいんだろな?標的は今日やってくる。確認して黒なら始末しろ! 白なら好きにしろ!いいな?!話によればガキと女だ!それだけでたんまり貰えるんだ!上手くやれよ!」
「おう!!!」
「ねえ、ミハエル君。〈賢者〉の称号の特質をどうやって知ったの?私も知らなかったのよ?」
「えっ?!簡単だよ。称号を鑑定するんだよ。そうすると称号の特性が分かるよ。試しに僕の称号を〈鑑定〉したら分かるよ。」
ミハエルは簡単そうに答える。
「えぇ?!そんな事出来るの?!じゃあ・・」
〈鑑定〉して・・・更に〈鑑定〉・・
アンリルは〈光の末裔〉の特性を見る・・・
【光の末裔】
・魔力を神力へ変換可能。
・全ての世界の魔法を使用可能。
・先祖のスキル引継ぎ獲得。
・全てのステータス10倍
「うぁ・・・予想以上だわ・・・さすが〈光の末裔〉ね・・・」
するとアンリルの動きが止まる。
”全ての世界の魔法”・・・も、もしかして・・・
アンリルは好奇心で〈全魔法使用〉を〈鑑定〉してしまう。
すると虚空に現れた魔法のリストが一気に目に飛び込んで来て呆然とする。
な、な、何?!この・・魔法の種類は・・・時空魔法・・・重力魔法・・まだまだ知らない魔法が・・・こ、この世界にはまだこんなにも・・・
するとミハエルはアンリルが何を〈鑑定〉しているか気付く。
「アンリルさん・・・あまり見ない方がいいよ。その中には危険な魔法もあるからね。」
アンリルはハッと我に返り〈鑑定〉を解除した。
「ご、ごめん。でも凄かったわ・・・こんなにも・・この世界に魔法があるなんて・・・生きているうちにどれだけ使えるようになるのかしら・・・」
アンリルは興奮が抑えられずに震えていた。
ミハエルはしまったと思った。〈全魔法使用〉は全ての世界の魔法が使える。しかし・・この世界には無い魔法もあるのだ。
これは神力があるから使えるのである。そしてこの世界に無い魔法は絶望的に燃費が悪いのだ。今のミハエルでも1回発動するのが限界なのである。
「アンリルさん・・・〈賢者〉の称号は凄いよ。でもその反面危険なんだ。
今見た魔法の中にはこの世界には無い魔法があるんだ。その魔法は魔力が足りなくても使えるんだ・・だけど代償として生命力を使う。
アンリルさん。だからこの世界で知らない魔法は使っては駄目だよ。今見た魔法は忘れて欲しいんだ。」
ミハエルが真剣な表情でアンリルの手を握るとアンリルはドキッとして本気で言っていると実感する。
「わ、分かったわ・・ミハエル君が使えるけど使わないのはそれだけ危険なんだよね・・・」
「うん。そうなんだよ。約束だよ!」
ミハエルが小指を出すとアンリルも小指を絡めて微笑むのであった。
とは言うものの見てしまったものは忘れる事は出来ないよね・・・。
アンリルの魔法に対する探究心は抑える事は出来ない。ミハエルはそう思い直ぐに自分のスキルを〈擬装〉で隠すのだった。
「ミハエルくん・・・私も〈古代魔法〉・・使いたいなぁ・・・」
あー・・・そうきたかぁ・・でもこればっかりはどうしようもないんだよね・・方法が無いわけじゃ無いんだけど・・・危険だ。
「あの・・校長先生・・それは・・出来ないんです。
校長先生はステータスは大丈夫なんですけど無理なんです。
アンリルさんは〈賢者〉の称号で魔法の知識を深める事によってあらゆる魔法を使えるんです。だから諦めずに〈古代魔法〉を追い続けたアンリルさんだから使えるようになったんです。
遥か昔に編み出された〈古代魔法〉は使い手を選ぶんです。」
この時アンリル自身も〈賢者〉の特性を初めて知った。
えっ・・〈賢者〉って・・そうだったんだ・
・自分でも知らなかった・・確かに〈古代魔法〉は過去何人も使えずに諦めていたと文献にも書かれていたわ・・・だけどミハエル君は〈賢者〉の特性をどうやって知ったの・・・?
サリエル校長は少し笑顔が曇ったがにっこり笑う。
「そ、そうなの・・・残念・・・でもありがとう!ミハエル君!!大事にするわ!」
再びミハエルはサリエル校長の胸に収まるのだった。
三日後・・・
セルフィア王国へ出発するべくミハエルは馬車に乗り込んだ。
「アンリルさん!行くよー!!」
「ちょっと待ってー!!」
用意に手間取り出遅れたアンリルが屋敷の扉を勢いよく開けて駆け足で馬車に飛び乗る。
「セイルさん!行ってきます!!」
「ミハエル様!!気を付けて!!!」
ミハエルとアンリルはセルフィア王国へと出発するのだった。
「おい。手筈はいいんだろな?標的は今日やってくる。確認して黒なら始末しろ! 白なら好きにしろ!いいな?!話によればガキと女だ!それだけでたんまり貰えるんだ!上手くやれよ!」
「おう!!!」
「ねえ、ミハエル君。〈賢者〉の称号の特質をどうやって知ったの?私も知らなかったのよ?」
「えっ?!簡単だよ。称号を鑑定するんだよ。そうすると称号の特性が分かるよ。試しに僕の称号を〈鑑定〉したら分かるよ。」
ミハエルは簡単そうに答える。
「えぇ?!そんな事出来るの?!じゃあ・・」
〈鑑定〉して・・・更に〈鑑定〉・・
アンリルは〈光の末裔〉の特性を見る・・・
【光の末裔】
・魔力を神力へ変換可能。
・全ての世界の魔法を使用可能。
・先祖のスキル引継ぎ獲得。
・全てのステータス10倍
「うぁ・・・予想以上だわ・・・さすが〈光の末裔〉ね・・・」
するとアンリルの動きが止まる。
”全ての世界の魔法”・・・も、もしかして・・・
アンリルは好奇心で〈全魔法使用〉を〈鑑定〉してしまう。
すると虚空に現れた魔法のリストが一気に目に飛び込んで来て呆然とする。
な、な、何?!この・・魔法の種類は・・・時空魔法・・・重力魔法・・まだまだ知らない魔法が・・・こ、この世界にはまだこんなにも・・・
するとミハエルはアンリルが何を〈鑑定〉しているか気付く。
「アンリルさん・・・あまり見ない方がいいよ。その中には危険な魔法もあるからね。」
アンリルはハッと我に返り〈鑑定〉を解除した。
「ご、ごめん。でも凄かったわ・・・こんなにも・・この世界に魔法があるなんて・・・生きているうちにどれだけ使えるようになるのかしら・・・」
アンリルは興奮が抑えられずに震えていた。
ミハエルはしまったと思った。〈全魔法使用〉は全ての世界の魔法が使える。しかし・・この世界には無い魔法もあるのだ。
これは神力があるから使えるのである。そしてこの世界に無い魔法は絶望的に燃費が悪いのだ。今のミハエルでも1回発動するのが限界なのである。
「アンリルさん・・・〈賢者〉の称号は凄いよ。でもその反面危険なんだ。
今見た魔法の中にはこの世界には無い魔法があるんだ。その魔法は魔力が足りなくても使えるんだ・・だけど代償として生命力を使う。
アンリルさん。だからこの世界で知らない魔法は使っては駄目だよ。今見た魔法は忘れて欲しいんだ。」
ミハエルが真剣な表情でアンリルの手を握るとアンリルはドキッとして本気で言っていると実感する。
「わ、分かったわ・・ミハエル君が使えるけど使わないのはそれだけ危険なんだよね・・・」
「うん。そうなんだよ。約束だよ!」
ミハエルが小指を出すとアンリルも小指を絡めて微笑むのであった。
とは言うものの見てしまったものは忘れる事は出来ないよね・・・。
アンリルの魔法に対する探究心は抑える事は出来ない。ミハエルはそう思い直ぐに自分のスキルを〈擬装〉で隠すのだった。
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