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第25話 大猪ホグジラ討伐
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『こっちよ!・・・静かに!・・居たわ。』
アンリルが身を屈めると冒険者達がアンリルの目線を追う。
『な、なんだありぁぁ!デカすぎるだろ!!』
冒険者の1人がつい声を上げる!
『馬鹿!声が大きい!!気付かれたら・・・』
しかし既に遅かった・・・振り返るとこちらに気付いたホグジラが唾を撒き散らし絶叫しながらすぐそこまで迫っていた!!
『ぶぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
どどどどどどどどどっ!!!!!
『まずい!!皆んな散って!!早く・・・』
アンリルが叫ぶと辛うじて冒険者達は回避出来たがアンリルが逃げ遅れる!!
『あ・・・やばい・・・』
どかぁぁぁ・・・
アンリルが綺麗な放物線を描いて飛んでいく・・・
『アンリルさぁぁぁぁん!!!』
『アンリルさんがぁぁぁぁぁ!!!』
『俺のせいだ・・・俺が・・・』
冒険者が落胆し呆然とする。最悪の事態を予想して項垂れる者、膝を付いて自分を責める者と冒険者達の中に絶望感が漂っていた。
が、しかし次の瞬間!!
『皆んな何をしているの!!!打ち合わせ通り行動して!!!』
冒険者達が弾けるように声がする方へ振り向くと何事もなく檄を飛ばすアンリルがそこにいた。
『うぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!今確かに直撃だった筈よ!!!!』
『どっ、どうなっているんだぁぁぁ!!!Sランク冒険者は化け物か?!』
『も、もう訳が分からない!!俺の想像を遥かに超えてるぅぅぅ!!!!』
冒険者達が違う意味で呆然としていたがアンリルの檄で我に返る!
『私があの程度でどうにかなると思っているの?!叫んでいる暇は無いわよ!!
早く5班に分かれて魔法使いは牽制!!その反対側から前衛が足元を攻撃よ!!』
しかし内心アンリルは心臓が張り裂けんばかりに鼓動を続けていた。
(あ、危なかった・・・死ぬかと思ったわ・・・今回もミハエル君のお陰で助かったわ・・・)
アンリルは〈物理攻撃無効〉が付与された指輪にキスをする。
『炎の矢よ敵を穿て!〈ファイヤ・アロー〉』
『うぉぉりゃぁぁぁ!!これでも喰らえぇぇ!!』
冒険者達が奮闘しているがホグジラには殆どダメージが無かった。
反対に冒険者達の生傷が増えていった。
『駄目だわ・・あの分厚い毛で魔法が届かない!牽制にもなって無いわ!!』
『なんて硬いんだ!!攻撃しているこっちが先に参っちまうぞ!!』
アンリルは戦況を眺めていた。
『まぁ、予想通りの展開ね・・あのサイズのホグジラをあの程度で倒せるなら苦労はしないわね・・・じゃあミハエル君!使わせて貰うわよ!!これで私は古代魔法Lv9まで使える!!』
アンリルは受け取った指輪を装備する!
この指輪はミハエルが魔力を注ぎ込み溜め込んだ魔力タンクなのだ。
『行くわよ!!”戦いに身を投じる者達の力を引き出せ!!〈フル・ポテンシャル〉!!』
すると冒険者達の身体が光に包まれる!!
『な、なんだ?!力が溢れてくるぞ!!身体も軽い!!行ける!行けるぞ!!』
『私も魔力が!魔力が溢れてくる!!
氷の槍よ!敵を貫け!〈アイスランス〉!!』
放たれた数十本の氷の槍がホグジラの分厚い毛を貫き皮膚に突き刺さるとホグジラの巨体がぐらつく。
『す、凄い・・私の魔法が・・効いている!行けるわ!』
『こ、これが・・〈真実の剣〉賢者アンリルの力か・・・凄すぎる・・・』
冒険者達が賢者アンリルを讃えながらホグジラをじわじわと追い詰めて行く!
アンリルは有利になっていく戦況を見て思う。
(今回もミハエル君の力が無ければ私はここで命を落としていたわ・・皆を庇う事を見越して〈物理攻撃無効〉私が古代魔法Lv5までしか使えないのを見越して〈魔力補給+2000000〉・・・そして・・・)
ぐもぉぉぉぉぉぉ!!!!
ずずぅぅぅぅぅぅん・・・・
強化された30人の冒険者の攻撃に耐えかねてついに大猪ホグジラがバランスを崩して横倒しに倒れた。
皆んなやったわね。最後は私が決めるわ!
『皆んな!!良くやったわ!!離れて!!大技を行くわよ!!』
アンリルは魔力タンクの残りと自分の魔力を集中させる!!
『”大地の力よ炎の力と融合せよ!彼方より敵を討ち滅ぼせ!!〈メティオ・ストライク〉!!』
アンリルが両腕を振り下ろすと上空から雲を真っ赤に染めて打ち破り巨大な炎の塊が顔を出した!!
そしてアンリルの頬に一筋の汗が伝う。
『しまった・・魔力補給・・ミハエル君の神力だった・・・やり過ぎたかも・・・まずい!まずい!まずいぃぃぃぃ!!!!皆んなぁぁぁぁぁぁぁ!!!全力で逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』
アンリルも大きな岩の影に隠れる!
『うおぉぉぉぉぉぉ!!!!なんだアレはぁぉぁぁぁ!!!やべぇぇぇぇ!!!逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!』
『いやぁぁぁぁぁ!!!こんなの人間技じゃないよぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
『なんでもいいから全力で走れぇぇぇぇ!!!』
アンリルの絶叫に迫り来る真っ赤に燃える隕石から冒険者達が蜘蛛の子を散らすようにその場から全力で逃げ出す!!
『衝撃を出来るだけ抑えないと!!!』
アンリルは残りの魔力を掻き集める!!
『敵の災いから我を守れ!!古代魔法〈フォースフィールド〉!!!!』
隕石の着地地点を中心を囲むように光の壁が現れる!!!
『お願い!!!抑えてぇぇぇぇぇぇ!!!』
そして隕石が轟音と地震と共に着弾する!!
ちゅっどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーん!!!!!!!
衝撃と熱気が荒れ狂う嵐のように木々を薙ぎ倒し、光の壁に沿って螺旋状に巻き上がった大量の木や土や岩が辺り一面に降り注ぐ!!そして全力で逃げる冒険者まで達して皆を吹き飛ばした!!
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!』
『やり過ぎだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『アンリルさんの馬鹿ぁぁぁぁーー!!!』
『あはっ・・・やり過ぎたわ・・・でも・・私の魔力も残り少なかったのに・・よくこの程度で済んだわね・・・ミハエル君の神力・・凄すぎるわ・・皆んな無事だと良いけど・・・私も・・すっからかん・・・』
アンリルは座り込み〈大猪ホグジラ〉が跡形も無く消し飛んだ巨大なクレーターに苦笑いをするのだった。
そして貸してもらった三つ目の指輪に目を落とした。
ミハエル君・・・この指輪・・・必要無くなったわ・・・。
アンリルは〈アイテムボックス〉が付与された指輪をそっと鞄にしまうのだった・・・
アンリルが身を屈めると冒険者達がアンリルの目線を追う。
『な、なんだありぁぁ!デカすぎるだろ!!』
冒険者の1人がつい声を上げる!
『馬鹿!声が大きい!!気付かれたら・・・』
しかし既に遅かった・・・振り返るとこちらに気付いたホグジラが唾を撒き散らし絶叫しながらすぐそこまで迫っていた!!
『ぶぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
どどどどどどどどどっ!!!!!
『まずい!!皆んな散って!!早く・・・』
アンリルが叫ぶと辛うじて冒険者達は回避出来たがアンリルが逃げ遅れる!!
『あ・・・やばい・・・』
どかぁぁぁ・・・
アンリルが綺麗な放物線を描いて飛んでいく・・・
『アンリルさぁぁぁぁん!!!』
『アンリルさんがぁぁぁぁぁ!!!』
『俺のせいだ・・・俺が・・・』
冒険者が落胆し呆然とする。最悪の事態を予想して項垂れる者、膝を付いて自分を責める者と冒険者達の中に絶望感が漂っていた。
が、しかし次の瞬間!!
『皆んな何をしているの!!!打ち合わせ通り行動して!!!』
冒険者達が弾けるように声がする方へ振り向くと何事もなく檄を飛ばすアンリルがそこにいた。
『うぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!今確かに直撃だった筈よ!!!!』
『どっ、どうなっているんだぁぁぁ!!!Sランク冒険者は化け物か?!』
『も、もう訳が分からない!!俺の想像を遥かに超えてるぅぅぅ!!!!』
冒険者達が違う意味で呆然としていたがアンリルの檄で我に返る!
『私があの程度でどうにかなると思っているの?!叫んでいる暇は無いわよ!!
早く5班に分かれて魔法使いは牽制!!その反対側から前衛が足元を攻撃よ!!』
しかし内心アンリルは心臓が張り裂けんばかりに鼓動を続けていた。
(あ、危なかった・・・死ぬかと思ったわ・・・今回もミハエル君のお陰で助かったわ・・・)
アンリルは〈物理攻撃無効〉が付与された指輪にキスをする。
『炎の矢よ敵を穿て!〈ファイヤ・アロー〉』
『うぉぉりゃぁぁぁ!!これでも喰らえぇぇ!!』
冒険者達が奮闘しているがホグジラには殆どダメージが無かった。
反対に冒険者達の生傷が増えていった。
『駄目だわ・・あの分厚い毛で魔法が届かない!牽制にもなって無いわ!!』
『なんて硬いんだ!!攻撃しているこっちが先に参っちまうぞ!!』
アンリルは戦況を眺めていた。
『まぁ、予想通りの展開ね・・あのサイズのホグジラをあの程度で倒せるなら苦労はしないわね・・・じゃあミハエル君!使わせて貰うわよ!!これで私は古代魔法Lv9まで使える!!』
アンリルは受け取った指輪を装備する!
この指輪はミハエルが魔力を注ぎ込み溜め込んだ魔力タンクなのだ。
『行くわよ!!”戦いに身を投じる者達の力を引き出せ!!〈フル・ポテンシャル〉!!』
すると冒険者達の身体が光に包まれる!!
『な、なんだ?!力が溢れてくるぞ!!身体も軽い!!行ける!行けるぞ!!』
『私も魔力が!魔力が溢れてくる!!
氷の槍よ!敵を貫け!〈アイスランス〉!!』
放たれた数十本の氷の槍がホグジラの分厚い毛を貫き皮膚に突き刺さるとホグジラの巨体がぐらつく。
『す、凄い・・私の魔法が・・効いている!行けるわ!』
『こ、これが・・〈真実の剣〉賢者アンリルの力か・・・凄すぎる・・・』
冒険者達が賢者アンリルを讃えながらホグジラをじわじわと追い詰めて行く!
アンリルは有利になっていく戦況を見て思う。
(今回もミハエル君の力が無ければ私はここで命を落としていたわ・・皆を庇う事を見越して〈物理攻撃無効〉私が古代魔法Lv5までしか使えないのを見越して〈魔力補給+2000000〉・・・そして・・・)
ぐもぉぉぉぉぉぉ!!!!
ずずぅぅぅぅぅぅん・・・・
強化された30人の冒険者の攻撃に耐えかねてついに大猪ホグジラがバランスを崩して横倒しに倒れた。
皆んなやったわね。最後は私が決めるわ!
『皆んな!!良くやったわ!!離れて!!大技を行くわよ!!』
アンリルは魔力タンクの残りと自分の魔力を集中させる!!
『”大地の力よ炎の力と融合せよ!彼方より敵を討ち滅ぼせ!!〈メティオ・ストライク〉!!』
アンリルが両腕を振り下ろすと上空から雲を真っ赤に染めて打ち破り巨大な炎の塊が顔を出した!!
そしてアンリルの頬に一筋の汗が伝う。
『しまった・・魔力補給・・ミハエル君の神力だった・・・やり過ぎたかも・・・まずい!まずい!まずいぃぃぃぃ!!!!皆んなぁぁぁぁぁぁぁ!!!全力で逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』
アンリルも大きな岩の影に隠れる!
『うおぉぉぉぉぉぉ!!!!なんだアレはぁぉぁぁぁ!!!やべぇぇぇぇ!!!逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!』
『いやぁぁぁぁぁ!!!こんなの人間技じゃないよぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
『なんでもいいから全力で走れぇぇぇぇ!!!』
アンリルの絶叫に迫り来る真っ赤に燃える隕石から冒険者達が蜘蛛の子を散らすようにその場から全力で逃げ出す!!
『衝撃を出来るだけ抑えないと!!!』
アンリルは残りの魔力を掻き集める!!
『敵の災いから我を守れ!!古代魔法〈フォースフィールド〉!!!!』
隕石の着地地点を中心を囲むように光の壁が現れる!!!
『お願い!!!抑えてぇぇぇぇぇぇ!!!』
そして隕石が轟音と地震と共に着弾する!!
ちゅっどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーん!!!!!!!
衝撃と熱気が荒れ狂う嵐のように木々を薙ぎ倒し、光の壁に沿って螺旋状に巻き上がった大量の木や土や岩が辺り一面に降り注ぐ!!そして全力で逃げる冒険者まで達して皆を吹き飛ばした!!
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!』
『やり過ぎだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『アンリルさんの馬鹿ぁぁぁぁーー!!!』
『あはっ・・・やり過ぎたわ・・・でも・・私の魔力も残り少なかったのに・・よくこの程度で済んだわね・・・ミハエル君の神力・・凄すぎるわ・・皆んな無事だと良いけど・・・私も・・すっからかん・・・』
アンリルは座り込み〈大猪ホグジラ〉が跡形も無く消し飛んだ巨大なクレーターに苦笑いをするのだった。
そして貸してもらった三つ目の指輪に目を落とした。
ミハエル君・・・この指輪・・・必要無くなったわ・・・。
アンリルは〈アイテムボックス〉が付与された指輪をそっと鞄にしまうのだった・・・
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