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第60話 実力測定 4
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(あ、あれは・・・も、もしかしたら・・聖魔法?!もしそうだとしたら・・・)
「ちょっと良いかしら?」
「は、はいぃぃぃ!!」
リルーナは期待を込めた目でゼノアを見つめていると背後から突然声をかけられて肩を跳ね上げる。振り向けばそこに副学院長ラミリアが薄らと微笑みながら立っていた。
「貴女は冒険者のリルーナさんでしたね?」
「は、はい・・・」
「貴女の為にお願いがあります。」
「な、何でしょう?」
「ふっ・・簡単な事です。冒険者を夢見る子供達を大切に見守って欲しいだけです。でないと・・・貴女のお仲間のようになってしまいます。・・・それに修理費が掛かってしまいますので・・・」
ラミリアが少し困った顔で壁に開いた穴に目を向けると再びリルーナの目を見据えてニッコリ笑う。修理費は請求すると無言の目力で訴えていた。
リルーナはラミリアの圧力に押され顔が引き攣る・・・
「・・・あ、あの・・・それはどういう事でしょうか・・・?」
ラミリアは苛つきが隠せず眉間に皺が寄る・・・
「はぁ・・察しが悪いですね・・・それでは、はっきり言いましょう。あなた方は素行が悪過ぎるのです。冒険者を夢見る子供達に罵詈雑言を浴びせかけ子供達の夢を馬鹿にして踏み躙る・・・普段なら厳重注意か依頼失敗でギルドに報告するだけです。ですが今日だけはそれだけでは済まないと言っているのです。もし貴女が子供達を蔑む言動をすれば次は壁にめり込むだけでは済まないかも知れませんよ?・・・それと、部屋の壁と外壁の修繕費、打撃計測マットの修理費は請求させて頂きますから。それではしっかりと仕事をしてください。」
「えっ?!し、修理費・・・」
リルーナが口を出そうとするとラミリアが”まだ分からないのか”と言わんばかりに威圧にも似た魔力を滲ませリルーナを見下ろす。
「・・・まだ何か?」
「い、いえ・・・わ、分かりました・・・それでは・・・」
(・・・もう!これじゃあ依頼達成したって赤字じゃない!二人共何してるのよ!!)
リルーナはラミリアの圧力に負け渋々頷く。そして立ち尽くすカミラを一瞥すると持ち場へ戻って行くのであった。
魔力測定の担当職員エルマールが笑顔で子供達に声を掛ける。
エルマールは童顔で茶色髪の男性教員。歳は二十歳を越えているがまだ少年の雰囲気を残している。
「はーい!皆んな!少し中断してしまいましたがさっきの続きを行います!あの白い石板に向かって自分が得意な魔法を撃ってください!」
「はーーい!!」
「はい!それではリルーナさん。よろしくお願いしますね!」
子供達が元気良く返事をするとエルマールは和かにリルーナに微笑み掛ける。リルーナは無理矢理笑顔を作る。
「は、はい・・・そ、それじゃあ始めてください・・・」
(・・・やっぱりなんか調子が狂うのよね・・・この子供の世界が・・・むず痒いと言うか・・・恥ずかしいというか・・・)
リルーナの仕事は子供達の魔法の発動時の魔力の流れや魔力操作を見極めクラス分けをする事である。
子供達は数メートル離れた大人の背丈程の白い石板に向かって詠唱を始める。
「集え炎みょ・・・つ、集え炎ひょ・・・ふ、ふぁいやーぼーる!!」
ぽてっ・・・
「風よ刃と化しぇ・・・うぃんどかったー」
しゅぱっ・・・
リルーナの笑顔が軽く痙攣する。
(・・・こ、この程度で見極めるも無いわ・・・で、でも我慢よ・・・平常心・・相手は子供・・・子供なんだから・・・)
子供達の魔法は詠唱も辿々しく魔法は発動するが石板にすら届かない者が多かった。上手く出来なかった子供達は項垂れて戻って行く。しかしエルマールはそんな子供達に明るく声を掛ける。
「皆んなの歳で魔法が発動するだけでも凄い事なんだよ!だからそんなに落ち込まなくていいんだ!これから練習すれば出来るようになるからね!」
「ほ、本当?」
「私も出来るようになる?」
エルマールが笑顔で両手を広げる。
「もちろんだよーー!頑張り次第で君達の魔法は今よりもどんどん上手くなる!だから今出来なくでも落ち込まなくて良いんだよ!」
「うん!分かったーー!僕頑張るよー!」
「私もーー!!」
子供達の機嫌が治り意気揚々と列に戻って行く。そんな光景を見ながらリルーナはエルマールを横目に笑顔が更に崩れる・・・
(・・・な、何でこいつは恥ずかしげも無くこんなに子供に合わせて会話が出来るの・・・見ているこっちから恥ずかしくなるわ・・・もう・・いいから早く終わって欲しいわ・・・)
ゼノアは子供達を笑顔にするエルマールの姿を眺めていた。
(この学院の先生達は本当にいい先生ばかりだね。ちゃんと子供達のやる気を削がないように頑張れるように導いてくれている・・・)
エルマールの仕事振りに微笑んでいると背後から突然声を掛けられる。
「あの・・・ゼノア君・・・」
「んあっ!!あっ!ナリアちゃん?!」
振り向けば目の前でもじもじと身体をくねらせているナリアがいた。
「あ、あのね・・・さっきは・・ごめんね・・わ、私・・ゼノア君の力が凄すぎて・・・お兄様からゲイブルの街の事を何度も聞いてたから・・・はしゃぎ過ぎて・・・」
「あ・・も、もういいよ!!ぼ、僕もつい感情的になっちゃってごめん・・・あ・・ほ、ほら!ナリアちゃんは魔法は使えるの?」
「えっ・・えぇ・・風魔法と水魔法が・・・」
「はぁーーはっはっはーー!!次は俺様の番だな!!」
「「ん?!」」
気不味い雰囲気を変えようとゼノアが話を変えるが話の腰を折るように子供達の中から声が上がった。
「俺様はゾルディア子爵家四男ミレード様だ!俺様は三属性魔法使いだ!!あんな石板俺様の魔法で粉砕してやるぜ!!」
ミレードが大股で立ち位置まで進み出る。
(・・・三属性魔法・・・ふん・・恵まれた称号ね・・・なんか苛つく・・・)
リルーナは二属性魔法使いであった。恵まれた称号に粋がるミレードを口元を歪めながら睨みつける。
「見ていろ!!これが本当の魔法だ!!”炎よ集え!無数の無慈悲な炎と化せ!!”〈ファイヤーバレット〉!!」
「ちゅ、中級魔法!?今年の新入生は凄い子がいるな・・・
エルマールが楽しそうに微笑む。
ミレードが詠唱を終えて石板に向かって手を翳すとミレードの周りに十個程の拳大の炎の塊が現れ石板に向かって行く。
(・・七歳で中級魔法?!・・・ふん・・生意気な・・・)
どんっ!どどんっ!!
ミレードが放った魔法は石板に三発命中し石板が赤く光を放つ。
「くそっ!!馬鹿な!!ぜ、全部当たればあんな石板粉砕出来るのに!!」
(ふん・・・中級魔法には驚いたけど身の丈に合わない魔法を使うから魔力操作はお粗末以外無いわね・・・)
リルーナが口元に嫌な笑みを浮かべ悔しがるミレードを眺める。
「おい!!お前!今笑っただろ!」
ミレードがリルーナを指差す。
(・・・はぁ・・・だから粋がった子供は嫌いなのよ・・・特に貴族は・・・)
「・・・ふっ・・そうね。石板を粉砕するって粋がっていた割には魔力操作がまるで駄目。出来もしない事を言うのはやめた方がいいわ。今みたいに恥をかくわよ?だけど石板が最高色の赤色に光ったなら威力は子供レベルじゃあ凄いんじゃ無い?」
リルーナは今までの鬱憤を晴らすかのように淡々とミレードを小馬鹿にする。
「・・・ぬぐぐぐ・・・こ、この俺様が恥だと?!くそぉぉ!!ならばお前!Bランクなんだろう!!もちろんあの石板ぐらい粉砕出来るんだろうな?!」
ミレードが顔を真っ赤にしてリルーナを指差す。
「はぁ・・・だから子供なんて嫌いなのよ・・・ねえ、どうするの?」
リルーナは思わず心の声を漏らしながらエルマールに問いかける。
「あ・・えっ・・・そ、そうですね・・もしリルーナさんが良ければお手本という事でお願い出来ますか?」
「はぁ・・・仕方ないわね。あの石板壊れても文句言わないでよね。」
リルーナがだるそうに開始線まで歩きミレードを押しのけるように立つ。
(成り行き上ああは言ったけど、止めるべきだったかも知れない・・・あの石板・・・子供用とは言うものの学院長の強化魔法が付与してあるから破壊するのは不可能と言っても過言ではないんだが・・・)
「ふん!退きなさい!Bランクの魔法を見せてあげるわ!”大地の力よ我が前に顕現せよ!巨大な力で敵を打ち砕け!!”〈グランドインパクト〉!!」
リルーナの周りの地面から無数の石や砂が立ち昇り頭上数メートル上空に大きな岩の塊が形成される。
「す、凄い・・・」
「うん・・・僕も地属性の上級魔法なんて初めて見たよ。」
(だけど・・・ユフィリアさんの魔法を見慣れているから・・・はっきり言って物足りないかな・・・)
ナリアとゼノアは上空に浮く大きな岩の塊を見上げる。
「リ、リルーナさん・・・いきなり上級魔法なんて・・・やり過ぎだと思うのですが・・・」
「ふん!五月蝿いわよ!あんたが許可したんでしょう?!責任取りなさいよ!それに冒険者は舐められたら終わりなのよ!」
リルーナはエルマールの言葉を一蹴し石板を目掛けて腕を振り下ろすと浮力を失った岩の塊が石板に直撃する!
どごぉぉぉぉぉぉぉん!!!
石板に直撃した岩の塊は粉々に砕け散り衝撃波と共に岩の破片を周りに撒き散らす!!
(し、しまった!!やり過ぎたわ!!)
「危ない!!皆んな伏せて!!」
子供達に向かって降り注ぐ岩の破片をみてエルマールが声を上げると魔法の詠唱を始めようと魔力を集中する。
「だ、駄目だ!!詠唱が間に合わない!!」
「きゃぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁ!!」
「しぬぅぅぅぅ!!」
(危ない!)
その様子を見ていたゼノアは〈魔力創造〉で子供達を護るように一瞬で結界を張った。降り注ぐ岩の破片は結界に阻まれてその場に落ちて行く。
ごとん・・どんっ!どどどどんっ・・・
子供達は予想した衝撃が来ない事を不思議に思い恐る恐る目を開ける。
「あ、あれ?だ、大丈夫みたい・・・」
「ほ、本当だ・・・」
「あっ!先生だ!!先生が助けてくれたんだ!!」
「ありがとう!!先生ぇぇーー!!」
子供達はエルマールに向かって手を振っていた。しかしエルマールは身に覚えがなく力無く子供達に手を振りかえしていた。
(な、何が起こった・・・まるで子供達を避けるように・・・け、結界・・・いや、そんな高度な魔法を放つ暇は無かったはず・・・)
リルーナも何が起こったのか分からず目の前に落ちた岩の破片を見下ろしていた。
(これは・・・結界・・・それもあの一瞬で・・・はっ!無詠唱・・・まさか・・・)
リルーナが弾けるように子供達に振り返りゼノアの姿を見つける。そして薄らと魔力が滲むゼノアと目が合った。そして確信する。
(・・・ま、間違いない・・あの子の仕業よ・・い、一体何者・・・)
「リルーナさん!!だからやり過ぎだと言ったじゃ無いですか!!子供達が怪我でもしたらどうするんですか?!」
「えっ!あっ・・・」
エルマールがリルーナに詰め寄ると罰が悪そうにリルーナは頭を掻く。
「はぁ・・はいはい・・・悪かったわよ。
「ちっ・・上級魔法か・・・子供相手に大人気ない奴だ・・・それに石板はそのままだぜ?Bランクと言っても大した事ないんだな!!」
膝を付いてうずくまっていたミレードが何事も無く立ち上がり悪態を付く。
「ぐっ・・・ふ、ふん!馬鹿なの?Bランクの私が本気で魔法使ったらこの辺り一帯が瓦礫の山になるのよ!!さっさと次!!」
「さて!次は僕の番だ!行って来るよ!」
「うん!ゼノア君の魔法が楽しみ!」
ナリアに送り出されたゼノアは視線を感じて横目で見るとラミリアが意味ありげに口元で笑い何かを訴えているように見えた。
(・・・副学院長の目がなんか怖い・・・手加減しろって事だよね・・・)
リルーナはこめかみを震わせながら持ち場に戻る。振り返ると開始線の前にはゼノアの姿があった。
(あの子ね・・さあ・・見せてごらんなさい・・・あんたの実力を・・・)
ゼノアが開始線の前で構える。
(うーん・・・どうしよう。闇魔法は駄目だし・・光魔法もあまり見せちゃ駄目って言われてるし・・・聖魔法にも攻撃魔法はあるけど・・・上級魔法になるし・・・うん!やっぱり〈魔力創造〉で魔力を調節して・・・)
ゼノアは自分の魔力を調節して放つ事にした。これならば属性に関係無く魔法をつかえるのだ。
ゼノアが翳した掌に魔力の収束が始まる。
しかし・・・リルーナ、エルマール、ラミリアだけは目を見張り呆然としてゼノアを見つめていた・・・
(う、嘘・・・あ、あれは・・・まさか・・無属性魔法?!魔力操作の極み・・・本でしか読んだ事が無いわ)
(あ、あれは・・・学院長が得意とされる・・魔力操作・・・それを七歳の子供が・・・それに・・この馬鹿げた魔力量・・・し、信じられない・・・)
(・・・ま、まさかこれ程とは・・・こ、国王陛下は何を考えていらっしゃるのかしら・・一体この子に魔法の何を教えたらいいの?!)
ゼノアは皆の思いも知らずに〈魔力創造〉により魔力量を調整し始める。
(もっと抑えないと・・・もうすこ・・・し)
「おい!貴様!!その魔法は何なんだ?!」
突然集中するゼノアにミレードが詰め寄る!
「えっ・・・」
その瞬間ゼノアの集中が途切れた・・・するとゼノアの掌から白く輝く極太の魔力の帯が放たれる・・・
ずごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
「あっ・・・」
「うえぇぇぇぇぇ!!!」
「危なぁぁぁい!!皆んな伏せてぇぇぇぇ!!」
一番近くにいたリルーナとエルマールが空を飛ぶように地面に伏せる!
放たれた白く輝く魔力の帯は地面を抉りながら突き進み石板を飲み込む!石板は金色に輝きながら粉砕されそれでも尚勢いそのままに外壁へと迫って行く!!
「ま、まずい!!!曲がれぇぇぇ!!」
もし壁の向こう側に人が居れば大惨事になると瞬時に思いゼノアは魔力の方向を上空へと切り返す!
どかぁぁぁぁん・・・
ゼノアが放った白い魔力の帯はギリギリで外壁の手前で方向を変え外壁の上部を削り取り対魔法結界を突き破って空の彼方へ消えていった・・・
「ふうぅぅ・・・危なかった・・・それにしても君!魔力を集中している時に話し・・・掛け・・ちゃ・・・」
ゼノアがミレードに文句を言おうと振り向くとミレードは腰を抜かして股間を濡らし気絶していた。他の子供達も気絶していたり、泣くのも忘れて身を寄せ合って震えていた。リルーナ、エルマール、ラミリアもへたり込み敷地内の惨状に呆然としていた・・・
「・・・や、やっちゃった・・・てへっ!」
「「「”てへっ!”じゃないぃぃぃぃぃぃ!!」」」
気持ち良いぐらいにリルーナ、エルマール、ラミリアの声が揃うのであった・・・
「ちょっと良いかしら?」
「は、はいぃぃぃ!!」
リルーナは期待を込めた目でゼノアを見つめていると背後から突然声をかけられて肩を跳ね上げる。振り向けばそこに副学院長ラミリアが薄らと微笑みながら立っていた。
「貴女は冒険者のリルーナさんでしたね?」
「は、はい・・・」
「貴女の為にお願いがあります。」
「な、何でしょう?」
「ふっ・・簡単な事です。冒険者を夢見る子供達を大切に見守って欲しいだけです。でないと・・・貴女のお仲間のようになってしまいます。・・・それに修理費が掛かってしまいますので・・・」
ラミリアが少し困った顔で壁に開いた穴に目を向けると再びリルーナの目を見据えてニッコリ笑う。修理費は請求すると無言の目力で訴えていた。
リルーナはラミリアの圧力に押され顔が引き攣る・・・
「・・・あ、あの・・・それはどういう事でしょうか・・・?」
ラミリアは苛つきが隠せず眉間に皺が寄る・・・
「はぁ・・察しが悪いですね・・・それでは、はっきり言いましょう。あなた方は素行が悪過ぎるのです。冒険者を夢見る子供達に罵詈雑言を浴びせかけ子供達の夢を馬鹿にして踏み躙る・・・普段なら厳重注意か依頼失敗でギルドに報告するだけです。ですが今日だけはそれだけでは済まないと言っているのです。もし貴女が子供達を蔑む言動をすれば次は壁にめり込むだけでは済まないかも知れませんよ?・・・それと、部屋の壁と外壁の修繕費、打撃計測マットの修理費は請求させて頂きますから。それではしっかりと仕事をしてください。」
「えっ?!し、修理費・・・」
リルーナが口を出そうとするとラミリアが”まだ分からないのか”と言わんばかりに威圧にも似た魔力を滲ませリルーナを見下ろす。
「・・・まだ何か?」
「い、いえ・・・わ、分かりました・・・それでは・・・」
(・・・もう!これじゃあ依頼達成したって赤字じゃない!二人共何してるのよ!!)
リルーナはラミリアの圧力に負け渋々頷く。そして立ち尽くすカミラを一瞥すると持ち場へ戻って行くのであった。
魔力測定の担当職員エルマールが笑顔で子供達に声を掛ける。
エルマールは童顔で茶色髪の男性教員。歳は二十歳を越えているがまだ少年の雰囲気を残している。
「はーい!皆んな!少し中断してしまいましたがさっきの続きを行います!あの白い石板に向かって自分が得意な魔法を撃ってください!」
「はーーい!!」
「はい!それではリルーナさん。よろしくお願いしますね!」
子供達が元気良く返事をするとエルマールは和かにリルーナに微笑み掛ける。リルーナは無理矢理笑顔を作る。
「は、はい・・・そ、それじゃあ始めてください・・・」
(・・・やっぱりなんか調子が狂うのよね・・・この子供の世界が・・・むず痒いと言うか・・・恥ずかしいというか・・・)
リルーナの仕事は子供達の魔法の発動時の魔力の流れや魔力操作を見極めクラス分けをする事である。
子供達は数メートル離れた大人の背丈程の白い石板に向かって詠唱を始める。
「集え炎みょ・・・つ、集え炎ひょ・・・ふ、ふぁいやーぼーる!!」
ぽてっ・・・
「風よ刃と化しぇ・・・うぃんどかったー」
しゅぱっ・・・
リルーナの笑顔が軽く痙攣する。
(・・・こ、この程度で見極めるも無いわ・・・で、でも我慢よ・・・平常心・・相手は子供・・・子供なんだから・・・)
子供達の魔法は詠唱も辿々しく魔法は発動するが石板にすら届かない者が多かった。上手く出来なかった子供達は項垂れて戻って行く。しかしエルマールはそんな子供達に明るく声を掛ける。
「皆んなの歳で魔法が発動するだけでも凄い事なんだよ!だからそんなに落ち込まなくていいんだ!これから練習すれば出来るようになるからね!」
「ほ、本当?」
「私も出来るようになる?」
エルマールが笑顔で両手を広げる。
「もちろんだよーー!頑張り次第で君達の魔法は今よりもどんどん上手くなる!だから今出来なくでも落ち込まなくて良いんだよ!」
「うん!分かったーー!僕頑張るよー!」
「私もーー!!」
子供達の機嫌が治り意気揚々と列に戻って行く。そんな光景を見ながらリルーナはエルマールを横目に笑顔が更に崩れる・・・
(・・・な、何でこいつは恥ずかしげも無くこんなに子供に合わせて会話が出来るの・・・見ているこっちから恥ずかしくなるわ・・・もう・・いいから早く終わって欲しいわ・・・)
ゼノアは子供達を笑顔にするエルマールの姿を眺めていた。
(この学院の先生達は本当にいい先生ばかりだね。ちゃんと子供達のやる気を削がないように頑張れるように導いてくれている・・・)
エルマールの仕事振りに微笑んでいると背後から突然声を掛けられる。
「あの・・・ゼノア君・・・」
「んあっ!!あっ!ナリアちゃん?!」
振り向けば目の前でもじもじと身体をくねらせているナリアがいた。
「あ、あのね・・・さっきは・・ごめんね・・わ、私・・ゼノア君の力が凄すぎて・・・お兄様からゲイブルの街の事を何度も聞いてたから・・・はしゃぎ過ぎて・・・」
「あ・・も、もういいよ!!ぼ、僕もつい感情的になっちゃってごめん・・・あ・・ほ、ほら!ナリアちゃんは魔法は使えるの?」
「えっ・・えぇ・・風魔法と水魔法が・・・」
「はぁーーはっはっはーー!!次は俺様の番だな!!」
「「ん?!」」
気不味い雰囲気を変えようとゼノアが話を変えるが話の腰を折るように子供達の中から声が上がった。
「俺様はゾルディア子爵家四男ミレード様だ!俺様は三属性魔法使いだ!!あんな石板俺様の魔法で粉砕してやるぜ!!」
ミレードが大股で立ち位置まで進み出る。
(・・・三属性魔法・・・ふん・・恵まれた称号ね・・・なんか苛つく・・・)
リルーナは二属性魔法使いであった。恵まれた称号に粋がるミレードを口元を歪めながら睨みつける。
「見ていろ!!これが本当の魔法だ!!”炎よ集え!無数の無慈悲な炎と化せ!!”〈ファイヤーバレット〉!!」
「ちゅ、中級魔法!?今年の新入生は凄い子がいるな・・・
エルマールが楽しそうに微笑む。
ミレードが詠唱を終えて石板に向かって手を翳すとミレードの周りに十個程の拳大の炎の塊が現れ石板に向かって行く。
(・・七歳で中級魔法?!・・・ふん・・生意気な・・・)
どんっ!どどんっ!!
ミレードが放った魔法は石板に三発命中し石板が赤く光を放つ。
「くそっ!!馬鹿な!!ぜ、全部当たればあんな石板粉砕出来るのに!!」
(ふん・・・中級魔法には驚いたけど身の丈に合わない魔法を使うから魔力操作はお粗末以外無いわね・・・)
リルーナが口元に嫌な笑みを浮かべ悔しがるミレードを眺める。
「おい!!お前!今笑っただろ!」
ミレードがリルーナを指差す。
(・・・はぁ・・・だから粋がった子供は嫌いなのよ・・・特に貴族は・・・)
「・・・ふっ・・そうね。石板を粉砕するって粋がっていた割には魔力操作がまるで駄目。出来もしない事を言うのはやめた方がいいわ。今みたいに恥をかくわよ?だけど石板が最高色の赤色に光ったなら威力は子供レベルじゃあ凄いんじゃ無い?」
リルーナは今までの鬱憤を晴らすかのように淡々とミレードを小馬鹿にする。
「・・・ぬぐぐぐ・・・こ、この俺様が恥だと?!くそぉぉ!!ならばお前!Bランクなんだろう!!もちろんあの石板ぐらい粉砕出来るんだろうな?!」
ミレードが顔を真っ赤にしてリルーナを指差す。
「はぁ・・・だから子供なんて嫌いなのよ・・・ねえ、どうするの?」
リルーナは思わず心の声を漏らしながらエルマールに問いかける。
「あ・・えっ・・・そ、そうですね・・もしリルーナさんが良ければお手本という事でお願い出来ますか?」
「はぁ・・・仕方ないわね。あの石板壊れても文句言わないでよね。」
リルーナがだるそうに開始線まで歩きミレードを押しのけるように立つ。
(成り行き上ああは言ったけど、止めるべきだったかも知れない・・・あの石板・・・子供用とは言うものの学院長の強化魔法が付与してあるから破壊するのは不可能と言っても過言ではないんだが・・・)
「ふん!退きなさい!Bランクの魔法を見せてあげるわ!”大地の力よ我が前に顕現せよ!巨大な力で敵を打ち砕け!!”〈グランドインパクト〉!!」
リルーナの周りの地面から無数の石や砂が立ち昇り頭上数メートル上空に大きな岩の塊が形成される。
「す、凄い・・・」
「うん・・・僕も地属性の上級魔法なんて初めて見たよ。」
(だけど・・・ユフィリアさんの魔法を見慣れているから・・・はっきり言って物足りないかな・・・)
ナリアとゼノアは上空に浮く大きな岩の塊を見上げる。
「リ、リルーナさん・・・いきなり上級魔法なんて・・・やり過ぎだと思うのですが・・・」
「ふん!五月蝿いわよ!あんたが許可したんでしょう?!責任取りなさいよ!それに冒険者は舐められたら終わりなのよ!」
リルーナはエルマールの言葉を一蹴し石板を目掛けて腕を振り下ろすと浮力を失った岩の塊が石板に直撃する!
どごぉぉぉぉぉぉぉん!!!
石板に直撃した岩の塊は粉々に砕け散り衝撃波と共に岩の破片を周りに撒き散らす!!
(し、しまった!!やり過ぎたわ!!)
「危ない!!皆んな伏せて!!」
子供達に向かって降り注ぐ岩の破片をみてエルマールが声を上げると魔法の詠唱を始めようと魔力を集中する。
「だ、駄目だ!!詠唱が間に合わない!!」
「きゃぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁ!!」
「しぬぅぅぅぅ!!」
(危ない!)
その様子を見ていたゼノアは〈魔力創造〉で子供達を護るように一瞬で結界を張った。降り注ぐ岩の破片は結界に阻まれてその場に落ちて行く。
ごとん・・どんっ!どどどどんっ・・・
子供達は予想した衝撃が来ない事を不思議に思い恐る恐る目を開ける。
「あ、あれ?だ、大丈夫みたい・・・」
「ほ、本当だ・・・」
「あっ!先生だ!!先生が助けてくれたんだ!!」
「ありがとう!!先生ぇぇーー!!」
子供達はエルマールに向かって手を振っていた。しかしエルマールは身に覚えがなく力無く子供達に手を振りかえしていた。
(な、何が起こった・・・まるで子供達を避けるように・・・け、結界・・・いや、そんな高度な魔法を放つ暇は無かったはず・・・)
リルーナも何が起こったのか分からず目の前に落ちた岩の破片を見下ろしていた。
(これは・・・結界・・・それもあの一瞬で・・・はっ!無詠唱・・・まさか・・・)
リルーナが弾けるように子供達に振り返りゼノアの姿を見つける。そして薄らと魔力が滲むゼノアと目が合った。そして確信する。
(・・・ま、間違いない・・あの子の仕業よ・・い、一体何者・・・)
「リルーナさん!!だからやり過ぎだと言ったじゃ無いですか!!子供達が怪我でもしたらどうするんですか?!」
「えっ!あっ・・・」
エルマールがリルーナに詰め寄ると罰が悪そうにリルーナは頭を掻く。
「はぁ・・はいはい・・・悪かったわよ。
「ちっ・・上級魔法か・・・子供相手に大人気ない奴だ・・・それに石板はそのままだぜ?Bランクと言っても大した事ないんだな!!」
膝を付いてうずくまっていたミレードが何事も無く立ち上がり悪態を付く。
「ぐっ・・・ふ、ふん!馬鹿なの?Bランクの私が本気で魔法使ったらこの辺り一帯が瓦礫の山になるのよ!!さっさと次!!」
「さて!次は僕の番だ!行って来るよ!」
「うん!ゼノア君の魔法が楽しみ!」
ナリアに送り出されたゼノアは視線を感じて横目で見るとラミリアが意味ありげに口元で笑い何かを訴えているように見えた。
(・・・副学院長の目がなんか怖い・・・手加減しろって事だよね・・・)
リルーナはこめかみを震わせながら持ち場に戻る。振り返ると開始線の前にはゼノアの姿があった。
(あの子ね・・さあ・・見せてごらんなさい・・・あんたの実力を・・・)
ゼノアが開始線の前で構える。
(うーん・・・どうしよう。闇魔法は駄目だし・・光魔法もあまり見せちゃ駄目って言われてるし・・・聖魔法にも攻撃魔法はあるけど・・・上級魔法になるし・・・うん!やっぱり〈魔力創造〉で魔力を調節して・・・)
ゼノアは自分の魔力を調節して放つ事にした。これならば属性に関係無く魔法をつかえるのだ。
ゼノアが翳した掌に魔力の収束が始まる。
しかし・・・リルーナ、エルマール、ラミリアだけは目を見張り呆然としてゼノアを見つめていた・・・
(う、嘘・・・あ、あれは・・・まさか・・無属性魔法?!魔力操作の極み・・・本でしか読んだ事が無いわ)
(あ、あれは・・・学院長が得意とされる・・魔力操作・・・それを七歳の子供が・・・それに・・この馬鹿げた魔力量・・・し、信じられない・・・)
(・・・ま、まさかこれ程とは・・・こ、国王陛下は何を考えていらっしゃるのかしら・・一体この子に魔法の何を教えたらいいの?!)
ゼノアは皆の思いも知らずに〈魔力創造〉により魔力量を調整し始める。
(もっと抑えないと・・・もうすこ・・・し)
「おい!貴様!!その魔法は何なんだ?!」
突然集中するゼノアにミレードが詰め寄る!
「えっ・・・」
その瞬間ゼノアの集中が途切れた・・・するとゼノアの掌から白く輝く極太の魔力の帯が放たれる・・・
ずごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
「あっ・・・」
「うえぇぇぇぇぇ!!!」
「危なぁぁぁい!!皆んな伏せてぇぇぇぇ!!」
一番近くにいたリルーナとエルマールが空を飛ぶように地面に伏せる!
放たれた白く輝く魔力の帯は地面を抉りながら突き進み石板を飲み込む!石板は金色に輝きながら粉砕されそれでも尚勢いそのままに外壁へと迫って行く!!
「ま、まずい!!!曲がれぇぇぇ!!」
もし壁の向こう側に人が居れば大惨事になると瞬時に思いゼノアは魔力の方向を上空へと切り返す!
どかぁぁぁぁん・・・
ゼノアが放った白い魔力の帯はギリギリで外壁の手前で方向を変え外壁の上部を削り取り対魔法結界を突き破って空の彼方へ消えていった・・・
「ふうぅぅ・・・危なかった・・・それにしても君!魔力を集中している時に話し・・・掛け・・ちゃ・・・」
ゼノアがミレードに文句を言おうと振り向くとミレードは腰を抜かして股間を濡らし気絶していた。他の子供達も気絶していたり、泣くのも忘れて身を寄せ合って震えていた。リルーナ、エルマール、ラミリアもへたり込み敷地内の惨状に呆然としていた・・・
「・・・や、やっちゃった・・・てへっ!」
「「「”てへっ!”じゃないぃぃぃぃぃぃ!!」」」
気持ち良いぐらいにリルーナ、エルマール、ラミリアの声が揃うのであった・・・
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異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
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橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
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橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
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ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
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異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
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不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
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壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
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