前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

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第57話 実力測定 1

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「はい皆さん!今から身体能力と武技と魔力の実力測定をします。今日は皆さんの実力を見て貰う為に冒険者ギルドからBランク冒険者〈勝利の大剣〉の皆様に来て頂きました。」

担当の赤髪の女性マリスが三人の冒険者を紹介する。大剣を背中に背負う赤い鎧の男の後ろには黄色髪で魔法の杖を持った女性と弓を背負った紫髪の女性が気怠そうに立っていた。紹介され赤い鎧の男が気怠そうに頭を掻きながら前に出る。

「はぁ・・お前らぁ!!俺様がBランク冒険者アルグ様だ!!今日は俺様がお前らに冒険者の厳しさを教えてやるから有難いと思え!!」

「・・・何あいつ・・・」
「なんかあの人怖い・・・」
「何を偉そうに・・・感じ悪い奴・・・」

アルグの威圧的な態度に子供達は不信感を覚えて怯える子もいた。

「ねぇ!アルグ!さっさと始めなさいよ!あんたのペナルティーに付き合ってあげてるんだから早く終わらせて帰るわよ!」

「そうよ!早く終わらせてよね!!全く!」

後ろに立っていた女性二人も態度が悪くアルグを吐き捨てる。

「けっ!連帯責任だろうが!!つべこべ言わずにお前らもさっさと始めろ!」

「はん!」
「ふん!」

態度が悪い女性二人が悪態を付きながら足早に持ち場に向かって行った。

この〈勝利の大剣〉の三人はギルドの依頼を立て続けに失敗しペナルティーとして罰金とギルドからの強制依頼を受ける事になった。そこに本来実力測定を依頼した冒険者が怪我をして動けなくなった為に強制依頼として〈勝利の大剣〉に白羽の矢が立ったのだった。


「おい!さっさと始めてくれ!」

アルグが気怠く片手で木剣を構えマリスを一瞥する。

「アルグさん。最初に言っておきますが相手は七歳の子供です。極力手加減をお願いします。」

マリスはアルグ達の今までのやり取りを見て素行の悪さが気になり不安になっていた。

「ふん!分かったから早く始めてくれ!!」

「・・・分かりました。それでは皆さん!各々得意な武器を持って一人づつ打ち込んでください。」

「はーい!」

マリスの合図で最初の男の子が辿々しい足取りで木剣を振りかぶりアルグに向かって行く。

「たぁぁぁ!!!」

(はぁ・・・これをどうやって手加減すればいいんだ・・・)

思わずアルグが木剣を突き出すと男の子の額に当った・・・

ゴツン・・・

「あうっ・・・」

どさっ・・・

男の子はそのまま尻餅を付くと段々と表情が崩れていく・・・

「うわぁぁぁぁぁん!!痛いよぉぉぉぉ!!」

「アルグさん!!何故当てるんですか?!」

マリスが慌てて男の子の側に駆け寄る。

「し、仕方ないだろう!!俺だって充分手加減したぜ!!」

「勘違いしないでください!!あなたの仕事は子供達の剣筋や体捌きの素質を判断する事です!!子供達を負かす事じゃないんです!!もっと考えてください!!」

マリスが真顔でアルグを叱り付けると子供達がざわつき出す。

「ぷぷっ・・やーい!!叱られてらーー!!」
「Bランク冒険者が叱られてるぞーー!!」
「偉そうしてた罰だーーあははぁぁ!!」

子供達の野次にアルグの眉間にくっきりと皺が寄り鬼の形相になる。

「ぬぐぐっ・・・このガキ共ぉぉ・・・い、いいだろう・・・この俺様が貴様らの素質を見てやる!!さっさとかかって来い!!」

アルグが木剣を片手で握り締め子供達に突き出す。

「アルグさん!!分かっていますよね?!これは実力測定ですよ?!個人的な感情は持ち込まないでください!!」

「ふん!!分かっているさ!!ガキ共の素質を見ればいいんだろう?!俺流のやり方で見てやるさ!!どけ!!」

アルグは詰め寄るマリスを押し退ける。

「さあ!かかって来い!ガキ共!!」

「よし!次は僕が行く!」

自身ありげに青髪の男の子が木剣を構え前に出た。木剣を構える姿は一目見て素人ではないと分かった。

「ふん!少しは出来そうだな。さっさとかかって来い!!」

「それじゃあ・・・」

ざんっ!!!

男の子は鋭い踏み込みであっという間にアルグの目の前に現れ逆袈裟に切り上げる!

(は、速っ!)

かぁぁんっ!!

意表を突かれたアルグは力が入らずに辛うじて防御するが予想以上のキレと威力に腕が痺れる。

(つ、痛う・・こ、こいつ・・・剣技系の称号持ちか・・・それも上級クラスか・・・それ以上・・・ちぃぃ!!気に食わねぇぇ!!)

「おらぁぁ!!」

アルグは力任せに男の子の木剣を弾く!!

「あうっ!!」

力で弾かれた男の子が一瞬怯むと返す刀でアルグが木剣を振り上げる!

「このガキが!!調子に乗るなぁぁぁ!!」

がぁん!ごぉん!ががぁん!!がぁぁん!!

アルグはBランク冒険者の意地とばかりに七歳の男の子に何度も木剣を打ち込む!!

「うぐっ!あぐっ!がっ!!あがっ!!」

男の子は力任せに打ち込まれる木剣を辛うじて捌く。しかし大人と子供の力の差を埋める事が出来ずに防戦一方になり木剣を飛ばされてしまう。

からぁぁん・・・

「あっ・・・」

「もらったぁぁぁぁぁ!!!」

「アルグさん!!!駄目です!!」

アルグはマリスの言葉を無視してトドメとばかりに木剣を振りかぶり振り下ろす!!

「うぅっ・・・」

男の子は目を瞑り覚悟を決める。

パシッ・・・

「・・・全く・・大人気ないね・・・」

男の子はいつまで経っても訪れない衝撃に恐る恐る目を開けるとそこには片手で木剣を掴みアルグを睨む黒髪の男の子が立っていた。

「き、君は・・・」

「僕はゼノア。君、大丈夫?」

「あ・・うん。」

(な、何だこのガキは・・・いつの間に・・・それに動かねぇ・・・)

「な、何だ!お前は!!邪魔しやがって!!・・・くっ!」

アルグは悪態を付きながら木剣を引っ張るがゼノアが掴んだ木剣はびくともしなかった。
そしてゼノアが不意に手の力を抜くと木剣を引っ張っていたアルグが勢い余って後ろによろける。

「くはっ・・・こ、このガキ!」

「・・・次は僕が行くよ。」

ゼノアは落ちている木剣を拾うと片手で木剣を握り斜に構える。

「あ・・駄目!!待って!!」

マリスが止めようとして一歩踏み出すと背後から肩に手を置かれて止められる。マリスが驚き振り返るとそこには副学院長のラミリアがいた。

「えっ?!副学院長?!あっ・・・は、早く止めないと!!」

「いいのよ。マリスさん。見ていなさい。」

「えっ?!で、でも・・・」

「大丈夫。見ていれば分かるわ。」

「は、はい・・分かりました・・・」

マリスは心配そうにゼノアを見ながら頷いた。

(ゼノア君のさっきの動き・・・全く見えなかった・・・これでゼノア君の実力の一端が分かるはず・・・)

「な、生意気なガキだ・・・だからガキは嫌いなんだ!!ふ、ふん!来やがれ!!俺様が教育してやるぜ!!」

アルグは無意識に両手で木剣を構えた。本能的に目の前の七歳の子供に警戒したのだった。

「じゃあ・・・お願いしますっ!!!」

ざっ・・・

「き、消え・・・」

ゼノアが踏み出した瞬間アルグの目にはゼノアの姿が忽然と消えたように見えた。

「えぇっ?!ど、何処に?!」

マリスもゼノアを見失い瞬きを何度もしなごらゼノアの姿を探す。

(ここは手加減してと・・・)

ゼノアはアルグの背後に現れるとアルグの尻を木剣で水平に振り抜いた。

ずばぁぁぁぁん!!!

「べひぃぃぃぃぃ!!!」

アルグは何が起こったかも分からずに仰け反り崩れ落ちる。そして後から襲い掛かる激痛にのたうち回る!

「い、いでぇぇぇぇぇ!!!うがっぁぁぁ!!あぐっぅぅぅぅ!!!!お、俺の尻ぃぃぃぃ!!!おれの尻がぁぁぁぁぁ!!し、尻が割れたぁぁぁぁ!!!!」

尻を押さえてのたうち回るアルグの姿に子供達が肩を揺らし始めた。

「ぷぷっ・・ぶふっ!!あーーっはっはっはーー!!お尻は始めから割れてるんだよーー!!!」

「あーーひっーっひっひっーーお、お腹痛い!!な、何あの格好ぉぉぉーーー!!」

「ひぃーーひっ!!し、死ぬぅぅ!!わ、笑い過ぎて死んじゃうぅぅぅぅ!!!」

子供達は笑いながら腹を抱えてのたうち回る。

「て、てめぇ!!う、後ろからなんて卑怯だぞ!!」

「え?正面から行ったのが見えなかったの?じゃあ・・・もう一度やって見せようか?」

ゼノアは仰向けで上半身だけ起こすアルグの鼻先に木剣を突き付けるとアルグが表情が曇る・・・

(・・・こ、こいつはヤ、ヤバイ奴だ・・・と、時々居るんだ・・スキルに恵まれた不公平な強さの奴が・・・ちっ・・)

「くっ・・ふ、ふん・・・お、俺のし、仕事はお前らの素質を見る事だ・・・お前らに勝つ事じゃねぇ・・・お、お前はもういい・・・」

(・・・ふん。癪だが・・言う通りにやってやるか・・・)

アルグは砂を払いながらよろよろと立ち上がるとマリスを恨めしそう見ながら開始線へと戻って行った。


「副学院長・・・あ、あの子は一体・・・」

マリスが震えながらラミリアを見る。

「えぇ・・遠巻きに見ていたから辛うじて見えたわ・・・でも・・目の前で対峙していたら・・・ふっ・・マリスさん。あの子は国王陛下直々の紹介でここへ来た・・ゲイブルの街の魔族スタンピードの功労者ゼノア君よ。学院長お墨付きのSクラスを蹴ってまで目立ちたくないと皆と一緒に実力測定を望んだ子よ・・」

「へっ・・・あ、あの子が噂の・・・で、でも・・充分に目立っていると思うのですが・・・」

「えぇ・・・そうね。そう思う所がまだ子供なのでしょう・・・ふっ・・それにしてもとんでもない子がサーメリア学院に来ましたね。」

ラミリアはゼノアの今後の行く末に想いを馳せるようにゼノアを眺めるのであった。
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