50 / 87
第50話 返り討ち
しおりを挟む
「ユフィリアさんの馬鹿ぁぁぁぁぁ」
「うぐわぁぁぁぁ!!!本当にやるとはぁぁぁ!!!あの女!鬼畜かぁぁぁぁぁ!!!」
「まさかぁぁ!!子供諸共攻撃するなんてぇぇぇぇ!!人間の情がないのぉぉぉぉ!!」
ユフィリアが放った大きな炎の竜巻が三人の叫び諸共一瞬で飲み込んだ。すると慌てたアルバンが大きな炎の竜巻に目を見張りながら馬車から出て来た。
「ユ、ユフィリア殿!!な、何故!?あんな事を!!ゼ、ゼノア殿は?!」
「ん?あぁ・・・大丈夫よ。あの子がこの程度でどうこうなる訳ないじゃない。ある意味私はゼノア君を信頼しているのよ。」
「し、信頼?!むう・・信頼している者をいきなり炎に包むのはどうかと思うが・・・」
「ふん!ああいう時は敵の意表を突くのが定石なの!信頼してなかったら出来ないわよ!ゼノア君だってそんな事分かってるわよ!きっと私の機転に感心してるに違いないわ!あっ・・・ほら!見て見てなさい!」
ユフィリアが指差す先を見ると炎の竜巻が消えその後には頬を膨らませジト目でこちらを見るゼノアの姿があった。そして何事も無かったようにトコトコとこちらへ向かって来る。
(もう!なんて事するんだよ!!)
「えっ?!えええええっ?!あっ・・・あ、あの中で無傷?!」
「・・・ね?言った通りでしょ?あの子にとってあの程度どって事ないのよ。もちろん人質がゼノア君以外だったら私も多分あんな事はしなかったわよ・・・」
「えっ・・・多分?」
アルバンが思わずユフィリアを見る。
「・・・ん?なによその顔・・・わ、私だってゼノア君が治すから大丈夫とか死んでも生き返るとか思ってないわよ!多分・・・」
(はぁ・・でも・・分かってはいるけど・・・なんだかね・・・まあまあ本気で撃ったんだけど・・・全くの無傷・・・か・・)
ユフィリアがアルバンから目を逸らし明後日の方向を見る。
(む、むう・・・思っていたんだな・・・断言しないのが怖い・・・)
ユフィリアはムッとして向かって来るゼノアを苦笑いで迎える。
(あは・・・あれ?もしかして怒ってる・・・)
「ユフィリアさん!!酷いよ!僕ごと撃つなんて!!闘気で防御しなかったら危なかったよ!!」
(あ・・・やっぱり感心はしてないみたいだな・・)
「はい、はい、ごめんごめん。でも無傷でしょ?それにあんたがいつまでもおっぱいに埋まってるから悪いんでしょう?だからそんなに怒らないの!ところであの二人は・・・あー・・生きてる見たいね・・・」
ユフィリアは誤魔化すように身体を起こして項垂れたオーレンとメーリアを眺める。
(うぅ・・・それを言われると・・・)
少しゼノアが痛い所を突かれて怯む・・・
「うっ・・そ、それは・・・も、もう・・話を逸らして・・・はぁ・・だけどあのままだったら危なかったよ。だから少しだけ回復しておいたよ。」
「・・・そう・・」
ユフィリアはふっと笑い徐に二人に向かって歩き出すのであった。
「うっ・・・我は・・い、生きているのか・・・」
オーレンは炎に包まれた時に死を覚悟した。しかしダメージは思っていたよりは軽く不思議に思う。
「兄様・・良かった。・・・でも兄様を助けたのはあの子なの・・・」
メーリアはトコトコと歩くゼノアの背中を憑き物が落ちたような表情で見つめるのであった。
メーリアは荒れ狂う炎の中で胸の中でゼノアの闘気と共に聖魔法の波動を感じていた。メーリアは炎の中でゼノアの闘気と聖魔法に守られ無事でいた。しかしオーレンは黒装束の魔法耐性では耐え切れない魔力の炎の本流に飲み込まれ絶体絶命の危機に瀕していた。
「えっ?!あ、熱くない?!な、何故・・・はっ・・・この子・・この力・・・闘気?!いえ・・魔力?!・・・わ、私は・・・この子に護られているの?!」
メーリアは胸に抱いたゼノアに目を落として荒れ狂う炎の中で立ち尽くしていた。しかしゼノアの力に護られていないオーレンは炎の魔力の本流に身を晒し膝を付いていた。
(うぐぁぁぁ!!なんという濃密な魔力・・・さすがSランク・・・こ、ここまでか・・・妹よ・・すまない・・・)
「あっ!!兄様!!!兄様ぁぁぁぁ!!」
メーリアが炎の本流に飲まれていくオーレンに手を伸ばすが届かず叫ぶしかなかった。
(えっ・・・あぁ・・もう一人いたっけ・・・そうか・・兄妹だったね・・・)
「お姉さん。大丈夫だよ。」
「えっ?」
(この魔法に僕の魔力を送り込んで無効化する!〈魔力創造〉!)
ゼノアはメーリアに抱き抱えられたまま目を瞑り魔力を解放する。するとゼノアから立ち昇る魔力が触れた所から炎の竜巻が霧散して消えていく。
「・・・う、嘘・・・何・・この馬鹿げた魔力は・・・今までの魔力の密度が軽く感じる・・・」
メーリアはゼノアの魔力に当てられペタンと地面にへたり込む。
「おっとお兄さんが危ないね!」
見上げると炎の竜巻に巻き上げられたオーレンが空から落ちて来た。ゼノアは落ちて来るオーレンに手を翳し魔力で包むと落下スピードが緩やかになり静かに地面に横たわる。
「ヒール!」
ゼノアが放った魔法が虫の息のオーレンを淡い緑の光に包みこむ。
(良かった・・・間に合った。)
「に、兄様・・・兄様?!」
ゼノアはオーレンが自分達を殺めようとした事など忘れてオーレンが助かった事に心から安堵した。そしてふと刺されたキメルを思い出しこの二人が今まで何人もの人を殺めて来たのだろうと思いこれで良かったのかと複雑な気持ちになる。しかし兄に駆け寄りすがる妹メーリアを見て今はこれで良かったんだと自分に言い聞かせるのであった。
「お姉さん。もう大丈夫だよ。どんな人でも目の前で家族が死ぬのは辛いよね・・・僕はそんなのもう見たくないんだ・・・ただそれだけ・・・これは僕の自己満足だから気にしないで。」
するとメーリアが膝をついたまま振り返った。
「・・・あ・・あなた・・ゼノア・・と言ったわね・・・」
「うん。」
「・・・あ、ありがとう・・・そ、その名前・・忘れないわ・・・」
メーリアは自分達がした事を飛び越えて助けたゼノアに対して慣れない言葉を使うようにぎこちなく礼を言う。
ゼノアはメーリアに向かってニッコリ歯を見せて笑うと今度はユフィリアを見据えて頬を膨らませトコトコと歩き出すのだった。
ユフィリアがへたり込むオーレンとメーリアの前に仁王立ちで見下ろす。
「ねえ。どお?あんた達まだやる?私は全然相手出来るけど?」
ユフィリアの言葉に俯くオーレンとメーリアからは誰が見ても戦意のかけらもない事は分かった。
「ふっ・・もう平気で人質ごと攻撃出来るような鬼畜を相手にしたくはない・・・煮るなり焼くなりすれば良い・・・」
「ふっ・・それに・・あのゼノア・・君・・には返し切れない借りが出来たわ・・・我等も恩を仇で返しはしない・・・そう・・それが・・・」
「「闇の掟!!」」
二人はポーズだけは譲れないとキレ良く決めると再び力無く肩を落とす。
「あ・・あっそう・・・という事は戦意は無くこちらの言う事を何でも聞くって事でいいのね?」
ユフィリアが腰に手を当てて二人に念を押すように顔を覗き込む。
「「えっ・・・」」
オーレンとメーリアが顔を見合わせる。
「・・・お、概ねその通りだが・・・あんたがそう言うと本当に死んだ方がマシな事を要求されそうだな・・・」
「そ、そうね・・・生きながら死ぬような要求・・・」
「もう!失礼ね!私をなんだと思ってるのよ?!」
「鬼畜・・・」
「悪魔・・・」
ユフィリアの目尻が一瞬ヒクつく・・・
「うくっ・・・ま、まあいいわ・・・要求は簡単よ。」
「・・・・・・・・・」
「ユフィリアさん・・・何か話しているみたいだけど何を話しているんだろう。」
「うむ・・・ユフィリア殿のする事成す事が私の想像を越えている。次は何をするのか解らないな・・・」
アルバンは顎を摩りながら肩をすくめる。
「ゼノア様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ん?あっ・・こら!イリア・・・」
ゼノアがユフィリアの背中を眺めていると背後から突然目を覚ましたイリアがアルバンを振り切り叫びと共にゼノアの背中に飛び付いた。
どすっ!!!
「あうっ!!何?!」
「ゼノア様!ゼノア様!ゼノア様!無事だったのね!!良かったぁ!!・・うぐっ・・良がった・・・よがっだぁぁぁぁぁ!!!!」
イリアはゼノアの背中に涙と共に色々と擦り付ける。
(はぁ・・・やれやれ・・・悪い事じゃないんだけど・・・毎回はこれは・・・ちょっと・・・)
皆もやれやれとばかりに苦笑いを浮かべるのであった。
横転した馬車はアルバン達の馬車を足止めする為に下っ端の男達が仕組んだものだった。何も知らない冒険者達が駆けつけ馬車を戻すと油断していた冒険者達に下っ端達が襲いかかった。下っ端達は冒険者達を足止めするように言われていた。
だが冒険者達には通用ぜずあっさりと返り討ちとなった。しかし・・・その中にナルベスの姿はなかった。
「・・・あ、あれが四属性魔導士ユフィリア・・・む、無理だ・・圧倒的過ぎる・・・もうこれでヘルバン様も終わりだ・・・まあ・・自業自得だ・・・」
近くの森の中に身を潜め様子を見ていたナルベスは何処か吹っ切れたように歩き出すのであった。
「うぐわぁぁぁぁ!!!本当にやるとはぁぁぁ!!!あの女!鬼畜かぁぁぁぁぁ!!!」
「まさかぁぁ!!子供諸共攻撃するなんてぇぇぇぇ!!人間の情がないのぉぉぉぉ!!」
ユフィリアが放った大きな炎の竜巻が三人の叫び諸共一瞬で飲み込んだ。すると慌てたアルバンが大きな炎の竜巻に目を見張りながら馬車から出て来た。
「ユ、ユフィリア殿!!な、何故!?あんな事を!!ゼ、ゼノア殿は?!」
「ん?あぁ・・・大丈夫よ。あの子がこの程度でどうこうなる訳ないじゃない。ある意味私はゼノア君を信頼しているのよ。」
「し、信頼?!むう・・信頼している者をいきなり炎に包むのはどうかと思うが・・・」
「ふん!ああいう時は敵の意表を突くのが定石なの!信頼してなかったら出来ないわよ!ゼノア君だってそんな事分かってるわよ!きっと私の機転に感心してるに違いないわ!あっ・・・ほら!見て見てなさい!」
ユフィリアが指差す先を見ると炎の竜巻が消えその後には頬を膨らませジト目でこちらを見るゼノアの姿があった。そして何事も無かったようにトコトコとこちらへ向かって来る。
(もう!なんて事するんだよ!!)
「えっ?!えええええっ?!あっ・・・あ、あの中で無傷?!」
「・・・ね?言った通りでしょ?あの子にとってあの程度どって事ないのよ。もちろん人質がゼノア君以外だったら私も多分あんな事はしなかったわよ・・・」
「えっ・・・多分?」
アルバンが思わずユフィリアを見る。
「・・・ん?なによその顔・・・わ、私だってゼノア君が治すから大丈夫とか死んでも生き返るとか思ってないわよ!多分・・・」
(はぁ・・でも・・分かってはいるけど・・・なんだかね・・・まあまあ本気で撃ったんだけど・・・全くの無傷・・・か・・)
ユフィリアがアルバンから目を逸らし明後日の方向を見る。
(む、むう・・・思っていたんだな・・・断言しないのが怖い・・・)
ユフィリアはムッとして向かって来るゼノアを苦笑いで迎える。
(あは・・・あれ?もしかして怒ってる・・・)
「ユフィリアさん!!酷いよ!僕ごと撃つなんて!!闘気で防御しなかったら危なかったよ!!」
(あ・・・やっぱり感心はしてないみたいだな・・)
「はい、はい、ごめんごめん。でも無傷でしょ?それにあんたがいつまでもおっぱいに埋まってるから悪いんでしょう?だからそんなに怒らないの!ところであの二人は・・・あー・・生きてる見たいね・・・」
ユフィリアは誤魔化すように身体を起こして項垂れたオーレンとメーリアを眺める。
(うぅ・・・それを言われると・・・)
少しゼノアが痛い所を突かれて怯む・・・
「うっ・・そ、それは・・・も、もう・・話を逸らして・・・はぁ・・だけどあのままだったら危なかったよ。だから少しだけ回復しておいたよ。」
「・・・そう・・」
ユフィリアはふっと笑い徐に二人に向かって歩き出すのであった。
「うっ・・・我は・・い、生きているのか・・・」
オーレンは炎に包まれた時に死を覚悟した。しかしダメージは思っていたよりは軽く不思議に思う。
「兄様・・良かった。・・・でも兄様を助けたのはあの子なの・・・」
メーリアはトコトコと歩くゼノアの背中を憑き物が落ちたような表情で見つめるのであった。
メーリアは荒れ狂う炎の中で胸の中でゼノアの闘気と共に聖魔法の波動を感じていた。メーリアは炎の中でゼノアの闘気と聖魔法に守られ無事でいた。しかしオーレンは黒装束の魔法耐性では耐え切れない魔力の炎の本流に飲み込まれ絶体絶命の危機に瀕していた。
「えっ?!あ、熱くない?!な、何故・・・はっ・・・この子・・この力・・・闘気?!いえ・・魔力?!・・・わ、私は・・・この子に護られているの?!」
メーリアは胸に抱いたゼノアに目を落として荒れ狂う炎の中で立ち尽くしていた。しかしゼノアの力に護られていないオーレンは炎の魔力の本流に身を晒し膝を付いていた。
(うぐぁぁぁ!!なんという濃密な魔力・・・さすがSランク・・・こ、ここまでか・・・妹よ・・すまない・・・)
「あっ!!兄様!!!兄様ぁぁぁぁ!!」
メーリアが炎の本流に飲まれていくオーレンに手を伸ばすが届かず叫ぶしかなかった。
(えっ・・・あぁ・・もう一人いたっけ・・・そうか・・兄妹だったね・・・)
「お姉さん。大丈夫だよ。」
「えっ?」
(この魔法に僕の魔力を送り込んで無効化する!〈魔力創造〉!)
ゼノアはメーリアに抱き抱えられたまま目を瞑り魔力を解放する。するとゼノアから立ち昇る魔力が触れた所から炎の竜巻が霧散して消えていく。
「・・・う、嘘・・・何・・この馬鹿げた魔力は・・・今までの魔力の密度が軽く感じる・・・」
メーリアはゼノアの魔力に当てられペタンと地面にへたり込む。
「おっとお兄さんが危ないね!」
見上げると炎の竜巻に巻き上げられたオーレンが空から落ちて来た。ゼノアは落ちて来るオーレンに手を翳し魔力で包むと落下スピードが緩やかになり静かに地面に横たわる。
「ヒール!」
ゼノアが放った魔法が虫の息のオーレンを淡い緑の光に包みこむ。
(良かった・・・間に合った。)
「に、兄様・・・兄様?!」
ゼノアはオーレンが自分達を殺めようとした事など忘れてオーレンが助かった事に心から安堵した。そしてふと刺されたキメルを思い出しこの二人が今まで何人もの人を殺めて来たのだろうと思いこれで良かったのかと複雑な気持ちになる。しかし兄に駆け寄りすがる妹メーリアを見て今はこれで良かったんだと自分に言い聞かせるのであった。
「お姉さん。もう大丈夫だよ。どんな人でも目の前で家族が死ぬのは辛いよね・・・僕はそんなのもう見たくないんだ・・・ただそれだけ・・・これは僕の自己満足だから気にしないで。」
するとメーリアが膝をついたまま振り返った。
「・・・あ・・あなた・・ゼノア・・と言ったわね・・・」
「うん。」
「・・・あ、ありがとう・・・そ、その名前・・忘れないわ・・・」
メーリアは自分達がした事を飛び越えて助けたゼノアに対して慣れない言葉を使うようにぎこちなく礼を言う。
ゼノアはメーリアに向かってニッコリ歯を見せて笑うと今度はユフィリアを見据えて頬を膨らませトコトコと歩き出すのだった。
ユフィリアがへたり込むオーレンとメーリアの前に仁王立ちで見下ろす。
「ねえ。どお?あんた達まだやる?私は全然相手出来るけど?」
ユフィリアの言葉に俯くオーレンとメーリアからは誰が見ても戦意のかけらもない事は分かった。
「ふっ・・もう平気で人質ごと攻撃出来るような鬼畜を相手にしたくはない・・・煮るなり焼くなりすれば良い・・・」
「ふっ・・それに・・あのゼノア・・君・・には返し切れない借りが出来たわ・・・我等も恩を仇で返しはしない・・・そう・・それが・・・」
「「闇の掟!!」」
二人はポーズだけは譲れないとキレ良く決めると再び力無く肩を落とす。
「あ・・あっそう・・・という事は戦意は無くこちらの言う事を何でも聞くって事でいいのね?」
ユフィリアが腰に手を当てて二人に念を押すように顔を覗き込む。
「「えっ・・・」」
オーレンとメーリアが顔を見合わせる。
「・・・お、概ねその通りだが・・・あんたがそう言うと本当に死んだ方がマシな事を要求されそうだな・・・」
「そ、そうね・・・生きながら死ぬような要求・・・」
「もう!失礼ね!私をなんだと思ってるのよ?!」
「鬼畜・・・」
「悪魔・・・」
ユフィリアの目尻が一瞬ヒクつく・・・
「うくっ・・・ま、まあいいわ・・・要求は簡単よ。」
「・・・・・・・・・」
「ユフィリアさん・・・何か話しているみたいだけど何を話しているんだろう。」
「うむ・・・ユフィリア殿のする事成す事が私の想像を越えている。次は何をするのか解らないな・・・」
アルバンは顎を摩りながら肩をすくめる。
「ゼノア様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ん?あっ・・こら!イリア・・・」
ゼノアがユフィリアの背中を眺めていると背後から突然目を覚ましたイリアがアルバンを振り切り叫びと共にゼノアの背中に飛び付いた。
どすっ!!!
「あうっ!!何?!」
「ゼノア様!ゼノア様!ゼノア様!無事だったのね!!良かったぁ!!・・うぐっ・・良がった・・・よがっだぁぁぁぁぁ!!!!」
イリアはゼノアの背中に涙と共に色々と擦り付ける。
(はぁ・・・やれやれ・・・悪い事じゃないんだけど・・・毎回はこれは・・・ちょっと・・・)
皆もやれやれとばかりに苦笑いを浮かべるのであった。
横転した馬車はアルバン達の馬車を足止めする為に下っ端の男達が仕組んだものだった。何も知らない冒険者達が駆けつけ馬車を戻すと油断していた冒険者達に下っ端達が襲いかかった。下っ端達は冒険者達を足止めするように言われていた。
だが冒険者達には通用ぜずあっさりと返り討ちとなった。しかし・・・その中にナルベスの姿はなかった。
「・・・あ、あれが四属性魔導士ユフィリア・・・む、無理だ・・圧倒的過ぎる・・・もうこれでヘルバン様も終わりだ・・・まあ・・自業自得だ・・・」
近くの森の中に身を潜め様子を見ていたナルベスは何処か吹っ切れたように歩き出すのであった。
214
お気に入りに追加
2,316
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。


チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる