126 / 183
第124話 懐かしい瞬間
しおりを挟む
『終わりましたね。』
ロウは村長を見ると跪いて頭を下げていた。
『〈竜神ロウ〉様!ありがとうございました!
今日この日を代々語り継いで行きますぞ!』
エンペラードラゴンも顎を地面に付けている。
『良いよ!出来る事をやっただけだから・・・あっ!!アイラの事忘れてた!』
ロウは突然思い出してアイラの元へ駆け寄るとのたうち回る元気も無くなりグッタリしていた。
急いでポーションを取り出して口に注いでやると喉が鳴る。
そして勢いよく上半身を起こす。
『ぶはぁぁぁぁ!!!死ぬかと思ったぁぁぁぁ!!!!
師匠ぉぉぉ!!!遅いですよぉぉぉぉ!!
・・・でも物凄くレベルが上がったんですよ!!!』
ロウはニッコリ笑って
『そうだよね!レベル2桁なのにレベル1200オーバーを3人も倒したんだからね!
それ相応の代償は必要だよ。
ギルドに行ってステータスを見たらびっくりするよ。』
アイラは元気よく立ち上がり動きを確認している。
すると村長がやって来る。
『ロウ様、この村は今後も変わらず〈竜神を祀る村〉としてやって行きます。
時折思い出したら足を向けてください。
お待ちしております。』
『うん!たまに寄らせてもらうよ!』
『ぐぅるぅぅぅ』
エンペラードラゴンが付いて行きたそうに地面に顎を付ける。
『いいよ。一緒に行こう。』
そう言ってエンペラードラゴンを撫でると巨大な身体が縮んで肩に乗るぐらいの大きさになる。
パタパタと可愛らしく羽根を羽ばたかせてロウの肩に乗る。
『ぐるるるぅぅぅ』
『か、可愛い・・・』
アイラが手を伸ばして撫でようとすると
かぷっ!
見事に噛まれる。
『痛っ!!何で噛むのよ!!』
手を引っ込めて手を摩っていると
エンペラードラゴンはプイッとソッポを向く。エンペラードラゴンは女性らしい。
『ほら!仲良くして!行くよ!!』
ロウ達は〈獣王国ヒューラン〉へ戻って行くのだった。
アイラが目をまん丸くしてほっぺを抓っている。
『し、師匠・・・レ、レベルが1521・・・〈竜王〉になっているんですけど・・・これは夢ですか?!』
ギルドの受け付けの女性もあぐあぐと口を動かして言葉が出ないでいる。
『夢なんかじゃ無いよ。それぐらいは当然だよ。まだまだ上を目指さないとね!
今から特訓を始めるよ!』
ロウはにこやかに言う。
『は、はい!!頑張ります!!』
ロウはアイラと依頼ボードを眺めていると
後ろから声をかけられる。
『おい!そこのガキ!!』
振り返ると見るからに貴族のボンボンだと分かる出立ちで両脇に護衛であろう厳つい男が付いている。
(おい、あいつエイルド侯爵の馬鹿息子だろ?!)
(あぁ、我儘放題やってる馬鹿だろ?!可愛そうに面倒な奴に絡まれたな・・。)
冒険者達が噂している。
そんな噂を聞きながらロウはニヤけながらボンボンを見ている。
(ははっ!久しぶりに来たね・・・懐かしさすら感じるよ・・・)
『な、何だ貴様!!何がおかしい?!
ふ、ふん!取り敢えず、その肩に乗ってる奴を貰ってやる!!女もだ!!
さっさと寄越せ!!』
アイラの顔を見ると汚物を見るような目でボンボンを見ていた。
ロウは小枝を取り出してボンボンに向ける。
『ははっ!全力でお断りしますよ!
僕はあんたの様な親の影に隠れて好き放題出来ると勘違いしている馬鹿息子が大嫌いなんですよ!
早く目の前から消えないと2度とまともに生活出来ない身体になりますよ?』
(おおーーー!!あのガキ言うねぇ!!面白くなって来たぞ!)
(おう!そうだな!目が離せねぇな!!)
『な、何だとぉぉぉぉ!!!俺をエイルド侯爵の次男サルド様だと知って言っているのか?!』
『知らないよ!でも関係ないよ!クズはみんな一緒だもん!
ゴミ箱にでも入っていたら?』
『ぷっ!ふふふふふっ!』
アイラがロウの言葉に吹き出す。
サルドの顔が怒りで真っ赤になっていく。
『ガ、ガキ共が馬鹿にしやがって!!お前ら俺に逆らったらどうなるか教えてやれ!!』
護衛の男達が前に出てロウに襲い掛かる!!
(懐かしいなぁ・・・この瞬間。)
そしてロウがブレる!!
ズババババババババババババババ!!!!
『おごぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
どばきゃぁぁぁぁぁ!!!
男達はギルドの扉を突き破り道に転がる。
サルドは何が起きたか分からないままその場にへたり込む。
(おい・・・今何が起きた?!)
(お、俺も何も見えなかった・・・)
ロウが振り返るとアイラもポカンと口が開いていた。
『アイラ?!今のどこまで見えた?』
アイラは我に返る。
『え?あっ!はい!ふ、踏み込んだ所までです・・・』
『じゃあ、やってみて!小枝を折らない様に闘気を纏わせるんだ。』
ロウはサルドを指差してアイラに小枝を渡す。
『はい!やってみます!!』
アイラは小枝を身体の一部の様にイメージする。
そして小枝でブンブンと素振りをする。
『いけるわ!!覚悟しなさい!!』
アイラはサルドに小枝を向ける。
サルドは尻餅を付いたまま後ずさる。
『あ、あの・・・や、やめ、やめて・・・
た、たす、助けて?!お、お願いs・・・』
そして問答無用で襲い掛かる!!
『さっきまでの威勢はどうしたのよぉぉぉぉぉ!!!!』
ズバババババババ!!!!!
『ぷぎぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ずざざぁぁぁぁぁ!!!
サルドはギルドの入り口まで転がって行く。
アイラは振り返り笑顔になる。
『師匠!!出来ました!!』
『うん!よく出来ました!!その調子で行くよ!
依頼は巨大化したオークの集落の殲滅にしたよ!!』
アイラがキョトンとする。
『それって・・・冒険者を募集して100人体制で受けるやつ・・・だった様な・・・』
ロウはニッコリ笑って
『受け付けの女の人がそんな事言ってたけど大丈夫!大丈夫!
今のアイラなら余裕だと思うよ!
さあ!行こう!!』
ロウは村長を見ると跪いて頭を下げていた。
『〈竜神ロウ〉様!ありがとうございました!
今日この日を代々語り継いで行きますぞ!』
エンペラードラゴンも顎を地面に付けている。
『良いよ!出来る事をやっただけだから・・・あっ!!アイラの事忘れてた!』
ロウは突然思い出してアイラの元へ駆け寄るとのたうち回る元気も無くなりグッタリしていた。
急いでポーションを取り出して口に注いでやると喉が鳴る。
そして勢いよく上半身を起こす。
『ぶはぁぁぁぁ!!!死ぬかと思ったぁぁぁぁ!!!!
師匠ぉぉぉ!!!遅いですよぉぉぉぉ!!
・・・でも物凄くレベルが上がったんですよ!!!』
ロウはニッコリ笑って
『そうだよね!レベル2桁なのにレベル1200オーバーを3人も倒したんだからね!
それ相応の代償は必要だよ。
ギルドに行ってステータスを見たらびっくりするよ。』
アイラは元気よく立ち上がり動きを確認している。
すると村長がやって来る。
『ロウ様、この村は今後も変わらず〈竜神を祀る村〉としてやって行きます。
時折思い出したら足を向けてください。
お待ちしております。』
『うん!たまに寄らせてもらうよ!』
『ぐぅるぅぅぅ』
エンペラードラゴンが付いて行きたそうに地面に顎を付ける。
『いいよ。一緒に行こう。』
そう言ってエンペラードラゴンを撫でると巨大な身体が縮んで肩に乗るぐらいの大きさになる。
パタパタと可愛らしく羽根を羽ばたかせてロウの肩に乗る。
『ぐるるるぅぅぅ』
『か、可愛い・・・』
アイラが手を伸ばして撫でようとすると
かぷっ!
見事に噛まれる。
『痛っ!!何で噛むのよ!!』
手を引っ込めて手を摩っていると
エンペラードラゴンはプイッとソッポを向く。エンペラードラゴンは女性らしい。
『ほら!仲良くして!行くよ!!』
ロウ達は〈獣王国ヒューラン〉へ戻って行くのだった。
アイラが目をまん丸くしてほっぺを抓っている。
『し、師匠・・・レ、レベルが1521・・・〈竜王〉になっているんですけど・・・これは夢ですか?!』
ギルドの受け付けの女性もあぐあぐと口を動かして言葉が出ないでいる。
『夢なんかじゃ無いよ。それぐらいは当然だよ。まだまだ上を目指さないとね!
今から特訓を始めるよ!』
ロウはにこやかに言う。
『は、はい!!頑張ります!!』
ロウはアイラと依頼ボードを眺めていると
後ろから声をかけられる。
『おい!そこのガキ!!』
振り返ると見るからに貴族のボンボンだと分かる出立ちで両脇に護衛であろう厳つい男が付いている。
(おい、あいつエイルド侯爵の馬鹿息子だろ?!)
(あぁ、我儘放題やってる馬鹿だろ?!可愛そうに面倒な奴に絡まれたな・・。)
冒険者達が噂している。
そんな噂を聞きながらロウはニヤけながらボンボンを見ている。
(ははっ!久しぶりに来たね・・・懐かしさすら感じるよ・・・)
『な、何だ貴様!!何がおかしい?!
ふ、ふん!取り敢えず、その肩に乗ってる奴を貰ってやる!!女もだ!!
さっさと寄越せ!!』
アイラの顔を見ると汚物を見るような目でボンボンを見ていた。
ロウは小枝を取り出してボンボンに向ける。
『ははっ!全力でお断りしますよ!
僕はあんたの様な親の影に隠れて好き放題出来ると勘違いしている馬鹿息子が大嫌いなんですよ!
早く目の前から消えないと2度とまともに生活出来ない身体になりますよ?』
(おおーーー!!あのガキ言うねぇ!!面白くなって来たぞ!)
(おう!そうだな!目が離せねぇな!!)
『な、何だとぉぉぉぉ!!!俺をエイルド侯爵の次男サルド様だと知って言っているのか?!』
『知らないよ!でも関係ないよ!クズはみんな一緒だもん!
ゴミ箱にでも入っていたら?』
『ぷっ!ふふふふふっ!』
アイラがロウの言葉に吹き出す。
サルドの顔が怒りで真っ赤になっていく。
『ガ、ガキ共が馬鹿にしやがって!!お前ら俺に逆らったらどうなるか教えてやれ!!』
護衛の男達が前に出てロウに襲い掛かる!!
(懐かしいなぁ・・・この瞬間。)
そしてロウがブレる!!
ズババババババババババババババ!!!!
『おごぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
どばきゃぁぁぁぁぁ!!!
男達はギルドの扉を突き破り道に転がる。
サルドは何が起きたか分からないままその場にへたり込む。
(おい・・・今何が起きた?!)
(お、俺も何も見えなかった・・・)
ロウが振り返るとアイラもポカンと口が開いていた。
『アイラ?!今のどこまで見えた?』
アイラは我に返る。
『え?あっ!はい!ふ、踏み込んだ所までです・・・』
『じゃあ、やってみて!小枝を折らない様に闘気を纏わせるんだ。』
ロウはサルドを指差してアイラに小枝を渡す。
『はい!やってみます!!』
アイラは小枝を身体の一部の様にイメージする。
そして小枝でブンブンと素振りをする。
『いけるわ!!覚悟しなさい!!』
アイラはサルドに小枝を向ける。
サルドは尻餅を付いたまま後ずさる。
『あ、あの・・・や、やめ、やめて・・・
た、たす、助けて?!お、お願いs・・・』
そして問答無用で襲い掛かる!!
『さっきまでの威勢はどうしたのよぉぉぉぉぉ!!!!』
ズバババババババ!!!!!
『ぷぎぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ずざざぁぁぁぁぁ!!!
サルドはギルドの入り口まで転がって行く。
アイラは振り返り笑顔になる。
『師匠!!出来ました!!』
『うん!よく出来ました!!その調子で行くよ!
依頼は巨大化したオークの集落の殲滅にしたよ!!』
アイラがキョトンとする。
『それって・・・冒険者を募集して100人体制で受けるやつ・・・だった様な・・・』
ロウはニッコリ笑って
『受け付けの女の人がそんな事言ってたけど大丈夫!大丈夫!
今のアイラなら余裕だと思うよ!
さあ!行こう!!』
0
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
性癖の館
正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる