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第99話 魔法王シャル復活

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『何だとぉぉぉぉ!!!スレイグ達が捕まっただと?!
ドジを踏みやがって・・・レベル230だからって調子に乗るからこうなるんだ!!
まだまだ魔力が足らんのに・・・。
くそ!余計な事を言わなければ良いが・・』


『ギルドマスターのレノンだ!』
『パルよ。』

『あんたが奴らを捕まえたんだってな!
助かったよ!
原因も分からず困っていたんだ!
本当にありがとう!報酬はもちろん出すからな!!』

ギルドマスターのレノンが満面の笑みで笑っている。

パルは少し引きながら
『それより〈魔法王シャル〉の復活って言ってたけど大丈夫なの?』

レノンは突然真面目な顔になる。
『それなんだが、〈魔法王シャル〉の封印は本人の魔力を使って居るんだ。
話によると本来、封印の剣を使っていたんだがシャルの魔力が強すぎて本体は封印出来ても魔力が溢れて魔物が溢れて来たんだ。
そこで国中から300人以上の魔法使いを集めてシャルの魔力を祠の中に封じ込めたんだ。
その魔力の壁は内側からシャルの魔力で補給される様になって居るんだよ。
だからその封印を解くには、魔法使い300人分の魔力と〈魔法王シャル〉の魔力を越える魔力が必要なんだ!
そんな魔力を集めるのは無理だといわれている。』


『そうなんだ・・・だけどそれをやろうとしている奴らが居るのよね?
でもそれだけの魔力を集めようとすればどれだけの冒険者が犠牲になるの?!
早く捕まえてぶっ飛ばさないと!!』

パルは立ち上がりさっき捕まえた男達の所へ向かった。

男達は最低限の回復されて縛られていた。
そしてパルの姿を見るともがきながら逃げようとする。

『ひいぃぃぃ!!!来るなぁぁぁぁ!!!
魔人だ!!あいつは魔人だぁぁぁぁ!!』

パルの目元が引き攣る・・・

『誰が魔人よぉぉぉぉ!!!!この人攫いがぁぁぁぁぁ!!!!』

先頭の男のこめかみを蹴り飛ばす!!

『ごはぁぁぁぁぁ!!!』
どがしゃあぁぁぁぁん!!!!
男はギルドの受け付けカウンターにめり込む。

パルは残りの男達に振り返り小枝をクルクル回す。
『ふぅぅぅ。ここには回復士が居るから遠慮なく行くわよ!!
さあ、親玉はどこに居るの?言わないと分かっているわよね!』

男達が怯えて芋虫の様にもがきながら後ずさりパニックになる。
『た、助けて・・・だ、誰か助けてくれ!!こ、殺される!!』

『あ、あの女を近づけないで!!お願いだぁぁぁぁ!!!!』

パルのこめかみに青筋が走る・・・
『質問にぃぃぃぃぃ!!!!答えなさいぃぃぃぃぃぃ!!!』

パルが全力でブレる!

ズバババババババババババババババババン!!!!!

『あんぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

男達がボロ雑巾の様に転がる。

『回復士!!よろしく!!』
パルが振り向く!
『は、はい!』
呆けていた回復士が慌て男達を回復する。

男達から呻き声が聞こえる。

『あ、うぅぅ・・・いてぇぇぇ・・・
い、生きてる・・のか?』

パルは気にもぜずに同じ質問をする!
『さあ!親玉はどこ?早く答えないと回復しきれないかもよ?』

1人の男が耐えきれずに話し出す。
『あ、、、う、、き、教会・・・郊外の・・
地下・・・た、助けて・・・』

パルはニヤリと笑う。

『なんだ!根性ないのね?!最初から話してたらこんな事になって無かったのに!馬鹿なグズ達ね!』

この様子を見ていたレノンを始め冒険者達は
絶対この人には逆らわない様にしようと誓うのであった。

『レノンさん!』

『は、はい!!』

『聞いた通りよ!郊外の教会に人を集めて!油断はしないようにね!』

『パル様!了解しました!!今回の黒幕を確保致します!!』

何故かギルドマスターが敬語になるのだった。


『よし!周りを包囲しろ!』
警備隊長が指示を飛ばす!

『中には23人居るわ!気を付けてね!』
パルが【索敵】で人数を確認する。

『レノンさん。私も行くわ!
親玉を捕まえてぶっ飛ばしてやるわ!!』
パルは力強く拳を握る。

教会の中に入ると埃っぽくステンドグラスからの光に埃が照らされる。

『2人動いた。見張りね。地下に降りる場所は分かったわ!こっちよ。』

パルを先頭に祭壇の奥に進んで行くと古びた扉があった。

(扉の向こうには誰も居ないわ。地下で皆さん慌てているわね・・・)

パルはニヤリと悪い顔になり扉を開ける。

『みんな!少し離れてね!さあ!くらいなさい!【ウォーターウェイブ】!!』

地下への入り口に大量の水を叩き込む!!
大量の水は溢れる事なくどんどん中へ吸い込まれて行く!
しかし暫くしても溢れてくる気配がない・・・。

『しまった!!抜け道があるわ!!』

パルが失敗に気付いた瞬間!
突然大きな気配が現れ、そして無数の気配が現れる。
パル達が外へ出ると城壁の向こうに数万規模の魔物が蠢いていた・・・。

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