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第73話 ファイデル王国vsゲランド帝国 1

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俺は弟子達の席に戻って来た。
『あっ!師匠おかえりなさい!』
エルが手を振っている。

『あぁ、ただいま。出番はまだか?』

『次がゲランド帝国と試合だよ!ズルしてもそれごとぶっ飛ばしてやるの!!』

エルが拳を握りやる気満々だ!

試合場に行くと既に相手は布陣していた、
念のため【索敵】して見ると、案の定10人以上いる。
死角に配置して岩場に身を潜めている。そして背後にも隠れていた。
恥ずかしげも無く平気でルールを破るグス共だ。
呆れた顔で皆の顔を見ると、逆に燃えていた。

『堂々とやってくれるわね!まあ、良いけどね・・・フフッ。』
パルが悪い顔になる。

『本当に常識の欠けた国だな!真面目にやってる奴らが馬鹿らしくなるぞ!』
ギエンも帝国陣営を睨み付ける。

俺は奴らを懲らしめる作戦を思い付く。
『よし!奴らに罰を与えようか!!』

俺は弟子達と手短に作戦会議を始めた。

『あはははっ!師匠!さすが!そんな酷いこと思い付かないよ!』
パルが笑うと、弟子達も笑い出す。

『おいおい。それは褒めているのか?
とにかく帝国陣営に大恥をかいて貰おうか。』

ゲランド帝国陣営を睨み俺達は悪い顔で笑うのだった・・・。


『さあ!お前達行って来い!!帝国陣営をめちゃくちゃにしてこい!!』

『はい!!!!!!』

騎士団参謀リゲルが声を上げる!
『お前ら!!何としても勝つぞ!
正面から奴らの攻撃を全力で防御し、死角からの魔法攻撃で行く!!
そして隙を見て背後から宝玉を奪うのだ!!
奴らの陣営には罠が仕掛けてあるから足止めになるだろう!
今回は俺も参加する!勝つぞ!!』

『うおぉぉぉぉ!!!』

(・・・それでも駄目なら・・・・)


『第7試合 ファイデル王国vsゲランド帝国
開始!!』
試合開始のドラが鳴る!!

パルが号令をかける!
『〈帝国虐め作戦〉開始よ!!』
『了解!!!!!』

弟子達は手筈通りに行動する!!

ギエンが死角に隠れている魔法使いを剣の腹でぶっ叩いて中央にぶっ飛ばす!!
『ぐあっ!がっ!ぐっ!・・・』
『なんだ!何だぁぁぁ!!!』

ジンが背後に隠れている奴らの背後から槍の柄でぶっ叩き5人纏めて中央へ叩き出す!!
『こぶぁぁぁぁ!!』
『ぶふぅぅぅぅ!!』

中央に叩き出された伏兵が自分達の罠にかかっている。
『があぁぁぁ!いでぇぇぇ!目がぁぁぁ!!
うえぇぇぇぇ・・・』
毒や麻痺、痺れに目潰し、トラバサミ的な物に挟まれて悶絶している。

その光景見てリゲルが愕然とする。
自分の作戦が最初から粉砕されたのだ。全てが見透かされていた。
頭がの中が真っ白になり呆然とする。

すると観客席から声が上がる。

『おい!!10人がルールだぞ!!30人はいるじゃねーか!!』

『汚ねぇーぞ!!帝国!!』

『やっぱり帝国のする事はこんなものね!』
観客席から罵詈雑言が放たれる。

ゲランド皇帝は青筋が弾けんばかりに怒る!

『ぐぬぬぬ!リゲルめぇぇ!わしに恥をかかせおって!!』
椅子の肘置きを壊れんばかりに握りしめる。

『ここまで来たなら負ける訳にはいかん!!おい!!ゲインを呼べ!!』


俺は頃合いを見て空に【ファイヤーボール】を放つと皆が何事かと静かになった。

『皆さん!!俺はファイデル王国のハヤトです!!
帝国はルールを破りましたが、俺達はハンデとして認める事にします!!
これから俺の弟子達が帝国に罰を与えます!
引き続き楽しんでください!!』

俺は皆に笑顔で答えると
『分かった!奴らを懲らしめてくれ!!』

『ファイデル王国は太っ腹だな!頼むぞ!』

『かっこいいわ!楽しませてね!』

観客席から拍手が沸き
ファイデル王国に賞賛の声が掛かる。
それに一礼で答え観戦を続けるのだった。
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