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第4章 わたしは誰?
9・曖昧エレジー
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「気持ちよかったよ、マイちゃん」
「…………っ、あ、ありがとうございます。それならよかった、です……」
何回か失神するくらいに激しくわたしを犯してから、その日のお相手さんは部屋を出て行った。わたしはそれを見送ってから、痙攣して上手く動かない体をどうにか起こして、体に付いた精子をタオルで拭き取る。
「……っ」
まだ体が敏感になってるみたいで、タオルの摩擦で感じてしまう。
あぁ、なんでわたしはこんなところでこんなことしてるんだっけ……。
ホテルよりずっと狭い、マンションの一室。そのベッドの上でまた体の奥に甘い疼きが芽生えてきているのを感じながら、ここに来るまでのことを思い返していた。
何日か前に、その日のお相手さんとホテルに入ろうとしたところで警察っぽい人に声をかけられた。
年齢の確認をされてしまったけど、そのときは一緒にいた人がうまく切り抜けてくれた。たぶん、そういう危ないことに慣れてた人なんだと思う。
だけど、もしかしたら次は危ないのかも知れない――わたしはそう思ってしまった。
そんなときに、言ってくれる人がいた。
『あ、だったらこれからおれの部屋使えば?』って……。
「どうたった、あのおっさん」
その人――部屋の持ち主さんが奥の部屋からニヤニヤしながら出てくる。
「どう、って……?」
「いや、色々あるでしょ? 臭かった、とかあそこが太かった、とか重かった、とか」
彼は必要以上のことは何ひとつ教えてくれない。あと、場所こそこうやって貸してくれているけど、わたしがセックスするのを見た後、その最中のことをいちいち訊いてくる。そういうの話すのも、けっこういやなんだけど……。
「ん~、まだ言いにくいか。じゃあ、飲んだ?」
「いえ」
「ふんふん、じゃあやってもらお。えっと、あと~……」
そうやって散々いろんなことをわたしに言わせてから、彼は自分も脱ぎ始める。
「じゃ、おれらもヤろっか♪」
「……はい」
彼の身体は全体的に細いし、色も白い。
だけど、あの部分はとても大きい。たぶん、初めて見るくらい。
まだ何もしてないのに、彼のはすっかり大きく硬くなっている。さっきのお相手さんのよりずっと硬くて太くて、敏感になった体は、まだわたしが彼の大きさに慣れていないこともあって、彼のが侵入ってきただけでふわっ、ってなって、何も考えられなくなる。
「――――っ♪」
「気持ちよさそうにしてくれるね、そういうマイちゃん、好きだよ?」
薄く笑いながら、彼はどんどん突き上げてくる。
痛みすら感じるのに、どうして抜け出せないんだろう?
そんな疑問も、全部飲み込んでしまうくらい気持ちがよくて。
『何かあったら相談してよ?』
試験前にゆいちゃんからかけられたそんな声が、頭に響いて少し痛かった。
「…………っ、あ、ありがとうございます。それならよかった、です……」
何回か失神するくらいに激しくわたしを犯してから、その日のお相手さんは部屋を出て行った。わたしはそれを見送ってから、痙攣して上手く動かない体をどうにか起こして、体に付いた精子をタオルで拭き取る。
「……っ」
まだ体が敏感になってるみたいで、タオルの摩擦で感じてしまう。
あぁ、なんでわたしはこんなところでこんなことしてるんだっけ……。
ホテルよりずっと狭い、マンションの一室。そのベッドの上でまた体の奥に甘い疼きが芽生えてきているのを感じながら、ここに来るまでのことを思い返していた。
何日か前に、その日のお相手さんとホテルに入ろうとしたところで警察っぽい人に声をかけられた。
年齢の確認をされてしまったけど、そのときは一緒にいた人がうまく切り抜けてくれた。たぶん、そういう危ないことに慣れてた人なんだと思う。
だけど、もしかしたら次は危ないのかも知れない――わたしはそう思ってしまった。
そんなときに、言ってくれる人がいた。
『あ、だったらこれからおれの部屋使えば?』って……。
「どうたった、あのおっさん」
その人――部屋の持ち主さんが奥の部屋からニヤニヤしながら出てくる。
「どう、って……?」
「いや、色々あるでしょ? 臭かった、とかあそこが太かった、とか重かった、とか」
彼は必要以上のことは何ひとつ教えてくれない。あと、場所こそこうやって貸してくれているけど、わたしがセックスするのを見た後、その最中のことをいちいち訊いてくる。そういうの話すのも、けっこういやなんだけど……。
「ん~、まだ言いにくいか。じゃあ、飲んだ?」
「いえ」
「ふんふん、じゃあやってもらお。えっと、あと~……」
そうやって散々いろんなことをわたしに言わせてから、彼は自分も脱ぎ始める。
「じゃ、おれらもヤろっか♪」
「……はい」
彼の身体は全体的に細いし、色も白い。
だけど、あの部分はとても大きい。たぶん、初めて見るくらい。
まだ何もしてないのに、彼のはすっかり大きく硬くなっている。さっきのお相手さんのよりずっと硬くて太くて、敏感になった体は、まだわたしが彼の大きさに慣れていないこともあって、彼のが侵入ってきただけでふわっ、ってなって、何も考えられなくなる。
「――――っ♪」
「気持ちよさそうにしてくれるね、そういうマイちゃん、好きだよ?」
薄く笑いながら、彼はどんどん突き上げてくる。
痛みすら感じるのに、どうして抜け出せないんだろう?
そんな疑問も、全部飲み込んでしまうくらい気持ちがよくて。
『何かあったら相談してよ?』
試験前にゆいちゃんからかけられたそんな声が、頭に響いて少し痛かった。
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