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1章 出会ったときには、もう。
3・ミルクセーキ
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先生――侑治の前で裸になるのは、もう何回目だろう。
わからないくらいこういう場所に来て、数えきれないくらい裸になっても、やっぱり恥ずかしい。
きっと、この先何回こうやってセックスをしても、たぶんこの恥ずかしさに慣れることはないんだと思う。そんなわたしを見て、侑治はいつも薄く笑う。小さく上がった口角にできるしわにいつも目が行く。
わたしの体中を、まるで視線で愛撫するように見つめてくる。
その視線が痛くて、思わず侑治から目を逸らす。
だって、わたしの体は決して綺麗なんかじゃない。胸は小さいし、かといってお腹が痩せてるわけでもない、それにクラスの他の子みたいに特別何かスキンケアしてたり、そういう肌にいいことをしているわけでもない。顔だってそれほど可愛いわけではない。
正直な話、どうして侑治が先生の顔を脱ぎ捨ててまでわたしを求めてくれたのか、よくわからない。
もしかしたらわかっているのかも知れないけど、わたしがほしいのはそんな答えじゃない。
それに、そんなの、侑治だって否定するに決まっている。
ただ1つ、確実に言えることといえば。
今この瞬間、侑治はわたしを見ているということ。
たぶん今のわたしには、それだけあれば十分だ。
そんなわたしの心なんてお見通しなのか、「麻衣は可愛いよ」と囁きながら、侑治がわたしの体に舌を這わせる。
首筋に、耳に、胸に、脇腹に、背中に。
わたしがベッドの上で仰向けになってからは、手足にも舌を伸ばしてきた。思わず震える反応を楽しむように、指の間にも、太股にも、二の腕にも、それに……
「んん……っ」
敏感な場所に這わされた舌の感触が身体中に伝わって、思わず声が漏れる。
「すっごい濡れてる」
「い、わな……、――っ!?」
わたしの羞恥心を煽るようにかけられた言葉への抵抗も、させてもらえない。次々と、立て続けに身体中を駆け巡る快感が、少しずつわたしの頭を溶かしていく。
そして決まって、そうなってきた頃に侑治は訊いてくる。
「挿入れていい?」
上気した顔に、血走った目に、必死に大人としての顔を保とうとしている――でも性欲が先行してしまっているその顔に、わたしはたまらないほどの愛しさと共に「うん」と答えてしまう。
あとは、もう一方的で。
入ってきた侑治を受け入れて、ただ彼の動きに身を委ねるだけ。
声を上げて、何度も震えて、頭がスパークして、体からも力が抜けて。
そんなことを繰り返して、いつの間にか意識を手放して。
それが、わたしたちのいつも通りだから。
何度も遊ばれて、何度も飛ばされて、何度も叫んで、何度も動いて、何度も頭がおかしくなって。何度も、何度も。時間も忘れてしまうほどに。
それが、わたしたちの日常。
全部終わった後に飲むミルクセーキの味まで、もうわたしにとってはただの習慣。
わからないくらいこういう場所に来て、数えきれないくらい裸になっても、やっぱり恥ずかしい。
きっと、この先何回こうやってセックスをしても、たぶんこの恥ずかしさに慣れることはないんだと思う。そんなわたしを見て、侑治はいつも薄く笑う。小さく上がった口角にできるしわにいつも目が行く。
わたしの体中を、まるで視線で愛撫するように見つめてくる。
その視線が痛くて、思わず侑治から目を逸らす。
だって、わたしの体は決して綺麗なんかじゃない。胸は小さいし、かといってお腹が痩せてるわけでもない、それにクラスの他の子みたいに特別何かスキンケアしてたり、そういう肌にいいことをしているわけでもない。顔だってそれほど可愛いわけではない。
正直な話、どうして侑治が先生の顔を脱ぎ捨ててまでわたしを求めてくれたのか、よくわからない。
もしかしたらわかっているのかも知れないけど、わたしがほしいのはそんな答えじゃない。
それに、そんなの、侑治だって否定するに決まっている。
ただ1つ、確実に言えることといえば。
今この瞬間、侑治はわたしを見ているということ。
たぶん今のわたしには、それだけあれば十分だ。
そんなわたしの心なんてお見通しなのか、「麻衣は可愛いよ」と囁きながら、侑治がわたしの体に舌を這わせる。
首筋に、耳に、胸に、脇腹に、背中に。
わたしがベッドの上で仰向けになってからは、手足にも舌を伸ばしてきた。思わず震える反応を楽しむように、指の間にも、太股にも、二の腕にも、それに……
「んん……っ」
敏感な場所に這わされた舌の感触が身体中に伝わって、思わず声が漏れる。
「すっごい濡れてる」
「い、わな……、――っ!?」
わたしの羞恥心を煽るようにかけられた言葉への抵抗も、させてもらえない。次々と、立て続けに身体中を駆け巡る快感が、少しずつわたしの頭を溶かしていく。
そして決まって、そうなってきた頃に侑治は訊いてくる。
「挿入れていい?」
上気した顔に、血走った目に、必死に大人としての顔を保とうとしている――でも性欲が先行してしまっているその顔に、わたしはたまらないほどの愛しさと共に「うん」と答えてしまう。
あとは、もう一方的で。
入ってきた侑治を受け入れて、ただ彼の動きに身を委ねるだけ。
声を上げて、何度も震えて、頭がスパークして、体からも力が抜けて。
そんなことを繰り返して、いつの間にか意識を手放して。
それが、わたしたちのいつも通りだから。
何度も遊ばれて、何度も飛ばされて、何度も叫んで、何度も動いて、何度も頭がおかしくなって。何度も、何度も。時間も忘れてしまうほどに。
それが、わたしたちの日常。
全部終わった後に飲むミルクセーキの味まで、もうわたしにとってはただの習慣。
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