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1.Before
怒りの代償
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ティルを見上げる魔女の瞳には、どこか諦観のような物が漂っていて、それがティルにはたまらなく不快だった。どうして自分は魔女にこんな目で見つめられなければならない? そんなの、どう考えたって納得なんてできるわけがない……!
「その眼をやめろ、魔女」
「どういう目してるの?」
「その……っ!」
きっと、言ったらこの魔女はまた愉しげに微笑むのだろう。それはあまりに不本意だったし、何よりも今はこの魔女を怯えさせたかった。
超常の魔女と言っても、見た目はまだ少女そのもの。
パッチリとしたインディゴブルーの目や、まだキメも細かくハリも失われていない肌、艶があり、それでいて柔らかさの残るモカブラウンの髪、若々しさを感じさせる肌の弾力感、そして彼女の使う薬のものなのか、しっとりとしているもののどこか体の奥底に訴えかけてくるような芳香。
その全てが、ティルの何かを徐々に崩していく。
「わたしはね、その眼をやめてほしいよ」
「どんな目をしてるんだよ」
魔女は、寂しそうに笑いながら。
「何か、このままわたしのことを壊してやるって目をしてる」
ティルの背中を、浅く押した。
何かが、完全に崩れた。
ティルは、恐らく自分が自覚している中では初めて、自分自身の衝動に任せてきつく勃起したモノを魔女の中に突き入れた。外見と同様に、体の中も少女のように脆くて、狭くて、すぐに奥が感じられる。その感覚に、ティルは夢中になっていた。
忘れたかった、何もかもを。
両親を謀殺されて引き取られた先で受けた陰惨な扱いも、それから強制されてきたおぞましい接待も、その中でようやく差した一筋の光すらも喪われたことも。
全て、全てが目の前で頬を艶めかしく染めながら甘い息を漏らしている魔女の責であるかのように、ティルは魔女を責め続けた。感情などとうになく、ただそうあるだけの獣であるかのように。
「はぁ、はぁっ、はぁっはあぁぁっ、」
苦しげに呻くティルを、魔女は微笑みながら見つめる。
その笑みすらも、ティルを苛立たせて。その苛立ちが、ティルの気持ちを過熱させる。もはや、森の獣にも勝る獣欲に衝き動かされるままに、少年は魔女を貪った。視界が徐々に白くなっていく。感じられるのは、モノに伝わってくる魔女の温もりと、服の脱げた胸にかけられる熱っぽい吐息のみ。
「ん……っ♪」
堪えきれずに漏れた――そんな嬌声が、ティルを壊した。
「――、ぁ――――」
大して声は漏れない。けれど、下腹部から脳へ駆け巡るような快感に抗うことなどできずに、ティルは魔女の奥深くで果てた。吐き出される欲望は留まるところを知らず、魔女の膣内には収まりきらずに足下を白く穢していく。
「…………、っ!?」
呆然としてその光景を眺めていたティルの首元に、鋭い痛み――痛みにも似た鮮烈な熱が走った。
反射的に首元に手を当てるが、その指はただ首の皮膚に触れるのみ。苦しい、熱い、これはまさか、魔女を犯した報い? いやだそんなの、もう意味がないからとって投げ出せるほど、僕は復讐以外を知らないのに……! 叫び出しそうになり、泣き出しそうになり、恐怖のあまり失禁して、狼狽えている間に熱はどんどん高まり、そして一瞬にして引いた。
拍子抜けして、ホッと一息ついたときだった。
「うん、首輪よく似合ってるね」
ティルのモノが突き刺さったままの姿勢で、魔女が笑った。
不意に触ったその首には、確かに革製と思しき首輪があり。
「これで、もうあなたはわたしの僕だから」
魔女の不敵な微笑み。
その日、ティルが人間として歩んできた生は、終わりを告げた。
「その眼をやめろ、魔女」
「どういう目してるの?」
「その……っ!」
きっと、言ったらこの魔女はまた愉しげに微笑むのだろう。それはあまりに不本意だったし、何よりも今はこの魔女を怯えさせたかった。
超常の魔女と言っても、見た目はまだ少女そのもの。
パッチリとしたインディゴブルーの目や、まだキメも細かくハリも失われていない肌、艶があり、それでいて柔らかさの残るモカブラウンの髪、若々しさを感じさせる肌の弾力感、そして彼女の使う薬のものなのか、しっとりとしているもののどこか体の奥底に訴えかけてくるような芳香。
その全てが、ティルの何かを徐々に崩していく。
「わたしはね、その眼をやめてほしいよ」
「どんな目をしてるんだよ」
魔女は、寂しそうに笑いながら。
「何か、このままわたしのことを壊してやるって目をしてる」
ティルの背中を、浅く押した。
何かが、完全に崩れた。
ティルは、恐らく自分が自覚している中では初めて、自分自身の衝動に任せてきつく勃起したモノを魔女の中に突き入れた。外見と同様に、体の中も少女のように脆くて、狭くて、すぐに奥が感じられる。その感覚に、ティルは夢中になっていた。
忘れたかった、何もかもを。
両親を謀殺されて引き取られた先で受けた陰惨な扱いも、それから強制されてきたおぞましい接待も、その中でようやく差した一筋の光すらも喪われたことも。
全て、全てが目の前で頬を艶めかしく染めながら甘い息を漏らしている魔女の責であるかのように、ティルは魔女を責め続けた。感情などとうになく、ただそうあるだけの獣であるかのように。
「はぁ、はぁっ、はぁっはあぁぁっ、」
苦しげに呻くティルを、魔女は微笑みながら見つめる。
その笑みすらも、ティルを苛立たせて。その苛立ちが、ティルの気持ちを過熱させる。もはや、森の獣にも勝る獣欲に衝き動かされるままに、少年は魔女を貪った。視界が徐々に白くなっていく。感じられるのは、モノに伝わってくる魔女の温もりと、服の脱げた胸にかけられる熱っぽい吐息のみ。
「ん……っ♪」
堪えきれずに漏れた――そんな嬌声が、ティルを壊した。
「――、ぁ――――」
大して声は漏れない。けれど、下腹部から脳へ駆け巡るような快感に抗うことなどできずに、ティルは魔女の奥深くで果てた。吐き出される欲望は留まるところを知らず、魔女の膣内には収まりきらずに足下を白く穢していく。
「…………、っ!?」
呆然としてその光景を眺めていたティルの首元に、鋭い痛み――痛みにも似た鮮烈な熱が走った。
反射的に首元に手を当てるが、その指はただ首の皮膚に触れるのみ。苦しい、熱い、これはまさか、魔女を犯した報い? いやだそんなの、もう意味がないからとって投げ出せるほど、僕は復讐以外を知らないのに……! 叫び出しそうになり、泣き出しそうになり、恐怖のあまり失禁して、狼狽えている間に熱はどんどん高まり、そして一瞬にして引いた。
拍子抜けして、ホッと一息ついたときだった。
「うん、首輪よく似合ってるね」
ティルのモノが突き刺さったままの姿勢で、魔女が笑った。
不意に触ったその首には、確かに革製と思しき首輪があり。
「これで、もうあなたはわたしの僕だから」
魔女の不敵な微笑み。
その日、ティルが人間として歩んできた生は、終わりを告げた。
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