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3、あまくて、からい。
あまい、あつい。
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放課後になって、やっと保健室から出たわたしを待っていたのは、水道かどこかでビショビショにしてからわざわざ持ってきたらしい、濡れた教科書とカバンだった。
「有栖、見なくていい。俺が片付けるから」
「ううん、平気だよ」
うん、それくらいのことは、もう平気だった。
だってほら、柿本くん、今もそうやって心配してくれたでしょ? それが本当に嬉しかったから、こんなのくらいなんでもないの。
だから、その代わり。
「あのさ、帰りに柿本くんのうち、寄ってもいい?」
「…………ん、」
照れたような声が、合図に聞こえた。
* * * * * * *
「んっ、ちゅ、ん、ふぅ、むぁ、はぁぁ――――」
キスだけで、身体の奥が熱くなる。
改めて思うんだ、柿本くんの声が、吐息が、指が、視線が、わたしに触れているというだけで、たったそれだけのことで、わたしはこんなにも救われる。
だから、だから。
「いいよ……?」
「……うん、」
ぐっ……、
「――――――、」
くちゅ、と身体のなかを潰されたような感覚になって、目の前がチカチカする。いつもより大きい柿本くんのが、ん、強くて、苦しい……っ、でも、いいの。
柿本くんの好きにわたしを使っていいの、柿本くんがほしいと思ったら求めていいの、だって、わたしはもう、柿本くんが世界だからっ、だから……っ!
「んっ、あっっ、もっ、と――――、いい、のっ、わた、し、おっ!! あぁぁっ!」
「はぁ、はぁ、はぁ……っ、有栖、すっごい……今日、ぐっ、」
「――――ちゅ、」
余裕の無さそうな顔に、唇を寄せる。
汗ばんだ唇のしょっぱさと、ちょっとだけ精子みたいな臭いも混ざった、けどそれ以上に熱っぽい匂いを吸うように、もう一度キスをする。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃっ、
重なった肌の間でくっついた汗が、湿った音をたてる。
この繋がった汗みたいに、わたしたちもひとつになれたらいいのに。そう思っても叶わないから、せめて――そう願いながら、わたしは必死に柿本くんに舌を絡めて、唾液を送る。
飲んで、わたしの涎、わたしを、飲んで、ひとつになって、あなたの一部にして……っ、
キスした舌先からビリビリしてくる。
身体の奥が震えて、また子宮の辺りがきゅっ、てなる。
その瞬間だった。
どくん――――、
「あっ…………!」
ゴム越しに、柿本くんが精子を射精したのがわかった。ぷくぷくっと膨らんだ先っぽから、一気に放たれる。
この感覚は好きだ、身体の奥まで柿本くんのものにしてもろるようで、身体の奥まで柿本くんのものでいていいよって許してもらえるようで。
何回も身体が跳ねたような気がした。あれ、なんか漏らしたような気もする――いいや、なんか、よくわかんない。嫌われるようなことしなければ、それでいい。
ぐったりと部屋の天井を見つめるわたしの腰がもう一度持ち上げられたような気がして。
はっきりしない意識のなかだったけど、持ち上げた手の温かさが心地よくて、そのつもりもないのに声が漏れていた。
窓の外で雨が降り始めたのが見えたけど、そんなのわたしには関係なかった。この、甘くて熱い時間がいつまでも続くなら、他のことなんて。
「有栖、見なくていい。俺が片付けるから」
「ううん、平気だよ」
うん、それくらいのことは、もう平気だった。
だってほら、柿本くん、今もそうやって心配してくれたでしょ? それが本当に嬉しかったから、こんなのくらいなんでもないの。
だから、その代わり。
「あのさ、帰りに柿本くんのうち、寄ってもいい?」
「…………ん、」
照れたような声が、合図に聞こえた。
* * * * * * *
「んっ、ちゅ、ん、ふぅ、むぁ、はぁぁ――――」
キスだけで、身体の奥が熱くなる。
改めて思うんだ、柿本くんの声が、吐息が、指が、視線が、わたしに触れているというだけで、たったそれだけのことで、わたしはこんなにも救われる。
だから、だから。
「いいよ……?」
「……うん、」
ぐっ……、
「――――――、」
くちゅ、と身体のなかを潰されたような感覚になって、目の前がチカチカする。いつもより大きい柿本くんのが、ん、強くて、苦しい……っ、でも、いいの。
柿本くんの好きにわたしを使っていいの、柿本くんがほしいと思ったら求めていいの、だって、わたしはもう、柿本くんが世界だからっ、だから……っ!
「んっ、あっっ、もっ、と――――、いい、のっ、わた、し、おっ!! あぁぁっ!」
「はぁ、はぁ、はぁ……っ、有栖、すっごい……今日、ぐっ、」
「――――ちゅ、」
余裕の無さそうな顔に、唇を寄せる。
汗ばんだ唇のしょっぱさと、ちょっとだけ精子みたいな臭いも混ざった、けどそれ以上に熱っぽい匂いを吸うように、もう一度キスをする。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃっ、
重なった肌の間でくっついた汗が、湿った音をたてる。
この繋がった汗みたいに、わたしたちもひとつになれたらいいのに。そう思っても叶わないから、せめて――そう願いながら、わたしは必死に柿本くんに舌を絡めて、唾液を送る。
飲んで、わたしの涎、わたしを、飲んで、ひとつになって、あなたの一部にして……っ、
キスした舌先からビリビリしてくる。
身体の奥が震えて、また子宮の辺りがきゅっ、てなる。
その瞬間だった。
どくん――――、
「あっ…………!」
ゴム越しに、柿本くんが精子を射精したのがわかった。ぷくぷくっと膨らんだ先っぽから、一気に放たれる。
この感覚は好きだ、身体の奥まで柿本くんのものにしてもろるようで、身体の奥まで柿本くんのものでいていいよって許してもらえるようで。
何回も身体が跳ねたような気がした。あれ、なんか漏らしたような気もする――いいや、なんか、よくわかんない。嫌われるようなことしなければ、それでいい。
ぐったりと部屋の天井を見つめるわたしの腰がもう一度持ち上げられたような気がして。
はっきりしない意識のなかだったけど、持ち上げた手の温かさが心地よくて、そのつもりもないのに声が漏れていた。
窓の外で雨が降り始めたのが見えたけど、そんなのわたしには関係なかった。この、甘くて熱い時間がいつまでも続くなら、他のことなんて。
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