それでも君といたいと願った

鏡上 怜

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いつもの風景

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 僕には、好きな人がいる。
 その人の好きな人になれたならよかったけど、まだまだそんな風になれそうにないことも、わかっている。

「ねぇ、真理亜まりあ。今日はちょっと飲み過ぎなんじゃないの?」
「いいの~、もう知らない、なんにも知らない!」

 …………、真理亜がこうなるときは、昔から大体パターンが決まっている。男から別れを告げられたり、男の浮気を見つけて別れを告げてきたときには、いつも、お酒を飲むようになってからはお酒を浴びるように飲むのが習慣になっていた。

「大丈夫だよ、真理亜。次はいい人が見つかるって、だって、真理亜は可愛いから」
「ううぅ、そう言ってくれるのゆうだけだよぉ~」

 僕の胸に顔を預けながら泣き出す真理亜。
 こんな光景を見るのも、もう10回は下らない。そのたびに思うんだ。

 僕なら、そんな風にはしないのに、って。
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