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知らない世界、知らない国、知らない街

一週間

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 訓練場では剣と剣同士がぶつかり合う音が響いていた。
 「ツバキちゃん、成長したねぇ。」
 拍手しながら汗を拭っているツバキにアハマは近づいた。
 「もう一週間も経つので。そりゃあ成長しますよ。早く、お兄ちゃんに会いたいから・・頑張らないと。」
 「一週間?」
 「あ、一週の間です。」
 「ツバキちゃんの一週間って言葉は一週の間って言うのか・・。」
 「ごめんなさい。まだ、この世界の言葉に慣れてなくて。」
 「いいよ。ツバキちゃんの世界の言葉を知れるのは楽しいからね。」
 ツバキはアハマとオーナーに違う世界にいたと言うことを話した。でも、元から知っていたような感じだった。
 「それで、ツバキちゃんは今、何を覚えたのかな?サクラにも教わってるんでしょう?姉さんにも。」
 「はい・・気配察知は簡単に覚えられたんですが・・他が難しくて・・」
 「気配察知は二の日で覚えてたよね?」
 「はい・・」
 ツバキは訓練を始めて2日で気配察知を覚えた。
 「よし、じゃあ、これから気配察知のテストをしようか。」
 何か閃いたのかアハマは手を叩き、そう言った。訓練場にいる人達を集め始めた。
 「アハマさんがこれから面白いことをするぞ。」
 ツバキの隣に来た大男がそう笑いながら言った。
 「・・これより、そこのツバキが気配察知のテストをする。そのため、皆に協力してもらいたい。」
 「お!俺はやるぜ!。」「私もアハマさんの手伝いが出来るなら。」
 やらない人は観戦するため、はじに避けていった。
 「さて、こんだけいればいいテストが出来そうだ。」
 やる人は十五人残った。
 「ルールを説明しよう。まず、ツバキ以外は順番を決めてもらう。ツバキ、少し離れた場所で耳を塞いでいて。・・・よし。ツバキ。戻っておいで。説明を続けよう。正午の鐘が鳴ったらテスト開始。それまで、ツバキ以外がこの訓練場のどこかに隠れている。正午の鐘がなった瞬間、さっき決めた順番でツバキに襲いかかる。ツバキは十五人中十人見抜けられたら合格だ。どうだ?面白いだろう?」
 ニヤッとアハマは口角を上げた。
 「アハマさん。何か・・報酬は?」
 大男が腰に手を置いて、「あるだろう?」という顔をする。アハマは、笑う。
 「もちろん・・ツバキが十人見抜けたら、この協会の食事券を二週の間分あげよう。そして、見抜けなかった場合。他の参加者には、『アハマと一対一のバトルの権利』を授けよう。」
 そう手を広げてそう宣言した。その途端、「おぉ!」と歓声が訓練場を包んだ。


 
 「うぁわ~。」
 【やっと起きたか。】 
 「おはよう・・」
 【・・いつまで寝てるつもりだ。】
 「そんな寝てた?」 
 【一晩。】
 その一言を聞いてキクは顔を顰めた。
 【なんだその顔は。】 
 「・・寝過ぎた・・寝過ぎて頭が痛い。」 
 【だろうな。ほれ、先に進むぞ!ぐずぐずするな。】 
 「分かった。分かったって。」
 精霊姿の氷狐ひょうこに引っ張られる。

 キクと氷狐は一周の間に『フォールドネル』の近く、『迷いの森』に到着した。
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