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家族
説得
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小屋の端に座らせられた僕は男を見上げた。
誰だ?
「んん!」
なんだって?知らないって?はぁ~
「んん!」
何か考えろって・・・無理に決まってるだろ!
「んーん!」
どうしろって言うんだ。
僕と僕の中の僕と口論していると男が振り向き舌打ちをして近付いて来た。
「うるせーな・・・」
「んん!」
男はポケットから何かを探して取り出した。小さい声で「あった、あった」と笑みを作りながら言っていた。取り出した物を僕の腕に押し付けた。何も起こらないことに疑問を浮かべながら男を見る。
「・・・・効果が出るまでに時差があるな・・・改善の余地あるな・・・」
そう呟きながら小屋の奥に行き姿が見えなくなった。だが、男が戻って来た。転がって。壁に当たったのかドゴッと重い音がした。何が起こっているのか僕も男も分かっていなかった。男は「何が・・・起こったんだ?」と呟いきながら立ち上がった。
「・・・よくも私の家で・・・私の大事な友達の弟を・・・」
どこからか女性の声が聞こえる。多分奥の方からだろう。
誰だ?
「んん!」
え!知ってる人なのか?
「ん!」
は?知らない?じゃ、なんで助けを求める?
「んんん!」
優しそうな声だから!えー、ハァ~
「どいて!邪魔・・・」
女性の足音が近付いて来る。
え、な、なんで?なんで、なんでここにいる?
「外すから動かないで・・・」
「あ、ありがとうございます?」
僕の中の僕がお礼を言う。
どうしてお前がここにいるの?あ、やばい眠気が・・・男が押し付けて来たのは睡眠薬のような物なのか・・・それよりどうしてお前がここにいる・・・
「『椿』」
僕はウトウトしながら思わず思っていたことが声に出た。幸い小さい声で女性には聞こえていないみたいだった。
おま、えは・・・あの時・・・助けたはず・・・なのに・・・なんで・・・ここに・・・・・
「キク君!大丈夫?キ・・・クく!」
最後まで女性の言葉は聞こえなかった。僕は眠りについてしまった。
僕が目を覚ましたら自分の部屋にいた。急いでリビングに行くと両親とサクラが話し合いをしているところだった。ドアの音に気が付いたのか全員が僕を見た。お父さんが立ち上がり
「・・・よかったぁ~もう!心配したんだぞ!」
「ごめんなさい。あの!僕を助けてくれた人って?」
「ん?キクを助けたのはサクラだぞ。」
「・・・サクラ?サクラなの?」
「・・・えぇ。」
見逃さなかったサクラが一瞬戸惑ったのを。
サクラ!どうして椿がここにいる!
「・・・キク・・・・」
小さい声でサクラは呟いた。
「後で、後でちゃんと言うから・・・今は旅に出る説得を・・・・」
小さい声で言う。両親には届いてなさそうだが僕にはちゃんと聞こえた。
分かった・・・僕の中・・・・言いずらいな・・・・
「・・・・お父さん・・・僕・・・」
言いずらそうに僕の中の僕・・・・僕の口はお父さんを見る。
「キク。そんなに旅がしたいのか?」
「うん!世界には僕が見たことないものがたくさんあるんだ!僕はそれが見たい。見たことないものをこの目で見たい!だめ?」
子供のように言う僕の口に僕は呆れていた。
どうしたらこんな口調になるんだ?僕はこんな子供じゃない!はぁ~
「・・・ねぇ、お父さん。キクは私達の血を引いているからじゃないかしら?私もお父さんも子供の頃『旅に出たい!』って言ったことあったわよね?キクの旅に出たいと言う希望を否定すると言うことはお父さん、貴方の昔の頃の希望も否定しているのと同じではないかしら?」
お母さんがお父さんに言う。お父さんは黙ってしまった。数分してお父さんが言葉を発した。
「お、お母さん・・・そんな・・・昔のことを言うなよ・・・・・・た、確かに俺の夢も旅をすることだったが・・・・」
「・・・お父さん・・もういいじゃない。ほら見てキクもサクラも逞しい目をしているのが分からない?お父さんの後ろ姿を見て育った我が子がこんな目をしてるのは嬉しいでしょう。」
「あぁ。確かにな・・・でも・・・・」
「そろそろ諦めなさい。一般市民が今の英雄様を見たら呆れてしまうわよ!」
「・・・・・分かった・・・キク!サクラと一緒に行動するんだぞ!そして必ず一週間後には顔を見せろ!」
「お父さん・・・・キク、サクラ・・・顔を見せなくてもいいから月に一回手紙を頂戴ね。キク!具合が悪かったらサクラに言う。良いわね?」
「「はい!」」
やっとのことでお父さんを説得することが出来た。ほぼお母さんの協力で出来たことだけど・・・・
ふぅ~。やっと終わった。で、サクラ。説明してもらえないかな?
「後で、ご本人と一緒に説明するから準備して明日行こう。」
「・・・・分かった・・・」
僕はサクラと部屋の前で分かれてベットにダイブした。疲れていたのかあっという間に寝てしまった。
ツバキさんとキクを合わせたら喜んでくれるかな?
ツバキさん・・・キクの前の人生の妹さん。兄が・・キクが死んで一人になってしまった。ツバキさん自ら異世界に行きたいと言った。兄と離れたくないと言った。だから私は禁忌を起こした。転生の番人は死んだ者しか転生させてはいけないことになっていた。私はツバキさんをそのままの状態で転移させた。生まれ変わるのではなくてそのまま・・・・・・
喜んでくれるといいな・・・・
誰だ?
「んん!」
なんだって?知らないって?はぁ~
「んん!」
何か考えろって・・・無理に決まってるだろ!
「んーん!」
どうしろって言うんだ。
僕と僕の中の僕と口論していると男が振り向き舌打ちをして近付いて来た。
「うるせーな・・・」
「んん!」
男はポケットから何かを探して取り出した。小さい声で「あった、あった」と笑みを作りながら言っていた。取り出した物を僕の腕に押し付けた。何も起こらないことに疑問を浮かべながら男を見る。
「・・・・効果が出るまでに時差があるな・・・改善の余地あるな・・・」
そう呟きながら小屋の奥に行き姿が見えなくなった。だが、男が戻って来た。転がって。壁に当たったのかドゴッと重い音がした。何が起こっているのか僕も男も分かっていなかった。男は「何が・・・起こったんだ?」と呟いきながら立ち上がった。
「・・・よくも私の家で・・・私の大事な友達の弟を・・・」
どこからか女性の声が聞こえる。多分奥の方からだろう。
誰だ?
「んん!」
え!知ってる人なのか?
「ん!」
は?知らない?じゃ、なんで助けを求める?
「んんん!」
優しそうな声だから!えー、ハァ~
「どいて!邪魔・・・」
女性の足音が近付いて来る。
え、な、なんで?なんで、なんでここにいる?
「外すから動かないで・・・」
「あ、ありがとうございます?」
僕の中の僕がお礼を言う。
どうしてお前がここにいるの?あ、やばい眠気が・・・男が押し付けて来たのは睡眠薬のような物なのか・・・それよりどうしてお前がここにいる・・・
「『椿』」
僕はウトウトしながら思わず思っていたことが声に出た。幸い小さい声で女性には聞こえていないみたいだった。
おま、えは・・・あの時・・・助けたはず・・・なのに・・・なんで・・・ここに・・・・・
「キク君!大丈夫?キ・・・クく!」
最後まで女性の言葉は聞こえなかった。僕は眠りについてしまった。
僕が目を覚ましたら自分の部屋にいた。急いでリビングに行くと両親とサクラが話し合いをしているところだった。ドアの音に気が付いたのか全員が僕を見た。お父さんが立ち上がり
「・・・よかったぁ~もう!心配したんだぞ!」
「ごめんなさい。あの!僕を助けてくれた人って?」
「ん?キクを助けたのはサクラだぞ。」
「・・・サクラ?サクラなの?」
「・・・えぇ。」
見逃さなかったサクラが一瞬戸惑ったのを。
サクラ!どうして椿がここにいる!
「・・・キク・・・・」
小さい声でサクラは呟いた。
「後で、後でちゃんと言うから・・・今は旅に出る説得を・・・・」
小さい声で言う。両親には届いてなさそうだが僕にはちゃんと聞こえた。
分かった・・・僕の中・・・・言いずらいな・・・・
「・・・・お父さん・・・僕・・・」
言いずらそうに僕の中の僕・・・・僕の口はお父さんを見る。
「キク。そんなに旅がしたいのか?」
「うん!世界には僕が見たことないものがたくさんあるんだ!僕はそれが見たい。見たことないものをこの目で見たい!だめ?」
子供のように言う僕の口に僕は呆れていた。
どうしたらこんな口調になるんだ?僕はこんな子供じゃない!はぁ~
「・・・ねぇ、お父さん。キクは私達の血を引いているからじゃないかしら?私もお父さんも子供の頃『旅に出たい!』って言ったことあったわよね?キクの旅に出たいと言う希望を否定すると言うことはお父さん、貴方の昔の頃の希望も否定しているのと同じではないかしら?」
お母さんがお父さんに言う。お父さんは黙ってしまった。数分してお父さんが言葉を発した。
「お、お母さん・・・そんな・・・昔のことを言うなよ・・・・・・た、確かに俺の夢も旅をすることだったが・・・・」
「・・・お父さん・・もういいじゃない。ほら見てキクもサクラも逞しい目をしているのが分からない?お父さんの後ろ姿を見て育った我が子がこんな目をしてるのは嬉しいでしょう。」
「あぁ。確かにな・・・でも・・・・」
「そろそろ諦めなさい。一般市民が今の英雄様を見たら呆れてしまうわよ!」
「・・・・・分かった・・・キク!サクラと一緒に行動するんだぞ!そして必ず一週間後には顔を見せろ!」
「お父さん・・・・キク、サクラ・・・顔を見せなくてもいいから月に一回手紙を頂戴ね。キク!具合が悪かったらサクラに言う。良いわね?」
「「はい!」」
やっとのことでお父さんを説得することが出来た。ほぼお母さんの協力で出来たことだけど・・・・
ふぅ~。やっと終わった。で、サクラ。説明してもらえないかな?
「後で、ご本人と一緒に説明するから準備して明日行こう。」
「・・・・分かった・・・」
僕はサクラと部屋の前で分かれてベットにダイブした。疲れていたのかあっという間に寝てしまった。
ツバキさんとキクを合わせたら喜んでくれるかな?
ツバキさん・・・キクの前の人生の妹さん。兄が・・キクが死んで一人になってしまった。ツバキさん自ら異世界に行きたいと言った。兄と離れたくないと言った。だから私は禁忌を起こした。転生の番人は死んだ者しか転生させてはいけないことになっていた。私はツバキさんをそのままの状態で転移させた。生まれ変わるのではなくてそのまま・・・・・・
喜んでくれるといいな・・・・
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