4 / 35
家族
両親
しおりを挟む
歌声が聞こえる。
もう・・・起きてもいいのかな?
「えぇ、起きていいよ。終わったから。」
誰かに声を掛けられた。それと同時に歌声も終わった。目を開ける。
「おはよう。キク。」
「だ、誰?」
「えー、サクラだよ。忘れた?」
「は?」
僕は飛び起きた。飛び起きてサクラをじーと見る。
大人びている。あれ?もっと子供じゃなかったけ?
「へへ。私の力で十五歳まで進めたの!これで私のご褒美のところまで行けるよ!。」
勝手に心を読むな。
「だって私、一応番人だったんだから。しょうがないでしょ?」
「はぁ~。で、サクラ。僕、十五年間寝ていたみたいだけどその間は?」
「もしかして記憶ない?」
「うんん。あるよ。ただ誰が僕の代わりに十五年間過ごしているのか気になるだけ」
「それはこっちで調整してキクぽい感じに・・・・まぁま、それよりさ。早く行こう。その前にやらないといけないことがあるけど・・・・」
サクラの言った『やらないといけない事』に疑問を感じながら着替えてサクラの元に行った。そこには両親が
腕を組んで座っていた。僕はサクラの隣に座った。
「キク。旅がしたいと言っていたな。その気持ちは変わっていないか?」
事実僕は初めて両親と会話する。なんだか緊張してしまい何を言っていいの迷ったが、目を覚ます前の僕が僕の変わりに何かを言ってくれるみたいで安心した。
「お父さん!僕はこの世界を見て歩きたい。小さい頃からの夢だったの知ってるでしょう。」
え?これが僕?全然似てないよ。
「・・・えへへ・・・」
隣でごめんと言う顔をしているサクラを見た。両親の方を向くとため息を吐いている。
「俺たちは心配なんだ。キク、お前は昔から病弱だっただろ?だから・・・」
はぁ?病弱設定?どう言う事だよサクラ
「後で説明するから・・・」
小さい声で言うサクラに内心諦めつつも両親と中の僕との会話を聞く。
「それでも僕は外の世界が知りたい。鳥のように鳥籠だけの生活は嫌だ。」
十五年間どういう生活を送っていればこんなセリフが出てくるのやら・・・
「・・・鳥籠って、別にキクを閉じ込めておきたいなんって思ってはいない。ただ、お父さんたちはだな。外で危険な目に遭うかもしれない。外で倒れてしまうかもしれない。食べる物がなくて餓死するかもしれないのを危惧しているんだ。」
僕はこんなにも父親に愛されているんだな・・・・
「キク・・・・お父さん!私もついていきます。それならいいですよね?」
「ダメだ。サクラにもまだ出来ないことがあるだろう?なぁお母さん。」
「あ、えぇ、そうですね。でも私は旅に出させてあげてもいいと思いますよ。もう二人だって成人しましたし、」
お父さんとは違い話のわかるお母さんだなと感心していた。するとお父さんは立ち上がり
「何を言っている!どうするんだ。可愛い我が子が怪我でもいたら・・・・あぁ、想像するだけで胸が痛い。・・・」
「・・お父さん、もしかしてただ行かせたくないだけでは?」
「あぁ、そうだよ。お前たちを外に行かせたくない。行かせたらもう何年もの間会えなくなるだろう?それが嫌だ。嫌だ。」
ガキ?
「ふ・・ふふ」
「サクラ!笑うな。本当のことだろう。」
「・・・ち、ちが、ふふ・・・」
過保護にも程があるだろ・・・どんだけ子供好きなんだ・・・・
「ム!お父さん!ダメなの?お父さんなら良いと言ってくれると思ったのに・・・・お父さんなんて嫌いだ。」
え!ちょっと、家から出てげばいいのか?体は動かしてくれないんだな。
中の僕に体が追いついていなく少し駆け出すタイミングを誤った。
「キク!」
お父さんの声が聞こえるが無視して家から出て行った。
行くところが分からず当てもなく走っていたらいつの間にか森のようなところに来た。帰り道が分からず
おい!僕の中!帰り道を教えろ。
「知らない。さっき言った通り僕は鳥籠で過ごしていたんだ。ここに来たのも初めてだ。」
はぁ~。
僕は完全に迷子。
「どうすれば・・・・」
ため息を吐いてその場にしゃがみ込んだ。
キクが家を出て行った後私も追いかけたが見失ってしまった。キクはこの辺を知らない。私は家に戻って伝えた。お父さんとお母さんは家の周りを探し始めた。私は意識会話をしようと試みた。
でも出来なかった・・・・・
もう・・・起きてもいいのかな?
「えぇ、起きていいよ。終わったから。」
誰かに声を掛けられた。それと同時に歌声も終わった。目を開ける。
「おはよう。キク。」
「だ、誰?」
「えー、サクラだよ。忘れた?」
「は?」
僕は飛び起きた。飛び起きてサクラをじーと見る。
大人びている。あれ?もっと子供じゃなかったけ?
「へへ。私の力で十五歳まで進めたの!これで私のご褒美のところまで行けるよ!。」
勝手に心を読むな。
「だって私、一応番人だったんだから。しょうがないでしょ?」
「はぁ~。で、サクラ。僕、十五年間寝ていたみたいだけどその間は?」
「もしかして記憶ない?」
「うんん。あるよ。ただ誰が僕の代わりに十五年間過ごしているのか気になるだけ」
「それはこっちで調整してキクぽい感じに・・・・まぁま、それよりさ。早く行こう。その前にやらないといけないことがあるけど・・・・」
サクラの言った『やらないといけない事』に疑問を感じながら着替えてサクラの元に行った。そこには両親が
腕を組んで座っていた。僕はサクラの隣に座った。
「キク。旅がしたいと言っていたな。その気持ちは変わっていないか?」
事実僕は初めて両親と会話する。なんだか緊張してしまい何を言っていいの迷ったが、目を覚ます前の僕が僕の変わりに何かを言ってくれるみたいで安心した。
「お父さん!僕はこの世界を見て歩きたい。小さい頃からの夢だったの知ってるでしょう。」
え?これが僕?全然似てないよ。
「・・・えへへ・・・」
隣でごめんと言う顔をしているサクラを見た。両親の方を向くとため息を吐いている。
「俺たちは心配なんだ。キク、お前は昔から病弱だっただろ?だから・・・」
はぁ?病弱設定?どう言う事だよサクラ
「後で説明するから・・・」
小さい声で言うサクラに内心諦めつつも両親と中の僕との会話を聞く。
「それでも僕は外の世界が知りたい。鳥のように鳥籠だけの生活は嫌だ。」
十五年間どういう生活を送っていればこんなセリフが出てくるのやら・・・
「・・・鳥籠って、別にキクを閉じ込めておきたいなんって思ってはいない。ただ、お父さんたちはだな。外で危険な目に遭うかもしれない。外で倒れてしまうかもしれない。食べる物がなくて餓死するかもしれないのを危惧しているんだ。」
僕はこんなにも父親に愛されているんだな・・・・
「キク・・・・お父さん!私もついていきます。それならいいですよね?」
「ダメだ。サクラにもまだ出来ないことがあるだろう?なぁお母さん。」
「あ、えぇ、そうですね。でも私は旅に出させてあげてもいいと思いますよ。もう二人だって成人しましたし、」
お父さんとは違い話のわかるお母さんだなと感心していた。するとお父さんは立ち上がり
「何を言っている!どうするんだ。可愛い我が子が怪我でもいたら・・・・あぁ、想像するだけで胸が痛い。・・・」
「・・お父さん、もしかしてただ行かせたくないだけでは?」
「あぁ、そうだよ。お前たちを外に行かせたくない。行かせたらもう何年もの間会えなくなるだろう?それが嫌だ。嫌だ。」
ガキ?
「ふ・・ふふ」
「サクラ!笑うな。本当のことだろう。」
「・・・ち、ちが、ふふ・・・」
過保護にも程があるだろ・・・どんだけ子供好きなんだ・・・・
「ム!お父さん!ダメなの?お父さんなら良いと言ってくれると思ったのに・・・・お父さんなんて嫌いだ。」
え!ちょっと、家から出てげばいいのか?体は動かしてくれないんだな。
中の僕に体が追いついていなく少し駆け出すタイミングを誤った。
「キク!」
お父さんの声が聞こえるが無視して家から出て行った。
行くところが分からず当てもなく走っていたらいつの間にか森のようなところに来た。帰り道が分からず
おい!僕の中!帰り道を教えろ。
「知らない。さっき言った通り僕は鳥籠で過ごしていたんだ。ここに来たのも初めてだ。」
はぁ~。
僕は完全に迷子。
「どうすれば・・・・」
ため息を吐いてその場にしゃがみ込んだ。
キクが家を出て行った後私も追いかけたが見失ってしまった。キクはこの辺を知らない。私は家に戻って伝えた。お父さんとお母さんは家の周りを探し始めた。私は意識会話をしようと試みた。
でも出来なかった・・・・・
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。


知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる