9 / 13
第9話:ビストロ・ルナ × ねこ又亭 コラボ企画!
しおりを挟む
ある日のねこ又亭——。
いつものように常連猫たちがマタタビ酒を楽しむ中、カウンターに座っていたルナが静かに口を開いた。
「……一つ、提案がある」
店の猫たちが、ルナに視線を向ける。
黒猫の又五郎は、盃を静かに置きながら言った。
「ほう」
ルナは腕を組み、真剣な眼差しで続ける。
「ビストロ・ルナとねこ又亭で、一夜限りのコラボ企画をやらないか?」
「コラボ?」
キジトラのトラ吉が盃を片手に眉をひそめる。
「お前の店とねこ又亭じゃ、料理の系統が全然違うだろ?」
「だからこそ、面白いんじゃないか?」
ルナは静かに微笑んだ。
「俺のビストロではワインが基本だが、ねこ又亭のマタタビ酒の良さも知った。
そして、お前たちの居酒屋料理には、洋食の技術を加えることで新たな魅力が生まれるはずだ」
ミケが興味津々に尻尾を揺らす。
「面白そうじゃない! それに、ねこ又亭にワインって新鮮かも!」
「おう、それならビストロにマタタビ酒も置くってのはどうだ?」
ゴンがニヤリと笑う。
「フレンチとマタタビ酒……意外と合うかもしれねぇな」
クロが静かに頷いた。
「ルナ、具体的にどんなことを考えてる?」
ルナは自信満々に答えた。
「ねこ又亭では、和食×ワインのペアリングコース。
ビストロ・ルナでは、洋食×マタタビ酒の特別メニューを提供する。
お互いの料理の良さを引き立てる組み合わせを考えるんだ。」
翌日、ねこ又亭とビストロ・ルナの厨房は、いつも以上に活気づいていた。
「こっちはワインに合う和食を試作するぞ!」
ゴンが包丁を握りしめる。
「だったら、カツオのたたきにバルサミコソースをかけるのはどう? さっぱりしてワインに合うと思う!」
ミケが提案する。
「お、いいな! それと、白ワインにはホタテのバター焼きも合いそうだ」
「じゃあ、俺のビストロでは、洋風の煮込み料理にマタタビ酒を加えてみるか……」
ルナが腕を組むと、トラ吉が驚いた顔で言った。
「おいおい、そりゃ危険じゃねぇか? 飯食っただけで酔っちまうぞ」
「いや、加熱すればアルコールは飛ぶ。
マタタビの香りだけがほんのり残るから、食欲をそそる味になるはずだ」
クロが静かに言葉を添える。
「なるほど……それはありかもしれねぇな」
ついに、ビストロ・ルナ × ねこ又亭のコラボイベントが始まった。
ねこ又亭では——
「カツオのたたき・バルサミコソースがけ」
「ホタテのバター焼き」
「焼き鳥の赤ワインソース」
普段マタタビ酒しか飲まない常連たちが、初めてワインに挑戦する姿が見られた。
「ワインってやつも、なかなかイケるな!」
「ミケ、ワインもう一杯!」
ねこ又亭のカウンターには、いつもと違う光景が広がっていた。
ビストロ・ルナでは——
「牛肉のマタタビ酒煮込み」
「チーズとマタタビのタルティーヌ」
「サーモンのカルパッチョ・マタタビ風味」
いつもは静かなビストロが、ねこ又亭の常連たちの笑い声で満ちていた。
「おい、これマタタビ酒の香りがほんのりして食いやすいぞ!」
「フレンチってもっと気取った料理かと思ったけど、これなら馴染むな」
ルナは、そんな猫たちの様子を静かに見つめていた。
(……こういうのも、悪くないな)
コラボイベントは大成功に終わった。
ねこ又亭の猫たちは、「ワインも意外といいな」と言い、
ビストロ・ルナの客たちは、「マタタビ酒も面白い」と驚いていた。
イベント終了後、ルナはねこ又亭のカウンターに座り、又五郎と向かい合った。
「……面白い夜だったな」
又五郎が静かに言う。
ルナは盃を傾け、小さく笑った。
「料理に“正解”はないんだな」
ねこ又亭の猫たちと触れ合い、マタタビ酒の可能性を知り、
ワインと和食の相性を試しながら——
ルナは、料理の楽しさを改めて実感していた。
「……また何かやるか?」
又五郎の問いに、ルナは盃を置き、静かに微笑んだ。
「気が向いたらな」
いつものように常連猫たちがマタタビ酒を楽しむ中、カウンターに座っていたルナが静かに口を開いた。
「……一つ、提案がある」
店の猫たちが、ルナに視線を向ける。
黒猫の又五郎は、盃を静かに置きながら言った。
「ほう」
ルナは腕を組み、真剣な眼差しで続ける。
「ビストロ・ルナとねこ又亭で、一夜限りのコラボ企画をやらないか?」
「コラボ?」
キジトラのトラ吉が盃を片手に眉をひそめる。
「お前の店とねこ又亭じゃ、料理の系統が全然違うだろ?」
「だからこそ、面白いんじゃないか?」
ルナは静かに微笑んだ。
「俺のビストロではワインが基本だが、ねこ又亭のマタタビ酒の良さも知った。
そして、お前たちの居酒屋料理には、洋食の技術を加えることで新たな魅力が生まれるはずだ」
ミケが興味津々に尻尾を揺らす。
「面白そうじゃない! それに、ねこ又亭にワインって新鮮かも!」
「おう、それならビストロにマタタビ酒も置くってのはどうだ?」
ゴンがニヤリと笑う。
「フレンチとマタタビ酒……意外と合うかもしれねぇな」
クロが静かに頷いた。
「ルナ、具体的にどんなことを考えてる?」
ルナは自信満々に答えた。
「ねこ又亭では、和食×ワインのペアリングコース。
ビストロ・ルナでは、洋食×マタタビ酒の特別メニューを提供する。
お互いの料理の良さを引き立てる組み合わせを考えるんだ。」
翌日、ねこ又亭とビストロ・ルナの厨房は、いつも以上に活気づいていた。
「こっちはワインに合う和食を試作するぞ!」
ゴンが包丁を握りしめる。
「だったら、カツオのたたきにバルサミコソースをかけるのはどう? さっぱりしてワインに合うと思う!」
ミケが提案する。
「お、いいな! それと、白ワインにはホタテのバター焼きも合いそうだ」
「じゃあ、俺のビストロでは、洋風の煮込み料理にマタタビ酒を加えてみるか……」
ルナが腕を組むと、トラ吉が驚いた顔で言った。
「おいおい、そりゃ危険じゃねぇか? 飯食っただけで酔っちまうぞ」
「いや、加熱すればアルコールは飛ぶ。
マタタビの香りだけがほんのり残るから、食欲をそそる味になるはずだ」
クロが静かに言葉を添える。
「なるほど……それはありかもしれねぇな」
ついに、ビストロ・ルナ × ねこ又亭のコラボイベントが始まった。
ねこ又亭では——
「カツオのたたき・バルサミコソースがけ」
「ホタテのバター焼き」
「焼き鳥の赤ワインソース」
普段マタタビ酒しか飲まない常連たちが、初めてワインに挑戦する姿が見られた。
「ワインってやつも、なかなかイケるな!」
「ミケ、ワインもう一杯!」
ねこ又亭のカウンターには、いつもと違う光景が広がっていた。
ビストロ・ルナでは——
「牛肉のマタタビ酒煮込み」
「チーズとマタタビのタルティーヌ」
「サーモンのカルパッチョ・マタタビ風味」
いつもは静かなビストロが、ねこ又亭の常連たちの笑い声で満ちていた。
「おい、これマタタビ酒の香りがほんのりして食いやすいぞ!」
「フレンチってもっと気取った料理かと思ったけど、これなら馴染むな」
ルナは、そんな猫たちの様子を静かに見つめていた。
(……こういうのも、悪くないな)
コラボイベントは大成功に終わった。
ねこ又亭の猫たちは、「ワインも意外といいな」と言い、
ビストロ・ルナの客たちは、「マタタビ酒も面白い」と驚いていた。
イベント終了後、ルナはねこ又亭のカウンターに座り、又五郎と向かい合った。
「……面白い夜だったな」
又五郎が静かに言う。
ルナは盃を傾け、小さく笑った。
「料理に“正解”はないんだな」
ねこ又亭の猫たちと触れ合い、マタタビ酒の可能性を知り、
ワインと和食の相性を試しながら——
ルナは、料理の楽しさを改めて実感していた。
「……また何かやるか?」
又五郎の問いに、ルナは盃を置き、静かに微笑んだ。
「気が向いたらな」
20
あなたにおすすめの小説
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる