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お前、俺なしで年越せんの?
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年末。
テレビでは「今年の重大ニュース」とかいう特集が流れ、街はすっかり年の瀬ムードだった。
真尋はソファに座りながら、スマホの画面をぼんやりと眺める。
家族のグループLINEには、「今年は帰ってくるの?」という母親からのメッセージが来ていた。
(……どうすっかな)
社会人になって初めての年末年始。
本来なら実家に帰るべきだろうし、家族に顔を見せておいたほうがいいのはわかっている。
だが、今の生活にすっかり慣れてしまったせいか、数日でも玲央と離れることが妙に落ち着かない。
「真尋、帰らねぇの?」
ふと、玲央が尋ねてきた。
キッチンでコーヒーを淹れながら、何気ない口調だ。
「いや……帰るけど……」
「なんだよ、その歯切れの悪さ」
玲央がコーヒーを片手に近づいてくる。
ソファに座り、真尋をじっと見つめた。
「……真尋のほうが寂しそうだけど?」
「は?」
「いや、俺は別に平気だけど」
「……」
そう言いながら、玲央はコーヒーを一口飲む。
「ほんとかよ」
「本当だし」
「玲央、俺がいなくても平気なんだ?」
「まあ、数日くらいは」
玲央は真尋の返事を聞くと、わざとらしくため息をついた。
「そっか。じゃあ、真尋は俺なしで年越せるんだ」
「……」
「別にいいけど?」
「……」
「まあ、俺は無理だけど」
「……黙れ、玲央」
真尋は顔を逸らした。
玲央のこういう直球なところ、本当にずるい。
「真尋、俺のこと気にせず、実家でゆっくりしろよ?」
「……いや、玲央がそう言うと逆に気になるんだけど」
玲央が満足げに微笑む。
「じゃあ、帰るのやめる?」
「……」
「どうする?」
真尋はスマホを見つめながら、小さく息を吐いた。
年明けは、玲央と一緒に過ごすほうが落ち着く気がしてならなかった。
テレビでは「今年の重大ニュース」とかいう特集が流れ、街はすっかり年の瀬ムードだった。
真尋はソファに座りながら、スマホの画面をぼんやりと眺める。
家族のグループLINEには、「今年は帰ってくるの?」という母親からのメッセージが来ていた。
(……どうすっかな)
社会人になって初めての年末年始。
本来なら実家に帰るべきだろうし、家族に顔を見せておいたほうがいいのはわかっている。
だが、今の生活にすっかり慣れてしまったせいか、数日でも玲央と離れることが妙に落ち着かない。
「真尋、帰らねぇの?」
ふと、玲央が尋ねてきた。
キッチンでコーヒーを淹れながら、何気ない口調だ。
「いや……帰るけど……」
「なんだよ、その歯切れの悪さ」
玲央がコーヒーを片手に近づいてくる。
ソファに座り、真尋をじっと見つめた。
「……真尋のほうが寂しそうだけど?」
「は?」
「いや、俺は別に平気だけど」
「……」
そう言いながら、玲央はコーヒーを一口飲む。
「ほんとかよ」
「本当だし」
「玲央、俺がいなくても平気なんだ?」
「まあ、数日くらいは」
玲央は真尋の返事を聞くと、わざとらしくため息をついた。
「そっか。じゃあ、真尋は俺なしで年越せるんだ」
「……」
「別にいいけど?」
「……」
「まあ、俺は無理だけど」
「……黙れ、玲央」
真尋は顔を逸らした。
玲央のこういう直球なところ、本当にずるい。
「真尋、俺のこと気にせず、実家でゆっくりしろよ?」
「……いや、玲央がそう言うと逆に気になるんだけど」
玲央が満足げに微笑む。
「じゃあ、帰るのやめる?」
「……」
「どうする?」
真尋はスマホを見つめながら、小さく息を吐いた。
年明けは、玲央と一緒に過ごすほうが落ち着く気がしてならなかった。
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